阿刀田高のレビュー一覧

  • 夢判断

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    気の効いたショート。ユーモア、エロス、都市怪談といった大人のスパイス入り。
    実は『干魚と漏電』を小学校3年の時に担任の先生から口述で聞き、実に16年後に始めて本物を読んだのだが、ほぼ丸切り記憶と合っていた。プロットがシンプルかつ鮮明だという証拠だろう。
    大体オチが見えるか、全く謎なオチになるのが難点だが、『蜜の匂い』『ベター・ハーフ』『殺意』『干魚と漏電』は特に楽しめた。

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    2012年03月17日
  • やさしいダンテ<神曲>

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    ダンテの「神曲」は名前を聞いたことはあるが、内容については良く分からないという人が、ざっくりと神曲を理解するために読むといい。キリスト教を信仰しないと、地獄に落ちてしまうから、気をつけましょうという啓蒙となっている。「ふしぎなキリスト教」を読んだ後で、背景となるキリスト教の知識がある程度あったので、比較的スムーズに読み進めることができた。

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    2012年01月01日
  • 奇妙におかしい話 わくわく編

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    投稿作品から選ばれた短編集。わくわく編ということらしいが無印との違いがよくわからない。
    新聞の投書欄を読むのが好きな人にはたまらないですよね。微笑ましい話切ない話、思わず吹いちゃう話とバラエティ豊か(`・ω・´)スーパーのレジ待ちの話やら笑い袋のお爺ちゃんの話がツボにハマった。いろんな人の人生が垣間見えて面白かった。

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    2011年12月15日
  • 仮面の女

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    ネタバレ

    表題作の「仮面の女」をはじめ、一貫して一筋縄ではいかない女性が描かれた阿刀田高らしい一冊。
    全編にわたりブラックで、結末を見たときニヤリとさせられるものが多いですね。
    後半3篇が特にインパクトも面白さもあったと思います。

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    2011年11月10日
  • 日本語を書く作法・読む作法

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    短いエッセイ集。とくに「読む作法」に書かれていることが、予想外に面白かった。
    どのエッセイも、知識と経験豊富な先人の教えが詰まっていた。
    『一時間で読める芥川龍之介』『柳の下の泥鰌』『セレンディピティって、なーに?』

    MVP:なし

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    2011年10月19日
  • やさしいダンテ<神曲>

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    21世紀の日本人にはつらい?
    レビュータイトルの言葉は、この本の一番最後に出てくる。正確には、
    -21世紀の日本人にはつらいな-
    著者の素直な感想だと思う。さすがの阿刀田さんも、旧約聖書やギリシャ神話について書いた本のように、換骨奪胎して、関連する映画や演劇、現代文学などをからめて書くのは難しかったようだ。
    ただ、この「神曲」が書かれた意義をわかりやすく簡潔に表現してくれていて、十分読んだ甲斐はあったと思う。


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    2015年04月17日
  • 短編小説のレシピ

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    短編小説に苦手意識を持っていたので読んでみた。文豪の作品を引用しながら進行することで、まるで学校の国語の授業のように感じた。この作品を読んだことで短編小説だけでなく長編小説も楽しめそうだ。

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    2011年09月03日
  • 新装版 ブラック・ジョーク大全

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    500編のブラックジョークがこれでもかと散りばめられた一作。2行で終わっちゃうものもあります。思わずニヤリとしてしまうものが多いですが、かなり黒いのもあるので(死・葬式ネタなど)耐性が無い人は注意です。

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    2011年08月31日
  • 獅子王アレクサンドロス

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    今まで何度も途中で挫折した本とは思えないほど面白かった。何故王はペルシャを倒すと言う最初の目的を完遂したにもかかわらず、東への征服を終了させなかったのか?著者は征服欲というより王の好奇心、未知なる物を見てみたいという冒険心だったのではと。自分は神であると豪語しながらもこの世界を支配する真実を知りたい。神に巡り会いたいと言う強い気持ちが東はインド、南はエジプトまで彼を突き動かしていく。哲学者アリストテレスを師と仰ぎ、エジプトプトレマイオス王朝の始祖を朋友として持つ。実にダイナミック。久しぶりの歴史小説。満足。

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    2011年08月19日
  • 短編小説を読もう

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    「短編小説と心中してもいい」と言ったほど、短編小説を愛してやまない著者の短編小説案内。芥川龍之介や志賀直哉、太宰治、松本清張、外国文学などの著者が気に入っている短編小説を挙げ、そのおもしろさを紹介している。僕は、文章の合間合間に入る、―~なんだよなぁ―とか、―うん、おもしろい―といった、阿刀田さんご本人の「思い」が入る部分が好き。それが意外と読者の思いでもあったりするから「うんうん、そうなんだよね」と首肯して読み進められる。ジュニア新書というくらいだから、年少の読者、またはこれから短編小説を読み始めようと思っている方々に、オススメします。

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    2011年07月30日
  • 私のギリシャ神話

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    “ギリシャを知ることは欧米に通ずる”ということで読んでみた。聞いたことあるような神々が出てきておもしろい。あと神の姿や世界は想像出来ないのでカラーの挿絵がついているのでありがたい。ほとんど理解できていないけど、なんとなく神々の喧嘩というのはギリシャ神話の神々と「古事記」に出てくる八百万の神々とあまり大差ないなと~感じた。巻末に系図もついておりカオス ー ガイアと続き、あ~聞いたことあると眺めているだけで楽しい。今後は色々な外国文学を読み進めていく上で副読本として重宝しそう。

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    2011年06月16日
  • 遠い迷宮 阿刀田高傑作短編集 ミステリー

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    ネタバレ

    阿刀田高の短編の中でミステリー要素の強い作品を集めた短編集。
    ミステリーで集めたというだけあり現実味の強いオチが多い気がした。
    日常的な話が最後の数行で一気に落ちるのは読んでいてやはり快感。

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    2015年09月12日
  • 楽しい古事記

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    阿刀田高氏著。2003年。古事記を簡単に解説してくれる本。内容は知らないが、ちょっとかいつまんで読んでみたいという人にお勧め。巻末には天皇の一覧が掲載されているので、一応歴史の教科書のような体裁も保っている。というものの、古事記は歴史書ではなく多分にフィクションの要素を含んだ書物である。天皇が多くの女性と関係を持ったり、現在では考えられないほど残虐な殺戮を行っている等、事実としてとらえるのは若干難しい。したがって、小説的な部分を踏まえた上で過去を理解することが必要である。

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    2011年05月10日
  • コーヒー党奇談

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    ネタバレ

    大変読みやすい。一つの作品が20分弱で読める。そして、展開がわかりやすい。その分、最後での逆転劇は少ない。しかし、第四章のように意表を突く展開をする物語もあり、飽きがこない。

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    2011年05月07日
  • 白い魔術師 阿刀田高傑作短編集 ペダンティズム

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    ネタバレ

    話が進む間はわからない事だらけだが最後のオチで全て納得。
    読み終わった後にスッキリする感じがたまらない。

    こう言った小説のいい呼び方が頭に浮かばないが、仮に"伏線系短編小説"と呼ぶなら、本書はそのジャンルのエッセンスが綺麗に詰まっているように感じた。

    読んでる間は常に頭にひっかかり、終盤で一気に解放される。
    伏線は回収される瞬間の心地良さこそ存在意義なのだから、その心地よさが短編として幾度も訪れるのがつまらないはずがない。

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    2015年09月12日
  • 短編小説を読もう

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    [ 内容 ]
    とにかくおもしろい芥川龍之介、こんな文章を書けたらすごい志賀直哉、目を見張る設定の中島敦。
    子どものとき落語全集と銭形平次捕物控で短編のとりこになった著者は、好きな小説を読みあさっていく。
    自らの体験を通じ、また短編の作り手の視点から、ぜひ触れてほしい作品をすすめる。

    [ 目次 ]
    第1章 短編小説は礼儀正しい
    第2章 とにかく芥川龍之介
    第3章 ミステリーはいかが?
    第4章 不思議な頭のアラン・ポー
    第5章 美しい自己中心
    第6章 ユニークな短編たち
    第7章 週末は松本清張を
    第8章 エロスでドキドキ
    第9章 ショートショートを短く
    第10章 乱れうち一五作品

    [ POP 

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    2011年03月25日
  • ジョークなしでは生きられない

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    阿刀田氏の本。1983年。古今東西のジョークをまとめたもの。出版年は古いが、中に紹介されているジョークは今でも十分に通用する。しかし、下に関するジョークが大部分を占めているため、面白いもののビジネスの場で用いるのは難しい。話の引き出しにいれておくと便利。

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    2011年03月06日
  • 新装版 ブラック・ジョーク大全

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    阿刀田氏の本。2007年。いろいろなジョークをまとめたもの。内容はすぐに忘れてしまうものばかりだが、読んでいるときは、なるほどと感心するジョークが満載。息抜きや小話の調達に。

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    2011年02月25日
  • やさしいダンテ<神曲>

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    なんと言っても分かり易い。概要を理解するのにはぴったりかも。また、超難解な場面の解説には「わからない」「省略しておこう」「先へ急ごう」等々があってとてもセンスが良い(良いのか?)。原文読みにチャレンジしたこともあったけど、これじゃあ分からないのも当たり前かなと思ってしまうほど、予備知識が必要な古典文学。

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    2011年02月04日
  • やさしいダンテ<神曲>

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    いつかダンテを読まねばと思っていたけれど、それにはちょっとまだ自分青二才だな、と弱気になってこれを手に取り。
    大変わかりやすく、かつ面白かった。特に、
    「現代の感覚でいうとダンテはストーカーである。しかも相手が死んだ後も、徹底的に追いかけ続けるので、かなり気合いの入ったストーカーだ。もっともダンテはこのストーカー行為を思想に昇華させた。」という所に笑った。他にも薔薇の円形劇場を東京ドームで説明しているのとか。

    「神曲」自体は…なんて傲慢な宗教なんだキリスト教って、なんて言ったら怒られそうだけどとにかくそれに尽きました。ダンテ本人もかなりのもんだけど(誰を地獄に落としているかのチョイスが)、宗

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    2011年03月08日