阿刀田高のレビュー一覧

  • 日本語えとせとら

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    コラムなので気負わずに読める日本語の小話あれこれ。ふーん、へー、と感心することがいっぱい。

    なかでも「たそがれどき」の話が好きです。
    「たそがれ」はもともと「誰そ彼」と書く。
    「むこうにぼんやりと人影が見える。見えるけど、だれだかわからない。ーー彼はだれなのーーと尋ねるくらいの明るさ。Who is he? がそのまま時間帯を表す名詞になっているのだ。」

    真夜中を表す「おうまがとき」は「逢う魔がとき」。つまり魔物に出くわす時間帯。
    夜が明けきらない早朝は「あさまだき」と言う。これは「朝はまだ来ません」ということ。

    花の名前となると「忘れな草」や「宵待草」など、日本人の趣深さと美意識を感じま

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    2013年05月15日
  • 楽しい古事記

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    興味はあるけど何時も途中で挫折してしまい、知っているのは始めの方のお話だけ・・・。
    ならばいっその事、阿刀田 高氏のちょっと茶化した解説付きのこの本で、取り敢えず古事記の全体像を読んでみよう、と言った軽い気持ちで読める一冊。

    「う~ん、もう少し踏み込んで読みたい!知りたい!」と思わせる、と言う点では、よく出来た古事記入門書だと思う。

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    2013年04月29日
  • 私のギリシャ神話

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    岩波文庫で出ているような神話集ではなくエッセイの傾向が強い。有名な話について筆者の感じるところを強く書いてあるように思う。絵も多くあり、読みやすい文庫。

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    2013年04月24日
  • 日本語えとせとら

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    風呂で気楽に読む用に買った。誰そ彼、の話が一等好き。
    「むこうにぼんやりと人影が見える。見えるけど、だれだかわからない。
    ―彼はだれなの―
    と尋ねるくらいの明るさ。“Who is he?”がそのまま時間帯を表わす名詞になっているのだ。」

    逢う魔がとき、あさまだき勿忘草、宵待草なんて言葉をこしらえた人の感性にあらためて感嘆。


    ・年々にわが悲しみは深くして いよゝ華やぐ命なりけり(『老妓抄』)
    ・このころの我が恋力記し集め 功に申さば五位の冠(『万葉集』)

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    2013年03月03日
  • コーランを知っていますか

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    アラーからいつも絶対正しい命令がなされ、破ると業火に焼かれ続けるという…、イスラム教徒は安心して生きることを楽しめているのだろうか。しかしイスラム教が着実に世界に広がっていることを考えると、自力で生き抜くことの方がよほど苦しい事なんだろう。

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    2013年08月19日
  • イソップを知っていますか

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    あらためて知るイソップ物語。
    紀元前の奴隷制度の中にいたイソップが、機知、とんち、あるいは詭弁で世の中を渡っていくさまが描かれ、もはや子供のための童話、とは趣が全く異なるところが興味深い。

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    2012年10月28日
  • ローマとギリシャの英雄たち 〈黎明篇〉―プルタークの物語―

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    先に栄華編から読もうかとも思ったけどもやはり黎明編からということで。
    読み終わったのが結構前なので記憶はあいまい。
    やはりアレクサンドロスやカエサルを扱う栄華編よりは、あんまり有名じゃない人が多い感じはする。テセウスとロムルスなんかはいい勉強になった。どこの国でも誕生には伝説がつきもの。
    スッラはローマ人の物語より悪人ぽくない感じがした(よっぽど私のイメージが悪すぎたのか)。
    黎明期はどちらかというとギリシャを多く扱っていて、知らない話がけっこうあった。数年後に読んだらまた新鮮に勉強する気持ちになれるんだろう(悲しいかな)。

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    2012年10月09日
  • ローマとギリシャの英雄たち 〈栄華篇〉―プルタークの物語―

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    黎明編の次にこっちも(ただし買ったのはこっちが先)。
    やはり、アレクサンドロスとカエサルはおもしろい。古代史の英雄の中でも燦然たる輝きを放っていると思う。
    ただ、こういう読み物はどうしても塩野七生のローマ人と比較してしまうのだけど、アントニウスに重きが置かれていた。カエサルも、塩野七生みたいにべたぼれしてる!というよりは軽快な語り口で、悪いこともしてたけどね、みたいな感じ。それでもいいやつだったのだ感はぬぐえない。さすがカエサル。
    デモステネスもなかなか興味深い。弁舌だけでのし上がっていくことが可能だった時代からすると、今の政治家のスピーチはいかなるものか。
    プルタークが選んだ英雄からさらに阿

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    2012年10月09日
  • 私のギリシャ神話

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    日本人の大人向けギリシャ神話。

    作家さんが書いているだけあって、サクサク読めて面白い(大人向けなので、子供向けではボカされている表現がちゃんと書いてある)

    入門にうってつけ。

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    2012年07月27日
  • 青い罠 阿刀田高傑作短編集 ブラックユーモア

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    いい意味で期待を裏切ってくれる短編集。
    お気に入りは「隣の女」と「危険な絵本」。
    「隣の女」は「あぁ、そういうオチがつくのか」と意外性から好き。
    「危険な絵本」は子供に本を与える際、内容に注意を払わないと痛い目に遭う。
    教養を育んだり、感受性を高めたりする本だが見方を変えれば、これ以上ないくらい危険も伴うと言う意外性に魅せられた。

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    2012年07月10日
  • イソップを知っていますか

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    ネタバレ

    なんかマンネリなのかなぁ…。初期の「知っていますか」シリーズほどの面白さがない。
    説教臭さが否めないのは、イソップの物語のせいもあるのだろうけど、なんだかなぁ、という感じデス。

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    2012年07月03日
  • 新装版 奇妙な昼さがり

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    グレーだったY。

    SFなんだけど、
    なんでか「ちょっとわかるかも...」ってことが
    書いてあります。
    まずそこが、グレー。

    あと、
    ヒーローも悪者も決まっていない、
    完ぺきでない人ばっか。
    ニホン人やな~、グレー。

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    2012年05月27日
  • やさしいダンテ<神曲>

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    神曲の世界はやっぱり難しい。でも、阿刀田高さんの解説のおかげて、世界が理解しやすかったです。解説(というよりツッコミ?)の入り具合から、阿刀田高さんと一緒に神曲を読んでいる気分。
    神曲の物語は、さすが読み続けられている古典だけあって、現在に通じるものがあります。

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    2012年05月19日
  • ナポレオン狂

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    表題作は狂気の境を描いていて、ゾッとさせられる。
    星新一からショートショートを読み始めたが、阿刀田さんのは星さんよりも独特の「暗さ」があってまた面白い。

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    2012年05月03日
  • ナポレオン狂

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     第81回(1979年上半期)『ナポレオン狂』受賞
     第32回 日本推理作家協会賞受賞『来訪者』受賞 共に収録

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    2012年04月23日
  • ナポレオン狂

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    ラスト数行でのオチの匂わせ方が絶妙で上手い。
    初出は30年以上前だが古臭さはそれほど感じられず、短編としてちょうどいい読み応え。

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    2012年04月07日
  • やさしいダンテ<神曲>

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    難解なダンテの神曲をわかりやすく解説している。と思ったら、ストーリー途中の著者の飛躍した解説、突っ込みなどノイズが多すぎて、もはや純粋な神曲の訳にはなっていない。しかしそれが楽しめる。
    もともとの話自体がぶっ飛んでいて、さらに昔の文語体で訳された日本語訳神曲は、ハードルが高すぎる(地獄編から始まるので、最初で挫折すると地獄にとどまったままの印象で終わってしまう)。
    そんなとき、なんとか天国まで行けるように著者が現地ガイドとなって案内してくれる。

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    2012年02月10日
  • 奇妙におかしい話 どきどき編

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    投稿作品から選ばれた短編集。全体的にほっこり心温まる話が多かった。どきどき??だったんだろうか。無印の方がちょっと怪談じみたのがあった気がする。軽く読めるからオススメ。

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    2011年12月15日
  • 奇妙におかしい話

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    投稿作品から選ばれた短編集('◇')ゞ
    笑える話から泣ける話までいろいろ読めて楽しかった。
    ヤドカリの話は興味深かったな。謎は未だ解けず。

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    2011年12月14日
  • ナポレオン狂

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    切れ味が良い。特に「訪問者」の予想外のラストにはぞっとする。

    が、全体的にきれいにまとまった印象が強く、私にはそれがかえって物足りなく感じてしまった。
    日常のちょっとしたところを効果的に切り取る描写力、人間の奥底に潜むどろどろとしたものをさらりとまとめあげるストーリーテラーぶり、淡々としつつもファンタスティックな捻りを加えたオチ。
    アンソロジーにちょっとずつ収録されて読んだならば、きっともっと「面白い」と思ったことだろう。あるいは、文芸誌に掲載されている形で読んでもよかったかもしれない。

    なんと言うか、「喉に引っかかる」ものがない。つるりと飲み込めてしまう。それ自体は全然悪くない、むしろ褒

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    2011年11月24日