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Posted by ブクログ
あぁ、相変わらず気持ち悪くて美しい。
芦花公園作品を読むたび、もれなくこの感情になる。
美と醜。
善と悪。
こんなにも相反する要素が、どろりと溶け合った作品は唯一無二だ。
『聖者の落角』芦花公園
〈佐々木事務所シリーズ〉3作目。
民俗学、キリスト教、カルト集団。
この三つが濃密に絡み合っているのが、このシリーズの魅力だと思う。
何と言っても、このシリーズは気味が悪い。笑
でも、それと同じくらい
思わず信仰心すら抱いてしまいそうな、
得体のしれない美しさと吸引力があるのだ……
病院に現れ、
子どもたちの難病を治した黒服の謎の青年。
けれどその日から、子どもたちは異様な言動をするようになる。
小さな子どもが急に、
「おさらさまが月を降りてくださる。私は鍵を開け、それを迎えます」
なんてすらすら言い出したら、恐怖しかないんですけど。
✧
そして登場人物たちが、
おしなべて魅力的すぎる変人揃い!
霊的存在を「押し入れ」に封印することができる佐々木るみ。
るみの助手で、プロテスタントの牧師の家に生まれた好青年・青山。
歪んだ趣味を持ちながら、人外めいた美しさを持つ美青年・片山。
そして、圧倒的な力で怪異を鎮める拝み屋・物部斉清。
……クセが強い。だがそれがいい。
祈りと救済。
小さな希望にすがりたくなる人間たち。
どんな信仰であれ、
それはある意味、狂気に似ているのだと思う。
私たちは生まれながらにして、
人の「善性」を信じたい生き物なのだろう。
けれど、そこを容赦なくひっくり返してくるのが
芦花公園さんなのだ。
とても、とても好きだ。
Posted by ブクログ
心……抉られるぅ〜(T-T)
前作がめちゃくちゃ面白かったので、引き続き佐々木事務所シリーズを読むことに!
難病を患った子供達が次々と病が完治し、その後異常な行動を取り始める。
今回は雰囲気が重々しいだけあって話が進む度に心理的な要素が重くのしかかるような内容でした。
しかし、最後の方はかすかな希望がある終わり方と佐々木るみという今まで無敵かよ(個人的な意見)と思われた人だったが、決して完璧ではなく、むしろ弱さや矛盾を抱えている人間味溢れるような描写が垣間見られたので、めちゃくちゃ好感が持てました!
総じて今回も面白い!!ということで引き続き4作目『無限の回廊』を読んでいこうと思う!
つか…しれっとレギュラー化?してる?敏彦くん笑
Posted by ブクログ
佐々木事務所シリーズ第3弾。
芦花公園さんの作品の中で、1番好きな作品!!
芦花公園さんの作品は、ヒトの心の真髄をついているといつも感じる。
強い人から、弱い人から、様々な目線からの心の深奥を代弁されていて、共感できることばかり。
どの作品を読んでもそう思う。
対人関係で辛い経験しないと感じる事ができないと思ったが……。私がそう思ったからと言って、自分も繊細であると言いたいわけではないので、誤解なきよう。
ホラーというジャンルでこんなに人の言葉で考えさせられるのは他にない。
だが、そこもある意味でホラーだ。
るみの幼少期の経験から、こう思うようになるのは仕方ないよね。と片付けてしまわないのがいい。
『漆黒の慕情』からの登場人物である片山敏彦も、顔が良い為に対人に感じる気持ちや求めるモノが違う。
何でも持っている彼は、より人間らしい欲と感情を好む。
上っ面を見透かす力がありそう。
黒服の男が子供達と話をした後、難病を持つ子供たちが次々と完治していくという奇妙な現象が起こる。
その後、子供達は、同じ歌を歌い出す。
異様な行動を取る子供達に、周囲は振り回され手に負えなくなる。
るみの元に来る依頼人の相談内容に類似性があり、異質なものがるみへ寄ってきていると気づく。
心霊現象を扱う佐々木事務所と聞くと怖そうだが、怖くない。
四国に住む拝み屋や土着信仰、カルト教団やキリスト教、エクソシストまで幅広く物語を膨れさせ、満足度が高い。
ミステリーのような匂わせた仕掛けにも、言葉の端に伏線を残す。
『落角』の意味は、私が想像している通りで合っているのだろうか。
『聖者の』が、重要な意味を齎しているのだけど。
無意識の悪意。悪意のない悪意。
いちばんタチが悪い。
でも、気付いていないだけで自分もしているのかも。
芦花公園さんの作品の中で1番好きです♡
『とらすの子』も読みたい。
Posted by ブクログ
途中までずっと「頼むミスリードであってくれ頼む」って気持ちと「いやそんなキャラ被りする奴いるか……?」って気持ちで揺さぶられながら読んでました。
シリーズが進むごとに読者とるみの距離感が近くなってきてるというか、『異端の祝祭』の頃はこんなに視点キャラクターとして違和感なく一緒に物語を追える人だとは思わなかったよ!
「見る」ことがフックになる怪異、厄介で怖いなぁ……。
病気が治る=幸せではないとか、怪異が祓われる=よかったね~で終わらないところが皮肉で芦花公園先生らしいなぁ。
最後の終わり方も……もうこんな締められ方したら今後もシリーズ追わざるを得ないじゃないですかー!
Posted by ブクログ
ゲラ読み当たって書いた感想です。文庫買ってきたので貼ります。
これはなんというかめちゃくちゃ重たい作品だ。
今まで読んだ佐々木るみシリーズのなかでもっとも宗教臭が強くて、ヤバさが半端なかった。
佐々木るみを必要としているひとと、佐々木るみが必要としているひとたちが古い呪いと戦うおはなしとして読んだ。
佐々木るみの物の見方考え方を時々受け入れられないこともあったけど、今回のごちゃごちゃした思考回路は全く好みで、ゲラ読みという僥倖に預かったことが感謝しかありません。
物部斉清が死なない物語を望んでいたけど次くらいはもしかしたらな、雰囲気で苦しい。
片山敏彦と青山幸喜には佐々木るみをめぐってバトルを起こしてほしい気持ちもありますがそれはそれ。怪異をどんどん、拾ってきてもっとヤバいはなしになればいいと思ってます。
佐々木るみが自分の力を知った瞬間をもう少し詳しく知りたい。でもそのはなしを一冊の本では読みたくない。このシリーズはもっとぐちぐちぐちぐちした感じになってほしい気持ちもあります。
文庫刊行されたら必ず買います。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
わかりやすく「人の心の弱さにつけ込む怪異」の話だった。そこに絡めて絶望や苦しみの中においての信仰とは何かを問うてくる。
祈って届かない神よりは祈ったら叶えてくれるものに縋るのは当然なのだがそれが意に沿わないものであるというのは本当に嫌だ。
今回青山くんがキーパーソンとなってくるが、本当に芦花公園先生の話には善良な「だけ」の人間がほぼ出てこない!! 前作からの流れが上手い。
相変わらず片山敏彦の常軌を逸した美しい顔面が大活躍だった。もっと活躍して周りの人間をもっとめちゃめちゃにしてくれ、、、
それにしても、悪意のない無神経な人間に対する描写の解像度が高すぎる。
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