あらすじ
中学生の謙吾は、母と妹を追って高知から上京した。昭和37年、新聞配達でまわるワシントンハイツは、渋谷区にありながらアメリカそのものだった。謙吾は高校を卒業し、旅行会社へ就職する。東京オリンピックや万博に沸く昭和。ひたむきに働き、ひたむきに恋をする。自身の青春を描いた、初めての現代小説。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
時代小説 人情小説の 著者の
「自伝」的 小説・・・エッセイとしても捉える事ができる
人のドラマの中に
物語の 綴り手の核がある
早い時期に この作品を読んだおかげで
山本一力作品が 更に 身近に感じる事が
出来るようになった
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山本一力作品では珍しい東京オリンピック時代を駆け抜けた青春ストーリーでした。
高知での幼少期から始まり、東京に移住し住み込み新聞配達時代の生活に移り、最終的には旅行代理店の会社員として海外業務を経験する成長ストーリーですが、そこの成長に合わせ、いろいろな女性関係が絡んでくるという、なかなか面白い話でした。
でも、やはり山本一力作品は現代作品よりは江戸時代作品のほうが個人的には好きですね!
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戦後、高度成長期が舞台の青春小説。
少年期だけでなく、会社員になってのことまで。
この本が、山本一力さんを読んだ初めて。
きれいごとばかりじゃないけど、さわやか。
山本さんの本をもっと読みたくなった。
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時代は昭和37年。実はオレの生まれた年だ。
この頃にどのようなことがあったのか、時代背景を踏まえて読むのが別の面白さもあった。
謙吾は様々な人と係わり合いながら、だんだん仕事に打ち込み認められてゆく。
特に新聞販売店に住み込み、当時代々木にあった「ワシントンハイツ」と接点があったことがその後の彼の人生を左右することになる。
ワシントンハイツとは東京駐留の米軍将校のための住宅団地であり、まさに「フェンスの向こうのアメリカ」だったそうだ。
彼はワシントンハイツの中に新聞を配りながら、英語を習得していく・・。
そして旅行会社で獅子奮迅の活躍をするのだ。
しかし、彼には別の一面があった。
それは女性に対してマメであること、常に多くの女性と触れ合っていなければ落ち着かないのだ・・
小説の表現にも結構エロティックな表現も多かったので、そのあたりはオレ的には×だった。
まあ、若い頃は誰もが「サカリのついた犬」のような経験もあるだろうけど(笑)
英語の話せないオレとしては、若い頃にもっと勉強すればよかったかな・・とも思わせる小説だった。
Posted by ブクログ
1960年代から70年代の、高度経済成長期を舞台に、高知から上京した青年が、新聞配達をしながら得た経験をもとに成長していく様を描いた青春小説。
著者は時代小説の名手で、おそらくこれが唯一の現代小説。
著者自身の経験をもとに書いていると思われるのですが、なんだか主人公のやることが上手くいき過ぎているところがちょっと鼻につきました。
やっかみ過ぎ?(苦笑)
Posted by ブクログ
1人の青年が仕事と恋愛に葛藤する様子を描いた作品です。
愛する気持ちをいつの間にか知っても、その愛が続くとは限らない。そんな誰もが経験するリアルが描かれています。
恋愛は不誠実なのに仕事は誠実。
何に対しても一直線に一生懸命で、目の前のこと、目の前にいる人を大切にする主人公健吾の生き方は、不思議となんだか憎めません。
物語ではワシントンハイツとの出会いが、後の健吾の人生に大きな影響を与えています。
私達も誰かや何かとの出会いが旋風となり、一瞬先の未来の自分と、遠い知らない誰かまで届いているのかもしれない。そう思うと、人生が少し愛おしく感じる気がしました。
社会に出たばかりの青年時代を懐かしく思う、そんな世代の方も面白く読める作品だと思います。
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山本一力、初の現代を舞台にした物語にして、自伝的小説。
幾多の出会いと別れを繰り返しながら成長していく一元謙吾。
昭和30から40年の東京の風景は見たこたとないが、どこか懐かしく新鮮な感じがした。
自分が出来ることを精一杯、取り組む謙吾が眩しかった。
Posted by ブクログ
デビュー当時、『蒼龍』や『あかね空』で大好きになった山本一力さんですが、最近はどうもいけません。そんな事から、この本も前から気には成っていたのですが、なかなか手が出なくて。
やはり、ダメでした。
初期の作品にはどこか挫折感のようなものがあって、それが物語に深さを与えていたように思います。でも最近の作品は、次から次に同じように中途半端な高さの山を作り、それをこなしている感じで、どうもメリハリがなく騒々しく。
主人公(自伝的小説ですが)の人間性も好きになれないし。。
Posted by ブクログ
時代小説で人情ものを書かせたら外れなしの山本一力さんの初めての現代小説、だそうです。時代設定が違うだけで似た感じの作風を期待して読んだのでちょっとビックリ。このところこういうビックリが続いてますがエロシーンが丁寧に書いてあり、それは私小説風の青春小説ならではのメインテーマなんだと思いますが、なんだか小説というより自叙伝というか日記を読んだみたいな感じでまとまりはあまりなく、実際にはそういうものかもしれませんが中学時代の四国の友達はそれきり出てこないし、野先さんとのエピソードも完結してない風だし、或る一人の人生のある時期をここからここまで、とチョキンと切ってその間だけ広げて見せてもらった、というような感じでした。面白かったんですが期待してた感じと違ったのでなんだか拍子抜けしました。なので★3つですが本当は4つくらいかな。