山本一力のレビュー一覧
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江戸時代中期、幕府の緊縮政策に喘ぐ旗本・武家は世の経済を停滞させていた。その状況を打破すべく幕府がとった方法は、旗本を配下に置く外様大名への発破であった。時を同じく、幕府から宴(=呼び出し)を持ちかけられた加賀藩と土佐藩は、公儀に対して、それぞれに知られたくない状況を持ち合わせていた。なんとしても宴の折にそのことが呈しないよう、加賀藩は国許からあるものを飛脚を使って取り寄せる。当然、公儀もそのことは内偵しており、阻止せんと御庭番に命じる。
幕府と大名との思惑の狭間で、使いとして責務を全うしようとする飛脚にスポットライトを当てた時代小説。
時代背景の描写はともかく、中盤~終盤にかけての展開には -
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機内Wi-Fi繋がらず、諦めて読書。ここで作業する予定だったからスケジュールの狂いは痛い。さて、この人の作品には珍しく、戦国武将とその妻、と言うプロット。波川玄蕃と言う、長宗我部元親支配下の武将の話。山本一力のもう一つのベースである土佐ものだが、時代と登場人物が普段と全く異なるのに、機微の描き方が割と似通うのでちと違和感。史実に脚色を加えたものとは言え、元親があまりにも卑屈な人物に描かれるのもなぁ。この人のうまさは市井の人々の暮らしと心意気を文にするとこだから、やはり損料屋喜八郎シリーズとかのがフィット感は良い。まあでもたまには。江戸もの描き飽きたのか、最近土佐もの大作系多いよねえ、次はジョン
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山本一力さん、けっこう好きな歴史小説家さんです。
年末も残すところ2、3日というタイミングで、何か年内にさくっと読み終わりそうなものということで積読本の中から選んだのがこの本です。
あらすじ
舞台は江戸中期の深川の料亭「江戸屋」。女将である三代目秀弥の一人娘の玉枝が物語の主人公です。
物語は玉枝が6歳の夏から始まります。老舗の料亭の一人娘として、母親である三代目秀弥を継ぎ、四代目秀弥となることを子どもの頃から定められ、期待される中で成長していく玉枝と、彼女を温かく、時に厳しく見守る母親を始め周囲の人々との触れ合いを描いた作品。
主人公である玉枝の将来の姿である四代目秀弥は、山本作品にはたびた -
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歴史小説家、山本一力さんのグルメなエッセイ。
山本さんが出会ってきたステキなお店と食事について、
エピソードとともに綴っている、
味の記憶=「味憶(みおく)」のエッセイ集。
この人の小説がけっこう好きで、
周五郎読み終わったらたくさん読みたいなと思ってるんですが、
山本さんについて知らないことがけっこうたくさんあった。
まず、会社員経験がかなり長いんですね。
小説家デビューは50近くになってから。
この本で紹介されているお店の多くも、
会社員時代に見つけたお店だったり。
そして、山本さんは1948年生まれ。親父と一緒だ。
うちの親父はそれほど美食家じゃあなかったから、
どうということも