【感想・ネタバレ】蒼龍のレビュー

あらすじ

大人気時代小説家・山本一力の傑作中篇集。途方もない借金を背負う若夫婦が、起死回生を狙って茶碗の新柄の公募に挑む。その顛末は――。貧しい暮らしの中で追いかける大きな夢。武家社会の心意気、商人の気概。誠を尽くせば、身分の差を越えて人は分かりあうことができる。生きる力と明日への希望を与えてくれる感動作。「オール讀物」新人賞を受賞しデビューのきっかけとなった表題作は、著者自身の新人賞に応募していた当時の心情が色濃く反映され、胸に迫る。その他、『あかね空』以降に執筆した四作品を併録。

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Posted by ブクログ

良いですね。山本一力。
上記のように最後の「蒼竜」を除いては2001年に発表された作品です。山本さんが「あかね雲」で直木賞を受賞したのが2001年ですので、ちょうどその頃の作品になります。
一方「蒼竜」はデビュー作です。本人があとがきに書いているように、荒っぽさもありますが、新鮮な力も感じます。膨大な借金を背に新天地での活躍を狙う、自らの体験を時代小説に映した作品です。
どの作品も時代小説らしいしっとりした情緒の中で、物語が悲惨にならずポジティブです。そして爽やかな読後感が得られます。そこが山本一力さんの魅力ですね。
お勧めです。

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2017年10月30日

Posted by ブクログ

読もうかなぁ・・・やめようかなぁ・・・と迷いに迷った末に読んだ一冊。

純粋に、感動した。
特に「菜の花のかんざし」と「蒼龍」は普通に泣いた。
「菜の花のかんざし」とか飛行機の中で泣いた(笑)
それで分かったことは、私は夫婦ものに弱い。
っていうか家族ものに弱い。

「菜の花のかんざし」は、絶対にハッピーエンドだって信じてる。
何故なら、私はハッピーエンドが好きだし、この本の中に悲しい結末のものは一つだってないから。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

山本一力は経済小説なのだと思った。時代が違うから通貨単位こそ違うが、細かい計算がたくさん出てくる。仕事で上手くいかないことがあっても、辛抱強く続けたり思い切った変化に取り組むことで、少しは、または大いに報われることもある。でもそれはゴールではなく、また先へ続く出発点でもある。
これが現代小説ならこんなにすんなり心に入ってこないだろうと思うのは、義理人情がすがすがしく感じられるからか。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

表題作の『蒼龍』含む5つの短編が収録。いずれも江戸時代を生きる市井の職人、商人、武士たちが主人公。
読者に想像させる大胆な終わり方が印象的。

『のぼりうなぎ』・・・職人が大店の手代に転職して四苦八苦する話。現代でもありそうな話である。
『筋わかれ』・・・現代のビジネスでも通じそうな、商人の話。
菜の花のかんざし』・・・個人的に一番好きかも。憎いところで話は終わる。人によっては消化不良かもしれないが。
『長い串』・・・ラストのタイトル回収はお見事。
『蒼龍』・・・落語の人情噺にありそうな物語。作者の遍歴も知って読むと、なお感慨深い。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

4.0
山本一力の小説を初めて読んだけれど、なんとなく先が読めながらも感動できるので、好みなのかもしれない。次はあかね空を読む。

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2023年02月15日

Posted by ブクログ

作家初期の作品で短編5編集でしたが、どの話も良かったですね!江戸時代の清々しい人間模様を描いた作品ばかりで、まさに下町の人情にふれた作品ばかりでした。「菜の花かんざし」だけは時代の悲しい宿命を描いた作品でしたが。
貧乏でもしっかりと生きていく主人公の姿や家族を含む、まわりの絆(支え)を描くのが作者の真骨頂ですね!
すっかり山本一力ワールドに、はまった私は、これから作品を読み進めていきたいと思う今日この頃です!

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2017年07月04日

Posted by ブクログ

短編5編。オール讀物新人賞受賞作でもある表題作『蒼龍』は作品単体で魅力的であるが、著者の投影(解説によれば)である事を知れば、その凄味はいや増す。選者をして『このひとが新人賞に応募し、私が原稿料をもらう違いは何か』といわしめたエピソードは惹きつけられた。

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2013年12月06日

Posted by ブクログ

この人の時代物って巧いんだなあああやっぱり! 派手な物語ではないけどね、心に響く人情や粋な姿が本当にイイ! これはデビュー作を含む本だから、作者のキャリアが浅いうちに書いたものだと思うのだけど、とてもそうとは思えない落ち着いた雰囲気がいい。
特にお気に入りなのが以下の3話。
「のぼりうなぎ」:両方の立場が解るのよ。ただ、もうつらい。これはつらい。でも変わるんだな、という希望が覗く最後はね温かい。
「節わかれ」:粋な話! 単純に面白いし気持ちがいい!
「菜の花のかんざし」:切ない…! 武士としての己と父親としての自分の間で揺れ動くのが、切ない。

面白かった。

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2012年06月30日

Posted by ブクログ

この人の作品は初めて読みました。
たくさんいただいた本の中に入っていた1冊

時代ものって普段自分ではあまり好んで読まないんだけど
この人のは面白いね
すごく魅力的でわかりやすい。

今回のこれは商人もの、武士もの、とりどりだけど
どれも人間臭くていいよ。
しばらくいろいろ読んでみよーーっと

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2009年10月29日

Posted by ブクログ

のぼりうなぎ、節分かれ、菜の花かんざし、長い串、蒼龍の5つの短編集。最高のハッピーエンドではないけど、じんわりと心が温かくなるような話ばかり。江戸の情緒に触れる一冊。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

時代ものと言うと、剣客、市井、人物ものになると思うのだけど、本作は市井作品集。

鬼平にも言えるのだけど、丁寧に作ってある市井ものは本当に面白い。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

時代物短編。

5つの短編のうち、最初の『のぼりうなぎ』と
『菜の花かんざし』は最後どうなったのか。
妙な所でくぎられ、後は想像にお任せします状態?
どう転んだのかが気になります。

主人公も様々で、職人だったり店の若君だったり
武家だったり大工だったり。
おかげで色々な生活やら考え方やらが分かります。

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2016年08月04日

Posted by ブクログ

山本一力さんの短編集。
ストーリーは長編と同じくワクワクしたりしみじみしたり出来るんだけど、
短編なので、わくわくドキドキのピークで終わっちゃうのが寂しい。

まぁこの方の作品って、いつも最後が尻切れトンボな感じなので一緒と言えば一緒なのかもしれないけれど、
やっぱりそこまでの話が面白いだけに、分かっていても、その後の続きも読みたい!と思ってしまうんですよねぇ~。

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2013年01月11日

Posted by ブクログ

「牡丹酒―深川黄表紙掛取り帖」のあとがきに紹介されてて,手に取ったもの.

今まで読んだ山本一力氏の本は長編だったため,短編集を求めていなかったので,いまいち感があるけど,良かった.
山本一力氏の本はどれもそうだけど,また読みたいと思える一冊.

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2009年11月30日

Posted by ブクログ

うーん。やっぱり短編はしっくりこない。
のめりこんできたと思った頃に終わってしまう寂しさ。
山本作品も長編がいい。

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2009年11月11日

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