【感想・ネタバレ】コーランを知っていますかのレビュー

あらすじ

遺産相続から女性の扱い方まで厳格に、でも驚くほど具体的に、イスラム社会を規定する『コーラン』。日本人には理解しにくいと言われるこの書も、アトーダ流に噛み砕けばすらすら頭に入ります。神の言葉『コーラン』は、実は後悔しない人生を送るための親父の説教みたいなものなんです。イスラムとの協調が絶対不可欠な、今だからこそ読みたい『コーラン』の、一番易しい入門書。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。

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Posted by ブクログ

コーランの。イスラム教の入門書としてこれ以上の本は無いと思う。

西洋のキリスト教世界的な感じ方に汚染されてしまっている現代の日本人として、一方的な見方でしかイスラム教を見て来ていなかった。
信じるものか違えば世界の見え方も変わって来るのだ、という当たり前のことが分かっていなかったことを痛切に感じた

今後の世界ではイスラム教の信者の数がキリスト教の信者の数を上回ることは必然。
西洋世界の常識や思考のみに依存せず、偏向のない考え方を教えてくれる最良の書と思います。
最終章のサウジアラビア、ヨルダンへの旅行記はコーランから一気に現実のイスラム世界に一っ飛び。知ることの出来なかった実際の現地の人の感覚も垣間見れて楽しかったです。

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2024年01月24日

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コーランやイスラムについて学んでみたいと思いひさびさに阿刀田高氏による「知っていますか」シリーズ。概要がわかったとはとても言えないけどコーラン全体の雰囲気を感じるには良い一冊なのでは。特にムハンマドの生涯もあわせて解説してくれている点が良い。歴史におけるイスラム国家の急激な広まりとその強さについて考えたいので、さらに学んでいきたいけど、このまま未読の「◯◯を知っていますか」シリーズを読み進めていきたい気持ちもあるし、悩みどころ。

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2022年12月04日

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阿刀田さんの「〇〇を知っていますか」シリーズは、数年前にハマってすべて手に取りました。が、当時このコーランだけは途中でやめてしまいました…
イスラム教に馴染みがなさすぎたし、コーランの内容も旧約新約聖書と違って読み物としてはあまり面白くない(ストーリー性が薄いから)と感じてしまったのが理由です。

ですが、この度縁があってイスラム教の国で暮らすことになったので再度手に取ってみました。
毎日アザーンの音を聞き、街を歩くほとんどの人がヒジャブを被っている光景を見ると、やっぱりだんだんイスラム教が気になるしもっと知りたいと思うもの。前回よりは随分頭に入ってきやすかったです。
イスラム教への理解を深めたい初心者には、この本はとても良いと思います。どっちにしろコーランはアラビア語で読まないと読んだことにならないようなのでハードル高いですしね。

日本にはイスラム教の人はあまり居ませんが、世界の三代宗教のひとつだし、教養の一つとしても知っておくべきなのだろうと思いました。ユダヤ教とキリスト教との関係もよくわかりました!

ここからは単純に疑問…
イスラム教だけではないが、かつて神の啓示をうけた預言者が人々に神の言葉を伝えてくれたわけですが、神の啓示って更新されないんですかね?つまり預言者は布教当時に現れただけで、今後は現れないのかしら?
神様の基本的な教えは変わらないと思うけど、特にイスラム教の教えは随分細かいとこまで指定されている印象があるから、時代の変化に伴って図らずとも結果的に神の教えに背いてしまいそうな時も多々あると思うのだが…例えば金融業はダメとか、女の人の取り扱いとか。これだけ女性が社会進出してるなかで矛盾もたくさんあるのではと推察。豚肉がダメな理由は不明だが、仮に当時の衛生環境的に食べたらお腹壊すから、、みたいな理由でNGにしたとしたら今は改善されてるわけで。
なんて、そんなことを考えてしまいました。

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2022年03月28日

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日本人には馴染みの薄いコーランの内容を非常簡単にユーモアを交えて解説してくれている。我々とは価値観がまったく違う世界に特段の興味を持たせてくれる一冊。

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2020年06月26日

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「コーランを知っていますか?」
「え??・・・そういや知らないな。」

唐突に、でも何気に目に飛び込んできたので、ついつい手に取って買ってしまう。


ユダヤ教の側から言えば〔キリスト教も同じだが〕
「毎度のことだけど、コーランはおれたちの聖典のいいところを抜いて、勝手に自分たちの話にしてるわ」
なるし、イスラム教の側では、
「真実は一つ。アラーはすべてお見通しなのよ」

寛容とユーモアの精神を前面に、余裕と自尊心を背中に保ちつつ(解説より抜粋)。
入門書として、軽い気持ちで楽しく読み進めさせる。

本屋での出会いって、この何気なさがあるから、行くのをやめれない。

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2018年06月29日

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9.11(2001年)の直後に執筆された連載を文庫化。ただし本書は純粋にコーランとイスラム教の理解を主眼として書かれた「知っていますか」シリーズのエッセイだ。砂漠の民の思想から生まれたと思われるイスラム教は、多神教や偶像崇拝を排斥し、必要とあれば対立する部族や同族を攻撃するという、現代の常識では測りきれない考えを有している。それは現在の宗教対立やイスラム過激派の行動の原因になっているとも感じる。ユダヤ教、キリスト教の経典を下敷きにした新興宗教と言ったら不敬に当たってしまうか……

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2017年08月23日

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「知っていますか」シリーズ第四弾。
ギリシャ神話、旧約聖書、新約聖書に続き、テーマはコーラン。(この後、イソップ、源氏物語も出ているよう。)

「コーランには本当は何が書かれていたか」と言う本をその昔読んだが、阿刀田高さんの方が圧倒的に分かりやすかった。

先行する一神教の預言者、ムーサー(モーセ)、イーサー(イエス)にはそれなりの敬意が払われている点、とても意外だった。今なお続く宗教戦争は近親憎悪みたいなものなのだろう。

ごく一部のひとが起こすテロのせいでイスラム世界全体に対して恐れを抱くのは間違っているのだろうと思わせてくれる良い本。

コーランの第36章(ヤースィーン)が詩歌・音楽として素晴らしい、という評価だったので、YouTubeで聴いてみた。確かに独特の魅力だ。

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2025年11月28日

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身近に多くのムスリムの方がいるので、彼らの行動原理を知るために読んでみた。
思いの外コーランと聖書のつながりが大きいこと、同じイスラム社会でも国や宗派によって大きな開きがあること、断食以外にも厳格な斎戒があること等を知れた。

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2025年03月05日

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ギリシャ神話、聖書シリーズと比べると、そもそもの啓典の特性上小説を読むような読書感は薄れた気がするが、それでも詰まることなくスラスラとコーランの外観を少しでも知れた気がします。
阿刀田先生いつもありがとうございます。

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2025年02月26日

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ネタバレ

コーランの内容とマホメットの生涯をかいつまんで全体を紹介した本。旧約聖書と重なるエピソードやその違いも検討されていて、とてもわかりやすかった。
コーランの内容を知りたいとかねて思っていたのだけど、なかなか退屈な読み物で通読は難しい。その点、阿刀田氏の概要把握力は的確と思われ、ありがたかった。
ちなみに、氏には親しいイスラム教徒の友人がいるというわけでもなく、あくまでもコーランとその他資料を読んで書かれたやさしいエッセイである。

小説家として氏は、コーランはもう少しエピソードを面白く語ることもできるのに、なんでそうしないかな……と訝しんでおられる。

ですよね。

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2024年11月26日

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コーラン入門書。というと少し不敬かもと思うほどにフラットかつ砕けている。エッセンスは伝わるので実際入門には良い。コーランの宗教の中での位置付けや自分たちのポジションどり、生活に根付く部分や実情を網羅している。

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2023年09月20日

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大ファンの阿刀田高先生の宗教教養エッセイ。

イスラム教、コーランについて。
キリスト教のエッセイと比べると、内容の薄さが気になる。日本人に理解し難いイスラム教であると同時に阿刀田先生の興味の方向もやはりヨーロッパが強いのだろう。

しかし、イスラム教の大枠を知る最初のエッセイとしては十分だ。阿刀田先生が実際に赴いたサウジアラビアの閉鎖感など、御本人の所感も読むことができるのも大きい。

現在2023年、17年も前の本なので状況も変わっているとは思うが、やはり男女区別の明確なイスラム社会と21世紀はどう共存すべきか。また見習うべき部分はどこなのか。我々にとってもものすごく勉強になる社会がそこにはある。是非いつかサウジアラビアにも行ってみたいと思う。

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2023年07月07日

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阿刀田高のこのシリーズは好んで読むが、その中でも特に面白かった。逆説的だが、コーラン自体が面白くないからだと思う。
細かい、くどい、権威主義的?、ムハンマドに都合良過ぎ!、という感じ。旧約聖書や新訳聖書、ギリシャ神話や古事記の方が物語性に富んでいて遥かに面白い。コーランに遺族の相続割合について記載されているとは夢にも思わなかった。
しかしその分「コーランってこんなに詰まんないの!?」という面白さがあった。
聖書に比べて全く馴染みがないし、罷り間違ってもいきなりコーランを読むことはないだろうから、これを読むと良いと思う。コーランにモーセやイエスは結構出て来るので、聖書の前知識はあった方が良い。

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2021年11月16日

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現代は日本であってもムスリムの人々と無縁ではないが、彼らの行動を理解するときにやはりコーランの教えの基礎を知っておくべきだろう。イスラムの文化の根底を支えるコーランについて手軽に解説した本が少ない中、格好の入門書だと思う。キリスト教やユダヤ教との「縁戚関係」をしっかり解説してくれたので分かりやすかった。

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2020年12月03日

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イスラム教の聖典であるコーランがサクッとわかる(わかった気になれる)本。

コーランは、アラーのマホメットへの啓示を、のちにまとめたもの。マホメットは最後に遣わされた預言者(神の言葉を預かる人)だが、それ以前にも預言者はおり、キリストもその一人。
旧約聖書と同様の記述も出てくるし、マリアやイエスも登場するが、ストーリー性はあまりなくて脈絡もなく、アラーの説教調らしい。
本来は翻訳ではだめで、アラビア語で謡うように発声されるらしい。

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2019年06月18日

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コーランの引用部分より、阿刀田氏の感想やコメントのような文章が抜群にいい。
・・・というか、中盤以降はコーランの引用はすっとばして、阿刀田氏自身の言葉や感想の部分だけ読みました。
(やっぱりコーラン、私にはちょっと・・・(-_-;)レベル高い方にはいいんでしょうけど・・・)
それでも、この本を読んでよかった!と思えます。
ちょっとのすき間時間で読む本ではなく、たとえば盆暮れの、腰を落ち着けてじっぐくり読めるときに、自分自身の教養を深め、話のネタ作りと考えて読む分には、とてもいい本です。(出だしで気に入ったところ、引用に載せました、面白そうでしょ?)

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2017年10月24日

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イスラムについて、初めて学んだ。入門書としてはとっくきやすくてよかった。
本の内容としてはよかったが、個人的には神話が好きなので、それを期待してしまったのはやや間違いだった。

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2017年10月15日

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コーランどころか旧約聖書、新約聖書も知りませんでした。イスラム教を理解できたと思わないけど、一神教の考え方を理解するきっかけになった。

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2016年11月05日

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知識としてのイスラム概略。
くだけた文章で書かれていて、取っつき難い感じがなくとても読みやすい。
旧約聖書も新約聖書もコーランも、もともとは同じルーツを辿っていることを知る。日本人の感覚として仏教を同じ宗教のカテゴリーとして分類するにはあまりに乱暴なようにも思えてくる。
ニュースで見かけることの多くなったイスラム諸国の問題の前提が少し理解出来そうな気になれます。

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2016年05月21日

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あの阿刀田さんが、コーランについてはもちろん、イスラームの誕生やら行ってみた現在のイスラーム諸国の話なども書いてる。特にコーランは目を通したことがなかったから、それがストーリーとかなく有機的な繋がりもない、言ってみれば親父の説教のようなものとの喩えでわかりやすく説明してもらえてよかった。ヨルダンやサウジアラビアなど、何年か前に行ったところが出てくるんだけど、阿刀田さんはそうゆう感想を抱くかとこれまた面白かった。

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2014年01月04日

Posted by ブクログ

イスラム教について勉強になりました。こういう本を書くだけでもいろいろ気にしないといけない感じが伝わってきました。

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2023年08月22日

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再読。宗教を語ることの難しさ、特にイスラム教のコーランについて。その中でコーランというのがどういった経緯でできあがって、イスラム教徒にとってどういったものかを軽快なエッセイでその雰囲気を教えてくれる。

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2023年08月19日

Posted by ブクログ

阿刀田高氏の私の履歴書に触発されて、知っていますかシリーズに挑戦。まずは最もしらないコーランから。マホメッドが始めたイスラム教の聖典というぐらいの知識の人には分かりやすく面白い内容。とくに、グダグダ感をしらせるために、或る章を全部書き切るところを読むのは、はるひのエンドレスエイトよりも苦痛?同じことをよくもまあ・・・・。
備忘録
・コーランはユダヤ教・キリスト教と続く唯一神。コーランにもモーゼやイエスがでてきており、マホメットは啓示を受けた最後の預言者。
・最初はハーシム家の家族集団的な宗教団体をメッカでおこなっていたが、クライシュ部族内に広がるにつれ、部族内で孤立、アカバの誓いを経て622年(アラビア歴元年)にメディナ(ヤスリブ)に入り(ヒジュラ)、大布教が開始される。
・632年マホメット死去後、4代はカリフ制が敷かれたが、小異を捨てて大同についたグループがスンニ派、マホメットの血筋であるものが首長(イマーム)になるべきだとする派が、4代目のアリーの名前を使って作った派閥が「シーア・アリー」シーア派になる。マホメットの血筋ではない1代から3代の流れをくむものが、ウマイヤ朝、アッパース朝につながり、妥協的・融通のきく路線、理想主義的なあつまりがシーア派。
・イスラム原理主義はシーア派にもスンニ派にもいる

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2018年07月29日

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ネタバレ

名前は知っているけど、中身はよく知らないコーランを知ろう!

阿刀田節とでもいうのか、著者のいつものリズムをつかめればすいすい読める。なるほど、知らないことがいっぱいあったコーラン。旧約聖書との共通点と相違点は興味深く読んだ。それから女性の扱いについても。

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2017年09月21日

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原典を読む気合はないので、こういうまとめ本はありがたい。
内容は・・・なんだかよくわからないということがわかった。
神が絶対、それ以外はペケ。異教徒は地獄におちる等、他を認めないところは申し訳ないが個人的に好きじゃない。
キリストさんもユダヤさんも神は同じなのに、それぞれ自分だけが正しいと考えるから仲良くできないんじゃないの。と、無宗教な自分は思うのでした。
とりあえず、学校の授業ではよくわからなかったスンニ派とシーア派が何となくわかった。

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2017年01月30日

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阿刀田高の「知っていますか」シリーズ、コーラン編。最近は、空港に祈祷室が設けられたり、ハラル食を出すレストランが増えてきたりと、イスラム教に関する理解が広がってきているが、しかし、それでもまだイスラム教は日本人に取って最も理解されていない、遠い宗教ではないだろうか。そんなイスラム教を、発足時点の背景、発展の歴史、聖典とされるコーランの構成と教義、現代資本主義との折りあい方まで幅広く平易に概観した一冊。

2001年の航空機テロ事件後に書かれたこともあって、「時流の流れに乗ろうとした軽薄な書」とも受け取られがちだが、しかし、その内容はイスラム研究者が「本来は我々研究者がこういう平易なコーラン入門を書かなくてはいけないところを、小説家に先を越された」と地団駄を踏むほど出色の出来。個人的には、イスラム教がユダヤ教、キリスト教に連なる宗教であることすら知らなかった(これは「常識が無い」と言われても反論できないところだが)ので、非常に勉強になった一冊だった。

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2016年03月03日

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読み終わって、イスラム教とキリスト教、ユダヤ教の関係が何となく理解できました。
イスラム教徒は多神教の信者とは結婚出来ないけど、キリスト教などの一神教の信者なら結婚を認められているとは知りませんでしたので、それが一番驚いたかな。
昔、イスラム教徒の多いエジプトでモスクを見学していたら、学校の遠足で来てるらしき現地の子供に英語で「宗教は何?」と聞かれて(東洋人が珍しく、何か話しかけたかったのだと思われる)驚いたが、彼らはまず宗教ありき、の生活だからそんなに突飛な質問でもなかったのかな、と今更ながら納得。
ちなみにその「宗教は何?」という質問には答えられませんでした。。
ジャパニーズ神道、とでも答えておけばよかったかな。

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2016年02月05日

Posted by ブクログ

・あくまでムハンマドが聞いた、という根本の貫徹。
・あらゆる宗教を完成させようという意欲。
・武力。
・女性の扱いは、当時の慣例から見ればかなり革命的だったのか。
などなど。
イスラム文化はもっと追究すれば面白くなりそうだ。

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2013年09月15日

Posted by ブクログ

友人に勧められて読む。無神論者の筆者からコーランの一部を読み解くもの。コーランの矛盾やコーランはマホメット個人の意見も入っているのではないかというのを暗に指摘しているような感じの部分が何か所かある。
本当の理解のためには、コーランをしっかり読まなくてはいけないと思った。

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2013年08月13日

Posted by ブクログ

アラーからいつも絶対正しい命令がなされ、破ると業火に焼かれ続けるという…、イスラム教徒は安心して生きることを楽しめているのだろうか。しかしイスラム教が着実に世界に広がっていることを考えると、自力で生き抜くことの方がよほど苦しい事なんだろう。

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2013年08月19日

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