阿刀田高のレビュー一覧

  • 旧約聖書を知っていますか

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    主要なエピソードが大変分かりやすく解説されていてすっと頭に入ってきた。
    創世記からではなく、アブラハム以降の歴史から始まる順番も作者のこだわりがあり面白い

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    2020年09月15日
  • 漱石を知っていますか(新潮文庫)

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    漱石の作品には『坊ちゃん』から入り、再読も含めて2016年の夏までに『明暗』下巻までを読み終えた。その上での本書である。良くも悪くも引用が多い。読んで記憶が甦るところと、まったく記憶に残っていない部分があった。古今東西の様々な物語に精通する著者の目線は、当然のことながら自分の何倍も深く漱石を見ていて参考になる。著者の独断と偏見の六角評価図(レーダーチャート)も面白いが、私の好きな『吾輩は猫である』が低評価なのが悲しい……

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    2020年07月15日
  • ギリシア神話を知っていますか

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    ギリシア神話は有名だがほんの少ししか知らないので、本書を手に取った。
    この本は非常に読みやすい。神話の全てではなく、人気エピソードをいくつかピックアップしたものだ。
    読んだ感想は、ゼウスは奔放だと聞いていたが、アポロンもクソ野郎が過ぎる。気に入った女性は人妻だろうが相手が嫌がっていようが、どうにかしてやろうとする。基本的に女性の立場が低いらしく、「ジュピテルと一つのもの(この場合妻)を共有するのは、不名誉ではない。」と表現されてもの扱いだ。パンドラも「すべての贈り物」という意味だし、全ての悪いものは女性が原因、とされるあたりも男性目線なのを感じる。

    次にミュルラの話も興味深かった。ミュルラは

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    2020年07月01日
  • コーランを知っていますか

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    日本人には馴染みの薄いコーランの内容を非常簡単にユーモアを交えて解説してくれている。我々とは価値観がまったく違う世界に特段の興味を持たせてくれる一冊。

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    2020年06月26日
  • アーサー王物語

    購入済み

    引き込まれました

    有名なアーサー王物語をはじめて読みました。岩波文庫のような直訳ではなさそうでしたが、文章がきれいで読みやすく、はじめにこの本を選んでよかったと思います☺️ 大人のための童話、という感じです。指輪物語なんかが好きな人は、この話もきっと気に入ると思います。

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    2020年05月17日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    これでもか!!
    というくらい、非常にわかりやすく、
    軽快なリズムで旧約聖書を要約してくれています。
    旧約聖書は特に内容も難しく、
    独特な世界観についていけずつい敬遠しがちですが、
    歴史と深く関係しているということがよくわかりました。

    聖書って意外と面白いんだな~と発見。
    わかりやすいので、軽く読めます。おすすめ!
    もう一度、じっくり読みたいです。

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    2020年05月09日
  • ギリシア神話を知っていますか

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    ネタバレ

    ・感想、気づき
    ギリシャ神話は多くの文学や芸術に影響を与えている。
    神々の話だが人間味の溢れる話が多く、文学として面白い。
    女好きで浮気性のゼウスをはじめ、酒好きの神様がいたりもする。
    ギリシャ神話は登場する神の年齢等、あまり細かいことを気にしない。
    なんとなく聞いたことのあるエピソード(例えば迷宮ラビリンスに怪物ミノタウロスが閉じ込めてあり、倒しに行ったテセウスが退治した後アリアドネの糸を手繰って迷宮を脱出する等)はギリシャ神話の中の話ということが分かった。

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    2020年05月03日
  • 源氏物語を知っていますか

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    学校教育のお陰で書名と著者を知らない人はいないだろう。しかし、この物語がこんなに奥深いものだとは知らなかった。源氏と言えばプレイボーイ……そんな印象しかなかった。美しい女性に心惹かれるのは男のサガ。当時のやんごとない女性は簾内にいて、その簾内に男が入ることは、例え肉体関係がなくとも契りを結ぶこととなる。確かに源氏は多くの女性と浮名を流したが、紫式部は源氏や彼の子孫に対して因果応報の結末を用意していた。女性の目線で、男の浮気に対して強烈なアンチテーゼを感じる作品だと思えた。

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    2020年03月01日
  • シェイクスピアを楽しむために

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    やはりそうだったか!

    「あの」シェークスピアを面白く思えない自分の理解力・感覚に劣等感を抱き続けていた。

    シェークスピアは、本で読むのではなくて演劇として観なければ本当の良さが分からないのですね。

    トルストイのシェークスピア評は、まさに「よく言ってくれた!」の一言。トルストイだからこそ言える内容だろうが、それを敢えて取り上げた(行き着いた)著者にも感心。


    どの作品でも良いので是非ともシェークスピア劇を観に行きたいと思う。

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    2019年12月17日
  • 夢判断

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    ネタバレ

    1977~1979年に発表された作品を14編収録した作品集。単行本は1980年刊行。

    阿刀田高氏はショート・ショートの名手ですが、ショート・ショートというにはちょっと長めの短編集です。
    それぞれの短編がとても良い出来で、間延びしたショート・ショートということには全くなっておらず、それぞれの作品が短編小説でなくては表現出来ない絶妙な内容になっています。
    特に心に残ったのは、野球がモチーフの『柳の下のジンクス』、曰わく付き物件がモチーフの『干魚と漏電』、万馬券がモチーフの『勝ち馬情報』です。


    以下は簡単に各作品の感想↓

    あの人を殺して
    千円札1枚が同封された「あの人を殺してください。」とだ

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    2019年11月28日
  • ギリシア神話を知っていますか

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    平易な文章であり、作者独自の切り口でギリシア神話を紹介するエッセイ本。ギリシア神話に興味がなくとも、楽しめる一冊である。しかし男性目線でそうなってしまうのか、女性が蹂躙されている説話の取り上げ方か気になる。バッカスとアリアドネなんて、これではただただアリアドネが気の毒で、神話として残す理由が全く分からない。中野京子先生とは180度違う取り上げ方なので、しかも中野先生の方が運命的な恋という形だったので、気持ち悪さが増してしまった。少々気になるところもあるが、とても読みやすくてGOOD。

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    2019年11月09日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    旧約は唯一神と人間との物語であった。ユダヤ教、キリスト教の原点となるもので、唯一神を崇める民族のみを優遇する論調は、多神教の世界に住まうものとしては、やはり違和感を感じる。ユーモアと、身近な例をひく著者の筆致が、とても気に入っている。解説に出てくる古事記は『楽しい古事記』として開花する。すぐに『新約聖書を知っていますか』へ入ろう。

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    2019年10月31日
  • ギリシア神話を知っていますか

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    文学者である阿刀田さんがギリシア神話にまつわるエピソードを12章掲載した本。ギリシア神話の逸話を知らなかったので自分が理解できるか不安だったが、阿刀田さんの文章が面白すぎてサクッと読めました。
    人間の想像力の恐ろしさを知ると共に、古代ギリシャの話が現代で通用するのが人間の不変性を物語っているよう。

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    2019年08月25日
  • ギリシア神話を知っていますか

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    おもしろかったー。
    解説にも書いてあったけど、アトーダ先生の経験から書かれているからとてもとっつきやすく、親しみやすい。

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    2019年08月24日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    旧約聖書を理解するにはいくつかの道筋がある。初心者向きはアブラハム事績から辿ってゆくことだろう。
    アブラハムの子がイサク、イサクの子がヤコブ。ヤコブの子がヨセフ。
    それでは胸いっぱいに空気を吸い込み「アイヤー、ヨッ」と彼らの頭文字を叫んで旧約聖書山を登ってゆこうではないか。

    …というような書き出しで始まり、最後までこの調子(笑)
    西洋文化や芸術、現在の世界情勢をある程度理解するためには、聖書が分からないと難しい。とりあえずちょっとずつ。
    阿刀田高は中高生の頃結構読んでいて、この「知っていますか」シリーズも読んでいた。
    しかし改めて読んでも面白くてわかりやすい。
    聖書の流れを分かり易く解説し、

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    2019年08月12日
  • 危険信号

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    阿刀田さんへの感想は、きっといつも電車の友にぴったりだ!と書いているのだろうなと思いながら、でもやっぱりあまりのぴったりさに同じことを書かずにはいられません。また、文庫25〜30ページっていうのはまさにぴったりの量でした。
    男と女のちょっとエロ系ミステリー系の短編集で、途中で飽きてくるところも全くなくて本当に楽しく読みました。最後に必ずミステリーな仕掛けがあって、ゾッとしながら読ませていただきました。

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    2019年05月15日
  • ナポレオン狂

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    久々の再読。
    阿刀田さんは、星新一さんに続いて好きになった作家さん。
    日常の隣の落とし穴。
    ふと気付く恐怖というのが大好き。

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    2019年02月04日
  • コーランを知っていますか

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    「コーランを知っていますか?」
    「え??・・・そういや知らないな。」

    唐突に、でも何気に目に飛び込んできたので、ついつい手に取って買ってしまう。


    ユダヤ教の側から言えば〔キリスト教も同じだが〕
    「毎度のことだけど、コーランはおれたちの聖典のいいところを抜いて、勝手に自分たちの話にしてるわ」
    となるし、イスラム教の側では、
    「真実は一つ。アラーはすべてお見通しなのよ」

    寛容とユーモアの精神を前面に、余裕と自尊心を背中に保ちつつ(解説より抜粋)。
    入門書として、軽い気持ちで楽しく読み進めさせる。

    本屋での出会いって、この何気なさがあるから、行くのをやめれない。

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    2018年06月29日
  • 日本語えとせとら

    購入済み

    阿刀田カラー満載

    読み下しでは理解しきれない和歌や言い回しを読み返して、なるほど。ちょこちょこ挟み込まれるジョーク。阿刀田カラー満載です。そして。言葉を知るって豊か。どっちでもいーじゃん、では淋しいって。なるほど。最近ボキャブラリーが貧困になってきたなと感じる方にもおススメです

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    2018年05月14日
  • 楽しい古事記

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    日本書紀は大和朝廷が渡来人に端を発する天皇家の正統性を担保するために都合のいいストーリーを神話の形をとって作成したものらしい、従って日本書紀にはない記述が多い古事記にこそ真実が散りばめられている。という説を読んだことがありますが、本書を読んでその古事記すらも似たようなものだと知って、がっかりしたというよりむしろ楽しい気分になりました。
    征服とか権力闘争といった生々しい過去すら、どこかのんびりしていて、かつ微笑ましくも滅茶苦茶な神話に仕立て上げてしまった太古の日本人のもつ大らかな気質が感じられ、流石は八百万の神を祀ってきた民族だなぁと感心します。
    今の世知辛い日本では殆ど感じることがないこの気質

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    2018年05月07日