芦花公園のレビュー一覧

  • 眼下は昏い京王線です

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    幾つかのエピソードの中で、個人的にずっと後を引くのは思い出せなくなる系の怪異。焼肉を食べに行ったはずなのに、食べたかどうかすらも思い出せない。本を勧められて購入したのに、ずっとその本の事ばかり考えてしまうのに思い出せない。こういう怪異は精神にじわじわと刺激を与えてくる。何とも後味の悪い怪異譚の中で、琴葉とシマのもどかしい距離感に私もトキメキを禁じえなかったのだが、斜め上のラストでその高揚感も一気に、絶望に変わる。好きだ、とても。

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    2025年04月04日
  • 楽園〈パライソ〉のどん底

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    BLで官能的な描写にもかかわらず、切なさとおぞましさと恐怖が織り交ざり、一見複雑な話がとても巧妙に描かれている。スラスラと読みやすかったのであっという間に読み終えてしまった。

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    2025年03月28日
  • 綺麗な君に殺されたい。: 1【イラスト特典付】

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    まだ一巻だからか、得体の知れない不気味さばかりで、原作者のいつもの恐怖成分が足りないと感じた。ただ作画の美しさが非常に良かったのと、書き下ろしの四コマが茶目っ気ありで面白かったので、次巻も楽しみ。

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    2025年03月26日
  • とらすの子

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    ネタバレ

    常軌を逸した顔の美しい男が出てきて最悪なことが起こりまくる、The芦花公園!! という感じの話。被害者と加害者がオセロのように入れ替わるミステリー的な要素もありつつ、人間にはどうにもできない得体の知れない恐ろしいものの気配が一貫して物語の中に流れている。あまり日本に住んでいると悪魔の恐ろしさについてピンとこなかったりもするのだが、その片鱗が感じられる話だと思う。

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    2025年03月21日
  • 楽園〈パライソ〉のどん底

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    ネタバレ

    因習村の最悪なところを全部混ぜて煮詰めたような設定が好みだった。悍ましい程の魔性の美貌という設定も好きだったんだが、肝心の魔性の美貌についての描写が少し曖昧で想像しづらかった。
    人魚伝説という比較的シンプルな題材を独自の設定に組み込むのが巧みだと思った。大団円をちらつかせてから最後の最後ににバッドエンドを匂わせるのが、作中のねっとりした嫌な雰囲気を崩していなくて好きだった。

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    2025年03月19日
  • 無限の回廊

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    ネタバレ

    佐々木事務所シリーズ4作目。
    直近で読んだ小説現代掲載の「ベトベト・メモリー」と構造的に似ているのだが、前半の「そ、そんなことがあるのかよ!?」という衝撃の連続からの、後半別の世界線に飛ばされまくる中でるみが自分の中の弱さとひたすら対峙していく展開はなかなか読むのがしんどかった(私が向き合わないで逃げまくるタイプの人間なので)。最近首切り馬の伝承を調べていたので前半の海難法師のくだりは「し、知ってるやつだ!!」になった。強すぎる。絶対エンカウントしたくない。片山敏彦はいつも楽しそうでよかった。あのラストから今後シリーズがどうなっていくのか全く想像がつかない。

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    2025年03月15日
  • 無限の回廊

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    ネタバレ

    シリーズのファンなので帯とあらすじを読んで、恐れ慄きながら読み始めた。

    覚めても覚めても悪い夢の中にいる様な、まさに無限の回廊の様な物語。ひたすらに辛く、苦しい心理描写に胸が締め付けられ、もう途中からはホラーを読んでる事を忘れて、ただただ、るみさんの幸せを願いながら読んでしまった。 

    読後感は信じられない程さわやか。
    晴れやかな気持ちで本を閉じたが、我に返るとこれで大団円な訳がない。芦花公園先生の作品なのだから。
    冷静に考えると、様子のおかしい青山君や、突然出て来た謎の女性と、全然解決していない。
    シリーズ最終巻ではないそうなので、押入れの人魚姫を失ったるみさんはこれからどうなってしまうの

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    2025年03月11日
  • 無限の回廊

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    ネタバレ

    物部斉清の死という衝撃的な始まり。
    覚悟していた事態がいよいよかと腹をくくって真剣に一章、二章…と読み進めれば、るみ、青山くん、片山敏彦と登場人物はおなじみなのに「なんだなんだ!?何を読まされてるんだ!?」という困惑に陥る。
    何かがおかしい、何かが狂ってるという強烈な違和感はもう最悪しか想像できないクライマックスを乗り越えて、泣きたくなるような安心と充足感に着地した。
    毒を完全に吐ききったるみは無力になってしまったのかな。できれば次は、別の方法で依頼に応えるパワーアップした最強の彼女にお目にかかりたい。

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    2025年03月08日
  • ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語

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    雨穴さんや梨さんの作品に興味があり、怖すぎないかを確認するために読んでみました。
    短編で8人の作家さんがそれぞれのホラーを書いてくださっており、どれもゾッとするほど怖くはないけど、時々後ろを振り返るほどにはうっすら怖い…という感じでした。
    中学生の時に読んでいたら、放課後、読んだことを後悔していただろうなぁ…
    大人になった今は、ホラーよりも怖いものがあると知っているので、創作物だ、と楽しんで読むことができました。

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    2025年03月05日
  • ほねがらみ

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    ネタバレ

    散らばった話がひとつになったときの、あの謎が解けるような感覚は読んでいてとてもスカッとするものがあるけれど、この作品ではとにかく怖さや気味の悪さしかなく、読後もとても悪い…

    けれど、続きが気になってしまって怖いのに一気読み。
    作品的には、“ある近畿地方の〜”や映画「リング」のような感じ。

    そしてそこに悪魔や蠱毒まで加わってくるから、ホラーのサラダボウルのような感じになるけれど、そこは上手く落とし込めているなぁと思った。

    この怪異の「法則はないが順番(順序だっけ?)はある」というまさかの事実に私も震えた。
    怪異の気分で災いが降りかかるかもしれないなんて怖すぎる。

    取り憑かれた人達が皆んな

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    2025年03月02日
  • 無限の回廊

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    ネタバレ

    ホラー……?
    タイトル通りだし、物部さんはいますし、今の自分に刺さり過ぎて羞恥で朝6時からゲロ吐いた
    佐々木るみが押し入れを手放すための話

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    2025年03月01日
  • 無限の回廊

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    シリーズでも主要メンバーの物部さんが
    亡くなった所からのスタートですが、
    その後も情報量多くて一体どうなってしまうのかと
    先が気になる展開が続きます。
    主人公が成長したこの先の話、また次回作へ
    期待したいと思います。

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    2025年02月22日
  • 極楽に至る忌門

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    これは本当に不気味ですし、何度か読み返すことになります。

    あらすじ

    隼人が大学で出会ったのは山奥の田舎出身という薄幸の美少年、匠だった。物腰穏やかで優しい匠と仲を深めていると、実家に遊びに来ないかと誘いを受ける。せっかくだからとその誘いに乗るが、匠の実家は村八分を受けているようで嫌がらせの電話を受けたり、村人に無視されて驚く隼人。匠の祖母が頷き仏を家に近寄らせたと話したことで匠もおかしくなってしまい…。


    様々な人物の目線で頷き仏について語られるので一回読んだだけではわかりにくいと思います。隼人くんと匠くんが出てくるのも1話だけですし。それでも1話目からゾクゾクするのに、話数を重ねるごと

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    2025年02月20日
  • とらすの子

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    ハイ!ホラー!

    お願いすると相手が亡くなる!
    しかも、爆発!
    グロい…
    タイトル忘れたけど、コミックで、人が裏返って死ぬ気持ち悪いのがあったけど、そんな感じか…

    「とらすの会」ってとこで、恨みある人の名前を言うと次の日には、ドカーン(人爆発!)
    仕事人か!
    デスノートか!
    この会は、何やねん!
    怖すぎるやろ!

    マレ様に頼めば〜
    この人、人外の美しさ (,,• •,,)キュン♡
    (秋せつらみたいなもんか)
    真実は違うんやけど、こういう美しさは、何かあるねんな…
    イケメン禁止やな!!!(異論続出か!w)
      →かなさんの意見により撤回!!!
    しかし、これオーメンやん!
    なんぼ、退治しようと

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    2025年02月17日
  • 食べると死ぬ花

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    面白かった、イヤミスっぽさもあった。
    短編だけど、彼を通して繋がる関係。
    だけど最後がわからない…
    この作者さんの本、めちゃくちゃ美青年出てくるんだけど
    一体どんな感じなんだろう…

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    2025年02月10日
  • 眼下は昏い京王線です

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    ラブストーリーというにはホラー過ぎて、怪談というには人怖過ぎて、、、
    もう色んな意味で怖いです。
    主人公の琴葉のシマくんへの想いも、怪談に絡む人々の人の暗い部分が、読めば読むほど深い闇のようで、何が何だかわからなくなる感じに背筋が凍る。
    グロはないのに、怪談もとりわけ恐ろしい話ではないのに、ライトな感じで重く暗く怖い。
    まさに芦花公園の小説。他のホラー小説とは次元の違う怖さ。
    最終章・カクヨムの後日談では、他作の登場人物もカメオで登場で芦花公園ファンにはたまらない。

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    2025年02月07日
  • 極楽に至る忌門

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    「家が滅ぶ」っていうのはこういうことなんだなという、これでもかというぐらい滅ぶ話。
    家を物理破壊するのはちょっと笑った。
    怪異というより本当に人間が最悪すぎるんだよな。まだ助かるチャンスはあったはずなのに。いや無かったかも、、、
    途中最悪なジュマンジみたいなゲームが出てくるのが(やるまでの流れからやりおわった結果まで)めちゃめちゃ最悪ですごかった。
    助からねぇ~~~~~~。

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    2025年02月01日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    好きな作家さんが何名か著者として表紙に名前があったので読んでみました。
    宮部みゆきさん、小池真理子さんは怖いだけじゃなくて読み終わった後の余韻もある味わいでさすがです。新名智さんの作品はゲームブック風、でも読み進めていくうちに…と驚きの展開でした。芦花公園さんは相変わらずワールド炸裂。一番怖かったのは内藤了さんの「函」でした。ONのシリーズが頭にあったのですが、全然違う味わいで、怖くて読みやめたいのに面白くてやめられないという大変な状況に。

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    2025年01月27日
  • 堕ちる 最恐の書き下ろしアンソロジー

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    「竜狩人に祝福を」
    一番面白かった。
    ファンタジーのタイトルで内容も外国が舞台になってて、ゲームブックの構成だったから懐かしいな〜って思って楽しんでたらとんでもないことに…

    「函」
    久しぶりにめっちゃ怖い!夜中に読んでて途中で読むのやめて次の日に読みました。あんな家一泊もしたくない。

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    2025年01月15日
  • とらすの子

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    ネタバレ

    「ほねがらみ」と全然ちがう!ちゃんと筋道だっていてストレスのない読み口で、さすが創元推理文庫。
    ひらたく言えば悪魔ものなんだけど、人間の嫌なところに対する解像度が高すぎて、よくある悪魔ものとは違うジメッとしたジャパンホラー感があるところがいい。
    期間限定の特別掌編もお得感がありました。

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    2025年01月13日