阿刀田高のレビュー一覧
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相変わらず阿刀田さんの教養書シリーズにハズレはない。ダンテの神曲、こんなにも古典的で分かりにくいものを瑞々しく現代口語で伝えてくれた。地獄、煉獄、天国。ダンテは三つの世界をギリシャ・ローマ神話の登場人物たちや、全然関係ない、かつてダンテが惚れしていた女の子ベアトリーチェの案内によって見て回ることができた。地獄ではキリストの教えに反して最善悪行を積んだ王や神も含めるさまざまな人々がマグマのコンクリートみたいなところに入れられて、ゴブリンみたいなやつらに棒でつつかれていた。怖え。ゴブリン同士の仲間割れみたいなのもみつつ、怯えながら進んでいくと今度は煉獄に辿り着く。そこは静かな離島のようなところ。人
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西洋文化を学ぶうえで聖書の知識は不可欠だ。そう思って聖書を手に取ったのだが、読んでも読んでも内容が頭に入ってこない。そんな中、阿刀田高さんの「旧約聖書を知っていますか」購入した。「新約聖書を知っていますか」「私のギリシャ神話」「楽しい古事記」と読んでいき、阿刀田さんの教養書シリーズ4冊目である。すっかり阿刀田ファンだ。
冒頭の、アイヤー、ヨッ から何言ってるんだこの人と思いながらもどんどん引き込まれて楽しく最後まで読ませてもらった。新約聖書と比べて、神話よりのはちゃめちゃエピソードも多くとても面白いなあと改めて旧約聖書の内容を少しだけ理解できてきた気がする。するめの例えも秀逸だ。神が世界を作 -
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阿刀田高さんの教養書シリーズ。新約聖書について知らなかった知識を沢山教えてくれた。聖書について勉強したいと思いつつ、無信仰者の為、どの程度信じていいものか、またどういう姿勢で関わりを持てばいいのか悩んでいたところだった。この本では同じく無信仰者である阿刀田さんが、無信仰ならではの価値観で語っておりとても面白い。イエスは確かに実在した、ただし彼の起こした奇跡のようなものは流石になかったであろう。母マリアは受胎告知によってイエスを身籠ったのではなく、もしかしたら複雑な事情で別の男性との間に子供を儲けてしまった。しかし寛容なイエスの父親は、それを受け入れ、一緒に育てていくことを決めた。イエスとマリア
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ギリシャ神話を殆ど知らなかったので、入門書的に読みたくて購入。阿刀田高さんの教養書シリーズは、充分な知識を得られるのもさる事ながら、小説家ならではのユーモラスな視点で古典文学を独自の解釈も交えて柔らかく読者に伝えてくれる。とても読みやすくて面白い本だった。聞いたことのある名前のギリシャ神話十二神たち。それぞれの面白エピソードが忘れられない。ゼウスが好色だった話。美の女神、ミロのビーナス。冥界の神ハデスと古事記の類似点。エロス=キューピッドで彼にも恋をした青年期があったこと。豪傑な戦士オリオンとサソリの戦い。ナルシズムの語源になったナルキッソスは死んで水仙の花になったこと。とにかくわくわくするよ
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小学生の頃、親の本棚にあった阿刀田高の本をソッと抜き取ってコッソリ読んでいた。
ちょっといけないことをしているような気持ちでドキドキしながら、大人の世界を覗き見ているような気になっていた。
私にとって、阿刀田高といえばそんな思い出の作家の一人。
読んだ感想としては…はて、こんなにマイルドな結末を書く作家さんだったっけ??最近の刺激の強いミステリー小説をたくさん読んで、感覚が麻痺してしまったのかなぁ…。
でも筆致は美しくて、子供の頃の、のめり込んだ気持ちが思い起こされた。「あとがき」にも同じようなことが書かれていたけど、なんか情景がカラーでふわぁって浮かんでくる感じ。
書かれた時代のことも -
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齋藤孝さんの本で、紹介していたので読んでみた。宗教関係のことはほとんど無知に近いので、教養を増やすために読んでみた。
著者のおやじギャグや体験談などを交えて、フランクに書かれているためとても読みやすかった。登場人物が多いので、混乱することもあり、戻ったりしないといけないところもある。読みやすく書かれているこの本でこそ、そんな風なのであるから、旧約聖書の原書を読むのは相当な労力がいるんだろうなと、思った。
アダムとイブ、モーセ、ソロモン、バベルの塔など「名前は聞いたことあるが詳しくは知らない」みたいな話しが、こんな話だったんだと知ることができた。これだけでも、教養を少し獲得できたのかなと思う。こ -
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阿刀田氏の「知っていますか」シリーズ以外を読むのは初めて
「トロイア」
なんとなくのあらすじは知っているというトホホな知識量
さらにかなりぼんやりしてきているのでここでしっかりおさらいしようと読むことに
登場人物は多めながらもさすが阿刀田さん!
いちいち特徴的な部分をニックネームにしてくださり覚えやすい
例)鷲鼻の〇〇、赤髭の××、背高の△△…
またしばらくしてから登場する人物は必ずどこのどなたさんか親切に説明が入る
物語形式ではあるものの、要所要所に現在の場所や歴史的史実がナレーション形式で入ってくる
さらにギリシア神話のご説明もあり大変親切だ
(阿刀田氏の親切さは相変わらずこの上 -
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阿刀田高のこのシリーズは好んで読むが、その中でも特に面白かった。逆説的だが、コーラン自体が面白くないからだと思う。
細かい、くどい、権威主義的?、ムハンマドに都合良過ぎ!、という感じ。旧約聖書や新訳聖書、ギリシャ神話や古事記の方が物語性に富んでいて遥かに面白い。コーランに遺族の相続割合について記載されているとは夢にも思わなかった。
しかしその分「コーランってこんなに詰まんないの!?」という面白さがあった。
聖書に比べて全く馴染みがないし、罷り間違ってもいきなりコーランを読むことはないだろうから、これを読むと良いと思う。コーランにモーセやイエスは結構出て来るので、聖書の前知識はあった方が良い。 -
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「やさしいダンテ」に続いて阿刀田氏
そもそもはこちらをずっと読みたいと思っていたのであった
「やさしいダンテ」同様大変読みやすくお気に入り
冗長的で退屈な部分を一切省いた「おいしいところどり」してある
さて、「ギリシア神話を知っていますか?」…
なんとなく知っているものもあるし、あれ?これってギリシャ神話の話なんだというものも
映画になっていたり、無意識に我々の世界に存在しているような気がする
しかし腰を据えてきちんと知識を得たいと思っていたので、この本が丁度良い気がしたのだ
(実際初心者には最高に丁度良かった)
阿刀田氏の分類によると、ギリシア神話は、以下の5つの分類される。
1.オリ