阿刀田高のレビュー一覧
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これまた初期の方の亜刀田高さん作品。
安定感半端ないですね!
やっぱりこの人の書く小説は何度も読んでしまうと絶対にオチはわかるのですよ。が、オチがわかってだからなんだー!バリバリこの人の本質はそこではないんですよね。星新一さんの小説はなかなか読み進めてもオチは読めない作品が多かったりしますが、わかりやすいオチが大体です。一番嫌だなぁって思わされるオチにすれば、大体この人のオチです(笑)
でもそこが問題ではなく、この人の作品の中の狂気の中の美しさ。これが一番私が好きな点なんですよね。この作品の中でもそう言う意味では、オチがタイトルと一行目を呼んだ瞬間にわかった、『冷たい関係』恐ろしい作品でし -
Posted by ブクログ
この作品の中に入っている『あらすじ』という作品。
これを気に入ってしまったがために、阿刀田高さんの魅力にすっかり引き込まれましたね、はい。
話の展開といい、最後のオチといい、素晴らしい。
これ以上にないくらいのストーリー展開だと個人的には思っています。そしてこの作者の文章はショートショートのブラックユーモア。何でしょうか、怖い話が多めなのですが狂った中にある美。そんなものを感じるシーンが多々あったりします。怖い、というよりは怖いけれど……気になるや、怖いけれど……美しい。としみじみさせられるような、不思議な感覚に陥ります。
下手なホラー番組を見るよりも恐ろしい作品をこの阿刀田高さんはポンポンと -
Posted by ブクログ
阿刀田さんの小説は読んでいないのですが、古典教養に関するエッセイ、たとえば『旧約聖書を知っていますか』あたりの新潮文庫は何度か読み返して楽しんでいます。
「日本語」と、「日本文学」に関連するあれこれを綴ったエッセイしゅうですが、これが私には大層アタリでした!
曰く、日本語は特殊な言語だから、日本語の教育がちゃんとなされないままの早期英語には反対する(←大賛成)
曰く、手書きが衰退していくなかで、ことばへの関心も薄れていきはしないか。(←そこまで考えたことはなかったけれど、言われてみりゃそうだ)
曰く、文章は短いほうがいいに決まっている。だから書く側は簡潔にする努力をすべきだ(←……なるほど! -
Posted by ブクログ
これはすごい小説だと思う。何がすごいかというと、まず量が(笑)。
しかし面白さのあまり一気に読んでしまった。
金のりんごが云々といった神がかり的な部分は最小限に抑えて、現実的な解釈をもってホメロス(だっけ?)の原著を再構成している。
最後に著者の阿刀田高氏も述べられているが必ずしも原書に忠実ではない。しかしそのことによって現代人のわれわれにとって理解されやすい読み物となっている。
ギリシャ側から見たトロイア物語は呼んだことがあったが、トロイア側からの物語は始めて読んだ。どちらの陣営も魅力的な人物が描かれており、その言動からどのような外見をしているかが自然と想像された。
好きな登場人物はアイネイ