あらすじ
「旧約聖書」を読んだことがありますか? 天地創造を扱う創世記あたりはともかく、面倒なレビ記申命記付近で挫折という方に福音です! 預言書を競馬になぞらえ、ヨブ記をミュージカルに仕立て、全体の構成をするめにたとえ――あらゆる意味での西欧の原点「旧約聖書」の世界を、枝葉末節は切り捨て、エッセンスのみを抽出して解説した、阿刀田式古典ダイジェストの決定版。
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Posted by ブクログ
旧約聖書をとてもわかりやすく、ダイジェストとして綴っている。
本人は聖書を専門に学び、また、信仰している訳ではないが、文学者として、またギリシャ神話などフランス文学を学ぶものとして、知識があり、10年かけてこの本を執筆されている。
異教徒的な発言、内容が節々にあり、それが日本人である我々にとって非常に読みやすく、とっかかりやすい内容に噛み砕いてくれている。
Posted by ブクログ
あらゆる意味での西欧の原点「旧約聖書」の世界を、枝葉末節は切り捨てエッセンスのみを抽出して解説している
今まで離れ小島のようになってた知識がつながった…!
聖書ってこんなに面白かったんだ
信仰をもたない著者が解説しているので、フラットな立場で読めて良かった
もちろん信仰をもつ方が書かれた本を読むことにも意味はあると思うけど
西欧の文化や中東問題も、聖書の知識があったほうがいいというのは本当にその通りだと思った
パレスチナ問題の本質も遡るとここまでたどり着くのね
キリスト教が新約聖書に重きを置いているのに対して
ユダヤ教は旧約聖書のみを聖典としている(新約を聖典として認めてないので、旧も新もないのだけど)
ちなみに、旧約聖書は大きく分けて以下のように構成されている
☆神話的記述
天地創造
アダムとエバ
アベルとカイン
ノアの箱舟
バベルの塔
☆歴史的記述(イスラエル最盛期)
アブラハム
(→イサク、ヤコブ、モーセ、ヨシュア、ダビデ)
→ソロモン
☆歴史的記述(イスラエル分裂後)と預言書
北イスラエル王国と南ユダ王国の分裂
バビロン捕囚
ヨブ記
イザヤ書、ダニエル書
救世主(イエス・キリスト)の到来
Posted by ブクログ
半畳もあって、流れるように読めた。本当のユダヤ教徒が読んだら少し怒るかもしれないけど、素人にとっては、これくらい例えながら解説してくれる方が読みやすい。
Posted by ブクログ
これは面白かった
教養として読もうと思って読み出したので、「面白い」をあまり期待していなかったことも正直あったからそのギャップのせいもあるだろうけど
エッセイ的な小話をはさみながら物語として旧約聖書を読めました
ギリシア神話を知っていますかを先に読んだけど、それよりも読みやすく面白かったです
新約聖書の方も読みます
Posted by ブクログ
主要なエピソードが大変分かりやすく解説されていてすっと頭に入ってきた。
創世記からではなく、アブラハム以降の歴史から始まる順番も作者のこだわりがあり面白い
Posted by ブクログ
これでもか!!
というくらい、非常にわかりやすく、
軽快なリズムで旧約聖書を要約してくれています。
旧約聖書は特に内容も難しく、
独特な世界観についていけずつい敬遠しがちですが、
歴史と深く関係しているということがよくわかりました。
聖書って意外と面白いんだな~と発見。
わかりやすいので、軽く読めます。おすすめ!
もう一度、じっくり読みたいです。
Posted by ブクログ
旧約は唯一神と人間との物語であった。ユダヤ教、キリスト教の原点となるもので、唯一神を崇める民族のみを優遇する論調は、多神教の世界に住まうものとしては、やはり違和感を感じる。ユーモアと、身近な例をひく著者の筆致が、とても気に入っている。解説に出てくる古事記は『楽しい古事記』として開花する。すぐに『新約聖書を知っていますか』へ入ろう。
Posted by ブクログ
旧約聖書を理解するにはいくつかの道筋がある。初心者向きはアブラハム事績から辿ってゆくことだろう。
アブラハムの子がイサク、イサクの子がヤコブ。ヤコブの子がヨセフ。
それでは胸いっぱいに空気を吸い込み「アイヤー、ヨッ」と彼らの頭文字を叫んで旧約聖書山を登ってゆこうではないか。
…というような書き出しで始まり、最後までこの調子(笑)
西洋文化や芸術、現在の世界情勢をある程度理解するためには、聖書が分からないと難しい。とりあえずちょっとずつ。
阿刀田高は中高生の頃結構読んでいて、この「知っていますか」シリーズも読んでいた。
しかし改めて読んでも面白くてわかりやすい。
聖書の流れを分かり易く解説し、現在にも通じる人間心理を読み取ってゆく。
聖書の話を「なんか昔の超人が行ったすごいお話で、現代の自分とは関係ない」と受け取ってしまうとつまらない。「現代だとストレス過労死だな」「彼はノンキャリアから若くして抜擢された遣り手社員だな」などと考えると十分身近に感じる。
神は依怙贔屓であり、理由を求めてはいけない。神は“在って、在り続ける者”であり、絶対的に存在して名前さえ聞いてよいものではない。人間の為したことは人間の意思と力のみでなく神様のお陰で成し遂げることができたのだ。
旧約聖書とは「古い約束」であり、ユダヤ教、イスラム教にとっては旧約を付けずにただ「聖書」と呼ばれる。
新約聖書はイエスの福音を伝えるもの。
以下自分メモでとにかく長いです。。
❐アブラハム
まずはアブラハム。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、世界三大宗教の開祖。
ある日アブラハムは“唯一絶対神”のお告げを聞き、「約束の地カナン」を目指す。
アブラハムと異教徒ハガルとの間に生まれた子供がイシュマイル。アラブ人開祖でマホメッドの祖先となった。
正妻サラが生んだ7人の子供、長男がイサクで、サラの死後の後妻が6人の弟たちが生まれている。
キャンプファイアーの「アブラハムには七人の子♪一人はノッポであとはチビ♪」…の、ノッポが長男イサク、ず~~っと年下の六人の弟がチビたち、という意味だったのか(笑)
アブアハム時代の有名エピソードが「罪の町ソドムとゴモラ崩壊」「塩の柱となったロトの妻」「割礼の始まり」「イサク生贄未遂」など。
❐イサク→ヤコブ
イサクの時代はあまり波乱万丈はない。子供の頃生贄にされかけたんだからもう良いか(笑)
イサクの息子が、荒々しいエサウと、思索的なヤコブ。
ヤコブがうまく立ち回りイサクの跡継ぎとなった。
家族制度の強いこの時代、誰が相続するかは神の意思であり重要ごとだったのだ。
ヤコブは親戚の姉妹、レアとラケルを娶る。
ヤコブは妻たち(レアとラケルの他にも数人)との間に男児12人を設け、彼らが イスラエル十二部族の開祖となる。
そんなヤコブの元に神が現れる。そしてヤコブは「神と戦って不屈なる者」という意味の“イスラエル”と改名する。
なお、ヤコブの兄エサウは、長男でありながら長子権を失ったわけだが、彼は草原を駆け巡る方が性に合っている…と、ヤコブとあっさり和解。聖書には争う兄弟やら皆殺しやらの話は沢山あるが、エサウの場合は財産も権力も必要ない自分の生き方を(かなりヤクザで乱暴な生き方なので周りは相当迷惑したと思うが)手に入れたので、適材適所がうまく利いた稀有な例だろう。
❐ヨセフ
イスラエル(旧ヤコブ)の息子たちの中でも知恵が回ったのはヨセフ。幼い頃から機転も口も回る生意気小僧で、長じてはエジプトの王の側近となり政治的にも力を発揮する。
スッタモンダの末、ヨセフの一族(父イスラエルと兄弟たち)はエジプトで暮らすことになる。
カナンは「神から与えられた約束の地」だが、エジプト移住については「それも良かろう。いつか時が来たらお前たちをカナンに呼び戻そう」ということで許可を出したらしい。
そう、何かというと「神の御神託」を戴き、その御神託がどんなに理不尽でも依怙贔屓でも、人間はただただ神を信じて従うのが彼らの生き方だ。
❐モーセ
ヤコブの四代あとに生まれたのがモーセ。
このころイスラエル人はエジプト王から迫害されていた。
そんななかで、モーセは本当はイスラエル人だが諸事情により身元を隠しエジプト王宮で成長していた。
ある日モーセの前に神が顕われて告げる「イスラエル人の苦しみの声を聞いた。おまえはイスラエル人をエジプトから救いだし、約束の土地カナンへ行け」この後は有名な「モーセの出エジプト」になる。多くの奇跡、多くの厄災、長年の放浪、「十戒」を受け取ったり、海を割ったり。
カナンに入る前にモーセは死ぬ。
阿刀田高が参考文献的にあげている、チャールトン・ヘストン、ユル・ブリンナー共演映画は見ましたよ。モーセが手を挙げる紅海が割れ、イスラエル人が海を渡ると海が戻りエジプト王の軍隊が飲まれてゆく…まさに大スペクタル映画。
❐ヨシュア
モーセの後を継いだのはヨシュア。指導力も、戦いも、知能も、宣伝も、人心盛り上げ方も、かなり遣り手。
有名エピソード「エリコ(ジェリコ)の壁の崩壊」はこの時ですね。
まあ彼の指導により、イスラエル人はカナンの地に入る。
旧約聖書はあくまでもイスラエル人の神だから「カナンは神から与えられた土地だから、自分たちに所有権はある!」としているが、しかしヤコブの時代から100年は経て、カナンにはすでに別民族が住んでいる。
結局このころからの争いが、現代中東戦争にいまだに続いている。
❐士師たち
聖書では、モーセとヨシュアによりイスラエル人がカナンに戻った後は、「士師記」の記述に入る。
士師とは裁判官みたいなもので、大衆の指導に当たった人たち。
イスラエル人が神への敬いを忘れると、神からの罰が当たり、イスラエル人は気持ちを引き締める、それを伝えるのが士師。
有名なのが「サムソンとデリラ」のサムソン。
「サムソンとデリラ」はオペラでの曲が有名ですね。昔映画でも見たような気がする。聖書の中でも数ページのエピソードがオペラや映画になるのはやはり美女で悪女のデリラが映画で映えるからだろうか(笑)
❐サウル王→ダビデ王→ソロモン王
また年月が経ち、イスラエルには「王」が必要となった。
預言により選ばれたイスラエル最初の王はサウル。最初は戦いで力を発揮したが、徐々に権力と疑心に溺れる。
次に王に選ばれたのはかのダビデ王。
ダビデを主題とした美術品いろいろあり。
シャガールは、サウルからダビデの流れを連作で描いていた。
ミケランジェロが彫ったのは巨人ゴリアテに石打を持って挑むダビデの銅像。
巨人ゴリアテの首を持つダビデは、ルーベンス、カラヴァッジョを始めとして多くの画家たちが描いてきた。
ダビデ王は施政としても人心は悪としても特出していたようだ。しかしその人生は栄光もあったが犠牲も多かった。多くの息子たちのうち、跡を継いだのはソロモン。彼も知力体力に優れ統率力があり経済力を持ち近隣諸国との交易も盛んに広げて神の加護もあり…。
有名エピソードは「ソロモン王の指輪」(動物と話ができるというのは誤訳)、「シバの女王」など。
❐イスラエル分裂
しかしソロモン王の後、イスラエルは乱れる。
ヤコブの十二人の息子たちを開祖とする、イスラエル十二部族も分裂する。
イスラエルの南側は、エルサレムを首都としたユダ族の土地。北イスラエル王国の首都サマリアは他の部族たちの土地。
しかし強大な勢力を持つ周辺諸国に常に脅かされ、北イスラエルは完全に陥落して歴史から消え、南イスラエルはバビロニアに攻められ崩壊する。大勢のイスラエル人がバビロンにつれていかれたのが「バビロン捕囚」であり、この五十年後にいったんは帰国を許されたが、結局イスラエル人の土地は分裂を繰り返して完全に拠り所となる国を失ってしまう。
聖書のサブエピソード的な「黙示録」ではこの「バビロン捕囚」の恨みを晴らすがごとき記述がある。イスラエル人にとってはまさに忘れられない酷い歴史だったのだろう。
再びイスラエル人が国を持ったのは、1948年のイスラエル国建設。ほとんど二千年の間、イスラエル人は各地に散らばらざるを得なかった。
中東紛争は「ここはイスラエル人が神に与えられた国」という主張と、「それは二千年前の話であって今はアラブの領土だ」という主張のぶつかり合い。
❐実存主義と神
ここで聖書の始まり「天地創造」に話は戻る。
神が天地、生命を作った。人間も、モラルも、社会の掟も、全て神が創った。人間とは神の意思により神の意思を実現するためにこの世に存在したものだ。
しかし最初に逆らったのが「知恵の木」を勝手に食べたことで、「失楽園」となる。
さて、ここでサルトルの「実存主義」が語られる。(実存主義とは何かとは初めて読んだので間違えていたらゴメンナサイ)
何のためにあるかの本質、定義が先に決まり、その後に作られて存在している。という「本質主義」に対して、
「人間とは、個人が偶然にこの世に存在し、その本質や定義は人間自らによって選ばれ決定している→人間においては実存が本質に役立つ」としたのが実存主義。ある意味神に逆らっている。
宗教という物の多くは「人間はこういう物で、こうならなければならない」という思想の出発で、
それに対して「もともとの本質は関係ない。人源が選んでゆくものだ」とした実存主義は、当時には営利で斬新で挑戦的な主張だったのだ…
この後は、カインとアベル→ノアの方舟→バベルの塔へと旧約聖書の話を辿ってゆく。
❐逃亡者ヨナ
神のお告げを嫌がって逃げ出したヨナは、大魚に呑みこまれて神からは逃げ出せないと知り、結局そのお告げに従うことにした、というお話。
❐試されたヨブ
敬虔に神を信じるヨブに対して、神と悪魔が「ヨブからすべてを奪ってもそれでもまだ信心を捨てないのか?」を実験することに。
財産、家族、健康、全てを喪い、友人と思っていた人たちから「このような目に合うのは君に信心が足りないのだろう」と責められるヨブ。このヨブ記では、神への信心とは何か!というやり取りがメインと言うことらしい。
さて、ヨブはそれでも神への敬意を持ち続けたために、喪ったと同じ数の家族、財産をまた与えられる。
…現代感覚からすると、「息子のA君、B君、C君を殺しちゃったけど、代わりにD君、E君、F君が生まれたからいいよね」と言われても、死んだABCという個人はどうなるんだ…と思うんだけど、
この当時の「失って当たり前」であり死ぬことが身近であった頃ならば「神が与えてくれた運命は人間が選べない。ただただ存在に感謝。与えてくださったものに感謝」として納得するのか。。
❐預言者
旧約聖書に当たっての「預言者」は、神の言葉を預かって伝える者。
Posted by ブクログ
入門の入門のような凄く取っ付きやすい。旧約聖書について知る最初よステップとして最適なのではないか。エッセイなので、筆者の譬え話なども交えて解説したりすることも凄く理解しやすい。少し古いなと感じるものもあるけれど。
Posted by ブクログ
とっつきづらい印象のある旧約聖書について、阿刀田高さんが軽い切り口で解説してくれるエッセイ。昭和の時代に書かれたものだけに例えなどは古いですが内容はまったく問題なし。入門編として、少しだけ詳しく知りたいというニーズにぴったりでした。Audible で聴きました。
Posted by ブクログ
面白かった。しかし、書こうと思ってから調べたりする時間が10年かかったというだけあって、お手軽なのに確かな感じのある本だ。最近のわーっと短期間にリサーチしてサクッとまとめるようなスタイルとは熟成度が違う。
ただし、いろいろな例えとかでイメージ豊かなのは良いが、例が昭和だから若い人にはどうだろう。文章は滑舌よく軽妙で噺家のよう。
安心して楽しめる本であった。また聖書の全体像のおさらいという目的は、予想外に捗ったのであった。
Posted by ブクログ
興味はありながらも、何度も関連書を手に取り挫折しを繰り返してきた旧約聖書について、軽い文体で紹介してくれるているので、入門書としては最適かなと思います。
ディテールにこだわらず、意味不明なところや矛盾したところはそれとして、思い切ってスルーするのも良い。
Posted by ブクログ
旧約聖書を大雑把に楽しくある程度理解できるお得な1冊。
「アイヤー、ヨッ」と叫んでほしいというのが冒頭の1文。これはアブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフの主要人物の頭文字。この4人をおさえれば、アブラハムの事蹟は理解しやすくなるといいます。
本書はアブラハムから書き起こし、有名な出エジプト記を経て、ソロモン王までをそこそこ詳しく描き、その後で神話的部分について触れています。要は比較的馴染みのあるアブラハムから入ることで旧約聖書に入りやすくする構成になっています。
韻文の多い預言書、すなわちイザヤ書、ダニエル書は駆け足で通り、ヨナの物語については少しだけ紹介するに留めているのも、旧約聖書の複雑さを回避するのに役立っていると思いました。
著者は「私のこのエッセイ…。好みはともかくらくには読めるだろう。読まないよりはましだろう。西欧の文化に触れるとき、旧約聖書について多少なりとも理解があれば、かならず役に立つ」と自著を評しています。本書で旧約聖書の全体像が不十分ながらでもつかめれば、もうちょっと難度の高い本もスムーズに読めそうです。
旧約聖書についての入門の入門書としてお勧め。旧約聖書をスルメに例えるのは賛成ですが、ときどき著者がつぶやく駄洒落は少々寒いです。
Posted by ブクログ
断片的なエピソードが面白くきちんと繋がって理解出来た。
古い本なのでギャグネタが古かったり、オッサンネタだったりするが、聖書を簡単に理解するには良書だった。
Posted by ブクログ
西洋文化を学ぶうえで聖書の知識は不可欠だ。そう思って聖書を手に取ったのだが、読んでも読んでも内容が頭に入ってこない。そんな中、阿刀田高さんの「旧約聖書を知っていますか」購入した。「新約聖書を知っていますか」「私のギリシャ神話」「楽しい古事記」と読んでいき、阿刀田さんの教養書シリーズ4冊目である。すっかり阿刀田ファンだ。
冒頭の、アイヤー、ヨッ から何言ってるんだこの人と思いながらもどんどん引き込まれて楽しく最後まで読ませてもらった。新約聖書と比べて、神話よりのはちゃめちゃエピソードも多くとても面白いなあと改めて旧約聖書の内容を少しだけ理解できてきた気がする。するめの例えも秀逸だ。神が世界を作った聖書冒頭がスルメの頭。アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフ、モーセ、ヨシュア、ダビデ、ソロモンと続く歴史のお話がスルメの胴体。詩篇、雅歌、ヨナなどなど、その後のバラバラに描かれたエピソードがスルメの足。この考え方は聖書本文を初めて読んでいくにあたってとても役に立ちそうだぞ、と思った。これをコンパスにして、つぎは聖書本文もあらためて挑戦したいと思う。
Posted by ブクログ
齋藤孝さんの本で、紹介していたので読んでみた。宗教関係のことはほとんど無知に近いので、教養を増やすために読んでみた。
著者のおやじギャグや体験談などを交えて、フランクに書かれているためとても読みやすかった。登場人物が多いので、混乱することもあり、戻ったりしないといけないところもある。読みやすく書かれているこの本でこそ、そんな風なのであるから、旧約聖書の原書を読むのは相当な労力がいるんだろうなと、思った。
アダムとイブ、モーセ、ソロモン、バベルの塔など「名前は聞いたことあるが詳しくは知らない」みたいな話しが、こんな話だったんだと知ることができた。これだけでも、教養を少し獲得できたのかなと思う。この著者の、他の知っていますかシリーズも挑戦したいと思う。
Posted by ブクログ
0 なんで読んだの?
(1) 漫画とかによく出てくる旧約聖書とはどんな内
容か知りたかった。
(2) 旧約聖書のあらすじ
(3) 旧約聖書ってこんな事が書いてるらしいと世間
話ができる状態
1 どんな本?
旧約聖書のダイジェスト的な本で読み易くする工
夫として砕けた表現や著者の見解等を交え面白くし
ている。入門書としては最適だと思う。
2 構 成
全12話構成になっており、著者の工夫でわかり易
く面白くする為旧約聖書とは違う順番になってい
て、1話でアブラハムが神の言葉でカナンを目指す
話しからスタートし12話で旧約聖書をスルメに例え
て構成を説明して終わる。
3 著者の問題提起
旧約聖書を知る事は教養にもなるし良いことだ
が、旧約聖書を読む事は大変困難である。読みやす
い本も出ているがそれでも電車通勤中に読めるレベ
ルではない。
4 命題に至った理由
ギリシャ神話を知ってるかい?を執筆して旧約聖
書について書いてみようと思ったから。
5 著者の解
旧約聖書を読むのが一番良い。だけど時間的なコ
スト等を考えると現実的な選択ではない。ダイジェ
スト的な本書を読んでみて、それでも深く知りたい
と思ったら他の本を読むのがよろしい。
6 重要な語句
(1) 人命
アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフ、モー
ゼ、ダビデ、ソロモン、アダム、エヴァ、アブサ
ロム、ダニエル、イザヤ、ヨナ、ヨブetc
(2) 地名、国名
カナン、ソドム、ゴモラ、エデン、バビロン、
ペルシャ、南ユダ王国、北イスラエル王国シナイ
山、シナイ半島etc
(3) 語句等
12部族、ユダ族、レビ族、ユダヤ人=ユダ族の
人、黙示、預言者
7 感 想
この本を読んでいて新約聖書は知ってるかい?を
読んでみたくなった。一番刺さった箇所は新旧の違
いである救世主の見解の部分。最初の地図からあの
辺の地理を学んだ。深く知りたい事は嘆きの壁に対
してユダヤ人が現代でどう言う感覚でいるのか知り
たい。人に勧める時にはあらすじが軽易にわかる良
本だと勧める。この本のタイトルは「旧約聖書をダ
イジェストでお話しする本」と名付けたい。
8 todo
新約聖書を知っていますか?の購入読破
Posted by ブクログ
軽妙な語り口のエッセイとして純粋に面白かった。
桃太郎の「お腰につけた吉備団子くださいなっ」のような呑気なノリで旧約聖書が引用(?)される。
和田誠のイラストも合っている。
聖書についてクリスチャンが神学的に説明するより、素人が素人に説明する方が案外理解が深まるものだ。それが表面的な理解であっても、全く無知よりましだし、大枠を掴む第一歩としては十分だと思う。
Posted by ブクログ
宗教画や映画を鑑賞したり、読書する際に宗教が絡むと、とたんによく分からなくなってしまう。そこで数年前から気にはなっていたけど読む機会がなかった本書を遂に一念発起で手に取る。前半は特に名前は知ってるけど具体的にどういう人なの?という人物が次々と登場。テンポよく進む。過去に観た宗教画はこのシーンだったのかと思い返して感動する。とても楽しい。個人的には「エピローグするめ風味」の文が好き。新訳の方も読むぞ!
Posted by ブクログ
なるほどなあ。
聖書は受け継がれて信仰されていくことに意味があるんやな。特定の民族にとっては一種の歴史書であり道徳の原点。
ドラゴンボールを歴史的事実が記述された聖典として代々継承していったとして、自分たちの先祖が孫悟空やったって言われたら嬉しいもんな。
痛快でおもしろい
旧約聖書の大雑把な内容を、面白おかしくまとめられた、良著。
気軽に読めるので、ちょっと気になるんだよなーという人にぜひ勧めたい。著者の他の本にも手を出してみようかなと思った。
Posted by ブクログ
度々繰り返して申し訳ないのですが、旧約聖書を読破したので、まつわる解説書等を読み理解を深めようと考えています。
手元の本の再読が基本路線ですが、どこぞで本作の評判を聞き、購入に至りました。
・・・
で、読んでみました。
率直な感想は、確かに、よい。
本作は、つい先日再読した『イラストで読む旧約聖書の物語と絵画』でも参考図書として挙げられておりましたが、ユーモラスなテイストや我々「異教徒」からみた不可思議さなどが自然体で語られているところに好感が持てます。
きっと上記の作者杉全さんもかなり参考にされたのではと察します。
阿刀田氏の筆致は、エッセイの軽さを失わないのに、その理解の深さ・語りの深さは上記作品と比較すると数ノッチ上に感じました。
なんというか、自分なりに消化吸収を行った方の言葉の重み、というのがにじみ出ていると感じた次第です。あるいは、これが読書家・古典を渉猟した方の含蓄といえるかもしれません。
・・・
といことで、旧約にまつわるエッセイ・旧約入門書でした。
氏はできれば原典を、と勧めていらっしゃいます。が、そんなのは普通は読まないから、せめてと犬養道子氏『旧約聖書物語』を次善の策としてお勧めされていました。
その本は未読ですが、それでもなかなか大儀らしい。
こうして本作読んで、確かに気軽に、でも内容は損なわずに短時間で読めるという観点ではこの本は旧約入門にはなかなか良いと思います。とりわけ活字好きの人にはおすすめ出来るかと思います。所々ショーワな記述が散見されるのはご愛敬です。
氏は他にも『〇〇を知っていますか』の古典入門的なシリーズをお持ちです(ギリシア神話、新約聖書など)。これらも原典を読破した後に読んでみたく思います。
Posted by ブクログ
★★★ 読めてよかった
小説家である著者が、旧約聖書を分かりやすく解説してくれる入門書。構成は聖書とは異なり、とっつきやすい話から展開されている。著者の軽妙な語り口も相俟って、非常に読みやすかった。
なんというか、理不尽極まりない胸糞話が多かった。神はかなり人を選り好みし、気に入った人なら多少の無礼をはたらいても不問だが、気に入らない者はどれだけ神に尽くしても決して報われることがない。私は神の態度にうんざりしてしまった。しかし神を言葉の通じるキャラクターではなく、自然災害の類だと考えると多少納得のできる部分はあった。いつか海軍の方が『シュガークッキー』という話をしていた。訓練生は制服を『完璧に』気こなさなくてはならない。そうでなければ、教官に極寒の海に入るよう命令され、その後砂浜で転がり、全身に砂を纏った状態で1日過ごさなくてはならないのだ。その状態はシュガークッキーと呼ばれていたという。そして、いくら身だしなみに気をつけていても、シュガークッキーになってしまうことがあった。どんなに尽力してもシュガークッキー、つまり無駄になってしまうこともあるが、そこで諦めてはならないというお話だった。聖書のエピソードも、要はそんなようなことを伝えたいのだろうと思う。
また、著者は聖書の話を俯瞰し、預言者たちの政治手腕に言及している部分もあった。ストーリーとしてでなく、その背景を探る姿勢こそ、ユダヤ人でない我々が聖書を楽しむコツなのではないかと思う。
Posted by ブクログ
以前から、聖書の概要について知りたいと思い、入門書なるものを数冊手に取ってみたが、長続きせずあきらめかけていた。「シャガール展」にてこの本が売られており、この本ならもしかしたら、と思い読んでみた。平成3年に書かれたもので、表現など古めかしさは感じるものの、比較的読みやすく、今までで一番ためになったのではないかと思う。それにしても聖書は難解である。
Posted by ブクログ
タイトルで「いいえ」と答えた人に買って欲しい旧約聖書の紹介本
旧約聖書って難しいし、日本人には全く馴染みないから理解できないって思うかもしれませんが全くその通りです。作者の阿刀田高さんもそれを認めて仰られています。しかし話を聞く限り実は世界史の授業で習っていたり、あれこれってディズニーだったりおとぎ話なんかになかったっけ、そういえばシェイクスピアとか劇にも似たような話あるよなって気づくところが多い気がします。
それもそのはずまさに原点といえばこれ、旧約聖書なんじゃないかって呼んでいて気がつくと思います。だからこそまさに「旧約聖書を知っていますか」とはあなたの身近にあることに気づいていますか?と聞かれているようなそんな響きが生まれてくるように感じます。
その意味でいえばまさに秀逸なタイトル回収ではないでしょうか。
Posted by ブクログ
フィクションかノンフィクションかは物議を醸し出すところだと思いますが、聖書は全世界で多くの人々に影響を与えている物語です。
日本人にはあまり馴染みがないだけに、
読んでみて興味を持ちました。
それにしても聖書は、明確な意思や主張があるものなのだなぁ。善悪を別にして、絶対的な価値観があるというのは怖いことです。
Posted by ブクログ
阿刀田さんの知っていますかシリーズ、読破2冊目
例によって 宗教信者ではない目線で、旧約聖書のダイジェストを開設。旧約聖書の構成はするめだそうな。アブラハムから始まり、ソロモンまでが 以下の胴体。そのあと創成期に戻り、頭、さらに預言書等が足。
胴体:アイヤー、ヨッと覚えると、アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフが覚えられる。イサクは神にいけにえとして捧げる話で有名、だが、異母兄イシュマエルがアブラハムによって砂漠に追いやられ、アラブ人の祖先となりマホメッドの祖先とされる。ヤコブは兄と確執したが やがて和解、ヨセフはエジブトに売られたが出世して一族をエジブトに迎える。モーセは一族がエジブトで虐げられているため、出エジブトを敢行。カナンに戻る途中 シナイ山で十戒。そのあとがヨシュアでカナン平定。サムソンとデリラの逸話がある士師記のあと、ダビデ、ソロモン王へと続く。ソロモン後はユダ族とイスラエル王国に分裂。諸国に攻められ、ユダ王国はバビロン捕囚。一旦は再建されるが西暦70年に崩壊、1948年までイスラエルの民は国をもたずに世界各地に分散された。
頭:アダムの肋骨からエバがつくられた。6日目に男と女が一緒につくられた。矛盾はあるが読み飛ばせ。カインとアベル、神様は不公平で依怙贔屓、天の不合理を感じるがそういうことは確かにある。その後 ノア、、バベルの塔。サルトルは説く、人間においては実存が本質に先立つ。
足:逃亡者ヨナ、ヨブは泣き叫ぶ(ジェンセニスム=神はすべてをなす祈っても意味がないが祈らなければいけない)、預言者イザヤ、ダニエル