阿刀田高のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めての阿刀田高さんの短篇集。
本書は完全に大人向けの作品集だと思いました。
どれだけこの人の作品を楽しめるのか、試されているような。
「赤道奇談」ではサマセット・モームの名前が幾度となく、それでいて非常にさりげなく出てくるのですが、その「雨」を知っているのといないのとでは解釈がかなり違ってくると感じたし、他の作品ではラストにはっとするものや、なんとなくもやもやするもの、あとからじわじわくるものなど、どれも非常に読みやすく入り込みやすいのに、果てしない奥深さがありました。
原田マハさんのあとがきによると、読者に気づかれないほどさりげなく、研ぎ澄まされた文学的見識とセンスが散りばめられているらし -
Posted by ブクログ
ブックチューバーのベルちゃんが最近同作家の「冷蔵庫より愛をこめて」を読んで面白かったと言っていたので、私もどれかを読んでみようと思って手にとりました。「ナポレオン狂」というタイトルは聞いた事があったので、まずはこれを読む事に。
全体的な印象はダークですね。おまけに女性の描かれ方がちょっと古いのもありました。ま、昔に書かれた本だし、それは仕方がないんですけど。
オチにつながるまでの持って行き方というか、描き方というかが上手い!と感じました。オチは強いのも弱いのもあった気がするけど。
全部読み終わって、頭に残っているのは、表題作の「ナポレオン狂」と「甲虫の遁走曲」と「縄―編集者への手紙―」