阿刀田高のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「知っていますか」シリーズ第四弾。
ギリシャ神話、旧約聖書、新約聖書に続き、テーマはコーラン。(この後、イソップ、源氏物語も出ているよう。)
「コーランには本当は何が書かれていたか」と言う本をその昔読んだが、阿刀田高さんの方が圧倒的に分かりやすかった。
先行する一神教の預言者、ムーサー(モーセ)、イーサー(イエス)にはそれなりの敬意が払われている点、とても意外だった。今なお続く宗教戦争は近親憎悪みたいなものなのだろう。
ごく一部のひとが起こすテロのせいでイスラム世界全体に対して恐れを抱くのは間違っているのだろうと思わせてくれる良い本。
コーランの第36章(ヤースィーン)が詩歌・音楽とし -
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Posted by ブクログ
阿刀田高はやはりストーリーテリングが上手いと思わせてくれる一冊。自作解説&角田光代の鑑賞がついた短編小説作品集。人間のダークな部分を垣間見てしまった気になるなんとも言えない読後感は、湊かなえ作品のそれと似通っている。作品を読み終えて改めてタイトルをみると「あぁ、そういうことか!」という感嘆とともに、最初にタイトルをみた時のイメージとのギャップに唸らされる。作品それぞれに人間のえぐみと昭和を感じさせる雰囲気、美しい情景描写と鋭い人物描写のハーモニーが味わえる。一切の無駄な部分を見事に削ぎ落としながらも豊かに物語を語る阿刀田氏の筆の上手さに研ぎ澄まされた刃物の鋭さを感じた。
菊の香り
冷 -
Posted by ブクログ
ネタバレコーランの内容とマホメットの生涯をかいつまんで全体を紹介した本。旧約聖書と重なるエピソードやその違いも検討されていて、とてもわかりやすかった。
コーランの内容を知りたいとかねて思っていたのだけど、なかなか退屈な読み物で通読は難しい。その点、阿刀田氏の概要把握力は的確と思われ、ありがたかった。
ちなみに、氏には親しいイスラム教徒の友人がいるというわけでもなく、あくまでもコーランとその他資料を読んで書かれたやさしいエッセイである。
小説家として氏は、コーランはもう少しエピソードを面白く語ることもできるのに、なんでそうしないかな……と訝しんでおられる。
ですよね。