山本一力のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どうも最近山本氏の作品はガチャガチャした感じがして。。。。
でもこの作品は、江戸情緒が感じられる作品でした。
細かく見れば、ストーリーの荒さが見られたり、独りよがりな感じがする所も有ります。また、玉枝が余りに優等生過ぎて、可哀想な感じさえも受けてしまいます。しかし全体としては、凛とした雰囲気と情緒があって良い話だと思います。
ある意味、道徳書のような雰囲気があります。悪く言えばお説教臭いし、古臭い考え方なのかもしれません。でも一方「女性の品格」なんて本がベストセラーになる時代。形より心意気を語るこの作品のほうが相応しいのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
時代は昭和37年。実はオレの生まれた年だ。
この頃にどのようなことがあったのか、時代背景を踏まえて読むのが別の面白さもあった。
謙吾は様々な人と係わり合いながら、だんだん仕事に打ち込み認められてゆく。
特に新聞販売店に住み込み、当時代々木にあった「ワシントンハイツ」と接点があったことがその後の彼の人生を左右することになる。
ワシントンハイツとは東京駐留の米軍将校のための住宅団地であり、まさに「フェンスの向こうのアメリカ」だったそうだ。
彼はワシントンハイツの中に新聞を配りながら、英語を習得していく・・。
そして旅行会社で獅子奮迅の活躍をするのだ。
しかし、彼には別の一