荒木あかねのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
江戸川乱歩賞を史上最年少、満場一致で受賞した荒木あかねさんの『此の世の果ての殺人』
小惑星の衝突の発表から人類滅亡が確実視される終末の世界を目前に、偶然と言える死体の発見から、元刑事である自動車指導員とその生徒を探偵役として真相を追い求めるミステリー小説。
冒頭から、小惑星の衝突の事実が記載されるまでの引き込まれる背景描写や登場人物たちの会話ベースに「なぜ?」から始まり終始思い巡らせられる。
一般市民である小春なりの推測や発見が読者目線のように感じられ、混沌とする世界観に没入。
登場人物たちの関係性とやり取り含め、犯人が判明してからの物語の加速感と事件の真相の点が線に繋がっていく構成に -
Posted by ブクログ
さまざまな謎に向き合うミステリ短編集。「同士と共に人生を切り拓く」というキャッチコピーが良いなあ。どの物語も主人公は誰かと組んで事件に向き合うのだけれど、相手の行動を見ることで自身の姿も見つめなおすことになります。どれも読後感はすっきり、です。
お気に入りは表題作「おむこさんは殺人鬼」。自分の婚約者が殺人鬼ではないかという疑惑を抱く女性。某有名短編と同じ設定だけれど、どういうひねりがあるかな、と思っていたら。おお、こうくるのか! これはある意味最高のハッピーエンドかもしれないんですよねえ。
「置き去りイヤリング」も見事。新幹線内で見つかった不審な落とし物から導き出される犯行。頼りなく見えていた -
Posted by ブクログ
この一冊にこの作者のこの作品。
どの作品も重厚でした。
贅沢な一冊です。
作家さんてすごいなぁ、と特に感じたのは
一話あたりのページ数です。
この短いページ数でこの内容を紡ぐことができて
さらには登場人物たちのキャラクターをたたせる。
どのお話も人物たちのキャラクターが現実にいるような
リアルさがある。
物語の構成もしっかりしていて、この頁数で
よく物語のまとめができるな。
と、そういう観点からもおすすめします。
一話がしっかりしているので、一話読み終わると
本を一冊読み切った感じがして、
次の話にすすんだとき前の話を思い出すのが
難しかったくらいです。
それぞれの作家さんの別の未読本に -
Posted by ブクログ
2026年。短編集。もろもろ雑誌で初出済。
どれもこれもステキな日常のミステリー。たまに人が死んでるが・・・
貧乏ゆすり、大嫌い!
個人的には「置き去りイヤリング」がいいかな。今はなき新幹線のワゴン車。職場ならではの出会い、先輩と後輩。今は自販機でしか売ってないスジャータアイス食べたくなった!
最後に残るのは聴覚なんです。そうなの? 有益な情報。
表題作は、、、結婚してもしなくても、めでたしめでたしでないのはみんな知ってる。でもでも、婚約者の前でそつのない彼は何をしてるんだろう?とスリリングで楽しめた。
個人的には要注目の作家さんの一人です。 -
Posted by ブクログ
表題作、グリム童話「強盗のおむこさん」自分も子供の頃妙に好きで。童話的な残酷さに惹かれていたのかと思ってたのだけど、女の子が賢さでサバイブする所に自覚せずに惹かれてたのかもと懐かしく読みました。
どの作品も読み応えあり余韻が残る面白いミステリ小説で一気読み。
「答え合わせ」が最近読んだミステリ短編小説の中で一番心に残りました。国語教師の主人公が、義父の最後の言葉を聞き間違えているのでは、本当は犯人を示したのでは?と考え至り、犯人を推理する過程も面白く、謎がとけた後さらに彼の人生にまつわる答え合わせに至るラストが素晴らしかった。
作者さんの作品は女性の連帯が印象的なのだけど、本作も5作中3作で描 -
Posted by ブクログ
裏切りの捜査線
警察ミステリーをテーマにしたアンソロジー。
お見通し 米澤穂信
有名な芸能人のコンサートに殺害予告が届く。警察はコンサート会場付近の公園で過去に逮捕歴のある男を見つけ取調べをする。そして公園からは男が以前に持っていたものと同じナイフが発見される。
警察官の葛と丸山の酒の席での会話だが、警察官同士受け持っている事件の共有は出来ないが、偶然という形で丸山は葛に今回の事件の不満点を相談する。ある意味後味の良い作品であるが、米澤穂信独特の短編描写が見受けられとても面白い作品だ。
何故、「ナイフがその場所から見つかったのか」という一つの疑問から衝撃の理由に連なっていく。
メゾン・イ