阿刀田高のレビュー一覧

  • 新約聖書を知っていますか

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    聖書について軽い気持ちで学ぶことができる。
    この本にも書いてあるが、触りだけでも理解していると今後活かせることがあるのかなぁと思ったり…。

    旧約聖書を知っていますか、を次は読んでみようかな。

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    2023年08月04日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    旧約聖書を大雑把に楽しくある程度理解できるお得な1冊。

    「アイヤー、ヨッ」と叫んでほしいというのが冒頭の1文。これはアブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフの主要人物の頭文字。この4人をおさえれば、アブラハムの事蹟は理解しやすくなるといいます。
    本書はアブラハムから書き起こし、有名な出エジプト記を経て、ソロモン王までをそこそこ詳しく描き、その後で神話的部分について触れています。要は比較的馴染みのあるアブラハムから入ることで旧約聖書に入りやすくする構成になっています。
    韻文の多い預言書、すなわちイザヤ書、ダニエル書は駆け足で通り、ヨナの物語については少しだけ紹介するに留めているのも、旧約聖書の複雑さを回避するのに役立っていると思いました。
    著者は「私のこのエッセイ…。好みはともかくらくには読めるだろう。読まないよりはましだろう。西欧の文化に触れるとき、旧約聖書について多少なりとも理解があれば、かならず役に立つ」と自著を評しています。本書で旧約聖書の全体像が不十分ながらでもつかめれば、もうちょっと難度の高い本もスムーズに読めそうです。
    旧約聖書についての入門の入門書としてお勧め。旧約聖書をスルメに例えるのは賛成ですが、ときどき著者がつぶやく駄洒落は少々寒いです。

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    2023年07月30日
  • コーランを知っていますか

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    大ファンの阿刀田高先生の宗教教養エッセイ。

    イスラム教、コーランについて。
    キリスト教のエッセイと比べると、内容の薄さが気になる。日本人に理解し難いイスラム教であると同時に阿刀田先生の興味の方向もやはりヨーロッパが強いのだろう。

    しかし、イスラム教の大枠を知る最初のエッセイとしては十分だ。阿刀田先生が実際に赴いたサウジアラビアの閉鎖感など、御本人の所感も読むことができるのも大きい。

    現在2023年、17年も前の本なので状況も変わっているとは思うが、やはり男女区別の明確なイスラム社会と21世紀はどう共存すべきか。また見習うべき部分はどこなのか。我々にとってもものすごく勉強になる社会がそこにはある。是非いつかサウジアラビアにも行ってみたいと思う。

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    2023年07月07日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    断片的なエピソードが面白くきちんと繋がって理解出来た。
    古い本なのでギャグネタが古かったり、オッサンネタだったりするが、聖書を簡単に理解するには良書だった。

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    2023年06月27日
  • ギリシア神話を知っていますか

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    ギリシア神話に詳しくないので、わからない部分もありましたが、それなりに楽しめました。
    著者の身近な話からギリシア神話に繋げていく語り口がおもしろかったです。

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    2023年02月18日
  • やさしいダンテ<神曲>

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    相変わらず阿刀田さんの教養書シリーズにハズレはない。ダンテの神曲、こんなにも古典的で分かりにくいものを瑞々しく現代口語で伝えてくれた。地獄、煉獄、天国。ダンテは三つの世界をギリシャ・ローマ神話の登場人物たちや、全然関係ない、かつてダンテが惚れしていた女の子ベアトリーチェの案内によって見て回ることができた。地獄ではキリストの教えに反して最善悪行を積んだ王や神も含めるさまざまな人々がマグマのコンクリートみたいなところに入れられて、ゴブリンみたいなやつらに棒でつつかれていた。怖え。ゴブリン同士の仲間割れみたいなのもみつつ、怯えながら進んでいくと今度は煉獄に辿り着く。そこは静かな離島のようなところ。人は死ぬとまずここに着いて、自分の生きた年数彷徨うことになる。そして、悪行とまではいかないけど良いこともしてこなかった人はここでずっと迷子。時間の感覚を理解できるのは生者だけの特権らしい。そして最後に天国へ。いく層かに分かれていて進めば進むほど光り輝いてまぶしくて見えなくなっていく。マリア、アダムとイヴ、パウロなどなど聖書にでてくる錚々たるメンバーかここに鎮座している。ベアトリーチェもここで光り輝いた。すげー!という、そんな厳かなファンタジー小説だった。宗教学だけでなく、一般ピーポーにとってもこれほど面白い話が、ここまで格式高く聖書に次ぐ教養書のようになっているのもすごく面白い。というか聖書にしてもそうだが、宗教は広める為にある訳だから面白いに越したことはないんだろう。古典的な状態のまま現代まで伝わっているから、現代人にとって読みにくい部分が多いけど、こうして阿刀田さんに解説してもらえると、素晴らしく面白い世界を散歩できた気分だ。やっぱり難しいんだろうけれど、原文にもそのうち挑戦したい。

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    2023年01月31日
  • ナポレオン狂

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    名前は知っていたが、作品を読んだのは初めてでした。とにかく日本推理作家協会賞を穫った「来訪者」が最高に怖くて、やられました。技巧的なストーリー展開とは、こういう作品なのですね。

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    2023年01月23日
  • おいしい命 阿刀田高傑作短編集 ブラックユーモア&男と女

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    じわっとした嫌な気持ちも、なんとなくの爽快感もあった。良く書けた本だ、と思う。
    文体も少し古いというか、丁寧な感じが、この本の面白さをまた、創り出している気がしました。

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    2023年01月11日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    西洋文化を学ぶうえで聖書の知識は不可欠だ。そう思って聖書を手に取ったのだが、読んでも読んでも内容が頭に入ってこない。そんな中、阿刀田高さんの「旧約聖書を知っていますか」購入した。「新約聖書を知っていますか」「私のギリシャ神話」「楽しい古事記」と読んでいき、阿刀田さんの教養書シリーズ4冊目である。すっかり阿刀田ファンだ。

    冒頭の、アイヤー、ヨッ から何言ってるんだこの人と思いながらもどんどん引き込まれて楽しく最後まで読ませてもらった。新約聖書と比べて、神話よりのはちゃめちゃエピソードも多くとても面白いなあと改めて旧約聖書の内容を少しだけ理解できてきた気がする。するめの例えも秀逸だ。神が世界を作った聖書冒頭がスルメの頭。アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフ、モーセ、ヨシュア、ダビデ、ソロモンと続く歴史のお話がスルメの胴体。詩篇、雅歌、ヨナなどなど、その後のバラバラに描かれたエピソードがスルメの足。この考え方は聖書本文を初めて読んでいくにあたってとても役に立ちそうだぞ、と思った。これをコンパスにして、つぎは聖書本文もあらためて挑戦したいと思う。

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    2022年12月27日
  • 楽しい古事記

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    阿刀田高の教養書シリーズにハマってしまった。
    楽しい古事記もすごく面白い。とっつき難い古事記をこれほど面白く読むことができる本はないだろう。イザナギ、イザナミのちょっとえっちいエピソードから、ヤマトタケルのエピソード、中間から先の史実に近い天皇の話まで、6、7世紀に編纂されたと思えないくらい親近感を持って読むことができたのは阿刀田高の小説家としての技量によるところが大きい。

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    2022年12月18日
  • 新約聖書を知っていますか

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    阿刀田高さんの教養書シリーズ。新約聖書について知らなかった知識を沢山教えてくれた。聖書について勉強したいと思いつつ、無信仰者の為、どの程度信じていいものか、またどういう姿勢で関わりを持てばいいのか悩んでいたところだった。この本では同じく無信仰者である阿刀田さんが、無信仰ならではの価値観で語っておりとても面白い。イエスは確かに実在した、ただし彼の起こした奇跡のようなものは流石になかったであろう。母マリアは受胎告知によってイエスを身籠ったのではなく、もしかしたら複雑な事情で別の男性との間に子供を儲けてしまった。しかし寛容なイエスの父親は、それを受け入れ、一緒に育てていくことを決めた。イエスとマリアは後年再開した時も、母よ、などと他人行儀な会話しかしない。それはイエスが僧侶としての遺言を保たねばいけなかったというだけではなく、そこら辺の複雑な親子関係のぎこちなさがあったのかもしれない。小説家ならではの洞察力で聖書を読み解いていく阿刀田さんの眼力はとても素晴らしい。信者ではない者でもこうして楽しく聖書を読ませてもらっていいんだという勇気をもらった。

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    2022年12月09日
  • 私のギリシャ神話

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    ギリシャ神話を殆ど知らなかったので、入門書的に読みたくて購入。阿刀田高さんの教養書シリーズは、充分な知識を得られるのもさる事ながら、小説家ならではのユーモラスな視点で古典文学を独自の解釈も交えて柔らかく読者に伝えてくれる。とても読みやすくて面白い本だった。聞いたことのある名前のギリシャ神話十二神たち。それぞれの面白エピソードが忘れられない。ゼウスが好色だった話。美の女神、ミロのビーナス。冥界の神ハデスと古事記の類似点。エロス=キューピッドで彼にも恋をした青年期があったこと。豪傑な戦士オリオンとサソリの戦い。ナルシズムの語源になったナルキッソスは死んで水仙の花になったこと。とにかくわくわくするような逸話ばかり。忘れないようにこれら全て記憶に留めておきたい。そしてヨーロッパ旅行に行きたい。

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    2022年12月09日
  • 本からはじまる物語

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    本が好きな人には是非読んでほしい!
    本と人との関わり方、大切な本の思い出、ファンタジーな物語もあり、、、

    色々な方のストーリーをいっぺんに楽しめる欲張りな本です!!

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    2022年10月15日
  • 新約聖書を知っていますか

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    聖書のことをこれほどおもしろく、わかりやすく書いた本は、はじめて読みました。
    ぼんやりとしていた部分が、はっきりとわかり、目から鱗が落ちるとは、このことだと思いました。

    それでいて、著者の姿勢は非常に謙虚で、語り口にも好感が持てます。著者は似たようなシリーズの著作を手がけているので、ぜひそれらも読んでみたいです。

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    2022年09月22日
  • ナポレオン狂

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    講談社のキャンペーンで購入。阿刀田さんの名前は知っていたが、読むのはこれが初めて。
    なかなか怖いオチの話が多く、説明もはっきりさせないので余韻も大きい。こういう話を書く作家さんなんだなー。
    怖さとSFっぽさの入った話はあまり好きではないけれど、そのぶんなかなか読まないジャンルなので新鮮味があった。特に予備知識ゼロで読んだ表題作は結末にびっくり。

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    2022年09月19日
  • 新約聖書を知っていますか

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    信仰をもたない作者ならではの見方で描かれる新約聖書の世界。おもしろい。エピローグで作者も言ってるが、洋画や絵画等は聖書の知識が前提になっているものが多い。ちょっとした小ネタとかでも知ってるとより楽しめる。そのために読むのにちょうど良い本だと思う。読みやすい。
    聖おにいさんのイエスってかなり本人に近いんじゃないか?とこの本読んで思ったよ。
    旧約聖書のほうも読んでみたい。

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    2022年08月21日
  • 赤い追憶 阿刀田高傑作短編集 ミステリー

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    小学生の頃、親の本棚にあった阿刀田高の本をソッと抜き取ってコッソリ読んでいた。
    ちょっといけないことをしているような気持ちでドキドキしながら、大人の世界を覗き見ているような気になっていた。

    私にとって、阿刀田高といえばそんな思い出の作家の一人。

    読んだ感想としては…はて、こんなにマイルドな結末を書く作家さんだったっけ??最近の刺激の強いミステリー小説をたくさん読んで、感覚が麻痺してしまったのかなぁ…。
    でも筆致は美しくて、子供の頃の、のめり込んだ気持ちが思い起こされた。「あとがき」にも同じようなことが書かれていたけど、なんか情景がカラーでふわぁって浮かんでくる感じ。

    書かれた時代のこともあって、ちょっと古くさく感じる設定や言い回しもあるけど、個人的にはそれがさらに趣深く感じる。

    そして最後の短編「迷路」!!
    これ、なんか掲示板とかで有名になったコピペのの元ネタなのでは!?って、非常に興味深かった。

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    2022年07月19日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    齋藤孝さんの本で、紹介していたので読んでみた。宗教関係のことはほとんど無知に近いので、教養を増やすために読んでみた。
    著者のおやじギャグや体験談などを交えて、フランクに書かれているためとても読みやすかった。登場人物が多いので、混乱することもあり、戻ったりしないといけないところもある。読みやすく書かれているこの本でこそ、そんな風なのであるから、旧約聖書の原書を読むのは相当な労力がいるんだろうなと、思った。
    アダムとイブ、モーセ、ソロモン、バベルの塔など「名前は聞いたことあるが詳しくは知らない」みたいな話しが、こんな話だったんだと知ることができた。これだけでも、教養を少し獲得できたのかなと思う。この著者の、他の知っていますかシリーズも挑戦したいと思う。

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    2022年01月22日
  • 新トロイア物語

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    阿刀田氏の「知っていますか」シリーズ以外を読むのは初めて

    「トロイア」
    なんとなくのあらすじは知っているというトホホな知識量
    さらにかなりぼんやりしてきているのでここでしっかりおさらいしようと読むことに

    登場人物は多めながらもさすが阿刀田さん!
    いちいち特徴的な部分をニックネームにしてくださり覚えやすい
    例)鷲鼻の〇〇、赤髭の××、背高の△△…
    またしばらくしてから登場する人物は必ずどこのどなたさんか親切に説明が入る

    物語形式ではあるものの、要所要所に現在の場所や歴史的史実がナレーション形式で入ってくる
    さらにギリシア神話のご説明もあり大変親切だ
    (阿刀田氏の親切さは相変わらずこの上ない!)

    主人公はトロイア国の王家の血をひく若者の、アイネイアス
    ギリシア神話およびローマ神話に登場する半神の英雄…ということになっている
    彼はなかなかの純朴で真っ直ぐな好青年である
    出生はアフロディーテの息子とされているが、本書ではおそらく乳母カイエタという父の雇い女…
    が母親では?という設定
    カイエタというのがこれまた魅力的な女性
    恐らく異国のそれなりの身分だった女性が
    戦争で敗れたため、今の立場になったと思われる人物
    若く美しく知識も拾い
    何より愛情深くアイネイアスの心の中でいつも生き続け、常に寄り添っているかのようだ

    さてアイネイアスであるが、トロイア滅亡後、イタリア半島に逃れて後のローマ建国の祖となったといわれる
    古代ローマでは敬虔な人物とされ、彼を主人公とした作品に詩人ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』がある

    このアイネイアスの子孫が、ロムルスとレムスという双子で、この双子がローマの建国者(よくオオカミと双子の人間の像があるアレ)
    つまりアイネイアスこそ、ローマ建国の礎となった人物である

    そして本書はトロイア戦争までとトロイア戦争後と分量的にも半々くらいあるため、アイネイアス物語といっても過言ではない(と思っているワタクシ)

    前半はトロイア戦争が中心だ
    ヘクトル、パリスの華々しい兄弟の活躍
    有名なアキレスの奮闘と慈悲深い心
    トロイアの滅亡…
    ここでアイネイアスは多くを学ぶ

    後半は、戦争で敗れたアイネイアスら一行はトロイアの再建のため、炎上するトロイアを脱出
    7年近く流浪の旅を続けたあと、イタリアのテベル川河口に到着して、そこに新しいトロイアを建国
    これがローマ帝国の基となるのだ
    この最後の地でアイネイアスらはトロイアでの戦争で学んだことを存分に生かす…

    本書の魅力は多くあるが、武器を持たない女の戦いも見どころのひとつだ
    戦争で勝利することを切に願う理由は
    負けてしまえば残された女たちは凌辱され奴隷のような身分になるのだ
    それゆえ、戦にむかう男たちの勝利を切に願う
    また武器を持たない彼女たちは生きるために知恵を駆使し戦うのである
    現代とは違う
    決して浅ましいドロドロ劇なわけではない
    生き残るための術なのだ

    理不尽な死も多く、グッとくるほどせつなくなる場面も
    彼らの建国への志と、生きるという懸命な姿に何度も感動する

    あとトロイア戦争は大変長い戦争、かつ神話も交えたストーリーのため、多く文献が存在する
    ここでのトロイアは阿刀田氏のトロイアとすべきだろう

    あとがきによると…
    ホメロスのイリアス、オデュッセイア
    ヴェルギリウスのアイネイアス
    この3つの叙事詩
    阿刀田氏はこれらの伝説的な事象が現代人の常識に適うものかどうかの吟味から始まったという
    その上で阿刀田氏の解釈・考え方に基づき、本書は作られている
    そしてどのあたりが創作なのかを説明してくださるのだがこれがまたなかなか面白い
    木馬の計略も例の派手な策略はないものの地味ながら阿刀田氏のお考えを知った上で読むと実に興味深いのである

    最後まで読んで驚いたのだが、巻末に主な登場人物の一覧が4ページもあるではないか!
    地図もある〜(涙)
    読み終わってから気づいたためなかなかショックであった
    これがあったらもっと便利だっただろうに
    逆に言えばこれがなくても読み切れるところが阿刀田氏の凄さだ
    今回人物メモを一切取らず最後まできちんと読めたのだから(でもやっぱり知りたかった〜最後にあるなんて!)


    700ページ近い分量ながら、全くその長さを感じさせることのない面白い作品であった
    またいつかイリアスやオデッセウスも読んでみたいなぁ…
    いろいろな角度からトロイア戦争を見てみたい

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    2021年12月10日
  • 赤い追憶 阿刀田高傑作短編集 ミステリー

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    傑作短編集ということで、既読作品ばかりなのだけど、やっぱり阿刀田作品はいい。
    こういう、日常の隣りにあるちょっとした怖さとか、ぞくっとする感じに没入。
    ま、「爪のあと」の男性は、つらっと何してやがるって感じで好きになれないけど。こいつが痛い目に合うオチがほしkったw

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    2021年12月01日