芦花公園のレビュー一覧

  • 食べると死ぬ花

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    生きることに絶望してしまった人たちへ
    今そのとき必要としているだろう不思議な物を
    すっと差し出し
    病んでいるその心の隙間に入り込み
    さらに惑わせ、苦しめ、地獄へと突き落とす
    そんな美青年のニコちゃんとはいったい
    何者なんだろうとページがどんどんすすむ。
    そして、その正体が明かされたとき
    うわー、なるほどーと妙に納得してしまった。
    呪われたような一族の因果については
    難しすぎてちょっとわからなかったけど…

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    2024年01月27日
  • 聖者の落角

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    ネタバレ

    神を騙る存在が対象とするのが先天性だったり難病で治せない病気の子どもたちで、神に入られて表面的には子供が1人で走ったりご飯を食べたりできるようになるけど様子がおかしくなる、というのがイヤな感じで良かった。たとえおかしな様子でも、以前より元気になった我が子のままでいてほしいと願うゆうくんママの心情の変化をもっと読みたかった。半永久的に子供の世話をすることになる親の視点でもっとみたかった。

    青山も、るみも、作中最強格の物部も強くてなんでもできるスーパーマンではない、という書き方が新しい。1人でなんでもできないから周りに助けを求めるんだ、という流れが良かった。

    最後の「ほほほ」で青山の怪しい雰囲

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    2024年01月05日
  • 食べると死ぬ花

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    人間の厭な部分をこれでもかと描きながら、とある一族の目の前に現れる美しき謎の青年ニコにより、3つの約束を守れば死者が還ってくる壺をはじめとした不思議な物を贈られた人間たちによるホラー短編集。世界観がドロドロとしていながらも美しさのような、美しいと感じてはいけないような、そんな気持ちにさせる作品

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    2023年12月31日
  • 漆黒の慕情

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    ネタバレ

    ”絶世の美青年”である塾講師の片山は、黒髪の女性のつきまといと異様な現象に苦しめられ、心霊案件を扱う佐々木事務所を訪れた。
    時を同じくし、小学生の間で囁かれる噂「ハルコさん」に関する相談も事務所に持ち込まれ……。


    前作『異端の祝祭』に続く、佐々木事務所シリーズの2作目。前作がカルト宗教を扱た作品だったのに対し、今作はストーカーと、伝染する都市伝説をテーマにしたものになります。
    ストーカーやルッキズム、ジェンダーバイアス、性自認、アイデンティティの確立、毒親問題、など近年取り上げられるテーマも扱いつつ、きっちり怪異も登場する、都市伝説ホラーでもありサイコホラーでもあります。

    このシリーズま

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    2023年12月05日
  • 漆黒の慕情

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    今回も泥沼に浸ったような読書ができました…!
    ストーカーや都市伝説、ジェンダーバイアス、性志向…と内容は現代のどろっとしたところが内容の要素となっていました。大学で少しジェンダーと家族について少しかじっていたので内容を先読みできたのですが、そこに至る経緯が当事者の語りを聞いたときのなんとも言えない感じとホラーの怖さが混ざって心がぐちゃぐちゃとされました。
    ラストで心が整ったあとにまたグシャっとされました。何よりも気付くことの難しさを痛感した噺でした……

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    2023年10月25日
  • 超怖い物件

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    家にまつわる、呪い・人の怖さが盛りだくさん。
    どれも怖い話だけれど、群を抜いて、ゾワゾワしたのは澤村伊智の『笛を吹く家』・芦花公園の『終の棲家』。
    自分自身の「先入観」も怖いと感じた。

    人の家の怖さは、医療職で訪問をしていた時によく味わったので、その時の怖い経験も思い出して、余計怖かった。
    開かずの部屋のある家、どこからか監視されているような家、どうしても気分が悪くなる家、、、いろいろあったなぁ。

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    2023年08月17日
  • 超怖い物件

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    11人の作家さんによる短編集

    心霊系から人怖まで様々な怖い話が盛り沢山の超お得な本

    糸柳さんのは簡単な日記で怪談社で活動する日常が面白かった

    澤村さんのは捻りが効いていて最後辛くなる話

    芦花さんのはやっぱり狂気を感じる話

    私が1番絶対嫌な家は平山さんの話の家です

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    2023年08月01日
  • 超怖い物件

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    家にまつわるホラー短編集。
    様々なホラー作家の作品が読めるのもいい。
    物件も町おこしのための古い家や事故物件、マンションなど様々。
    一つ一つが短いためサラリと読めるが、短い中に怖さは凝縮されていてとても良かった。

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    2023年07月30日
  • 聖者の落角

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    ネタバレ

    今作は佐々木るみの視点の語り。
    難病の子供たちが黒服の青年との邂逅により身体は回復するが異様な言動をするようになった、と言う相談が事務所に舞い込む。
    るみ視点の合間に挟まれる黒服の青年視点では『かわいそうな子供』に極楽を見せて身体を癒し救っていく様が描かれる。

    病気が治ったら幸せなようだけど、病気は治っても我が子が『違うモノ』になってしまっていたら親としてはやはり不幸なんだよな…


    前作のラストもあり、読者もるみも青山くんを疑ってしまうけど…
    ミスリードであってくれと祈りながら読んだ方多いはず。
    そして今回も不穏な終わり方…
    もとは住む世界の違ったはずのるみと青山くんに寄り添う覚悟ができた

    0
    2023年07月05日
  • 漆黒の慕情

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    佐々木のもう一人の相棒 敏彦さんの登場

    絶世の美青年というのが

    また中二病心をくすぐります



    でも敏彦さん 実は心は

    かなりのクズでもある

    自分の興味でしかないのに

    なんとなく いい事したみたいに

    なってるのが 

    美青年補正ですね



    美しい容姿に 美しい心は

    決して入ってないんですよね

    前作の笑美しかり

    心は普通 それどころか

    弱いゲスくて

    腕っぷしもない

    普通 そこがいい

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    2023年06月08日
  • ほねがらみ

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    ノンフィクション、ルポルタージュ風のホラー小説で自分自身が怪異・謎を追ってるような気分になる。

    土着信仰は文献があいまいだったり、混ざり合ったりして、理解不能のところもあり、それがまた不快な感覚を覚える。
    実際、私の故郷も田舎なので、土着信仰?的な、他の地域では見かけない風習などある。(大晦日に式神をわりばしに挟んだものを振りながら「悪魔っぱらい」と言いながら家中を歩き回り、最後は家の道路脇に突き刺す。)土地を離れた今、考えると不思議なことだけれど、幼い頃はなんの疑いもなく毎年行っていたことを思い出した。

    怪異に触れた人たちがおかしくなっていく描写は、精神疾患の方々の話を聞いているようで(

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    2023年05月30日
  • ほねがらみ

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    「ずずずずず」って、蕎麦すすってるやないで!
    って、それやったら良かったのに…
    別にオカルトマニアやないけど、怖い話とかに興味持って集めるとかや〜め〜よ〜!
    何が紛れ込んでるか分からん。
    知らん間に、巻き込まれてたら、嫌やし!
    触らぬ神に祟りなしや!
    あかん!
    神もなんか怖い〜。
    今日は、週末やから、朝まで起きとこ〜
    まぁ、話としては、

     そんなに怖くないやん!
     そんなに怖くないやん!
     そんなに怖くないやん!
     そんなに怖くないやん!
     そんなに怖くないやん!
     そんなに怖くないやん!
     そんなに怖くないやん!

    なんか自分がおかしい〜\(//∇//)\

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    2023年05月19日
  • 漆黒の慕情

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    塾講師の片山敏彦は男女問わず虜にしてしまうほどの絶世の美青年。
    注目される事に慣れてはいたが、一際ねっとりまとわりつく視線とストーカー行為を受けるようになる。
    敏彦を慕う周囲の人間まで被害が及ぶようになり、しかも異様な現象まで起ったため佐々木事務所に相談に訪れる。

    一方青山は教会に通う小学生の七菜香から学校で流行っている『ハルコさん』の怪談について相談を受け、佐々木事務所に持ち込むが、敏彦のストーカーと奇妙な符号があり…


    ルッキズムやジェンダーに関しての言及が多めの印象な今作。
    魔は美しいものに惹かれる、ということで前作の被害者・笑美に引き続き敏彦も絶世の美貌持ちだが、だいぶ癖が強い。美

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    2023年05月05日
  • 聖者の落角

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    ネタバレ

    青山くんからるみへと視点が移り、陽キャの青山幸喜という人物が急に謎めいた霧にまかれ戸惑う。
    るみが追う怪異案件の背後にチラつく人影が彼を匂わせヒヤヒヤのし通し。病気の子どもを持つ親の気持ちに感情が持っていかれるし、終盤の神の在り方の激突には三浦綾子さんの著作を読んだ時のような眩い衝撃を受ける濃厚な落ち着かなさの連続だった。
    再登場の片山の活躍は今後楽しみだけど、物部さんには死亡フラグを感じたし、沢野の結末やあのラストはモヤモヤ、次はもっととんでもないことが起こりそうな気がしてしょうがないのは自分だけか…。

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    2023年03月24日
  • 聖者の落角

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    恐い……わけのわからない何かが子供たちを苦しめてるのも辛いし、子供の身体の不自由が治ったと思いきや今度は精神がおかしくなったことに振り回される親たちも可哀想だし、それでも身体が動くように変わったことは幸せだと思い込む親もしんどいし、発端となった少女の背景もエグいしで、読みながらずっと恐い恐いとぼやくしかなかった。青山くんが最強キャラみたいで勝手に頼みの綱のように感じているけれど、今巻はちょっと疑わしい空気を漂わせていたので、それも合わせて恐い話だった。ただ、絶世の美青年が相変わらず絶世の美青年っぷりを発揮していたので、そこはとてもとてもよかった。

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    2023年03月08日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    読み応えのあるホラーオムニバス
    好きだった話抜粋

    「氷室」
    途中でオチは読めたけど更なるオチがついてるとは…読んでくとひんやり感が伝わってくる

    「旧居の記憶」
    昔住んでたとこ変なこと多くて〜心霊現象多かったンスよ〜で済んでいいのか分からない作者の体験記
    かつてのノスタルジックな情景を思い描きながら読んでくとオチに突き落とされる

    「やなぎっ記」
    怖くて((((('Д')))))泣いちゃう(ToT)/~~~

    「笛を吹く家」
    3歳の息子と散歩した時に思いついた創作って始まるのが怖い

    「終の住処」
    この作者結構な確率で読者巻き込む

    「ろろるいの家」
    文章の密度が凄い。他

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    2023年01月01日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    こわかった!
    ほぼほぼ全部怖くて、また新たなホラー小説の楽しみを知られたな!という感じ!他のお話も読んでみたい作家さんも増えて、よかった。

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    2022年10月18日
  • 漆黒の慕情

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    ネタバレ

    るみと青山が今回解決に乗り出すのは、絶世の美青年をつけ狙う不気味なストーカーの影と小学生の間で広まる「ハルコさん」の奇妙な夢の噂。その二つがどう絡まるのか…るみの過去も垣間見えてハラハラドキドキ。
    前作と違う現実寄りの案件だが、作者が操る独創性あふれる登場人物たちによってこれでもかと掻き回され、一線も二線も超えた次元に運ばれた気分。
    片山の悪魔っぷりに嘆息し、ホッと安堵した解決後に投下された爆弾に呆然。青山も物部さんのような苦悩を背負っていくのか。
    怖さは高みへ、このシリーズの魅力は深みへ、もう抜け出せない。

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    2022年03月10日
  • 異端の祝祭

    ネタバレ 購入済み

    読み進めるにつれ気持ち悪くなる

    異端の祝祭というタイトルと、民俗学カルトホラーと言うコピーに惹かれて読みました。

    幽霊が「普通」の人間のように見えてしまう事で、「普通」の生活ができない就活生の笑美の冒頭の話から、独特の気持ち悪さに引き込まれました。
    そんな笑美が、ヤンと自称する男によってカルト宗教に取り込まれて行く様や謎の儀式は、私にとっては怖さの入り口でした。
    笑美を救おうと中盤から登場する、心霊案件を解決する事務所のるみと青山の登場で、物語に明るさが見えたと思ったのもつかの間。
    なぜ心霊事件を生業にしているかを明らかにしたるみの生い立ちの描写が、物語を不快な方向へと一気に落として行きました。
    さらに、ヤンの

    #ドロドロ #怖い #ドキドキハラハラ

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    2021年06月14日
  • ベトベト・メモリー

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    読み終わったあとに、あらすじ読んだら全然違うじゃんと吹き出した。
    いつもの芦花公園の設定に薬を入れて混ぜ混ぜしたような作品。最後だけ爽やかな感じがなんともいえない。

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    2025年12月21日