山本一力のレビュー一覧

  • 早刷り岩次郎 新装版

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    山本一力さんの作品に登場する人は、単に「清廉潔白」というのではなくて、「清濁併せ呑む」人間の「大きさ」を感じるのが好きだ。この岩次郎も、言論の自由を守るために、人品甚だしく劣るような商売敵さえも取り込んでしまう「懐の深さ」が凄い。

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    2023年12月15日
  • 研ぎ師太吉(新潮文庫)

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    ネタバレ

    山本一力が安二郎の仕事に批判的な職人たちをヒーローとして描いたのは、現代社会に蔓延している職人の手抜きに警鐘を鳴らすためだったのではないだろうか
    料理人の道具を手入れする太吉は、裏方の職人である。著者が、Spotlightを浴びる花形職人ではなく、地味な裏方を主人公に選んだのは、職人の本質が、研ぎ師のような地道な仕事にあると判断したからではないだろうか

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    2023年12月13日
  • はぐれ牡丹

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    ネタバレ

    両替商の跡取り娘だった一乃は、料亭の跡取り息子だった鉄幹と駆け落ちして、所帯を構えてから足掛け5年、鉄幹は寺子屋の師匠を、一乃は棒手振をやって、裏店にしっかり根を張り、貧しくても幸せな日々を過ごしてきた

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    2023年12月09日
  • 蒼龍

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    表題作の『蒼龍』含む5つの短編が収録。いずれも江戸時代を生きる市井の職人、商人、武士たちが主人公。
    読者に想像させる大胆な終わり方が印象的。

    『のぼりうなぎ』・・・職人が大店の手代に転職して四苦八苦する話。現代でもありそうな話である。
    『筋わかれ』・・・現代のビジネスでも通じそうな、商人の話。
    『菜の花のかんざし』・・・個人的に一番好きかも。憎いところで話は終わる。人によっては消化不良かもしれないが。
    『長い串』・・・ラストのタイトル回収はお見事。
    『蒼龍』・・・落語の人情噺にありそうな物語。作者の遍歴も知って読むと、なお感慨深い。

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    2023年11月28日
  • はぐれ牡丹

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    読みやすいので、あっという間に読み終わる。主人公の一乃の語りは、何を言っているのかはわからず、周りの人たちに助けられながら、まんまと人助けを成功する。そしてみんながハッピーエンド。読んでいてスカッとして、ぱーんも牡丹の花火があがるのも気持ち良い。

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    2023年11月04日
  • 銀しゃり 新装版

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    2023.10.02
    人にモノを食べさせることにこれだけ真剣になれるのがうらやましい。その狂気ともいえる熱意が人を呼ぶ、幸運を招くのではなかろうか。

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    2023年10月02日
  • 紅けむり

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    山本一力さんは、人情噺も良いけれど、こういう「アクション物」(?)にも、独特の味があって面白い。この作品には、史実に基づいたもののような迫力がある。

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    2023年09月27日
  • 長兵衛天眼帳

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    山本一力さんの作品には、「人情物」と、この作品のような「知恵比べ物(?)」とがある。僕は、後者の方が好きだ。「勝者」が「敗者」を一方的に叩きのめすのではなく、両者に暖かい目を向けているところが、素晴らしい。

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    2023年09月16日
  • 損料屋喜八郎始末控え 牛天神

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    この作品は、世の中には、根っからの悪人は存在しない、ということを信じたい、という山本一力さんの思いが込められているような気がする。ただ、今回も、大失敗だったのは、この作品が、このシリーズの4作目だったことだ。前の3作を読んでない!

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    2023年09月10日
  • あかね空

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    終わり良ければ….….

    この作家さんの話を読んだのは、2作目だと思う。1作目の話は、何か淡々とした説明口調で、面白みに欠ける話だったので、2作目を手に取るのに、随分時がかかってしまった。確か、何かの賞を取った話だと思い、読んでみた。やっぱり、ちょっと説明的な所は多い気がしたけれど、登場人物達と一緒に、泣いたり笑ったり怒ったり、楽しめた。最後は、皆和解して、良い終わり方だと思った。

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    2023年07月16日
  • 落語小説集 子別れ

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    落語というのは、文学作品として観ても、充分、後世に遺すべきものだと思う。落語は、生粋の話芸だけど、こういうふうに小説で読むと、また違った味があると思った。山本一力さんだからだろう。

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    2023年07月13日
  • 決戦!忠臣蔵

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    結局、真相は、藪の中。なぜ浅野内匠頭は、吉良上野介に斬りかかったのか。ここまで資料が何も出てこない事件も珍しい。

    諸田玲子の「与五郎の妻」が特に良かった。泣けた。

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    2023年06月04日
  • 花だいこん

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    山本一力の名作「だいこん」の待望の続編と思いきやスピンオフ的な作品でした。一膳飯店「だいこん」を辞したつばきの父親を主人公に、老舗薬屋の看板仕立てに奔走する姿が肝の話となりましたが、山本一力お得意の義理人情に溢れた江戸っ子の真骨頂物語で、読んでいて清々しい気持ちになりました!山本一力の次回作に期待ですね!

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    2023年05月27日
  • 損料屋喜八郎始末控え 粗茶を一服

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    あいかわらず面白い。秀弥との仲もじれったいくらいに進まないのが、またいいのかもしれない。ただ起きる事件がちょっと血なまぐさくなっている感じがするのは私だけなのだろうか?

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    2023年05月25日
  • ずんずん!

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    ドラマ化されていたとはつゆ知らず。

    ものすごい日本神話だけど、
    こういう部分が今の日本にも残っていると
    信じたい。
    これがファンタジーに思ってしまう世界に
    なりませんように。

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    2023年05月05日
  • あかね空

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    「山本一力」の時代小説『あかね空』を読みました。

    「浅田次郎」作品、「佐伯泰英」作品に続き、時代小説です。

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    しみじみとした感動を呼んだ傑作人情時代小説
    京から江戸に下った豆腐職人「永吉」と妻「おふみ」、そして子供たち。
    親子二代の有為転変にかけがえのない家族の絆を描いた直木賞受賞作

    希望を胸に身一つで上方から江戸へ下った豆腐職人の「永吉」。
    己の技量一筋に生きる永吉を支える「おふみ」。
    やがて夫婦となった二人は、京と江戸との味覚の違いに悩みながらもやっと表通りに店を構える。
    明るく気丈な「おふみ」の支えで、様々な困難を乗り越えながら、なんと

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    2023年02月28日
  • 損料屋喜八郎始末控え 粗茶を一服

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    続け様に山本さんの損料屋喜八郎シリーズを読んでしまった。無論面白いからである。

    山本さんの著作、しかも同じシリーズの三冊目ともなれば、気合を入れることもなく安心して読み進むことができる。無防備にストーリーの中に埋没できる。

    シリーズ三冊目ともなるとそれぞれの登場人物たちの個性が際立ってくる。

    ついつい読むスピードが上がってしまうのだが、寛政の改革時代の金の勘定が詳細に説明される部分が多々あり、同じスピードで読み進めてしまうと詳細な理解が追いつかなくなってしまう。どうしても良い加減な金額の高低で判断したままで先を急いでしまう。(私の読みの甘さなのだろう)

    寛政の改革後の不景気の最中、でも

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    2023年02月25日
  • 蒼龍

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    4.0
    山本一力の小説を初めて読んだけれど、なんとなく先が読めながらも感動できるので、好みなのかもしれない。次はあかね空を読む。

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    2023年02月15日
  • だいこん

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    ネタバレ

    短く言い表すなら大江戸細腕繁盛記。
    主人公の名はつばき。
    彼女が17歳で始めた一膳飯屋「だいこん」を舞台に、数々の苦難と難題に負けず己の道を進む姿は、何とも小気味良い。
    しばらくご無沙汰していた山本一力氏の本。
    2005年の刊行だが、文章の中に散りばめられた「言葉」は今の自分にも問いを投げ掛ける。

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    2023年02月02日
  • 深川駕籠 クリ粥

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    たくさんの人々を巻き込んでの人情話
    めちゃくちゃ都合良く人が繋がって行く( ̄▽ ̄)

    都合良くラストまで突っ走って読み手に考える隙を与えないのが山本一力なのだ‼︎笑

    とりあえず今年読むと言った三冊は読み終えた‼︎



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    2022年11月18日