あらすじ
「情け」を知る、真の大人たれ!
「一生もの」と言い訳しながら買った高級コーヒーメーカー、20回以上劇場で見た映画『冒険者たち』、iPodに詰め込んだ落語に浪曲、クラシック……。仕事に追われながらも楽しみの探求は怠らない。腹の立つことの多い現代だが、見事な大人の判断で人を救い、幸せの輪を広げる人は多い。人気時代小説家の気風が光る、「週刊文春」連載エッセイ第3弾。
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Posted by ブクログ
「情け」を知る真の大人たれ!(帯より)著者の人情と気風にあふれた60余りのエッセイ集。ほろ苦くもあり面白い!!
新聞配達をしていた高校卒業までの4年間、毎年用意してくれたクリスマス・プレゼント、その配達先の奥方への感謝の想いを綴る「賢者の贈り物」。『生きるのがいやになったとき、読む本があります。一緒に探しませう』と店の横に貼り紙がある古書店のご主人の「人生、ええもんや」。
iPodに浪曲、落語、ベートーベン交響曲全集、オールディーズなど収め「iPodへの冒瀆だあ」と長男に詰られ、熟知したら、相当過激なユーザーにと豪語する「これは便利だ」。
ロードレーサー用ジャージーに長ズボン、サングラスに帽子というスタイルで自転車仲間とグアム島へ、著者だけ入国審査官に「イレズミを見せなさい」と、その筋の方ではないか怪しまれてしまう「濃いオイル」など、表題作のタイトルになってる“くじら”は最後の章で触れられていた。ちなみに最近読んだ『ジョン・マン』にもこの鯨組の話が書かれていた。
お酒は呑めないし煙草も禁煙されコーヒー党だと云う著者。TVで著者を拝見し、一見強面な感じがして実は密かに思っていたのだが、「濃いオイル」を読んで、やっぱり私だけではなかった・・・(-_-;)