阿刀田高のレビュー一覧
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氏の創作の裏側を紹介したエッセイは、この本に限らず過去にもあって自分も読んできた。
自分が読んだ作品の答え合わせや突合になっていて興味深かったし、なにより氏が紹介する古今東西の小説は
自分が知らない、自分では手を出さなかったであろうジャンルや時代の作品ばかりで、自分の読書体験に拡がりを与えてくれた。
この本も、小説を著す作法というより小説を楽しむ通り道の紹介という捉え方の方が良いと思う。
折につけ登場する著者の友人氏は(モデルになる人物はいるだろうけれど)著者の知人や家族、著者本人の意見を投影した人物ではないか。
その友人氏との会話を通じて、著者が思う自著の代表短編が挙げられていて、それも個人的に興味深かったり。
自分は楽しめました。
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マリー・ローランサンの絵が部屋に飾ってあって、不気味な大きな箱が出てくる話……なんだっけ? 結末はどうなるんだっけ?
ブロンテ姉妹に関する本の感想を読んでいて、ふと昔読んだ小説を思い出した。多分、阿刀田 高の『箱の中 』だなと思い出して、Audibleで見つけて聴いてみた。
女優である元妻のもとを訪ねる元夫。二人の息子が、ある問題を起こしたのだ。
瀟洒なマンションのリビングには、マリー・ローランサンの版画「ブロンテ姉妹の栄光」。テーブルには睡眠薬、浴室からは水が流れ続ける音。そして、その家には不似合いな電動ノコギリ。さらに部屋の奥には、大きな箱が置かれている。
箱の中には、いったい何が入っているのか?
元夫の想像は、どんどん悪い方向へと膨らんでいく。途中まではホラー作品のような不穏さが漂いますが、最後に行き着くのは、人間の心理そのものの怖さ。
みなさんの感想を読んでいると、そこから昔読んだ本をふと思い出して、思いがけない方向へ読書が進んでいくことがあります。
読みたい本を探すだけではなく、忘れていた一冊と再会できる。そんな読書の寄り道もまた楽しいですね。 -
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短編で不思議な話や心温まる作品などたくさん入っていて楽しいアンソロジーでした。
作品の色が出ていて読んでいて楽しかったです
飛び出す、絵本 恩田陸
十一月の約束 本多 孝好
招き猫異譚 今江祥智
白ヒゲの紳土 二階堂黎人
本屋の魔法使い 阿刀田高
サラマンダー いしいしんじ
本棚の片隅から 柴崎友香
読書家ロップ 朱川 湊人
バックヤード 篠田 節子
閣魔堂の虹 山本 一カ
気が向いたらおいでね 大道珠貴
さよならのかわりに 市川 拓司
メッセージ 山崎 洋子
迷宮書房 有栖川有栖
本棚にならぶ 梨木香歩
23時のブックストア 石田衣良
生きてきた証に 内海隆一郎
The Book Day 三崎亜記 -
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中坊でも読めるぐらい平易に、エログロナンセンス抜きで書かれている。著者自身も述べているようにほんの入門書のようなものなのだろう、おかげでスラスラと読めた。内容としても少なくとも旧約聖書の全体像はほんのり掴めたように思える。
しかしバチ当たりなことを言えば、読めば読むほど信ずる甲斐のない神である。こういった物言いに対する予防線も張られていたが、あくまで予防線ということが見え透いていて、これが世界最大宗教の源泉?という疑問符が頭に尽きなかった。先述の通り一端に触れた程度なので断言は出来ないが、現代的な価値観に照らし合わせれば寧ろ悪魔と言われた方がよっぽど納得がいくかもしれない。
ともあれこのような娯楽と情報インフラに溢れた時代に生まれたことは神に感謝すべきであろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレメディアでかなり取り上げられていた、高橋源一郎のラジオ番組にもゲストとして呼ばれていた。「老い」の本を読むのはきらいじゃない、だれでも感覚として理解できるのは今の自分だけなので先にいってしまうであろう方たちの心情を知りたいと思う。やはり勢いはないが滋味が感じられる、枯れた味わいというものだろう。
感銘を受けたところはたくさんあるが、特に「私の好きなもの」の章で終わるのが好きと言っていること。結果はどうあれ終わったことが安らかでうれしいと。❝終わること❞を好きと言ってよいのですね。もうひとつ読書に関して、阿刀田さんでも『百年の孤独』を放り投げてしまったとある。もちろん私もわっからんと思ってやめる本は多々あるがおもしろいだけの本でも読むと楽しいと当たり前のことをシンプルに肯定しているのがうれしい。知力を高める読書とおもしろい読書を分けて考えよということだ、心強い限りだ。最後にユーモアについて、名言だと思うので引用させていただく。
(p111)日常において、普通とは違う知的なアイデアが浮かぶということ、これが尊い。社会生活において、ほとんどの場合、予測されることがその通りに流れていくのに対し、この奇妙な、ささやかな抵抗が快い清涼剤になったりして、私はここにユーモアが注目され褒められる淵源がある、と考えるのだ。ささやかな、べつの見方、これが大切なのだ。そしてユーモアを持つ人が好まれ、褒め言葉になるのはこれが思いのほか役立つときがあるからだ。(引用終わり) -
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★★★★ 何度も読みたい
アレクサンドロスやカエサルなど、アテネが没落しローマが台頭し始めたあたりの年代の人々の紹介。前篇とは異なり、神話の要素がほとんどなくなったので読みやすかった。
アレクサンドロスの人心掌握術や強引さをカリスマで覆い隠す巧みさが新鮮だった。もっと武骨な人かと思っていた。また、カエサルと敵対していたカトーの、規律を重んじる真面目さは塩野七生氏の『ローマ人の物語』だとなかなか印象に残りづらい部分だったので、友人キケロを規律のために糾弾し、対立してしまうエピロードなど、意外な一面を見たような気がした。(もっとも、彼女はカエサルを描く過程でカトーに触れており、カトーを中心としたエピソードを書く必要性は全く無かったのだが)
しかしカエサルやオクタウィアヌスの描写はもっと多くても良かったと思う。公平性は欠くかもしれないが…