阿刀田高のレビュー一覧
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学生時代に世界史の試験勉強で、ホメロスの「イリアス」「オデュッセイア」という名前を記憶したことがあります。
全く本の中身を知らないのに、歴史のテストで
「ホメロスは何を書いたか?」、、、
「イリアス」と「オデュッセイア」。
正解!
テストには正解したけど、中身は全く知らないというのは、ある意味全く知らないよりも恥しいことなので、せめてエッセンスだけでも知っておきたい人にはおススメの本です。原典を読むのは辛いですから。
ハイライトは、ブラピの主演映画「トロイ」の話です。
遺跡発掘で有名なシュリーマンが夢中になった話ですが、原典よりも小説家である著者の解説のほうが面白いかもしれません。 -
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[ 内容 ]
八百編もの短編小説を生み出してきたマエストロがみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味。
短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品は、おもしろさも多彩。
小説作りの源泉と技をも教えてくれる。
向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーなど十人の作家の、名作やユニークな作品を具体例として選んで特徴を解説し、短編の構造と技法に迫る。
短編小説をより楽しく読むためにも、また書くためにも役立つヒントが満載。
[ 目次 ]
第1章 短編小説はおいしいぞ
第2章 向田邦子『鮒』そして、その他の短編
第3章 芥川龍之介『トロッ -
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これまた阿刀田流のギリシャ神話で先日の「ギリシア神話を知っていますか」と非常によく似た文調で書かれた(ところどころ表現までまったく一緒!)物語なので、両方読む必要はなかったかなと思わないでもありません。 KiKi の個人的趣味としてはこちらの「私のギリシャ神話」の方に軍配をあげたいかな・・・と思います。 と言うのも、さすがNHK番組のテキストとして準備されていた内容のものだけあって、カラー図版(ギリシャ神話を題材にした絵画や彫刻等々)がかなりの量で収録されており、「ギリシア神話を知っていますか」を読んだ際には手元に別の美術書を置きながらあっちの本をとりあげたりこっちの本をとりあげたりと忙し
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洗練された文章。時に爽やかに時に妖艶に。その深みは大人だけに許された領域のようなもの。
阿刀田 高の真骨頂、大人の切ない恋物語。
11編の短編からなる【花惑い】は、やはり大人の小説だった。哀愁という言葉がぴったりである。
「昨日はどこにいたの?」
「そんな昔のことは忘れた」
「今夜は会える?」
「そんな先のことはわからない」
なんて映画カサブランカのセリフのようなクラシックさが素敵な小説なのである。
モノクロの世界がいい。行間に漂う「モノクロ感」が読むものを魅了してやまない。
恋物語と言ってもドロドロの愛憎劇でもなく、燃え上がるような恋物語でもなく、どこか淡々とした恋。
だ -
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短編小説のレシピと言っても、これは短編小説の書き方ハウツー本ではない。
短編の名手、阿刀田 高が小説家としての目線から短編小説の楽しい読み方を教えてくれる本だ。小説を
書きたい、または書いているという人にとっては、ハウツー本ではないけれど、書き方についてのヒント
もたくさん詰まった教科書でもある。
名作と呼ばれる短編小説をはじめ、色々な作品を取り上げ、それらが書かれた作者の時代背景などを踏ま
えつつ、その作品に駆使された文章の技法などの解説、その作品の特徴などを阿刀田氏が美味しく料理し
てくれる。
それはつまり、短編小説を美味しく読むためのレシピなのだ。
阿刀田氏がこの本の中で -
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阿刀田 高の【猫を数えて】を読んだ。
阿刀田 高の真骨頂、男と女の10の愛の物語を綴った短編集である。
阿刀田 高の小説は「あとをひく」。これは文末に収められている都築 直子氏の解説の言葉であるが、ま
さしくその通りだと思う。僕が阿刀田作品を読むのはこれで3冊目であるが、自分でもなぜだかよくわか
らないが本屋に行けば「阿刀田 高」という名前を知らず知らずのうちに探している自分がいるのだ。
ふとした時に読みたくなる。何を読もうか迷っていると「そうだ、阿刀田 高を読もう」と考えている自
分がいるのだ。僕の場合、一回に5〜6冊ほど本を買うのだが、このように大量に仕入れるときは必ず1
冊