漆原友紀のレビュー一覧
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購入済み
『魅せ』られる!
生と死の間に在る奇妙で奇怪な存在であるモノ───『蟲』。
このお話はその“者”とも“物”ともつかぬ曖昧なモノたちが引き起こす不思議な現象を解明し、対処法を究明してきた『蟲師』を生業とする主人公・ギンコが旅路の最中で出会うその土地に住む蟲と人々との群像劇です。
『蟲』が原因とされる怪奇現象としては昔の日本の所謂『俗信』に似ている所があり、そういうものらをこのお話ではうまく『蟲が引き起こす現象』として結び付け、主人公たち『蟲師』が「人智を超えた特殊な能力」で解決していくのではなくもっと現実的で具体的な対処法を講じていく様がとてもよく設定が練られている事が窺えそこがこの作品の大きな魅力の一つ -
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ヨキとギンコ
一般的な生き物とは違う理を持つ、生命の源流に近い『蟲』とよばれるもの。
それらを祓ったり蟲で困っている人を助けたりする医者のような仕事を生業とするギンコという男の旅の物語第三巻。
『錆の鳴く聲』
金属にとどまらず、木や人などなんにでも付くという錆に苛まれた村。そこで原因だと村人から煙たがられている口を開かない少女と、それを気にせず彼女にかかわる少年のお話。
『海境より』
数年前に駆け落ちした女性と口論になったまま船に乗った男は、女性が他の船に乗ったまま行方不明になってしまい、口論したことを後悔しながらも、彼女の持ち物が浜に流れ着いてこないかずっと待ち続けているが、やがて自分の人生 -
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蟲と蟲師
昆虫や小動物とは違うもっと生命の源流に近い蟲。
『みどりもの』とも呼ばれるそれらを取り扱い、各地を旅する蟲師の男、ギンコを主人公にした漫画の第二巻。
『やまねむる』
旅の途中に通りがかった山で出会った老人は、蟲師でありながら『ヌシ』として生きていた。
その老人の最期と彼の弟子との物語。
『筆の海』
禁種の蟲を体に封じ込めた蟲師が時たま現れる家系に生まれた女性が、蟲のことを書き記しながら紙に虫を封じ込めるお話。
『露を吸う群れ』
荒波に囲まれた断崖絶壁の小島で生き神として祀られる少女と、彼女をそんな境遇から助けたい少年の物語。
『雨がくる虹がたつ』
虹を見ると見境なく騒ぐ -
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旅する蟲師と出会う人々
蟲師という仕事をしながら旅をする男、ギンコが先々で出会う人々と彼らに関わる蟲との出来事を記したお話。
蟲とは、「みどりのもの」と呼ばれ、一般的な昆虫とは違うあらゆる生命の源流となるもの。
蟲師とはその蟲に関するあらゆることを取り扱う医者のような人たちである。
1巻目はギンコのパーソナリティなどの情報はなく、旅をしながら仕事をする彼と、蟲で困っている現地の人々との会話で話が進んでいく。
『緑の座』は奥深い山に住む少年が左手で絵を描くことによってそれらを実体化させる力を持ち、半ば蟲となった少年の祖母との再会を描くお話。
『柔らかい角』は雪深い山奥で音のうるささに悩まされれた角の生えた少年 -
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一つ一つの短編が短編で終わるには勿体ない強烈な印象と余韻を残します。
まだまだこの登場人物のこれからを見たいのに…と。
話は色々謎が謎のままのことも多いが不思議と設定が甘いとか緩いとかの感想は湧いてきません。
仄暗い世界観がやみつきになる。 -
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すみずみまで面白い
新連載から長期連載まで、すみずみまで面白い。
どの作品も引きが上手くて、早く続きを読まなきゃ!と思わせる。
とりあえず、幼児用の椅子に置いた新品メガネを旦那に壊されたら、我が家だったら夫婦喧嘩勃発だわ、奥さん出来た人やなぁ。 -
購入済み
もっと多くの人に知ってほしい
蟲によって引き起こされる不思議な現象を主人公が解決していく短編形式の漫画です。世界観にはまれればすごく好きになる漫画だと思います。ぜひ1巻読んでみてください。
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アニメが切欠で読み始めました
無理に蟲を退治するという考えでなく、時に共存の方法も考えたりするギンコに好感が持てます。
1巻だと柔らかい角が一番好き。
話の合間に作者が聞いた不思議な話のエピソードが書かれていて、有名どころでなくても身近に不思議な現象はあるんだなと感じられます。 -
5.0 (2)購入済み
どうしても読みたかった
仕事でなかなか書店に行けないのでこちらで購入しました。
江口夏美先生の読み切りがどうしても読みたかった。
とても不思議なお話。続きが読みたいような、謎のままにしておきたいような…
そして、ひとコマひとコマが一枚のイラストのような作画に尊さすら感じます。
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どの作品もいい
第一巻から読み進めているが絵柄がどんどん落ち着いてきてストーリーとなじみが良くなってきたような気がする。
見た目はどちらかといえば平凡な絵柄なのに、ストーリーと合わせて読むむと底知れぬ不気味さを湛えながら揺らめいているような気がするのが素晴らしい。 -
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文字の持つ魔力
底知れぬ不気味さをたたえながら表面上はそれほどホラーでもグロテスクでもない傑作である。
あちらこちら旅をする主人公を描いた連作短編集の形態をとっているため、全体のストーリー構成を気にすることなく一つ一つの短編に注力できるのが良い。第一巻冒頭の作品もあったが中島敦の文字禍を少し思わせるような「文字の持つ魔力」を扱った話が印象に残った。