【感想・ネタバレ】旧約聖書を知っていますかのレビュー

あらすじ

「旧約聖書」を読んだことがありますか? 天地創造を扱う創世記あたりはともかく、面倒なレビ記申命記付近で挫折という方に福音です! 預言書を競馬になぞらえ、ヨブ記をミュージカルに仕立て、全体の構成をするめにたとえ――あらゆる意味での西欧の原点「旧約聖書」の世界を、枝葉末節は切り捨て、エッセンスのみを抽出して解説した、阿刀田式古典ダイジェストの決定版。

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Posted by ブクログ

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面白かった。しかし、書こうと思ってから調べたりする時間が10年かかったというだけあって、お手軽なのに確かな感じのある本だ。最近のわーっと短期間にリサーチしてサクッとまとめるようなスタイルとは熟成度が違う。
ただし、いろいろな例えとかでイメージ豊かなのは良いが、例が昭和だから若い人にはどうだろう。文章は滑舌よく軽妙で噺家のよう。
安心して楽しめる本であった。また聖書の全体像のおさらいという目的は、予想外に捗ったのであった。

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2024年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

度々繰り返して申し訳ないのですが、旧約聖書を読破したので、まつわる解説書等を読み理解を深めようと考えています。

手元の本の再読が基本路線ですが、どこぞで本作の評判を聞き、購入に至りました。

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で、読んでみました。

率直な感想は、確かに、よい。

本作は、つい先日再読した『イラストで読む旧約聖書の物語と絵画』でも参考図書として挙げられておりましたが、ユーモラスなテイストや我々「異教徒」からみた不可思議さなどが自然体で語られているところに好感が持てます。

きっと上記の作者杉全さんもかなり参考にされたのではと察します。

阿刀田氏の筆致は、エッセイの軽さを失わないのに、その理解の深さ・語りの深さは上記作品と比較すると数ノッチ上に感じました。

なんというか、自分なりに消化吸収を行った方の言葉の重み、というのがにじみ出ていると感じた次第です。あるいは、これが読書家・古典を渉猟した方の含蓄といえるかもしれません。

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といことで、旧約にまつわるエッセイ・旧約入門書でした。

氏はできれば原典を、と勧めていらっしゃいます。が、そんなのは普通は読まないから、せめてと犬養道子氏『旧約聖書物語』を次善の策としてお勧めされていました。
その本は未読ですが、それでもなかなか大儀らしい。

こうして本作読んで、確かに気軽に、でも内容は損なわずに短時間で読めるという観点ではこの本は旧約入門にはなかなか良いと思います。とりわけ活字好きの人にはおすすめ出来るかと思います。所々ショーワな記述が散見されるのはご愛敬です。

氏は他にも『〇〇を知っていますか』の古典入門的なシリーズをお持ちです(ギリシア神話、新約聖書など)。これらも原典を読破した後に読んでみたく思います。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

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阿刀田さんの知っていますかシリーズ、読破2冊目
例によって 宗教信者ではない目線で、旧約聖書のダイジェストを開設。旧約聖書の構成はするめだそうな。アブラハムから始まり、ソロモンまでが 以下の胴体。そのあと創成期に戻り、頭、さらに預言書等が足。

胴体:アイヤー、ヨッと覚えると、アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフが覚えられる。イサクは神にいけにえとして捧げる話で有名、だが、異母兄イシュマエルがアブラハムによって砂漠に追いやられ、アラブ人の祖先となりマホメッドの祖先とされる。ヤコブは兄と確執したが やがて和解、ヨセフはエジブトに売られたが出世して一族をエジブトに迎える。モーセは一族がエジブトで虐げられているため、出エジブトを敢行。カナンに戻る途中 シナイ山で十戒。そのあとがヨシュアでカナン平定。サムソンとデリラの逸話がある士師記のあと、ダビデ、ソロモン王へと続く。ソロモン後はユダ族とイスラエル王国に分裂。諸国に攻められ、ユダ王国はバビロン捕囚。一旦は再建されるが西暦70年に崩壊、1948年までイスラエルの民は国をもたずに世界各地に分散された。

頭:アダムの肋骨からエバがつくられた。6日目に男と女が一緒につくられた。矛盾はあるが読み飛ばせ。カインとアベル、神様は不公平で依怙贔屓、天の不合理を感じるがそういうことは確かにある。その後 ノア、、バベルの塔。サルトルは説く、人間においては実存が本質に先立つ。

足:逃亡者ヨナ、ヨブは泣き叫ぶ(ジェンセニスム=神はすべてをなす祈っても意味がないが祈らなければいけない)、預言者イザヤ、ダニエル

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2020年07月21日

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