【感想・ネタバレ】ちぎれた鎖と光の切れ端のレビュー

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Posted by ブクログ

トリックは平易で粗もあるが、人物の心理描写がとても丁寧で、読んでいて引き込まれる。軽い小説が持て囃されている中、小説に真摯に向き合っている感じがした。

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2024年05月04日

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ー 「理不尽に不利益を被ったとき、あるいは誰かが酷い目に遭っているのを目撃したとき、それを許せないと思うのは確かに自然なことです。 この感覚がなければ自分自身を守ることもできないし、正義を貫くこともできない。でも、私たちは決して独りよがりな復讐感情で人を裁いてはなりません。

法治国家の下では刑罰が与えられますが、それは途方もない議論と、数え切れないほどの経験を重ねた上で成り立っているんですよ。もちろん間違うこともあります。だから今も話し合いは続けられているんです」 ー

作者は動機と犯罪を罰する理由付けを大切にしているのが、前作と本作を読んで強く印象に残った。

それにも関わらず本作ではだいぶやってくれたな。

とんでもない二部構成。文字通りの孤島のクローズドサークルでの連続殺人事件。そして、金田一少年の事件簿ばりの事件、動機、展開が素晴らしい!
あれ、まだ半分くらいしか読んでないのに、こんなに展開進んでいいの?と読んでいて焦る興奮は忘れられない。

そして、第二部の意外な展開。まぁ、ここからはネタバレになるので何も言えない。

フーダニットとワイダニットで2つの事件を楽しめる感じがして、2作品を読んだ満足感。

めちゃくちゃ面白かった!
『此の世の果ての殺人』も良かったけど、本作も最高に面白かった。

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2024年05月03日

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正直、第一部読み終わった時点では、ふーんって感じでしたが、第二部でかなり印象が変わりました。

第一部の段階では登場人物が全然魅力的に思えなかったのが原因だと思うのですが、第二部では、真莉愛と新田の二人と兄ちゃん、瀬名といいキャラが多かったからだと思います。

第二部によって、第一部の事件が全く違う事件に思えて、よい読書体験でした。

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2024年04月18日

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孤島に集まった若者の仲良しグループ。周りの"友人たち"に対して殺意を抱く1人。だが、逡巡している間に"友人たち"の1人が遺体で見つかる。

表紙も綺麗だし、タイトルも綺麗でまず見た目から良い感じの小説だと思って読んでみた。
オーソドックスな"クローズド・サークル"ものかと思いきや、殺意を抱く1人の知らないうちに連続殺人が起きていくというところ、被害者たちが後ろめたく思う過去などがよく描かれているところなど引き込まれる要素がたくさんあった。
第2部において、"孤島での連続殺人劇"の3年後の話が描かれているのも二重に楽しめて良かった。
復讐は連鎖する。復讐のきっかけになるほど自分にとって大事な人でも他の人にとってはとんでもない人のこともあるし、自分にとって"大好きな人"でも欠点がたくさんある人かもしれない。
つまり、周りから"いい人"と思われるよう振る舞っている人でも、周りの人が気づけないだけで"悪い人"でもあるんだよなぁと感じる。

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2024年04月09日

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ネタバレ

先輩の復讐で6人を殺そうと徒島に来た。樋籐清嗣が連続殺人事件に巻き込まれその事件後新たな事件、続きのような事件が起きた。だがこの事件のきっかけは兄弟を思う兄の話であった。最後真相が分かった時辛くも暖かくなりました

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2024年03月20日

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2024年本格ミステリ10で国内部門10位の作品。こちらも孤島での連続殺人系だが、2部構成になっているのがミソ。「名探偵に薔薇を」を思い出しました。98年生まれという若さでこんなミステリが書けるなんてすごいなあ。

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2024年01月31日

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ネタバレ

二部構成のミステリー。
過去に同じ部活の先輩が集団リンチの被害にあい、偶発的に舌を噛み切る事故が起こりうまく発声できなくなった。将来を嘱望される選手であったが、その道を諦めざるを得なくなる。
その復讐のため加害者達に接近し、偽りの友情関係を築く主人公。加害者達と旅行で無人島に行くことが決まり、それを好機と考え毒殺の計画を立てる。しかし、いざ実行の間際になり毒殺を躊躇うが、なぜか加害者の1人が殺害されてしまう。その後も、第一発見者が1人また1人と殺害されていく。
真犯人は誰なのか?
偽りの友情がいつしか本当の友情に。
ラストの主人公と犯人の手に汗を握る戦いは圧巻だった。

「私は−俺は全てを思い出した」
「お前は一体、誰なんだ?」

第二部は第一部の事件の後の話。
ゴミ収集を仕事とする女性が主人公。あるマンションのゴミ置き場で死体を発見してしまうが、実は第一部と同じく第一発見者が殺害されている連続殺人事件であり、第一発見者となった主人公は警察に保護される。犯人に迫る中で、第一部との事件との繋がりが徐々に判明する。第一部と同じく怒涛のラストは目が離せない展開。
登場人物も魅力的で、とても面白い作品だった。

「人はどんな理由があっても、人を殺しちゃいけないんですよ」

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2024年01月30日

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 第一部では、清嗣が復讐を決意しながら何者かに先を越され、犯人が見えてこないところが面白かったが、離島で連続殺人という流れには正直マンネリを感じた。
 しかし、第二部に入り、登場人物に清嗣の先輩の名前を目にし、この後の展開に期待が高まった。第一部はどう続く?人生の歯車が狂ってしまった先輩のその後は?
 第一部から第二部へと続く流れが、清嗣から真莉愛に視点が変わり、一部の謎とその後を回収してゆく構成が新感覚で良かった。

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2024年01月28日

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ネタバレ

『此の世の果ての殺人』に続く2作目。とはいえ、前作とは全く関係ない話だけど。今回の真莉愛と如子のペアは続編が出てもいい気がする。九州の男尊女卑的な考えに苦しんだ者同士、いいコンビだった。瀬名ちゃんも素敵だった。今回も何人殺すのよってくらい殺される。前半は面白かったけど、後半はいくらなんでもこんなことで殺すかね、って感じ。特に3番目のおばあちゃんをバラバラにした意味が分からん。真莉愛に発見させるためだけに、そこまでの労力を?でもこういう何かが欠けてる人がいるのも現実な気がする。怖いわー。

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2024年04月25日

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ネタバレ

前後編仕立ての作品。前作に比べて格段に面白くなっていました。
最後はハッピーエンドにすぎる気がしますが、読後感はいいです。

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2024年04月07日

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1冊で2度楽しめる推理小説。

複数の事件が。ひとつの線になる。
特に後半は、警察が如何にして事件の真相に辿り着くのかワクワクする。

『目には目を…』では、人は幸せになれない。

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2024年04月01日

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一部と二部、別人の作品のよう。説明調でぎこちない会話と延々と続く謎解きに、些か辟易の一部。どんどん展開しワクワクする二部。うーむ…。

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2024年03月23日

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初読の作家さん。
『そして誰もいなくなった』や『ABC殺人事件』を本歌取りしたという書評を読んでからの読書でしたがそれでも予想をはるかに超えた展開で、読みながら何度も声が出てしまい家族に訝られる始末でした。色々ほんとに凄かったけど(この語彙の無さ…)人を殺すのはダメだという揺るぎないものが根底にあるように感じました。『此の世の果ての殺人』を読んでみたいです。

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2024年03月16日

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ネタバレ

旅行中に仇6人を殺すと決意し、無人島に乗り込んだ樋藤清嗣。しかし何故か自分以外の手によって、次々と仇が殺されていく…。一体誰が?何のために?というだけでも面白いんだが、なんとこれが前半でしかない、というのがすごいところ。
後半、一見繋がりが見えないところから話が始まり、やがて細い糸はどんどん絡み合い、最後に明かされるのは…という二段階仕立てのミステリ。
面白い!前半だけでも面白かったし、さらに上乗せで楽しませてくれるという贅沢な一冊。
ただ登場人物の気持ちは理解し難いものも多いだが…。真っ直ぐも度を超すと怖いよ。

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2024年03月13日

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前作の此の世の果ての殺人が面白かったので、今作も迷わず読みました。
第一部のクローズドサークルはどう考えてもかなり無理があるが、ご愛嬌ということで…笑
第二部で当事者たちにしかわからなかった事件の全容が明かされていく過程が面白かったです。
前作でもそうだったけど、主人公と誰かが事件解決のために捜査行をする、ある種ロードムービー的な物語を書くのがこの作者は好きだし、上手いんだなと思いました。
実在の地名や場所が出てくるので、それをGoogleで検索しイメージを掴みながら読むのも一興。

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2024年02月25日

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タイトルと表紙絵で、なんとなくファンタジーを想像して読み始めたので、一部を読み進めるのに時間がかかった!
なかなかなかです。体力がある時に、この作家さんの他のも読みたい。

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2024年02月23日

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二部構成の作品。
第一部は王道のクローズド・サークル。正直、あまり面白くはない。
でも第二部からは予想外の展開になり面白かった。
第一部から面白ければ良かったと思うんだけど、わざと犯人がわかるように書いてるのかなぁ。

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2024年01月30日

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自分の所有物を傷つけられたという思いで人を殺す、または殺そうとする動機に腹落ちしないところもありましたが、殺人のトリックや登場人物のつながりなど、話に引き込まれました。

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2024年05月07日

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ネタバレ

二部仕立て。
孤島に渡った7人のグループと管理人。グループの一人、樋藤清嗣は残りの6人を殺害するつもりだったが、自分が手を下す前に、次々と殺されてしまう。

第一部では孤島での出来事(樋藤の事情)、第二部ではその後の出来事(真犯人の事情)が語られる。

どちらも、それでそこまでやるかという気がして、加害者側の狂気が怖い。そこには被害者の気持ちが反映されておらず、独りよがりの論理だからだ。一方、加害者はいつまでも許されないのかという問題もある。溜飲を下げるためだけに石を投げる無関係の第三者は論外だが、反省した人間の立ち直りを許容できない社会は息苦しい。

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アガサクリスティ超絶リスペクト作品❔

一部やけに早く人殺されるな〜犯人わかりやすすぎだろと少し拍子抜けしていたけれど、二部との繋がりが面白かった。
二部読んでる時、関係性のある一部の事件の殺害方法と登場人物がわからなくなって読み返さならなかったのは少しめんどくさかった。(分厚いので)

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2024年04月14日

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島原湾に浮かぶ孤島に集まった8人の男女。
そのうちの一人•樋藤は復讐のために同行したメンバーを殺害する計画を立てていた。
ところが、樋藤が躊躇してる間に何者かによる殺人が発生し、その後も一人また一人と第一発見者が殺害されていく…
その事件の3年後、クリーンセンター職員の横島真莉愛はゴミ収集の過程で、バラバラになった遺体を発見。被害者は最近起きた殺人の第一発見者で、第一発見者が殺害される事件が立て続けに発生しているのだった。真莉愛も第一発見者となってしまったため、次の被害者になるのを防ぐべく警察の監視下に置かれるが…

クリスティの「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせる第一部。同じくクリスティの某有名作品をオマージュとした第二部、の二段構えという珍しい構成の本格ミステリ。
第一部は犯人視点の“犯罪小説”から探偵視点の“本格ミステリ”へと変調する予想外の展開が、否応にもリーダビリティを高める。
第二部の主人公がゴミ収集業に従事する若い女性というこれまた珍しい設定で、女刑事を相方に据えて事件の謎を解いていくというプロットは新鮮。主人公•真莉愛のあけすけなキャラクターも気持ち良い。
第一部と第二部の関連性は?というのが本書の大きな謎であるが、わりと早々に疑わしいキーマンが露呈する。その後もう一捻りあるのかな?と期待して読んだが、若干肩透かしにあったのでこの評価。内容の割には冗長で、動機や犯行プロセスの強引さは否めない。とはいえ、“Z世代”の若い作家でこの構成は野心的だし、大物感漂う。今後の作品にも大いに期待したい。
ちなみに熊本出身の私からすると、作中に出てくる熊本弁は完成度高ゃーばってん、ネイティブな熊本弁ではなかごたる。そらしょんなか(笑)

週刊文春ミステリーベスト10 13位
このミステリーがすごい! 10位
本格ミステリ・ベスト10 10位
ミステリが読みたい! 15位

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

クローズドサークルの推理小説が好きであれば楽しめると思います。この世の果ての殺人では地球の終わりという特殊設定でしたが、こちらはオーソドックス。
事件の終盤でまだ本が半分だったのでどうなるんだと心配しましたが、2部構成になっていました。面白かったです。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

なるほどこれが“Z世代のアガサクリスティー”か。
熊本にある孤島と大阪で発生した連続殺人事件。
この二つの事件には、第一発見者が狙われるという共通点がある。
第一部と第二部がどう関わっていくのか。
そして犯人の目的は一体何なのか。
歪んだ動機もミステリーとしては◎。

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2024年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ライトクリスティー。んー、割と楽しく読めました。
読む前にどんでん返しがあるって知ったんですが、期待値が高過ぎたせいかそんなにどんでん返しがなかった。後半は特になかった。
やや殺人に至る動機が弱い感じもする(九条の殺人動機はわかる。)けど、ヒューマンドラマ的な展開は、ミステリーというよりもゾンビ映画を見てるよう。
舌を切断することでシリアルキラー味が出るのが肝心なんだけど、鋭利な刃物がない状態で舌をちぎるのはかなり至難の業だと思うし、そこにかける労力が動機と見合わない。
前半部は、1人ずつ殺さずに一気に6人毒殺してからあとで死体を海に捨てて隠蔽するなり腐敗を進める工作をするなりできたんじゃないかなぁ。
後半部の等身大の女性刑事は好感度高い。男社会でバリバリやる女性は、決してスーパーウーマンではなく職業意識の高い人間だと思う。令和の価値観が心地いい。

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

2部構成の長編。1部目はただ沢山の人が次々に殺されて行く流れが、違和感というかあまり付いていけなかったが、2部まで読み終わり、全体を含めて見れば良かったかなという作品。登場人物の殺人の動機が弱かったり、言動にリアリティがなさすぎてうーんとはなるけれど、現実ではない物語として割り切ってしまえば面白かった。

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2024年03月02日

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気持ちは3.9点!!!
最年少で江戸川乱歩賞を受賞した荒木あかね先生
初読破!!よいしょー!(*’ω’ノノ゙☆パチパチ

前作『此の世の果ての殺人』を凌駕するほど
面白いとSNSなどで見かけるもんだから
期待大で読んだけど……(; 'ω')ゴクリ
感覚がバグってる僕にはちょっと合わなかったですね…笑:( ;˙꒳˙;):
もっとパンチの効いたものが欲しかった。笑

まあ…でも普通には面白いと思います。(゚ー゚)(。_。)ウンウン

本作は二部構成になっていて、

第一部で徒島で次々と殺人事件が発生
ガッツリなクローズドサークルな推理もので
中々面白かった。
しかし…犯人はだいぶ分かりやすい。笑笑

そして二部では一部のその後を描いていて
現在と過去が明らかになり、徐々に
繋がっていく…
しかしね…なんか笑…どいつもこいつも繋がりまくってて、苦笑いしてしまった。( ̄▽ ̄;)
お前もかよ!とツッコんでしまった。笑笑
東野圭吾ぽいミステリー仕立てな感じでしたね。

一部と二部ではガラッと印象が違う作品で
楽しめるし……つまるところ鎖のように繋がった
壮大な話でしたね。笑

個人的には前作『此世の中の果ての殺人』の方が
刺さるような感じがしてたまらない。
機会があれば是非読んでみたい!(˶' ᵕ ' ˶)

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

長編だがすらすら読める内容。第一部と第二部で分かれており2度楽しめる。
これだけ長くてトリックも凝っているにも関わらずなぜか内容があまり印象に残らなかった。一度推理した内容がやっぱり粗くて間違っていて、と思いきややっぱり正しかったというようなひっくり返しが多く、リアリティが無いように感じてしまったからかな。

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

江戸川乱歩賞を受賞した前作【此の世の果ての殺人】も面白かった期待の新星荒木あかね。

今作は本格ミステリー要素も強くワクワクしましたが、個人的に良かったのは構成でした!

一冊で2度楽しめます!!

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2024年02月20日

Posted by ブクログ

第一部は王道的クローズドサークルものでわくわくして読んだが、ちょっとだるい展開。
そもそもこんな犯人に都合よくあれこれ条件が揃うか⁇と思うけど、ミステリにそれを言ってもキリないか。
第二部はテンポよく、第一部より面白く読めた。
でもやっぱり私には、全編通してどうもキャラの性格が理解しづらかった。あの人もこの人も根は悪人なのか善人なのか、それは愛なのかただの狂気なのか。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

島原に浮かぶ孤島、徒島にある海上コテージに集まった8人。
その中の樋藤清嗣は、先輩の仇討ちのため、全員を殺すつもりでいました。
しかし殺害計画の前に、参加者の一人が舌を切り取られた死体となって発見されます。
そこからたてつづけに第二第三の殺人が。
殺されるのは決まって、「前の殺人の第一発見者」で「舌を切り取られ」ていました。
二部構成で展開されるストーリーは、アガサクリスティのオマージュにもなっています。
第二部でも、やはり第一発見者が殺害されるという謎。
二つの事件がつながっていくとき、驚きの真実が。
魅力的な謎に、合理的な解決。
「このミス」1位でも良かったのではと思う作品です。
とにかく面白かった。

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2024年01月29日

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