阿刀田高のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
解説にもあるが、ミステリー好きからすると「箱-筺-匣」(はこ)というと開けずにはいられないような衝動があると思う。
この10編の短編集は全てが小さな箱のようなもので、一つ、また一つと開けていくのが辞められなくなる(次から次へと読まずにいられなくなる)ものでした。
物凄く怖い-理解が難しいというものはなく、どちらかというと世にも奇妙な物語のように「雰囲気ホラー」なイメージを受けました。
だからこそ、自分が主人公になったかのように、作品の世界に入り込んでいけたと思う。
ガツンと読み応えのあるものではないが、頭の片隅にいつまでも残る。そんな印象を受けた。 -
Posted by ブクログ
阿刀田高の「知っていますか」シリーズ、コーラン編。最近は、空港に祈祷室が設けられたり、ハラル食を出すレストランが増えてきたりと、イスラム教に関する理解が広がってきているが、しかし、それでもまだイスラム教は日本人に取って最も理解されていない、遠い宗教ではないだろうか。そんなイスラム教を、発足時点の背景、発展の歴史、聖典とされるコーランの構成と教義、現代資本主義との折りあい方まで幅広く平易に概観した一冊。
2001年の航空機テロ事件後に書かれたこともあって、「時流の流れに乗ろうとした軽薄な書」とも受け取られがちだが、しかし、その内容はイスラム研究者が「本来は我々研究者がこういう平易なコーラン入門を書かなくてはいけないところを、小説家に先を越された」と地団駄を踏むほど出色の出来。個人的には、イスラム教がユダヤ教、キリスト教に連なる宗教であることすら知らなかった(これは「常識が無い」と言われても反論できないところだが)ので、非常に勉強になった一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「これからは頭は帽子をかぶるためだけに使うんだ」の宝探しはここに行き着く。阿刀田高の思考法エッセイ。タイトルの言葉は文中にはでない。
江國香の「神様のボート」で主人公の葉子が恋人から送られた背表紙の黄色い文庫本。「これからは頭は帽子をかぶるためだけに使うんだ」と主人公が言う処がある。ヒントはそれだけ、そんな本を探していたけれど見つからない。
しかし、それに似た言葉のタイトルの本はあった。全然違う本だったけど。それがこれ。
1984年の本だから、やはりなんか書いてあることは古臭い。だから「どれどれ、未来予想はあっているかな」という未来人の気分で読む。案外、昔の問題は今でもナウい問題である。
物質的進化は早くても、人間様はどうしたって大して成長できないね。「不易と流行」を感じる。 -
Posted by ブクログ
国生みの神話からはじまって、推古天皇あたりまで。
古事記にあるエピソードをわかりやすく教えます。
比較的よく目にするイザナギ・イザナミのあたりのお話は面白いのですが、神武天皇以降のお話はそうでもない。
だいたい争ってこどもつくっての繰り返しというか。
神話はあれこれ誰かが咀嚼して興味深くデフォルメなんかしてるってことでしょうか。
特定のやんごとなき個人(実在しないにせよ)のエピソードはそれほどファンタジーを盛り込むこともできず、結果この感想につながったのだと思います。
古代は厠で用をたすのも命がけだったのね、と妙なところでトイレと人の関係を勝手に考えました。
これは別にまったく本筋ではありません。あたりまえ。 -
Posted by ブクログ
読み終わって、イスラム教とキリスト教、ユダヤ教の関係が何となく理解できました。
イスラム教徒は多神教の信者とは結婚出来ないけど、キリスト教などの一神教の信者なら結婚を認められているとは知りませんでしたので、それが一番驚いたかな。
昔、イスラム教徒の多いエジプトでモスクを見学していたら、学校の遠足で来てるらしき現地の子供に英語で「宗教は何?」と聞かれて(東洋人が珍しく、何か話しかけたかったのだと思われる)驚いたが、彼らはまず宗教ありき、の生活だからそんなに突飛な質問でもなかったのかな、と今更ながら納得。
ちなみにその「宗教は何?」という質問には答えられませんでした。。
ジャパニーズ神道、とでも答えておけばよかったかな。 -
Posted by ブクログ
短編系では有名ドコロということで試しに買ってみたのですが、どうにも合わなかったようで。
面白いことは面白いんですが、ハマるほどでもなく。
13本の短編が収録されています。
解説にありましたが、概ね女の恐怖をユーモアにしたものです。
大体は理解できたけど、「教育ママ」だけどうにも理解できなかった。
…これを書きつつ、そういうプレイをしていたんだと、理解(多分だけども)
「未亡人」「プラスの関係」「匂う女」はオチでニヤリとしました。
ほかは概ね、背筋がゾクッとするようなブラックな感じです。
ただ、どれもこれも正直わかりにくいです。
読み込む能力が足りないとか、時代背景がずれていて想定しにくいとかもあるんでしょうけどね。
星新一のショートショートの広場(星新一が選んでるだけで書いては居ないけど)は楽しく読めているので、単純に合わないだけだとは思いますがね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後は少しダレてしまって斜め読みになったが、気に入ったところを抜粋:
・ダイジェスト
そのまんま縮めるのではなく、ポイントだけを強調し、大胆に省き、自分なりの奇型をを作ること、これをつねに念頭に置いてほしい。ゆめゆめ縮図を描こうとしてはならない。
・街のダイジェスト
フィレンツェを訪ねた時。まず真っ先に小高いミケランジェロ広場に案内してくれた。・・・見事に眺望できる。・・・町の詳細はダイジェストの後で、ゆっくりと一日をかけて鑑賞することとなった。
・一番おもしろいトピックスから入る。
・とにかく私なりに解釈して、短くして分かりやすく伝えること、信ずることに賭けること、賭けに負けたら、そのダイジェストはただのくず、つねにその覚悟が必要だろう。
・電通の大社長・吉田秀雄の「鬼十訓」
1.仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2.仕事とは、先手々と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3.大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4.難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5.取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
6.周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7・計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8.自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらない。
9・頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10.摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
・ユーモア
チャーチルのユーモア
「イギリス労働党の創始者はだれか」
「コロンブスだな。出発の時にどこへ行くかも知らず、着いた処が何処かもわからず、しかも全部他人の金でやったのだから」
・はじめに言葉ありき
英語はthe Word。大文字で始まるWordは神のみ言葉=自然の摂理?