山本一力のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
三度の結婚、二億の借金、浮気、倒産、嘘…さまざまな失敗をしてきた山本一力さんの自伝、エッセイ。
私は何度もくじけそうになった。そのときに支えてくれたのは、何よりも家内が示してくれた完全なる信頼である。「おとうさんの小説が一番面白いから」
この苦しさから逃げ出したい。人が寝静まった夜中に原稿を書きつつ、いくたび思ったことか。私が迷惑を及ぼしたひとたちは、貸した金が返らない状況を、おのれの責めに帰して受け入れ、待っていてくれる。今の俺には、投げ出したり悩んだりする贅沢は許されていない。
落ちたおかげでやり直すことができ、結果的にプラスになった。近道したやつには、後の人生のどこかで苦戦する。だ -
Posted by ブクログ
父が大好きなのだが私は初めての山本一力。帯の文句についつい惹かれて買った安くてうまい江戸の経済小説。
松平定信によって棄損令が交付された江戸が舞台。武士の金策相手たる札差が一斉に貸し渋りを始めたことで一気に景気が冷え込んだ時期、妻と二人家を出た有力廻船問屋の次男坊・裕次郎が江戸の職人相手の弁当販売業を始めるというお話。
食べ物メインの話かと思っていたが、成長する弁当販売業の拡大戦略とそれに関わる人々の姿を中心に描かれる。
登場人物達がいちいち格好いい信念を持っており、彼らが対峙するシーンは剣の交わりに劣らぬ緊張感がある。またタイトルから察していただけるであろうメッセージ性も良く、筋の通った中に