阿刀田高のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
短編集。全15話。
エスプリに富んだ話あり。人生の機微に触れる話あり。様々な趣向の話があるんだけど、どれもウィットに富んでて、私の好きな阿刀田節が炸裂でした。
リアルなんだけど、シュールでもある。フィクションなんだけど、実際にありそうな感じ。そういうのをすごくうまく描くんだよね、阿刀田さんって。
特に好きだったのは、『香水』、『彫像』、『目撃者』、『蟹』かな。
『香水』は、淡い恋の期待が、思わぬ形で敗れてしまうんだけど、それがちょっと笑ってしまうオチ。単純なハッピーエンドじゃなくて、シニカルに落とすところが阿刀田さんらしい。
『彫像』は、卑近な話で、リアル。これも思わず苦笑してしまう -
Posted by ブクログ
ギリシャ神話集、ではなく、阿刀田高さんの「ギリシャ神話エッセイ」です。ギリシャ神話各種を網羅したいなら他の本を読んだ方がいいです。
しかし、ギリシャ神話は歴史が長いだけに実に粗い。粗い、というのは物語として作りがザツ、ということではなく(一部そういうのもあるようだが)、素材が良いだけに&人々の間に晒されてた期間が長いだけに、サイドストーリーがサイドストーリーを呼んで多岐に物語が派生したりミックスしたり、とありとあらゆる理由が重なって全貌を理解するのが難しい。
しかし、それをするのは歴史家の務め。作家は自由に大胆に発想できる特権があるので、ピックアップする話を絞りつつあくまで阿刀田さんの問題意識 -
Posted by ブクログ
最優秀作品の「或る暗い夜」、面白かったです。途中まではすごくこわかったんですけど、オチでホッと力が抜けた感じです。「三人の白人」は訳の分からないこわさが何とも言えません…。その他に好きなのは「かわや神」。リアリティがあって、それでいて面白い。応募者の筆力の賜物でしょうね。
嫌だなぁと思ったのは「猫は招く」。でも猫の怨霊がこわくて嫌なのではなく、あの係長が嫌です…。あんな扱いされたら猫でなくとも呪いたくなりますよ。猫好きな私は読んでいて腹が立ったくらいです。…しかしこわい話には、よく猫が出てきますね。猫ってそんなにこわいイメージなんでしょうか…。 -
-
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
1話5分でわくわくできる、本にまつわる18のストーリー。
森を飛びかう絵本をつかまえる狩人、ほしい本をすぐにそろえてくれる不思議な本屋、祖父がゆっくり本を読む理由、書店のバックヤードに隠された秘密……。
青春、恋愛、時代小説から、ミステリにファンタジーまで、「本」と「本屋」をテーマに豪華執筆陣18名が集結! 本の世界の奥深さが短いお話の中にたっぷり詰まっています。1話5分でわくわくできてどこから読んでも面白い、本にまつわるショートショート・アンソロジー。
*****
本にまつわるショートショート18編を集めた短編集。
僕は梨木果歩さんの作品目当てで購入。
ホロリとさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「影酒場」「触媒人間」「貧乏ゆすり」「天和の代償」
「社長室のゴルフ」「マイ・バレンタイン・デー」
「凧」「破られた約束」「地震恐怖症」「遠い夜」
「真夜中のインベーダ」「不運なシャツ」
「ネズミ酒」「一年生のために」「あやしい鏡」
「未完成交情曲」「眼美人」「新築祝い」
「幽霊をつかまえろ」「夏の夜ばなし」
「美しいお妃様の冒険」「風邪とサラリーマン」
「善意」「とてもいい気持ち」「海の眼」
「目黒のサンマ」「形見」「家族の風景」
「レンズの中の男」「無料コーヒー」「ころし文句」「蜜柑」「こわい話」「鬼はうち」「蚕食」
「猫の事件」