阿刀田高のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ダンテの神曲を読んだことがある日本人ってどれほどいるの?
月に1冊以上本を読む日本人は50%くらいでしょ? 10冊以上読む人にいたっては数%しかいないらしい。なんでわざわざあんな分厚い本を読むのさ。
と、言い訳をしたところで、そういえばこんな本があったなあ、と積ん読本の中から発掘した本。
ダン・ブラウンの『インフェルノ』を読む前に、ダンテの神曲のエッセンスだけでも知っておいたほうがいいかと思って読んだ。先に言っちゃうと、神曲を読んでなくてもインフェルノの内容理解にはほとんど困らない。
以下、馬鹿のたわ言とご理解のうえお読みください。
ぶっちゃけると、キリストを信じていない人は誰一人として天国へは行けません!と言っている本。
地獄に落ちる人はだいたいわかる。キリスト教徒じゃなくても、なんとなく、ああこいつら悪いことしたんだな、って人たちだから。人を殺したり、陥れたり、強欲だったり、淫乱だったり。あと何だ? 暴飲暴食も、ケチもだめ、独善的な人間もだめ。犯罪としては裁かれないけど、道徳的にダメでしょ?って人はそろって地獄行き決定!
煉獄っていうのは独特。地獄と極楽しかない仏教にはない概念だから(あったらごめんなさい)
でもここにいる人(霊)はちょっとかわいそうで、キリスト誕生以前の世界では高潔な人物としてたたえられてきた人たちなのに、キリスト教を信仰していなかったという理由で、天国へは行けない(足止めをくらっている)
そんなのキリストが誕生してないんだから責めわれるいわれはないじゃん、と凡人は考えるがキリストは考えない。ブッダではないが天上天下唯我独尊なのだ。後出しジャンケンに負けるほうが悪いのである。
天国ははっきりいってほぼ想像不能。たぶんいいところなんだろう。
神曲は地獄篇が一番面白いと言われている。所詮人間が書いている物語なんだから、下衆な世界のほうが描写しやすいのだ。天使のバリエーションなんてそんなにないが、悪魔は多種多様なのはそのためだ。日本だって八百万神とかいっても神様の姿は雲に乗って杖付いたイメージくらいしか湧かないが、妖怪は多種多様だ。やっぱり、悪いことのほうが想像しやすいんだと思う。タブーが働かないし。
我ながら、読みが浅いなあ。
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Posted by ブクログ
2年前に読んでいるんです。再読。読書会の課題図書。
前に読んだ時も面白かったのですが、再読しても面白かったです(笑)。
そして、改めて、「読んだはずなのに、ほぼ忘れている」ことに衝撃。
ヒトは、忘れる生き物ですねえ。
だから素敵なこともいっぱいあるんですが。
●とにかく、「ああ、この神社、この旧跡、行ってみたいなあ」という想いが。空腹時に素敵なグルメエッセイを読んだ気分(笑)。
(もともと、寺社巡りが好きだ、などという趣味があるからなんですけれど)
●あらためて、イザナギ・イザナミからスサノオ、オオクニヌシのあたりまでの、なんともワイルドで壮絶な物語性に目が眩みます。
これが、古事記成立当時は、子孫である(子孫であると自称する)天皇家と権力者たちにとっては、「不名誉」では無かった訳ですから、その頃の道徳の在り方っていうのがオモシロイ。
●神武天皇からヤマトタケルのあたり、つまりは「東方の未開民族たちを征服する権力の物語」。
このあたりは、誰もうかがえない実相という謎に向けて、被疑者の言い分を聞きとる刑事になった気分ですね。ミステリー謎解き感満載。
どうして、こういう物語になったのか。
そして、どうしてやや後年成立した「日本書紀」と齟齬があるのか。オモシロイ。
●そして雄略天皇のあたり。章題「殺して歌って交わって」。もうこのタイトルが秀逸の爆笑ですね。
リチャード三世も真っ青な、超ドロドロな大河ドラマ。
これ、その後継者たちが、正当化するために描いても、こうなってるわけだから。ホントのところはどれほどだったのか…。
まだメディアも人権も選挙も無い、権力という装置が、剥き出しの赤身のような生々しい時代。
特段、日本がどうこうという、名誉であるとか恥であるとかではなく、そういうものなんだよなあ、と思いました。
※リチャード三世も、阿刀田高さんのシェークスピア本で学んだことなんですけどね。
阿刀田さんの、この古典解説エッセイシリーズは、この先、再読再再読の愉しみもわくわくだなあ、と思わせてくれました。
歴史という物語を愉しめるならば、実に外れのない名著ですね。