あらすじ
日本語は千年を超えて生き続け、まことに多彩で奥深い。色を表す言葉なら、あさぎ、納戸、利休ねずみ、群青、すおう。米作りなら、田おこし、しろかき、田植え、草取り、稲刈り。豊かな表現に充ち満ちている。日本語なしには、考えることも知識を培うこともできない。「微衷」「転失気」はどんな意味? 「狼狽」の語源とは? ためになる情報から、相槌の打ち方や句読点の打ち方まで、日本語にまつわるあれこれを楽しく綴る!
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阿刀田カラー満載
読み下しでは理解しきれない和歌や言い回しを読み返して、なるほど。ちょこちょこ挟み込まれるジョーク。阿刀田カラー満載です。そして。言葉を知るって豊か。どっちでもいーじゃん、では淋しいって。なるほど。最近ボキャブラリーが貧困になってきたなと感じる方にもおススメです
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「ことばは深い」。短いエッセイ集のように書かれていて読みやすいが、内容は深い。
知らなかった言葉もたくさんあった。”ことほぐ”(寿ぐ/言祝ぐ)。”言葉を告げて祝う”こと。
詩文を楽しむ心理もこの”ことほぐ”が含まれているという視点は興味深い。言葉に出して素晴らしさを称えているというわけだ。
Posted by ブクログ
阿刀田高のコラムは面白い。
覚えておきたい言葉として
井上ひさしの座右の銘
「むつかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをゆかいに、
ゆかいなことをまじめに、
かくこと」
Posted by ブクログ
ゆたかで、ユニーク、おもしろい日本語について「ことばは深い(17)」「ことばと遊ぶ(15)」「ことばの道草(19)」「ことばの知恵(8)」の4つのカテゴリーで59の項目に渡り日本語について綴られている。
日本語について、すこし不思議なことから、用語の解説から、小説に登場するものから、多岐に渡り日本語を楽しめる。そして勉強になることがたくさん。
巻末には「小説家の眼」として、新人諸氏(おそらく小説家を志す新人)にむけて『テーマ、モチーフ、そして花』というタイトルで松本清張の小説「黒地の絵」を題材として、小説の解説を行われている。
これも勉強になった。
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内容(「BOOK」データベースより)
日本語は千年を超えて生き続け、まことに多彩で奥深い。色を表す言葉なら、あさぎ、納戸、利休ねずみ、群青、すおう。米作りなら、田おこし、しろかき、田植え、草取り、稲刈り。豊かな表現に充ち満ちている。日本語なしには、考えることも知識を培うこともできない。「微衷」「転失気」はどんな意味?「狼狽」の語源とは?ためになる情報から、相槌の打ち方や句読点の打ち方まで、日本語にまつわるあれこれを楽しく綴る。
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Posted by ブクログ
コラムなので気負わずに読める日本語の小話あれこれ。ふーん、へー、と感心することがいっぱい。
なかでも「たそがれどき」の話が好きです。
「たそがれ」はもともと「誰そ彼」と書く。
「むこうにぼんやりと人影が見える。見えるけど、だれだかわからない。ーー彼はだれなのーーと尋ねるくらいの明るさ。Who is he? がそのまま時間帯を表す名詞になっているのだ。」
真夜中を表す「おうまがとき」は「逢う魔がとき」。つまり魔物に出くわす時間帯。
夜が明けきらない早朝は「あさまだき」と言う。これは「朝はまだ来ません」ということ。
花の名前となると「忘れな草」や「宵待草」など、日本人の趣深さと美意識を感じます。
他にも、そういえばなんでこんな言い回しをするんだろう?成り立ちはわからないけどよく耳にするよね、口にするよね、というような日本語をサラッと説明してくれてます。