阿刀田高のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2011年に出版された、阿刀田高さんの本です。
阿刀田さん、1935年生まれですから、出版当時76歳。
軽く淡々と、でも面白く、小倉百人一首の解説、紹介、というエッセイ本です。
他の、「古典解説エッセイシリーズ」(と言って良いのか判りませんが)もそうなんですが。
肩の力の抜け具合が素晴らしいですね。
「学術的な野心や興味で読んでもらう本ではありません。
フツーに暮らしている人が、興味、知的好奇心で読む本です。
それから、もともと詳しい人が読む本でもありません。
良く知らないんだよなあ、という人が読んで、読み易い本です。
卑下する訳でもないけれど、それ以上でもそれ以下でもないですよ。
ただ、 -
Posted by ブクログ
『古事記』の現代語訳を読もうとして挫折し、
それならと薦められたのがこの本で、
古事記の世界やストーリーが親しみやすく書かれていて
確かに入門書としては最適。
『古事記』で頻出する人名は主要人物を除いて端折られているし
(神様の名前をいちいち掲げるのはややこしいので省略、といった具合である)
一人ひとりの神様が人間臭くイキイキと描かれているので
字面を追うだけになりがちな『古事記』とは違って
頭のなかで場面を想像しやすくなっている。
また、作者自身の古事記の舞台訪問記といった紀行文も
章ごとに挟み込まれていて、古代と現代との時間的空白を
つなぐ役目を果たしてる。
しかも、これがけっこう面白 -
Posted by ブクログ
この作品は、所謂ハウツー本ではありません。
れっきとしたエッセイ集なんです。
日本語は英語や中国語等に比べて、音の数が少ないと言われています。だから同音異義語が生まれやすい。そこに日本語の言葉遊び等の楽しみがあるように思います。
更に漢字とひらがな・カタカナを組み合わせることで、無限の奥ゆかしさを感じる事が出来る点で面白い。
夏目漱石に代表する言葉遊びや当て字も面白い。夏目先生のお蔭もあってか、現代の日本語の派生が広がったと言っても過言でない。
なんと素晴らしい言語なんだろう。「話すのも読むのも面白い!」
ただ、悪い日本語は、熟語の連発ではなかろうかと思っています。
先日ある方 -
Posted by ブクログ
阿刀田高による短編小説の案内本、解説本。高校や中学の国語の教科書に掲載されている(いた?)こともあるようです。
著者の阿刀田高は1935年、東京生まれ。早稲田大学文学部仏文科を卒業。現在は直木賞、集英社小説すばる新人賞の選考委員もしており、先日の直木賞発表でも新聞にコメントが載ってました。
本書で出てくる短編小説は以下の10冊。
向田邦子<鮒>
芥川龍之介<トロッコ><さまよえる猶太人>
松本清張<黒字の絵>
中島敦<文字禍><狐憑>
新田次郎<寒戸の婆>
志賀直哉<赤西蠣太>
R・ダール<天国への登り道>
E・A・ポー<メエルシュトレエムの底へ>
夏目漱石<夢十夜>
阿刀田高<隣の女>