【感想・ネタバレ】ナポレオン狂のレビュー

あらすじ

自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。その両者を引き合わせた結果とは? ダール、スレッサーに匹敵する短篇小説の名手が、卓抜の切れ味を発揮した直木賞受賞の傑作集。第32回日本推理作家協会賞受賞の「来訪者」も収録する。

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Posted by ブクログ

【最後の一文で世界が変わる】
YouTubeのおすすめ動画で流れてきた「奇妙な味」というジャンルの本。
どことなく仄暗い気持ちになりたくて手に取ってみました。
【感想ほか】
初版が1982年!文体は丁寧な言い回しが多いが、そこまで違和感なく読み進められた。
特にお気に入りの話は「来訪者」
最後の最後でぞっとする。忘れられない短編になった。
どの作品も最後の一文で今までの前提がくつがえるような、そんな構成の短編集でハッとさせられることが多かった。
1話はだいたい20ページくらい。サッと読めるのも魅力的。
「サン・ジェルマン伯爵考」もお気に入り。最後の2行、その雰囲気言い回しが好き。
巻末の解説にて学ぶことが多かった。
・恐怖文学のいちばん恐ろしい情景は、筆で書くより読者の想像に任せた方が底知れない広がりがあること。
・アイデアは備忘録に書き連ねて、それを組みあわせてひとつの小説にすること。
創作をする時に思い出したい。

どうも!ぶろろぐです。
23冊目読破になります。
久々に小説を読んだ感想を載せてみました〜。

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2023年10月19日

Posted by ブクログ

ゾッとするオチや、どんでん返しが多いショートショート集。星新一とは違った作風が楽しめる。表題作『ナポレオン狂』、『来訪者』、『甲虫の遁走曲』がおすすめ。

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2023年02月20日

Posted by ブクログ

久々の再読。
阿刀田さんは、星新一さんに続いて好きになった作家さん。
日常の隣の落とし穴。
ふと気付く恐怖というのが大好き。

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2019年02月04日

Posted by ブクログ

久しぶりに恐怖で鳥肌が立ちました!
グロに頼らず、純粋な恐怖で攻めてくるのがすごく好き。
中でも代表作の「ナポレオン狂」は一作目で心の準備ができてないという事もあってか読み終わった瞬間にゾワゾワ〜と背中がざわつきました。

後から考えれば考えるほど恐怖を感じる作品もあったり、考えさせられる作品もあったり…
全編通して楽しめました。

「後は読者の想像におまかせ」がこれほど怖いとは…

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2016年08月22日

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ネタバレ

高校生の時に読んで以来、懐かしさのあまり再読。全然内容は覚えていませんでしたが、流石の切れ味!これこれ、とゾクゾクする切れ味を堪能しました。来訪者は特にいいですね!

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2016年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ナポレオン狂」「来訪者」
「サン・ジェルマン伯爵考」
「恋は思案の外」「裏側」「甲虫の遁走曲」
「ゴルフ事始め」
「捻れた夜」「透明魚」「蒼空」「白い歯」
「凶暴なライオン」「縄ー編集者への手紙」

ナポレオンのコレクターとナポレオンの生まれ変わりと信じる男。「ナポレオン狂」、出産後もつきまとう雑役婦「来訪者」が怖くて好き。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

直木賞受賞の表題作を含む短編集

むかし色々と読んだ気がするが、著者のイメージはブラックジョーク・ショートショート・ダーク星新一といったところ

この作品を読んだら幻想・怪奇も加わった

マイベスト作品「来訪者」
タイトルが秀逸「裏側」

説明じみた表現を使わずに、わずか40°でどんでん返しを決めてくる

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2025年04月17日

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名前は知っていたが、作品を読んだのは初めてでした。とにかく日本推理作家協会賞を穫った「来訪者」が最高に怖くて、やられました。技巧的なストーリー展開とは、こういう作品なのですね。

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2023年01月23日

Posted by ブクログ

講談社のキャンペーンで購入。阿刀田さんの名前は知っていたが、読むのはこれが初めて。
なかなか怖いオチの話が多く、説明もはっきりさせないので余韻も大きい。こういう話を書く作家さんなんだなー。
怖さとSFっぽさの入った話はあまり好きではないけれど、そのぶんなかなか読まないジャンルなので新鮮味があった。特に予備知識ゼロで読んだ表題作は結末にびっくり。

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2022年09月19日

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ちょっと不気味な話を集めた短編集(怖くないものもある)。解説にあるように、正面からはっきり描かないからこそ恐怖は際立つのだろう。

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2021年09月10日

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筒井康隆著『将軍が目醒めた時』と混同して記憶していた表題作。ナポレオンに関することなら何でも集める蒐集家と、ナポレオンに激似の男が出会ったら……。本作も含め、結末にどんでん返しが用意された短編集。「捩れた夜」がSFっぽくて好みの作品だった。巻末の作品初出を見ると、多くの男性に読まれた小説誌。濡れ場が多いのも納得。

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2020年11月11日

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さすがのうまさ。女性の表現には若干の古さは感じるものの、面白かった。
「凶暴なライオン」に登場する男のフラグの立て方がじわじわくる。

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2018年05月16日

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怪談の短編集。以前に別の短編集で「この人は怪談が向いている」とレビューしたことがあるが、本作ではその良い部分がうまく押し出された印象を受ける。なお、SF作品であったように、オチが先に見えてしまうものもあるが、そこだけをメインとしていないので、気にならない。

収録作すべて割と万人にオススメは出来るんだけど、少々エロ表現も入っているので、高校くらいからかな。ものすごい名作ってわけでもないけれども、面白いですよ。

余談にはなるけれども、よほど気に入っているのか、電話のベルを何度も「ルン」と表現しているところだけは引っかかった。

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2015年01月15日

Posted by ブクログ

第81回直木賞受賞作。
最後の数行の切れ味が鋭く、
特に「ナポレオン狂」と「甲虫の遁走曲」は、
ヒヤリとさせられた。

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2014年11月24日

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阿刀田ワールド満載の一冊です。 本作は何度、読んでも、下げが分かっていてもおもしろい。 オムニバスドラマの「世にも奇妙な物語」で有りそうな作品です。 是非是非、再読をしたい名作です。

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2014年01月06日

Posted by ブクログ

うまい!って感じのもあれば恐ろしいのもあり笑いありで楽しめた。
構成や、直接的な表現を使わず読者の想像力を誘導しオチをつける技術が素敵。

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2013年08月28日

Posted by ブクログ

直木賞ものを読みたいなーと思いつつタイトルに惹かれて手に取った一冊。短編集です。なかなか変わった発想と美しい文体でさらっと読めた。

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2013年07月17日

Posted by ブクログ

ミステリ?というか、をさらっと短編で消化してくれる。
サクサク読める。
一通り、うまいオチ付きで面白い。

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2013年01月20日

Posted by ブクログ

阿刀田高氏の短編集。単行本は1979年に刊行。

後の阿刀田高作品に比べると、ブラックユーモアより奇想が目立ちます。車が人間に話しかける「甲虫の遁走曲」のような作品を始め、人間が烏になったり、魚が人間になったりという、現実か幻想かわからない話が多いですね。
奇想が過ぎる作品「裏側」のオチはは、最早ギャグマンガ的でもあります。



以下は簡単に各作品の感想を↓



ナポレオン狂
ナポレオンに関するものを熱狂的に収集する老人と、自分がナポレオンの生まれ変わりだと信じている初老の男と、2人のナポレオン狂の思い出を、フランス文学者が語る、という一編。
奇妙な物語は、ラストの数行で恐ろしい物語へと変わります。

来訪者
裕福な家庭で、まだ赤ちゃんの娘を育てている母親が、出産後に母子の面倒を見てくれた病院の雑役婦の訪問を受ける、という物語。
なんとなく、序盤からオチが読めてしまう捻りの無い展開ではありましたが、ある意味期待を裏切らない結末ではあります。

サン・ジェルマン伯爵考
亡き父が死ぬ直前に言った、不老不死の男サン・ジェルマン伯爵と会う予定だった日に息子が会いに行くという物語。
不老不死とは何か、ということを、阿刀田高先生が考えた結果がこの物語の肝になっていますが、ショートショートとしてはオチの切れ味が中途半端です。

恋は思案の外
愛した男のために会社の金を使いこんだ娘のために、誘拐を計画する父親の姿を描いた犯罪サスペンス。
愛犬を犯罪に使う、というのが話の肝ですが、その犬を使ったオチにちょっと強引さがありましたね。

裏側
格安で購入した、地震で崩落した崖下の土地に新居を構えて暮らす若い夫婦を描いた一編。
日に日に淫蕩さを増していく妻が、浮気しているのではないかと疑う夫の視点で描かれています。
愛する妻の「裏側」に何があるのかという予想を遥かに越えるオチが待っています。

甲虫の遁走曲
白タクのドライバーが事故で入院中、共に事故に遭った車から話しかけられる、というファンタジックな物語。
車が、稼げないドライバーのために白タクを再開して、日銭を稼いであげるという可愛らしい展開から、物語は徐々に恐ろしくなります。
オチの意外さよりも奇想を楽しむべき一編。

ゴルフ事始め
スコットランドにおけるゴルフの起源を元に描いたユーモア小説。
起源がスコットランドかイングランドかで言い争いになった両国王がゴルフの試合で決着をつける、という展開から、とんでもない結末にたどり着きます。

捩れた夜
結婚間近の男が、夜になると謎の女から訪問される、というちょっとエロティックな幻想小説。
新婚初夜に新妻が殺され、男が容疑者になるところから、現実と幻想が入り乱れる展開となります。
明確なオチのないラストは、阿刀田高作品では珍しい。

透明魚
サラリーマンの男が、ふとしたきっかけで入った喫茶店では、透明な身体をした熱帯魚を飼っていて、男が珍しがって見ていると、不思議な女に話しかけられる、という物語。
おそらく、女も透明魚のような身体なのだろう、という話ですが、これも現実と幻想がはっきりとしないラストを迎えます。

蒼空
不気味なほど蒼い空に誘われたのか、会社とは反対に郊外行きの電車に乗ったサラリーマンが、丘陵地の小さな駅まで来てしまう物語。
空を飛ぶカラスを見て、サラリーマンが空を飛ぶところから現実なのか幻想なのかわからなくなります。

白い歯
歯がいいと頭がよくなる、という持論を持つちょっと変わった奥さんの話を、歯がわるい夫が聞く、という話。
歯が良くて、頭が良くなったという奥さんの昔語りから、ラスト数行で恐ろしくなる展開が見事な一編。

狂暴なライオン
30代の挿絵画家のシングルマザーと、40歳代の翻訳家の妻子持ち男との恋を描いた一編。
全26ページの内ラスト3ページまでずっとロマンス描写が続き、これはロマンス作品なのかと疑いさえしていたら、急展開のラストを迎えます。恐ろしいラストではありますが、ちょっと強引な展開です。

縄─編集者への手紙─
新人作家が、作品を書けない言い訳を書き綴ったという体裁の一編。
アイデアが浮かばず、ずっと眠っていないという話から、以前に出張先のホテルで隣の部屋になった自殺志願の若い女が怖がっていた、死を望む者に迫り来る「縄」の話になると手紙が物語へと変わります。
現実か幻想かわからないまま手紙は終わります。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

ブックチューバーのベルちゃんが最近同作家の「冷蔵庫より愛をこめて」を読んで面白かったと言っていたので、私もどれかを読んでみようと思って手にとりました。「ナポレオン狂」というタイトルは聞いた事があったので、まずはこれを読む事に。

全体的な印象はダークですね。おまけに女性の描かれ方がちょっと古いのもありました。ま、昔に書かれた本だし、それは仕方がないんですけど。
オチにつながるまでの持って行き方というか、描き方というかが上手い!と感じました。オチは強いのも弱いのもあった気がするけど。

全部読み終わって、頭に残っているのは、表題作の「ナポレオン狂」と「甲虫の遁走曲」と「縄―編集者への手紙―」かな。

私はダークなショートストーリーが好きなので、ベルちゃんが読んだのも読んでみようと思います。

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2021年05月05日

Posted by ブクログ

昭和61年7月1日 第7刷 再読
20代の頃通勤で阿刀田高さんの文庫に大変お世話になりました。ショートの先人ですよねー。

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2021年04月17日

Posted by ブクログ

無駄な言葉がほぼ見当たらず、リズムの良い読書体験ができる。阿刀田先生の文章力の卓越さによるものであるが、肝心のアイデアの部分が全般的に驚きが無いのです。読後感は良いものの衝撃はほぼ無い。それでも心地よい読書ができて良かったなぁ…と思えるのは阿刀田先生のショート作品がホッと一息つける香りの良い珈琲のようなものなのだろう。頭を空にしてぼんやりと読むことをお勧めします。

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2020年04月26日

Posted by ブクログ

初めて読む種類の作品!最後のどんでん返しにヒヤッ…。とにかく最初のナポレオン狂は、予期せず読んだので、読後の衝撃がしばらく続きました。面白かった!!2016/9/2完読

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2016年09月02日

Posted by 読むコレ

直木賞受賞作という称号自体はむしろ自分の中で作品の期待度を落とす要素でしかないのですが、それだけに本作は少し意表を突かれました。
本作は短編集で、全てが最高とはならないまでも、最初と最後が凄く良くトータルでは非常に好印象で終わった作品でした。
笑いあり、ミステリあり、ホラーあり、エロスありと非常に幅広い一冊で、ちょっとした隙間時間を埋めるには最適な本となりました。
お気に入りはやはり表題作です。
太宰作品を彷彿とさせるユーモアのある語りで引っ張っておきながら、まさかそのオチに持ってくるとは。
鞄に常備させたい一冊。

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2014年12月28日

Posted by ブクログ

[再読]

どれも日常に潜む怖さが絶妙で、好きな短編集です。
特に″ナポレオン狂″″サン・ジェルマン伯爵考″が。

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2014年03月16日

Posted by ブクログ

背筋が寒くなるようなお話しの短編集。連作ではないです。 全部面白い(楽しいという意味では無い)。世にも奇妙な物語的な感じです。 現代ホラー好きにはオススメ。

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2014年02月19日

Posted by ブクログ

きわめて日常的な出来事を語りながら、最後の数行で一挙に暗転する展開は切れ味があります。
ただ、どれも捻った作品ばかりで、モヤモヤな感じが残りました。思わず膝を打つような鮮やかな作品があれば全体の印象が変わったのでしょうが…。
ベストは日本推理作家協会賞を受賞した【来訪者】。現実には絶対起こらないとは言えないのでとても怖いです。【ナポレオン狂】も良作だと思います。

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2014年04月27日

Posted by ブクログ

表題作は狂気の境を描いていて、ゾッとさせられる。
星新一からショートショートを読み始めたが、阿刀田さんのは星さんよりも独特の「暗さ」があってまた面白い。

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2012年05月03日

Posted by ブクログ

 第81回(1979年上半期)『ナポレオン狂』受賞
 第32回 日本推理作家協会賞受賞『来訪者』受賞 共に収録

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2012年04月23日

Posted by ブクログ

ラスト数行でのオチの匂わせ方が絶妙で上手い。
初出は30年以上前だが古臭さはそれほど感じられず、短編としてちょうどいい読み応え。

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2012年04月07日

Posted by ブクログ

切れ味が良い。特に「訪問者」の予想外のラストにはぞっとする。

が、全体的にきれいにまとまった印象が強く、私にはそれがかえって物足りなく感じてしまった。
日常のちょっとしたところを効果的に切り取る描写力、人間の奥底に潜むどろどろとしたものをさらりとまとめあげるストーリーテラーぶり、淡々としつつもファンタスティックな捻りを加えたオチ。
アンソロジーにちょっとずつ収録されて読んだならば、きっともっと「面白い」と思ったことだろう。あるいは、文芸誌に掲載されている形で読んでもよかったかもしれない。

なんと言うか、「喉に引っかかる」ものがない。つるりと飲み込めてしまう。それ自体は全然悪くない、むしろ褒められていいものだと思う。しかし、どうも・・・喉越しが良すぎるビールは好きじゃない、って人がいるらしいけど、あれかな私は?

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2011年11月24日

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