阿刀田高のレビュー一覧

  • 旧約聖書を知っていますか

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    軽妙な語り口のエッセイとして純粋に面白かった。
    桃太郎の「お腰につけた吉備団子くださいなっ」のような呑気なノリで旧約聖書が引用(?)される。
    和田誠のイラストも合っている。

    聖書についてクリスチャンが神学的に説明するより、素人が素人に説明する方が案外理解が深まるものだ。それが表面的な理解であっても、全く無知よりましだし、大枠を掴む第一歩としては十分だと思う。

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    2022年08月25日
  • やさしいダンテ<神曲>

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    ダンテ「神曲」
    気になっているが、読めない自信満々…
    いつか……も無理な気がする
    というわけで、世の中の自分のような人たちのために阿刀田氏がこういう書を提供してくださるのだ!

    我々を飽きさせないように、こちらの立ち位置に合わせてくださるところが何とも申し訳なくなってしまうほど!
    ん?と思うとすかさず、「わかりにくいと思うが、ここは……」と解説が入る
    さほど重要ではないと軽く流して下さり、細かい説明は「省略しよう」、「先を急ごう」など
    先導して下さる
    腑に落ちないところにはもちろんツッコミも入れて下さるし、親切この上ない

    このやさしいダンテをさらに噛み砕いて備忘録にしてみたい(二度と読まない

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    2021年06月13日
  • 甘い闇 阿刀田高傑作短編集 男と女

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    男女にまつわる短編集。
    「靴の行方」がゾッとして面白かった。

    傑作短編集は合本になっているものを電子書籍で読んできたけれど、これが最後。12時間も楽しめた。いい買い物だったなぁ。

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    2021年05月16日
  • 白い魔術師 阿刀田高傑作短編集 ペダンティズム

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    学生の頃ハマっていた阿刀田高を久しぶりに読んでみたくなった。

    阿刀田高の作品は久しぶりだが、やはり面白い。
    だいぶ前に書かれたものだが、今読んでも洒落てるし、少し怖さもあり、ワクワクもする。

    オチを忘れた頃にまた読んでみたい。

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    2021年04月19日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    アブラハムはシケム、ヘブロンに拠点
    ヤコブの夢 ベテル(神の家)
    レビレート婚
    安息日のエレベーター
    ジャンセニスム(ヤンセン主義)

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    2021年03月17日
  • 冷蔵庫より愛をこめて

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    阿刀田さんの初期の作品ということで読んでみました。
    クセになる感じ。もっと読みたい!
    ギリシャ神話の話など著者の世界観が出ていたなと思います。

    特に面白かったのは
    「冷蔵庫より愛をこめて」オチが予想できなかった。なるほど!!
    「あやかしの樹」気持ち悪いけどオチは最高
    「わたし食べる人」
    「歌を忘れない鸚鵡」切ない
    「最後の配達人」

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    2021年01月25日
  • 青い罠 阿刀田高傑作短編集 ブラックユーモア

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    隣の女      凶事
    ギャンブル狂夫人 干魚と漏電
    噓つき      危険な絵本
    猫を飼う女   女に向かない仕事
    当たらぬも八卦 ホームタウン  
    運のいい男

    ブラックユーモアとどんでん返しがテーマの短編集。これまでの中で「ワクワクする」作品が多かった。特に「隣の女」と「干魚と漏電」は、最後の数行になるほどと、ニヤリとしてしまった。

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    2021年02月02日
  • ギリシア神話を知っていますか

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    洋画を結構見るのですが、ギリシア神話の素養がないと分からないことも多く、少しでも知識がつけばと手にとってみました。

    エッセイ的な感じもあり、とても読みやすくて面白かったです!
    これを入門書として是非他の本も読んでみたい。

    早速、(今更)見てたSATCの台詞にギリシア神話由来のものが出てきて、それが分かったのが嬉しかった!

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    2021年01月03日
  • コーランを知っていますか

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    現代は日本であってもムスリムの人々と無縁ではないが、彼らの行動を理解するときにやはりコーランの教えの基礎を知っておくべきだろう。イスラムの文化の根底を支えるコーランについて手軽に解説した本が少ない中、格好の入門書だと思う。キリスト教やユダヤ教との「縁戚関係」をしっかり解説してくれたので分かりやすかった。

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    2020年12月03日
  • ナポレオン狂

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    筒井康隆著『将軍が目醒めた時』と混同して記憶していた表題作。ナポレオンに関することなら何でも集める蒐集家と、ナポレオンに激似の男が出会ったら……。本作も含め、結末にどんでん返しが用意された短編集。「捩れた夜」がSFっぽくて好みの作品だった。巻末の作品初出を見ると、多くの男性に読まれた小説誌。濡れ場が多いのも納得。

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    2020年11月11日
  • 冷蔵庫より愛をこめて

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    奥付は昭和58年第6刷。筒井康隆とともに著者の作品を高校生の頃に読んだ。あの頃の自分は短編を好んで読んでいた、というより好きな作家の作品に短編が多かったのだろう。そしてブラックユーモアを好きになるきっかけにもなった。本書の作品は、すべてが戦慄の結末で落とされている。「幸福通信」「最後の配達人」が印象深い。

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    2020年11月08日
  • 白い魔術師 阿刀田高傑作短編集 ペダンティズム

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    幸福通信/あやかしの声/他人同士/紅白梅の女/ゴルフ事始め/サン・ジェルマン伯爵考/ロマンチック街道/白猫アントワネット/分布曲線/慶州奇談/自作解説

    「特別な知識を披露する」をテーマにした短編集。

    本、絵画、スポーツ、歴史と幅広い分野の知識を活かして描かれているが、どれも絶妙にブラック。それぞれ30ページ前後で読みやすい。

    印象に残ったのは、神様に願い事をする「他人同士」、サンジェルマンとアントワネットの話。幻想的なストーリーから、オチるのがいい。

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    2020年12月08日
  • 黒い回廊 阿刀田高傑作短編集 ホラー

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    菊の香り 冷たい関係 無邪気な女
    夜のアスパラガス ちらし鮨 真夜中の料理人
    赤い音屋上風景 心の旅路
    妖虫 西瓜流し 恐怖の研究

    さすが傑作短編集だけあって、ハズレなし。今回はホラー系の短編集。「夜のアスパラガス」や「西瓜流し」はなんとなくオチが読めてしまったが。
    「屋上風景」は意外性ではなく飛び降り自殺者の些細な思いの拾い方が怖くてゾッとした。
    「ちらし寿司」はラストシーンが予想外でニヤリとしてしまった。なるほど。

    「恐怖の研究」にある通り、人はやっぱり、優れた「怖い描写」より「想像させられる怖さ」の方がグッと来るんだなぁ。

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    2020年10月31日
  • 漱石を知っていますか(新潮文庫)

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    ネタバレ

    引用が多いがその間に簡潔に書かれている作品の分析や指摘がさすがに興味深い。夏目漱石の本はほとんど読んだが、忘れてしまった部分も多い。阿刀田氏も「こころ」の章で述べているように、読んだ時の年齢などによって読み取れることは変わるはずだ。この本で評価の高かった「こころ」と「それから」は読み直してみようと思う。特に、「こころ」については女性蔑視の小説かどうかということと、阿刀田氏のいう「人間の究極のエゴイズムと実存のニヒリズム」という視点で読んでみたい。

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    2020年09月26日
  • 楽しい古事記

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     旧約聖書も古事記も最初の方が面白い。時代がくだるにつれ、王家や皇室をめぐる歴史劇になってしまう。ダイジェストの名手 阿刀田高を以てしても楽しく伝えようがない。とりわけ雄略天皇紀。
     わが国の犯罪の特徴は、親族間の殺人が多いこと。太古の昔からその傾向があるようだ。

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    2020年09月23日
  • シェイクスピアを楽しむために

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     オリビア・ハッセー主演『ロミオとジュリエット』を観た勢いで再読す。
     ロミオはジュリエットに一目惚れするまで、ロザラインという女性に懸想している。この設定、必要だろうか?
     阿刀田高の見解は「消し残しのような気がしてならない。つまり元本にロザラインがいたものだから翻案のとき充分に考慮を払わずに、つい残してしまった」
     納得である。
     第5話『夏の夜の夢』のダイジェストを読んでいて思う。職人たちによる婚礼の座興は、行き違いによる悲劇で『ロミオ〜』と似ている。いっそ『ロミオ〜』そのままにしてしまう趣向もありではないか。
     
     イギリスはもとより、『ハムレット』の舞台とされるデンマークの古城を訪ね

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    2020年09月11日
  • 新約聖書を知っていますか

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    旧訳に続きテンポ良く読める。プロテスタント系の高校に通ってたため断面的に何となくは分かってだつもりだったけど、全体像掴めて良かった。これから色んな作品を楽しむのにとても役立ってくれるだろう。途中で億劫になる事もなかった。作者のまとめ方の上手さに感謝。あと作者が紹介するアート作品を調べながら読み進めたのだが、その作業にもワクワクできた。

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    2020年08月04日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    宗教画や映画を鑑賞したり、読書する際に宗教が絡むと、とたんによく分からなくなってしまう。そこで数年前から気にはなっていたけど読む機会がなかった本書を遂に一念発起で手に取る。前半は特に名前は知ってるけど具体的にどういう人なの?という人物が次々と登場。テンポよく進む。過去に観た宗教画はこのシーンだったのかと思い返して感動する。とても楽しい。個人的には「エピローグするめ風味」の文が好き。新訳の方も読むぞ!

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    2020年07月24日
  • ギリシア神話を知っていますか

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    知的好奇心を十分にくすぐられる本であった。アニメ化した物があれば、カタカナの神々の名前ももっと覚えられそうに思う…

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    2020年06月21日
  • 旧約聖書を知っていますか

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    なるほどなあ。
    聖書は受け継がれて信仰されていくことに意味があるんやな。特定の民族にとっては一種の歴史書であり道徳の原点。
    ドラゴンボールを歴史的事実が記述された聖典として代々継承していったとして、自分たちの先祖が孫悟空やったって言われたら嬉しいもんな。

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    2020年06月20日