あらすじ
わけあって刀を捨て、町人として損料屋を営む喜八郎。近ごろ江戸で大人気の湯屋の裏側を探るうち、大掛かりな犯罪に気づく…(表題作)。喜八郎と札差の伊勢屋四郎左衛門が、規模こそ違うが同じような詐欺にあう。その意外な犯人とは…「逃げ水」。密かに想い合う喜八郎と老舗料亭の女将・秀弥。二人に仕掛けられた粋な悪戯…「初雪だるま」。江戸・深川を舞台に、情に厚く男気溢れる喜八郎が、札差たちと権謀術策の限りを尽くして渡りあう連作時代小説シリーズ第2弾。
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とにかく面白かった!最後の方を読み進めるうちになんとなーく結末がわかってくるけれども、それをはるかに超越した多幸感にあふれるラストは最高すぎる。そして伊勢屋も政八もいい人になってきている感じ。全く趣旨は違うが、読み終えてなんとなく鬼平犯科帳の「密偵たちの宴」を思い出した。
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『損料屋喜八郎始末控え』シリーズ2作目は5編からなる連作。再読。
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1作目より更に趣向が凝らされ、楽しませてくれる作品に仕上がっていました。
前半3編の中心は定番どおり喜八郎の活躍なのですが、伊勢屋については人間味溢れる意外な横顔も描かれていて、シリーズの奥行きを広げてくれていました。
特筆すべきは後半2編です。
まず、喜八郎と伊勢屋という知恵者が騙りに遭う「逃げ水」。首謀者はなんと江戸所払いとなった笠倉屋でした。おまけに笠倉屋本人は最後まで姿を現さず書状のみの登場で、意趣返しというよりピリッと辛い無沙汰の挨拶という設定が、全くもってシャレていました。
そして、最終話「初雪だるま」が秀逸でした。
喜八郎と秀弥以外のレギュラー陣が手を組み、恋には奥手な2人を取り持つという内容で、実にいい年になりそうなエンディングとなっています。
2作目にしてシリーズ完結かと思わせるほどの出来栄えでした。満足しました。
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損料屋さんシリーズの続編。
前作は、ちょっと不満が残るモノでしたが・・・
今作は読みやすさ、読み応え、盛り上がりとその他モロモロ、大きくスケールUPしていると思いました。
脇役の面々もいい味出しています。
こりゃ面白い。
最終章は、主人公のみならず読者まで「騙り」にあったような趣向でした。
こりゃ楽しい。
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損料屋喜八郎始末控え・2
「逃げ水」と「初雪だるま」の“ドッキリ”2作品が好きです。
笠倉屋も、なかなかやるじゃん。と思ってしまいました。
伊勢屋は、喜八郎の“好敵手”みたいなポジションに収まりつつありますね。
前作ではムカついていた、政八の“お子様おっさん”ぶりもなんだか可愛く思えてきました(笑)。
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損料屋喜八郎シリーズの第2弾で5つの短編から構成されておりましたが、相変わらずの江戸深川を舞台に、主人公喜八郎を中心とした、下町義理人情や人と人との絆だったり、いがみ合いつつも、どこかで互いを認め合い、助け合う姿という江戸下町の粋な人間模様や姿勢がすばらしく表現されています。
皆が喜八郎と江戸屋女将の秀弥のじれったい恋愛を後押しする姿も良かったです!
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なんだか胸がすうっとする。気づくと、口元が緩んでいる。
喜八郎はもちろん男前だけど、一癖ある伊勢屋、笠倉屋もかなりのいい味。読んでいると、喜八郎や秋山と一緒に心のなかで舌打ちしたくなること度々の、どうしょうもない米屋政八も、なんだかちょっと憎めない。そうして、やっぱり一力さんの描く江戸は、なんとも魅力的な町なのです。
損料屋喜八郎始末控えの続編となる連作短編なので、損料屋~から読まれることをお勧めしたい。
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シリーズ第二弾。連作短編、5つの短編からなる。伊勢屋が詐欺にあい、喜八郎も詐欺にあう。詐欺師は同一人物であった。俊造とその娘・おまきの話は気持ち良い。最後はオールキャストで喜八郎と秀弥をくっつけようとする微笑ましい話。
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内容(「BOOK」データベースより)
上司の不始末の責めを負って同心を辞し、刀を捨てて損料屋を営む喜八郎。不況の嵐が吹き荒れる江戸に新しく普請された、大人気の湯屋「ほぐし窯」の裏側を探るうち、公儀にそむく陰謀に気づく…。喜八郎と仲間たちの活躍、そして江戸屋の女将秀弥との、不器用な恋の行方は?傑作時代小説シリーズ第2弾。
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損料屋喜八郎の2作目。
一作目を読んでいないのは失敗だった。登場人物の多くが、前作からの因縁を背負っているので、「何かあったらしい」としかわからないのが少々引っかかった。前作を読んでみよう。
年をとったせいか、その物語の世界に入り込むのに時間がかかるようになってしまった。人物名が覚えられないので相関図が描きにくい。何より、その世界特有の言葉を読み飛ばすようになってしまったのは良くない傾向かも。
情景が浮かぶ、というのは一力さんの作品の特徴だと思う。深川という街が息づいている感覚は見事。
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喜八郎の続編が出ているとは知らなかった!あわてて読む。
「あかね空」より喜八郎の方が好きだったし。
読み始めて、前作とのブランクが大きすぎて登場人物のつながりがいまいちわからない。
前作を読んでなくても十分楽しめるけど、知っているだけに。
前作を読み直すか迷い中。
この後どうなるの?と気になって仕方がない話がいくつかあって、第3弾あるのかなーとドキドキ。
そして絶妙な構成。最後はやられた!
でも、いまいちよくわからなかったな。夫婦になったの?これって?
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損料屋喜八郎の続編。
前作がよかっただけに期待して読んだのだが、
話が少しアチコチに飛んでいて、イマイチわくわく感がなかった。
最後にうまく丸め込まれた感じである。