阿刀田高のレビュー一覧
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[ 内容 ]
とにかくおもしろい芥川龍之介、こんな文章を書けたらすごい志賀直哉、目を見張る設定の中島敦。
子どものとき落語全集と銭形平次捕物控で短編のとりこになった著者は、好きな小説を読みあさっていく。
自らの体験を通じ、また短編の作り手の視点から、ぜひ触れてほしい作品をすすめる。
[ 目次 ]
第1章 短編小説は礼儀正しい
第2章 とにかく芥川龍之介
第3章 ミステリーはいかが?
第4章 不思議な頭のアラン・ポー
第5章 美しい自己中心
第6章 ユニークな短編たち
第7章 週末は松本清張を
第8章 エロスでドキドキ
第9章 ショートショートを短く
第10章 乱れうち一五作品
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
いつかダンテを読まねばと思っていたけれど、それにはちょっとまだ自分青二才だな、と弱気になってこれを手に取り。
大変わかりやすく、かつ面白かった。特に、
「現代の感覚でいうとダンテはストーカーである。しかも相手が死んだ後も、徹底的に追いかけ続けるので、かなり気合いの入ったストーカーだ。もっともダンテはこのストーカー行為を思想に昇華させた。」という所に笑った。他にも薔薇の円形劇場を東京ドームで説明しているのとか。
「神曲」自体は…なんて傲慢な宗教なんだキリスト教って、なんて言ったら怒られそうだけどとにかくそれに尽きました。ダンテ本人もかなりのもんだけど(誰を地獄に落としているかのチョイスが)、宗教自体、ものすごい自己中心。ダンテの解釈も勿論あるだろうけど、大体はこの時代の一般的宗教観ってものだったんだよなぁ。で、この本がまた啓蒙思想とかのあの徹底的上から目線の温床になったりしてそうだ。ダンテよ…。 -
Posted by ブクログ
学生時代に世界史の試験勉強で、ホメロスの「イリアス」「オデュッセイア」という名前を記憶したことがあります。
全く本の中身を知らないのに、歴史のテストで
「ホメロスは何を書いたか?」、、、
「イリアス」と「オデュッセイア」。
正解!
テストには正解したけど、中身は全く知らないというのは、ある意味全く知らないよりも恥しいことなので、せめてエッセンスだけでも知っておきたい人にはおススメの本です。原典を読むのは辛いですから。
ハイライトは、ブラピの主演映画「トロイ」の話です。
遺跡発掘で有名なシュリーマンが夢中になった話ですが、原典よりも小説家である著者の解説のほうが面白いかもしれません。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
八百編もの短編小説を生み出してきたマエストロがみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味。
短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品は、おもしろさも多彩。
小説作りの源泉と技をも教えてくれる。
向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーなど十人の作家の、名作やユニークな作品を具体例として選んで特徴を解説し、短編の構造と技法に迫る。
短編小説をより楽しく読むためにも、また書くためにも役立つヒントが満載。
[ 目次 ]
第1章 短編小説はおいしいぞ
第2章 向田邦子『鮒』そして、その他の短編
第3章 芥川龍之介『トロッコ』『さまよえる猶太人』そして、その他の短編
第4章 松本清張『黒地の絵』そして、その他の短編
第5章 中島敦『文字禍』『狐憑』そして、その他の短編
第6章 新田次郎『寒戸の婆』そして、その他の短編
第7章 志賀直哉『赤西蠣太』そして、その他の短編
第8章 R・ダール『天国への登り道』そして、その他の短編
第9章 E・A・ポー『メエルシュトレエムの底』そして、その他の短編
第10章 夏目漱石『夢十夜』そして、その他の短編
第11章 阿刀田高『隣の女』そして、その他の短編
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
これまた阿刀田流のギリシャ神話で先日の「ギリシア神話を知っていますか」と非常によく似た文調で書かれた(ところどころ表現までまったく一緒!)物語なので、両方読む必要はなかったかなと思わないでもありません。 KiKi の個人的趣味としてはこちらの「私のギリシャ神話」の方に軍配をあげたいかな・・・と思います。 と言うのも、さすがNHK番組のテキストとして準備されていた内容のものだけあって、カラー図版(ギリシャ神話を題材にした絵画や彫刻等々)がかなりの量で収録されており、「ギリシア神話を知っていますか」を読んだ際には手元に別の美術書を置きながらあっちの本をとりあげたりこっちの本をとりあげたりと忙しかったんだけど、その手間が省けて楽チンだったから(笑) 巻末の神々の相関図も見開きで見易かったし、巻頭の地図もこちらの方が見易かったという印象があります。
(全文はブログにて) -
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洗練された文章。時に爽やかに時に妖艶に。その深みは大人だけに許された領域のようなもの。
阿刀田 高の真骨頂、大人の切ない恋物語。
11編の短編からなる【花惑い】は、やはり大人の小説だった。哀愁という言葉がぴったりである。
「昨日はどこにいたの?」
「そんな昔のことは忘れた」
「今夜は会える?」
「そんな先のことはわからない」
なんて映画カサブランカのセリフのようなクラシックさが素敵な小説なのである。
モノクロの世界がいい。行間に漂う「モノクロ感」が読むものを魅了してやまない。
恋物語と言ってもドロドロの愛憎劇でもなく、燃え上がるような恋物語でもなく、どこか淡々とした恋。
だけど、ビターな大人の恋。普通にありそうだから、ついつい吸い込まれてしまう。
阿刀田作品を読んでいつも思うことだけれど、凄いインパクトがあるわけじゃないのに、どうしてこんな
に読後感が素晴らしいのだろう。文章からα波が出てるんじゃないだろうか。
本書での僕のお気に入りは、【知らない癖】という作品。
朝子という成績優秀、器量よしの大学のマドンナとそれを囲む男たちの物語。主人公の男が大学時代を振
り返りながら現在の朝子や友人たちの様子と自分の環境を語っていくのだが、最後の最後に主人公はある
ことに気がつく。朝子と寝た男はみんな・・・。
よくある話ではあるが、なぜか引き込まれてしまう。阿刀田さんの文章ってのはつくづく不思議な魅力を
持っているなあと感心してしまうのであった。 -
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短編小説のレシピと言っても、これは短編小説の書き方ハウツー本ではない。
短編の名手、阿刀田 高が小説家としての目線から短編小説の楽しい読み方を教えてくれる本だ。小説を
書きたい、または書いているという人にとっては、ハウツー本ではないけれど、書き方についてのヒント
もたくさん詰まった教科書でもある。
名作と呼ばれる短編小説をはじめ、色々な作品を取り上げ、それらが書かれた作者の時代背景などを踏ま
えつつ、その作品に駆使された文章の技法などの解説、その作品の特徴などを阿刀田氏が美味しく料理し
てくれる。
それはつまり、短編小説を美味しく読むためのレシピなのだ。
阿刀田氏がこの本の中で取り上げた作家は、向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀
直哉、R・ダール、E・A・ポー、夏目漱石、そして阿刀田高本人。
それぞれの作品の美味しい読み方が、阿刀田氏のわかりやすい言葉で書かれているので、紹介された作品
を本当に読んでみたくなる。
もちろん、小説というものをどう読むか、読んでなにを感じるかというのは、個人個人の違いがあって当
然なので、こう読むべきだという答えはない。だから、美味しく読むための「レシピ」なのだろう。
阿刀田氏も「楽しみを理解するための一助となれば」という位置付けで書いている。
プロの作家がプロの作家の作品をどう読んでいるのかを知れる点でもなかなか興味深く面白かった。
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阿刀田 高の【猫を数えて】を読んだ。
阿刀田 高の真骨頂、男と女の10の愛の物語を綴った短編集である。
阿刀田 高の小説は「あとをひく」。これは文末に収められている都築 直子氏の解説の言葉であるが、ま
さしくその通りだと思う。僕が阿刀田作品を読むのはこれで3冊目であるが、自分でもなぜだかよくわか
らないが本屋に行けば「阿刀田 高」という名前を知らず知らずのうちに探している自分がいるのだ。
ふとした時に読みたくなる。何を読もうか迷っていると「そうだ、阿刀田 高を読もう」と考えている自
分がいるのだ。僕の場合、一回に5〜6冊ほど本を買うのだが、このように大量に仕入れるときは必ず1
冊阿刀田作品が入るようになってしまった。
「筆力がある作家」とはこういう人のことを言うのだろうなとつくづく思う。
それはどういうことか。
この【猫を数えて】に収められている10の短編の初出は1989年〜1990年にかけてである。18
年も前に描かれた恋物語。携帯電話もパソコンも広く普及していない時代の恋愛が色あせることはないの
である。時代設定が違えばなんらかの違和感を感じるはずなのだが、携帯電話やメールがあればと考える
隙間もないほど物語は完成されているのだ。隙間がないというよりは、入る余地がない。もっというな
ら、そんな俗物なものは必要ないのだ。
つまるところ、男の女の間にある心理を心憎いまでに熟知している、そういう洗練された感覚が読者を惹
きつけるのではないだろうか。
余計なことを考えずに完成された物語の中に吸い込まれていく。小説を読んでいてこれほど心地よいこと
はない。だから「あとをひく」のだ。
男と女が出会い、心が揺れ動きお互いが向き合う、またはひとつの決断を下す、その過程までの物語は短
編ならではというべきか、その先に待ち受ける世界を読者自身が想像をふくらまし作り上げていく楽しさ
がある。
安心して読める、安心して楽しめる、そんな安定感を求めたいときに僕は阿刀田氏の本を開く。
そしてそこで、奥深い新鮮さをひとつひとつ見つけ出すことができる。
とくにお気に入りは飼い猫と過去の男を数え合わせて思い出していく表題作の「猫を数えて」。
他にも「恋の確率」や「ドメスティックな女」「石とダイヤモンド」などが読んでいて、何気ない日常の
中に心の柔らかい部分をくすぐられるような面白みがあって傑作であった。