山本一力のレビュー一覧

  • ジョン・マン 3 望郷編

    Posted by ブクログ

    英語を覚え、捕鯨で実績を積んだ万次郎は、船長や乗組員の信頼を勝ち取り、ますますその力量を発揮する。
    読み手に、あたかも万次郎との一体感を与える著者の筆の冴えに、今後の展開が楽しみ。

    0
    2015年11月30日
  • 研ぎ師太吉(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    一徹な職人気質の研ぎ師が主人公のサスペンス。人情味溢れた下町の温かさが心地よい。場面説明が冗長。かおりが関わりの浅い太吉をのみ頼る結びつきが釈然としないが、さらっと楽しめる小説。2015.10.31

    0
    2015年10月31日
  • かんじき飛脚(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    江戸時代中期、幕府の緊縮政策に喘ぐ旗本・武家は世の経済を停滞させていた。その状況を打破すべく幕府がとった方法は、旗本を配下に置く外様大名への発破であった。時を同じく、幕府から宴(=呼び出し)を持ちかけられた加賀藩と土佐藩は、公儀に対して、それぞれに知られたくない状況を持ち合わせていた。なんとしても宴の折にそのことが呈しないよう、加賀藩は国許からあるものを飛脚を使って取り寄せる。当然、公儀もそのことは内偵しており、阻止せんと御庭番に命じる。
    幕府と大名との思惑の狭間で、使いとして責務を全うしようとする飛脚にスポットライトを当てた時代小説。

    時代背景の描写はともかく、中盤~終盤にかけての展開にはスピード感があった。しかし、総合して場面転換が多く、区切りを都度つけなければならない為、個人的には前半の展開にじれったい気持ちがあった。ストーリー性としても普遍的で、丁寧な描写で良作だとは思うが、読後感に惹かれるものは無かった。少し残念。

    0
    2015年08月15日
  • 道三堀のさくら

    Posted by ブクログ

    龍太郎!あんたにはもっとええ人がおる!!
    団四郎!あんたがはっきりせーへんから困ることになるねん!!

    一力さんの物語に出てくるのは
    みんな漢気あふれるいい男ばっかりやのに
    今回の若者たちは、ちょっとおしい。
    いや、二人ともほんまかっこいいんですよ。対恋愛を除いては。

    0
    2015年08月08日
  • ジョン・マン 1 波濤編

    Posted by ブクログ

    ジョン万次郎を描いた歴史大作という触れ込みだが、この巻は、ジョンの生い立ちと、遭難しアメリカの捕鯨船に救助されるまでの出来事。
    次巻以降に期待。

    0
    2015年08月05日
  • ほうき星 下

    Posted by ブクログ

    自分の恋心は捨て、健気に絵師として生きて行こうとするさちの運命が気になって読み進めはしたものの、土佐への旅以降の展開は激しさはあるものの、何かひっかかりを感じてしまった。時間、場所、出会い、それぞれ距離がある分、都合よすぎる展開に思えてしまったから?

    0
    2015年08月05日
  • ほうき星 上

    Posted by ブクログ

    今でいう流れ星は昔縁起が悪いものとしてみられていたようで、その星の元に生まれたさちの運命を何かしら暗示するものかと思いつつ、女絵師として懸命に生きて行く姿は山本一力さんらしい作品。

    0
    2015年08月05日
  • 朝の霧

    Posted by ブクログ

    機内Wi-Fi繋がらず、諦めて読書。ここで作業する予定だったからスケジュールの狂いは痛い。さて、この人の作品には珍しく、戦国武将とその妻、と言うプロット。波川玄蕃と言う、長宗我部元親支配下の武将の話。山本一力のもう一つのベースである土佐ものだが、時代と登場人物が普段と全く異なるのに、機微の描き方が割と似通うのでちと違和感。史実に脚色を加えたものとは言え、元親があまりにも卑屈な人物に描かれるのもなぁ。この人のうまさは市井の人々の暮らしと心意気を文にするとこだから、やはり損料屋喜八郎シリーズとかのがフィット感は良い。まあでもたまには。江戸もの描き飽きたのか、最近土佐もの大作系多いよねえ、次はジョン万次郎の話あたり読んでみるかな。

    0
    2015年08月04日
  • いかずち切り

    Posted by ブクログ

    いや~かっこいい!
    問題は、登場人物が多い・かつ関係性が複雑なので
    覚えるのが大変(自分の問題。。)
    途中で挫折しかけたけれど、展開のおもしろさから
    結局最後まで読み切りました
    (ところどころ没頭して、2回ほど駅を乗り過ごすはめに・・)

    最後七千両の使い道にしびれました。

    0
    2015年07月04日
  • ジョン・マン 3 望郷編

    Posted by ブクログ

    アメリカの捕鯨船の乗組員となった万次郎。
    前の巻で、すでにアメリカ大陸の土を踏むところまでは描かれているが、この巻では、捕鯨船の航海、捕鯨という仕事と万次郎の捕鯨船乗組員としての成長について、描かれる。
    船長に見込まれた「ジョン・マン」がどの様に成長してゆくのか?続きが楽しみ。

    捕鯨船乗組員の鯨に対する敬意が直接的に描かれているのは、死を賭して鯨を捕らえる人たちの、海上で最大の生物に対する純粋な気持ちなのだとは思うが、近年の捕鯨禁止の風潮に対してわざわざ書かれたものと思ってしまう。

    0
    2015年06月28日
  • だいこん

    Posted by ブクログ

    気風が良くて器量の良い、みんなから愛される
    つばきが商う一善飯屋「だいこん」。
    人情たっぷりの細腕繁盛記。
    つばきが深川へうつってからの作品もあるのかな?

    0
    2015年05月11日
  • 梅咲きぬ

    Posted by ブクログ

    山本一力さん、けっこう好きな歴史小説家さんです。
    年末も残すところ2、3日というタイミングで、何か年内にさくっと読み終わりそうなものということで積読本の中から選んだのがこの本です。

    あらすじ
    舞台は江戸中期の深川の料亭「江戸屋」。女将である三代目秀弥の一人娘の玉枝が物語の主人公です。
    物語は玉枝が6歳の夏から始まります。老舗の料亭の一人娘として、母親である三代目秀弥を継ぎ、四代目秀弥となることを子どもの頃から定められ、期待される中で成長していく玉枝と、彼女を温かく、時に厳しく見守る母親を始め周囲の人々との触れ合いを描いた作品。
    主人公である玉枝の将来の姿である四代目秀弥は、山本作品にはたびたび登場する人物のようですね。ぼくがこれまで読んだ何作品かには登場していなかったので、単純に初対面の登場人物として読みましたが、先に四代目の姿を知っている人はまた違った楽しみがあるかもしれません。

    江戸人情小説
    紹介したあらすじを読んだだけでも大方想像がつきそうなのですが、簡単に言ってしまえばこの作品は「人情小説」です。この作品に限らず、山本一力の小説は、人情小説という雰囲気のものが多い。
    義理、人情、見栄、気風、粋…といった江戸っ子の世界です。
    ただ、こう無闇に江戸っ子キーワードを並べると、江戸文化至上主義的な感じがしないでもないのですが、山本作品はキワモノ人情でなく、登場人物の一人ひとりにしっかりと心意気を感じる作品です。安心して読めます。

    江戸経済の話で面白かったのは、幕府の経済政策によっていかに江戸の町人経済が大きく揺れ動くものであったのかということ。
    江戸経済の軸である米の豊作・不況によって経済が大きく影響をうけることや、江戸中期以降活性化する町人文化の一方で困窮化する武家社会にてこを入れるため度々発布された棄捐令によって江戸の好不況が変わるといったことは、高校の日本史レベルでも出てきます。
    とはいってもなかなか町人の生活にまでは想像が及びません。
    例えば、棄捐令とは旗本や御家人限定の借金帳消し命令のことであり、貸し元である札差からの借金を帳消しにするものです。いくら膨大に荒稼ぎをしていた札差とはいっても、商売が傾いたり、破産をするような大きな影響があったようです。また、そうした札差たちとは、町において一番大げさにお金を遣い、町人経済を回していた役回りのものたちであり、彼らを得意先としていた料亭などの大店も連鎖してつぶれてしまう。
    例えば、幕府が米相場の操作や金貨の改鋳によって経済操作をすることによって、市中にはお金が回らなくなり、経済は一気に冷え込んでしまう。

    本作品に置いては、そうした厳しい世情の中でも、いかに皆が見栄をきって祭りを盛り上げることで苦境を乗り越えるか、といった形の江戸っ子魂が描かれるわけです。登場人物たちがみんながみんな義理人情にあついもので、いやーホントにそうだったんかいな、とツッコみたくなる気持ちもするのですが、いかに公儀の仕打ちの酷さを感じてもそれをぶちまけるわけにもいかなかった状況において、祭りというものの大事さはぼくの想像できるところではないのだろうなと思います。

    ぼくの地元にはそれほど大きなお祭りもなかったし、商店街のような地元経済に密着した存在も身近には感じてはいなかったので、「町」としての感覚がわからないのは残念なところです。ただ、地域経済というものは単純な経済活動の連鎖だけでなく、コミュニティ込みで成り立つものだと思いますので、地域活性化が大切なキーワードになっていくこれからの時代にはまた大事になっていく感覚なのだろうなと思います。


    子育て小説
    この小説は、江戸下町の町人たちの人情小説であると同時に、秀逸な子育て小説でもあります。
    母親や周囲の大人たちとの数々のエピソードが描かれるのですが、節の最後に「このことを、玉枝は九歳の秋にわきまえた」「玉枝はこの日まで思いもしなかったことを胸に刻みつけた」といった形で、たまえがどのように成長していったのかが表されます。
    教えを一つずつ心に刻みながら成長していく玉枝の姿は、6歳の子どもの時代からとても力強く、むしろ賢しすぎるようにも感じますが、周囲の大人との触れ合いの一つ一つから感じたことを「胸に刻みつけ」てきたのはぼくたちも同じはずです。良い影響であれ、良くないものであれ、大人たちからの影響によって成長し、形作られるのが人間です。

    母・三代目秀弥
    「身の丈に過ぎたぜいたくは、世間様の笑いものになるばかりではなく、江戸屋の暖簾にも障ります」
    「質素と、みずぼらしいのとは別のことです。派手さのみを求めるのは無用ですが、江戸屋の女将としての体裁を忘れてはなりません」

    踊りの師匠・山村春雅
    「楽なことを覚えたらあきまへん。あんたが七つでしっかり覚えられたら、あとは一生もんや。その歳で楽なほうに走ることを覚えたら、後になって苦労するのはあんたですえ」
    「つらいときは、好きなだけ泣きなはれ。足るだけ泣いてもよろし。そやけど、自分が可哀相やいうて、あわれむことだけはあきまへんえ。それは毒や。つろうて泣くのと、あわれむのとは違いますよってな」

    こうした居住まいを正したくなる教えの言葉の一つ一つに共感するかどうかは、人によりけり好みの問題で良いと思うのですが、そうした大人たちの言葉とふるまいとを子どもたちはものすごく見ているのだということは、子育てをする人もしない人も、社会の一員の大人として、考えてみて良いことかと思います。

    江戸食文化小説
    人情小説・子育て小説という側面の他に、もう一つこの小説が持っている顔、それは「食」です。
    舞台が江戸の料亭ですからね。料理の話がたくさん出てきます。これも山本作品の特徴の一つ。この人の作品にはおいしそうなお話が多いです。以前読んだエッセイも食い物系のエッセイでした。いろんな料理が出てくるのですが、作り方の描写から、食材、見た目の描写までとても丁寧で、ものすごくおいしそう。残念なのは、三つ葉やら茗荷やら香草をパラパラと散らしてしまうのが多いことです。クセのある葉っぱが食えない人間が、食べ物のお話を読むのはなかなか難しいのです。
    今回とくに興味を惹かれたのは、うなぎの「見立て料理」であるうなぎ豆腐。豆腐や芋といった一般的な食材を用いて、うなぎなどの高級品に似せた仕上がりを拵える料理法である見立て料理。以前も何かの小説で目にしたことはあったのですが、この小説で出てきたうなぎ豆腐がとても美味しそうだった。
    調べたところ、似た料理は精進料理の「うなぎもどき」として実際にあるらしい。そのうち機会があればぜひ食べてみたいですね。



    以上。
    山本一力はかなり筆の早い方で、本屋にいくとものすごい数の本が置いてあります。初心者としてはどこから手にしてよいかなかなか迷うところだったのですが、結果としてこの作品は、「人情」「家族」「食」といったキーワードで紡がれる山本節前回のお話だったように感じます。せっかく四代目秀弥という登場人物に出会えましたので、この人物が出てくる他の作品も読んでみたいと思います。

    0
    2015年03月15日
  • ジョン・マン 1 波濤編

    Posted by ブクログ

    久しぶりの一力氏の大作、第一巻。
    知っているようで知らない万次郎のことを知れるのも楽しみにしながら読み始めた。
    これからがいいんだろうな。

    0
    2015年03月01日
  • 牡丹酒 深川黄表紙掛取り帖(二)

    Posted by ブクログ

    江戸時代前期、土佐の銘酒「司牡丹」と酒盗を江戸に広めようとする主人公4人組の珍道中の話。酒にも土佐にも興味がなかったらつまらないだろうな。
    次は司牡丹を飲もっと。船中八策にしよっかな。

    0
    2015年02月21日
  • たまゆらに

    Posted by ブクログ

    江戸庶民の日常のひとこまが丁寧に描かれた一冊。
    その空気感がいいんだけど、拾った財布一個に時間がかかりすぎなような…。

    0
    2014年08月17日
  • 男の背骨

    Posted by ブクログ

    大好きな山本一力さんのエッセイ。
    気になっていながらずっと読んでおらず、安価に求められる機会があって、迷わず購入。
    どれもよかったけれど、強いてひとつあげるとするならば、
    「がんばっても がんばらなくても 変わらない人生ならば がんばれない」
    という言葉でしょうか。
    染み入りました。
    がんばろうと思える社会にしたい。
    がんばろうと思える環境にしたい。
    私にもできることがある。

    0
    2014年06月22日
  • 損料屋喜八郎始末控え

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昔の金貸しのお話。
    そういうところには人間の色んな面が見え隠れする。

    簡単に善人悪人を決めつけることはできないが、
    人を見極める能力に長けた人がお金を動かす商売には向いてるんだろうな。と思った。

    0
    2014年04月24日
  • かんじき飛脚(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    山本一力らしい小説でした。
    なかなか世界観が面白かったのですが、ストーリーとしては特に山がなかったかな、と。
    個人的には期待はずれでした。
    十分楽しめたんですけどね。

    0
    2014年04月16日
  • 梅咲きぬ

    Posted by ブクログ

    女優・田中美里さんが明快に解説されているとおり『生きる姿勢を正してくれる゛教本゛』だと思う。読後『凜』という単語が浮かぶ。個人的にはストーリーにもう少し動き(インパクト)があればと思ったが、それが本作に必要かどうかは、読み手によるとも思った。

    0
    2013年12月12日
  • 味憶めぐり 伝えたい本寸法の味

    Posted by ブクログ

    歴史小説家、山本一力さんのグルメなエッセイ。

    山本さんが出会ってきたステキなお店と食事について、
    エピソードとともに綴っている、
    味の記憶=「味憶(みおく)」のエッセイ集。

    この人の小説がけっこう好きで、
    周五郎読み終わったらたくさん読みたいなと思ってるんですが、
    山本さんについて知らないことがけっこうたくさんあった。

    まず、会社員経験がかなり長いんですね。
    小説家デビューは50近くになってから。
    この本で紹介されているお店の多くも、
    会社員時代に見つけたお店だったり。

    そして、山本さんは1948年生まれ。親父と一緒だ。
    うちの親父はそれほど美食家じゃあなかったから、
    どうということもなかったんだけど、
    子ども時代に何食ってて、大きくなるにつれて出会った食べ物への感動とか、
    やっぱり高度経済成長の時代に育った人とはちょっと感覚違うんだろうなーと、親父の飯の好みを思い出したりながら読みました。

    面白かったです。
    そんなに行きつけのお店って持ってないけど、
    おいしい食事をいっぱい知ってるというのは、
    やっぱり人生が豊かになりますよね。

    外食にしろ、自炊にしろ、食事を大切にしよう、と
    就職以来すっかり乱れまくった食生活を改めたくなりました。

    0
    2013年12月11日