山本一力のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
期待してたのにちょっと期待先行だったかな。大店のあるじと賭場の貸元、ふとしたことから立場の違いを越えた男と男の腹を割った付き合いが始まる。やがて大店の乗っ取りの企てが明らかになり息を引き取る大店の主は後を貸元に託す。そして乗っ取りの仕掛け屋一味との対決が始まる。いまいち付き合いが始まるきっかけが強引な感じがする。乗っ取りの黒幕の意図もちょっと弱いって言うか、登場も少ないせいか影が薄すぎると言うか。乗っ取り屋一味も親分意外ちょっと間抜けが多いし、敵にしては不十分。ま、そんなこんなでも山本一力の世界は生き生きとしている。男気、ここぞと見込んだら信じついていく、そんな虚構の世界にほっとする。2005
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購入済み
季節の描写に違和感
話はまあまあ面白かったので最後まで読んだが、作者が旧暦を理解していないと思わせるところが多々あって残念な作品だった。
出だしで八月二十日を夏のように書いてあるが、天保六年八月二十日は新暦では1835年10月11日頃なので違和感があった。
物語の中にあちこち日付と季節の描写があるが季節感がおかしく作品を楽しめなかった。
例えば、天保九年八月晦日(二十九日、新暦1938年10月17日頃)の午後4時台に幼い主人公が行水するくだりがあるが、かなり寒いと思う。
師匠が主人公が家紋をすべて習得する期限を五月三十一日としたが、旧暦には三十一日は無い。
嘉永元年に「川開きすると間もなく梅雨入りをむかえた」とあ