芦花公園のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
角川ホラーアンソロジーの「堕ちる」です。
コンセプトが割としっかりしている短編って「長編で読みたいなぁ」と思うことが良くある。
同じシリーズのアンソロジーで「潰える」「慄く」では、短編だからこそできる潔さがあったけれど、「堕ちる」に収録されている作品は、後を引く感覚があった。その後の出来事、前日、話が飛んだ間には何があったのだろうかと。
怖さで言えば「潰える」が1番だったけど、読後の感覚だと今作が1番だと言える。
なお、以下に個人的なランキングを書きました。
『怖さ』ランキング
1位 潰える
2位 慄く
3位 堕ちる
『読み応え』ランキング
1位 慄く
2位 堕ちる
3位 潰える
『コン -
Posted by ブクログ
ネタバレとてつもなく声が良くて幽霊に会いたい謎の男性「シマくん」の気を引くために、主人公の女子大生は幽霊が出ると噂の現場に送り込まれて、後から報告をさせられたり、何度も危険な目に遭わされる。
途中の妻を探す話や、砂の家の話から、主人公が「そっちの世界」に引き摺り込まれやすい体質だと気づいていたけれど、まさかシマくん自体が怪談だとは思わなかった。
ちょうど私も主人公のように優しいけど恋愛対象に見てくれない相手を追いかけてモヤモヤしたり、相手に合わせて無理したりしていたので、感情移入しすぎてしまったかも。
わたしも危険を承知で、シマくんを探したい。
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Posted by ブクログ
神様に近い位置にいる猿が苦手なのです。
理由はこれまでに出会ってきた物語で大抵意地の悪い役柄にいるから。(八咫烏シリーズ小説の3巻あたりで登場する猿がとても怖い)
今回は同じくらいかそれ以上に怖かったです。泣きそうでした。
人間の"怨み"の感情から怨霊になるのは、まわりまわって人間らしい強欲さが見えるので、私の恐怖対策としてはマイナスに振り切ってるエネルギー全部プラスに変えたろ、と考えるんだけど、「神様」の領域なるともう敵わないなという畏怖が圧倒的にくるから絶対に太刀打ちできなくてなるがままに身を任せるしかないなと諦めが先にくる。
海外の一神教的考えでは神様に" -
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Posted by ブクログ
ネタバレ痛い。読んでいる間ずっと胸が。一人称小説の旨みがこれでもかというほどに出ていて、だから本当に苦しかった。琴葉の、後悔と反省の数秒後には真逆のことを考えているところとか、そういう浮いちゃって降りられない感情と衝動がず〜っと剥き出しなもんだからまあ読むのが辛くて。
でも旨みでもあるんですよねこれって。
全ての怖い出来事が折目正しくきちんとシマくんと琴葉の行先を示唆し続けていて、読み終わってからああ本当に、ゆっくりと喪失していく話だったんだなと寂しくてやるせない気持ちになる。
それはそれとして一々ちゃんと怖くてお得でもある。
他者から見て本物かどうかってさ、関係ないよね。だってシマくんと過ごした -
Posted by ブクログ
私はまだシリーズの方を全部読んでないので物部さん?のことあんま分かんないんですけど、キャラ分かんなくても気持ち悪いゾワゾワ感は味わえるのでオススメです!!
読み終えた直後の感想メモを発掘!そのまま載せます⬇️
ずっとぞわぞわしている。得体のしれないぞわぞわ感。お化けが怖いんじゃない。猿神が怖いんじゃない。なにが怖いのか分からない。得体がしれないがゾワゾワと汗をかく。夏の田舎で気味の悪いものを見た気がした時に音が遠くなるような、心臓がどくどくと主張するような。じわりと滲む脂汗のように肌にまとわりつく恐怖が相変わらず上手くて良かった。少し可愛らしくて魅力的な語りや気になっちゃうようなキャラクタ