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男女の愛欲と孤独。野心と諦観。縦横無尽に張り巡らされた伏線の糸。平安貴族を熱中させた、極上華麗な大ベストセラー大河小説『源氏物語』五十四帖を、短編小説の名手・阿刀田高があなたのかわりに読みました。大人のユーモアとエロス溢れる軽妙な語り口で、70年以上にわたる長大なストーリーと複雑に絡み合う人間関係が、すんなり頭に入ります。学生からシニアまで全国民必携の一冊。 ※新潮文庫に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
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Posted by ブクログ
学校教育のお陰で書名と著者を知らない人はいないだろう。しかし、この物語がこんなに奥深いものだとは知らなかった。源氏と言えばプレイボーイ……そんな印象しかなかった。美しい女性に心惹かれるのは男のサガ。当時のやんごとない女性は簾内にいて、その簾内に男が入ることは、例え肉体関係がなくとも契りを結ぶこととな...続きを読むる。確かに源氏は多くの女性と浮名を流したが、紫式部は源氏や彼の子孫に対して因果応報の結末を用意していた。女性の目線で、男の浮気に対して強烈なアンチテーゼを感じる作品だと思えた。
分かりやすい
阿刀田高の「・・・を知っていますか」は、分かりやすく、面白い。「源氏物語を・・」も同じ。
全体のストーリーがわかった。 大長篇作品なのに(源氏亡き後の一部分を除いて)ほとんど辻褄が合っているストーリー展開に恐れ入りました。
「源氏物語」は、平安時代の貴族社会における複雑な人間関係と恋愛を描いた傑作だ。光源氏は、経済力や男らしさだけでなく、相手への思いやりと誠実さが重要であることを示している。 当時の貴族社会では、娘を嫁がせることで家族の地位を高めることができたため、女性の役割が重要視されていた。一方で、光源氏自身も「一...続きを読む線を超えた不祥事」で皇室出自から平民に落とされ、再び貴族の地位を得るという曲折を経験している。 登場人物が多く、複雑な人間関係が描かれているのは、紫式部の卓越した筆致によるものだが、最後に登場する浮舟は、紫式部自身の姿を重ねて描かれているのかもしれない。 本文にある「女性にモテるための条件は経済力や男っぷりも大切だが、何よりも推しが強いこと、まめであること」とある。
大河が紫式部な今年を逃すと源氏物語について知る機会がしばらくこなさそうだなということで阿刀田高の古典解説シリーズ。相変わらずわかりやすくて面白い。大雑把にしか知らなかったけどしっかりあらすじや登場人物を知ってみるとやはり色んな意味ですごい物語です。
阿刀田さんの知ってますかシリーズ。何作か読んでいますが、どの作品もよく研究されていて大変参考になります。 源氏物語 平安中期 全54帖 主人公級 30人 和歌 795首 この和歌が凄いですね。男女別年齢別能力別全て考慮して、紫式部が創作しているのですから。 おおよそ3部構成とされています。 第一...続きを読む部 1から33 光源氏栄華への道 第二部 34から41 光源氏苦悩に満ちた晩年 第三部 42から54 宇治十帖 光源氏亡き後の世界 阿刀田さんは、主体となるストーリーを満遍なくおっています。そしてわかりにくい人間関係や血縁関係を繰り返しながら展開するので、源氏物語の解説書としてとてもわかりやすいと思います。 ストーリーを主としているので、小説を彩る部分、各祭事とか絵合わせの情景などは、思い切って省略されています。ですから、小説として楽しむには物足りないかもしれません。 ユニークでアイロニックな感じで、時に男性陣を語ります。夕霧(光源氏の息子)とか薫(光源氏の子とされている柏木の子)は、真面目ちゃんとして厳し目かなと思います。 〈オンデマンド講座覚書〉 源氏物語「生と死」 平安時代 もののけが憑依して病気になると思われていた。調伏するためには、験者が加持祈祷を行い、病人からもののけを取り出して、よりましと呼ばれる人間に憑依させる。そこで、名前を名乗らせて(名告り)調伏となる。 源氏物語ではよりましを使わない。 死への順路 招魂 もがり 遺体の安置 入棺 出棺 清水寺南方 冥土の入り口 葬送地 野辺送り 鳥辺野 普通は母親はついていかない
どうしたって(時代の風俗・習慣だと頭で理解したとしても)、雅なことだ、人びとの心の機微、なんて物分かり良く読めない。源氏が悪い。 だから、興味はあっても源氏物語が読めない私からすれば、この案内書のごとき本はありがたい。 そして面白く、また憎し光源氏。
言わずと知れた源氏物語。知りたいし読みたいのだけれど、どうにも長い。他にも読みたい本は多いしと思い悩んでいるところに本書。全54帖が一巻にまとめられ楽しく読める。 著者の ~~を知っていますかシリーズを読むのは ギリシャ神話、旧約聖書、新約聖書、コーランに続いて5作目だがどれも現代小説のように読めて...続きを読む素晴らしい。その理由はあとがきにもあるように人生訓のような教訓めいたものを押し付けようとしないところにあるのではと思う。 望むらくはこのシリーズで 古事記や日本書紀や論語もやって欲しい。方丈記は自分でなんとかなるかなぁ。
阿刀田高「知っていますか」シリーズ。「ギリシャ神話」「旧約聖書」「新約聖書」「シェイクスピア」「コーラン」「イソップ」に続く新刊。
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