山本一力のレビュー一覧

  • 八つ花ごよみ(新潮文庫)

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    短編集。
    どれも心温まる作品。
    いくつかの熟年夫婦を描いた物語は、こんな風に夫婦二人、歳を重ねていけたらいいなぁと思わせる。
    ただ、少し切なく悲しい結末もあり。

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    2012年10月10日
  • くじら組

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    山本一力さんの作品、なんとなく一気読みしてしまうんですよね。この作品は、クジラの心理まで 書いてある。少し笑ってしまったけど。ペリー来航の土佐藩領内での発見と、マッコウクジラや、幕府隠密の働きが並行して 話がどんどん進んでいく。山本さんの作品はほんのりとしたお話が多い中、時々緊張感のある作品がある。楽しく読めました。

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    2016年11月27日
  • 八つ花ごよみ(新潮文庫)

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    一力節の市井もの。花を小道具にした八編の短編。それぞれの作品がある程度の年齢を重ねた男や女を主人公にしていることに特徴がある。同じ市井ものでも、山本周五郎、藤沢周平、この山本一力、それぞれに違いがある。周五郎は、哀しみあるいは悲しみ、人生に耐える人々を描いている。周平は、庶民の一途さや、やさしさが主眼。一方、一力は、江戸っ子の粋、あるいは、意気地、が前面に出ている。こう思うが、他の人は、どう思いますか。

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    2012年09月06日
  • 梅咲きぬ

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    ネタバレ

    連れが大好きな本というので読み出したけれど、最初ははこの淡々としたテンションに慣れず、何がそんな良いのか?と思いながらダラダラ読んでました。
    しかし、玉枝が成長していくにつれ、母のその凛とした生き方が玉枝にうつっていき、その真っ直ぐな、恥のない生き方が、本当に素敵に思えました。
    ただ、八木との一途な恋も良かったのですが…40を過ぎてたった一回の口づけだけの恋というのは、ちょっと切なすぎると思いました。
    ぜひ、もう一周したいです。

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    2012年09月02日
  • くじら組

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    くじらを追う漁師。開国を迫る黒船。
    視点が複数の物語を読むのが苦手になってきたのか?どちらの視点も面白かったと言いたいのに言い切れない。鯨と漁師の交流?はありそうでなさそうで、でもあれば楽しい。土佐の鯨漁師の心意気をちゃんと受け継いでいたらもっと違う国になっていたのかしら?

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    2012年08月03日
  • 損料屋喜八郎始末控え

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    喜八郎以下、損料屋の面々と秋山がいいな〜と読んでいたが、
    伊勢屋や政八も良い感じに。
    作者の人柄が忍ばれるシリーズ。
    次も楽しみ。

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    2012年07月23日
  • 研ぎ師太吉(新潮文庫)

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    やっぱり山本一力作品は素晴らしい。江戸の人情が溢れていて、真っ直ぐな人間が是とされ、その人情に包まれる様が温かい気持ちにさせてくれる。言葉の選択も好き。今回出て来た同心の長田さんは、これまた私の大好きな長谷川平蔵(鬼平)にキャラが似ていてのめり込みたい放題。現代に戻る為に、東野圭吾作品あたりを読まないと、「がってんでさー!」など口走りそうで怖いわ。

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    2012年07月17日
  • 深川駕籠

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    第三巻目「花あかり」を先に読んでからでしたが、第三巻と変わらず、男気溢れる場面が多く、縁起かつぎ、落とし前、啖呵を切るなど江戸っ子チャキチャキの話が満載。読後感はスッキリ。

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    2012年06月22日
  • いすゞ鳴る

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    御師の第六感的な力が江戸と土佐の人々を結び付けてゆく。
    著者の描く商人が好きでこれまで何冊か読んできたけど、このお話はちょっと不思議系で読み慣れず戸惑った。

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    2012年05月29日
  • 牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二)

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    危険な目に遭うシーンとか、逆境のシーンがあまり好きではない私でも、全体的に順調すぎたなぁと思いました。

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    2012年05月28日
  • 八つ花ごよみ(新潮文庫)

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    主に熟年夫婦を題材にした8つの時代短篇小説。
    山本さんのデビュー当時の私の書評には「どの作品も時代小説らしいしっとりした情緒の中で、物語が悲惨にならずポジティブです。そして爽やかな読後感が得られます。そこが山本一力さんの魅力ですね」とあります。
    その後、数作は江戸の庶民、特に小商人を主人公にした成功物語が次々に出され、気持ち良く読ませて貰っていました。
    しかし、多作になるにつれ物語が荒れて来て、新刊に手が出なかったり、たまに手を出しても失望したりを繰り返してきました。
    この作品は、失望とまでは行きませんが、やはりどこか「急いだ」感じや「手抜きとは言わないが、十分に詰めてない」感じがします。

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    2016年07月23日
  • 損料屋喜八郎始末控え

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    山本一力単行本デビュー作。
    御家人を救うために借金を踏み倒す「棄捐令」。その後の締め貸し(貸し渋り)による景気低迷が、この後の山本一力の殆どの連作作品の時代背景となっている。日本経済の長期低迷と重ねあわせていたのだろうか。

    上司の不始末の責めを負って同心の職を辞し、庶民相手に鍋釜や小銭を貸す損料屋に身をやつした喜八郎が、金の力を笠に着て巨利を貪る「札差」に立ち向かう。
    その後の一連の深川人情物とは少し色合いが違い、シリーズを意識した作品。

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    2012年05月19日
  • だいこん

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    江戸、浅草で「だいこん」という一膳飯屋を営む若い娘「つばき」の半生。「つばき」が炊いたご飯は天下一品。きっぷが良く、思ったことははっきり言い、自分が信じたところを突き進む。
    「人が働く様は美しい。」「中途半端な才覚よりも、誠実であることの方がはるかに尊い。」
    山本一力は、江戸という時代、深川・浅草という下町で様々な生業で地道に生きる人々を丹念に描く。しかもその多くは親子の姿。そして粋・器量・心意気。

    「梅咲きぬ」は老舗料亭。「あかね空」は京風豆腐屋。 「菜種晴れ」は天ぷら。「かんじき飛脚」は飛脚屋。「まとい大名」は火消し。「だいこん」は一膳飯屋。もうここまでくると、一冊一冊の作品の善し悪しで

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    2012年05月15日
  • まとい大名

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    気迫で「炎のほうが逃げていく」と言われ伝説となった父、命を賭した火消しを継いで成長してゆく息子。火消し親子の物語。
    火消しに命を張る男たちの誇り高い姿と男の見栄を描いた江戸火消しの心意気と人情。

    「武家は命を捨てる覚悟が甘くなっている。」「火消しにはぶっとい骨の通った男たちが、群れを拵えております。この稼業で絶対にやってはならねえのが、筋違いの振舞いなんでさ。」
    「ひとつの間違いが仲間全員の命を危うくする。ゆえに現場の状況が読める格上の者には断じて口答えは許されない。短く答えて、ただちに動く。これが火消し社会の絶対の掟。」
    山本作品には、滔々と流れていくような清冽さや震えるような心理描写はな

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    2012年05月12日
  • いすゞ鳴る

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    西條奈加『御師弥五郎』が面白かったので、「御師」物をもう一冊読んでみました。こちらは、土佐の捕鯨や江戸の大地震(ボラ大発生がものすごい印象的)が同時にテーマになっていて、読み応えあり。「御師」がツアーガイド的側面と、宗教者的側面があり、その点でも面白い。お伊勢参りに行きたくなってしまった。

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    2012年05月06日
  • かんじき飛脚(新潮文庫)

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    「三度飛脚」は、江戸・金沢間570kmを毎月3度、夏場なら5日間で走り抜く。平場なら15kgの荷を担ぎ一日に80km走り抜く。しかも、「同じ側の手足を同時に出すのが飛脚の走り方。体がよじれなくてすむため、見かけには不器用でも長い道中を行くには身体にやさしい走り方。」本当だったらすごい。
    「筋」は、幕府の棄損令による世情の不満を転化するため、外様への仕掛けを強める。取り潰しを防ぐため加賀から秘薬「密丸」を運ぶ三度飛脚とそれを阻止するお庭番の攻防という流れだが、「本筋」は飛脚達の生き様、それを取り巻く人たちの思い。
    筋としては多少無理があり、もう一つに見えるかもしれないし、終章の攻防にそれぞれの思

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    2012年05月12日
  • 大川わたり

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    一力得意の安心して読める本
    自分の借金のせいで大川を渡ることが出来ず、数々の苦境に立たされる。
    最後までハラハラさせられたが、結末は多くの方々に支えられハッピーエンド。ちょっと大掛かり過ぎて疑問も⁉

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    2012年05月04日
  • はぐれ牡丹

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    少しミステリー要素が入ったような時代小説。ちょっと都合の良い終わり方に疑問はあるが、主人公の一乃がいきいきと描かれている。作者得意の?改鋳ネタを今回もベースにしている。そういうところはうんざり感がなきにしもあらず(´・_・`)

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    2012年03月18日
  • 損料屋喜八郎始末控え 粗茶を一服

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    シリーズ3作目
    前作では主人公と相思相愛の料亭の女将と一緒になることを皆が祝福していたのに、今作では最後に話しが出て来るくらい。因縁の伊勢屋とどんどん親しくなって行く。ライバルから親友?

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    2012年03月07日
  • 深川黄表紙掛取り帖

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    ネタバレ

    設定がもの凄く好みなんだけど、なんだかのめり込めなかったんだよなあ。
    でもなんか好きだなあ、という読後感。これはきっと大人になってから(そういうと今のわたしは何なのかということになるが)、もう一度読み返すと別の感想が得られそうな気がするから、数年後にもう一度読み直そう。

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    2012年06月28日