夢野久作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みました。やはり「瓶詰地獄」が最高でした。あと、「いなか、の、じけん 抄」の「スイートポテトー」が好きでした。
「猟奇歌」は漫画に描くととても暗く濃いものが出来そうだ。イメージだけが突き抜けていて血生臭くてたまらん。
ホラーと言われるテイストを求めて読んだのだが、「氷の涯」には特にその手のものはなく長い割に?となった。ドグラマグラ的な立ち位置がわからなくなるような話なのかと思ったがそういうわけでもなかった。前半と後半で味わいも変わるのもまた?となったところ。ただとても「ドグラマグラ」味を感じる中編なんだよな。ケムに撒かれている感じ。この手紙を書いた主人公は実際のところ本当にあった事を書いてい -
Posted by ブクログ
面白かったです。
わかったようなわからないようなって感想よく見ていたけど、まさにそうなんだなと。
途中読みにくい文章があって、これを読み切れば他の本読むの苦じゃない気がするとすら思いました。
以下ネタバレで
まさか私がモヨ子のお腹の中の胎児だと思わないですよ。
呉一郎の…っていう正木博士の言葉で私は呉一郎でないことがわかりましたし、瓜二つでも納得であると言うのも伏線だったんですね。多分。
正木博士、強烈だったけど嫌いになれなかった。
人間味を捨てきれないように見えたのがまた良かったのかもしれない。
これも自分の考察なので、実際は全然違うかもしれませんが。 -
購入済み
読めばきっと狂ってしまうという都市伝説まである本作。
おどろおどろしく、また難解なストーリーで読むのが苦痛に思える場面もあるものの、読み進めるうちにその世界観に惹き込まれてしまいました。 -
購入済み
様々な要素を詰め込んで
推理小説や怪奇小説やさらにはトンデモ科学まで様々な要素を押し込んで一つの作品に仕上げている。ヒロインの独白のみで構成されているためもあって、ヒロインの正常性 正気を疑わせるような雰囲気もあってそれはそれでとても良い。ただ様々な要素を押し込んだせいで、ちょっと読みにくいところも散見される。
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購入済み
凝った構成の作品
女の独白のみで描き出されたされた、ある意味凝った構成の作品である。日米開戦直前の慌ただしい世相をうまく反映させている。作者夢野久作の得意とする怪奇色.耽美色はやや薄いが、ストーリー展開の面白さは流石である。
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購入済み
江戸下町言葉の響き
江戸下町言葉の響きがとても飄逸で心地よい。語られているストーリーの胡散臭さを語り口の面からも強調している。今も昔も古本趣味の人というものはこのような性癖を持っているようだが、この作品でもいささか病的な古本趣味をついて、作品に味わいを出している。それにしても「悪魔の教え」というものは現代では「科学」であり「物理学」なのかな。
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購入済み
ちょっと幻想的でよい
海若藍平のペンネームで書かれた童話風の作品である。他の生き物を殺さないと生きてゆくことができない生き物の「業」を描いている。「胡蝶の夢」のアイデアを借りているところがちょっと幻想的でよい。他の童話の中によくある勧善懲悪や教訓モノでないところも好感を覚える。
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購入済み
読みやすい
幻想 怪奇モノを得意とした作者夢野久作らしい作品である。ありえないことをおどろおどろしく描き出した作品ではなく、戦争中ならたとえ現代でも実際にあり得るかもしれない と思わせるところにこの作品の真価がありそうな気がする。短編ということもあるので、夢野久作の中では読みやすい作品になりそう。
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透き通った童話
ドグラ・マグラの作家 夢野久作の作品とは思えないほど、透き通った童話である。あえて人生訓 や教訓めいた要素を盛り込まず、これと言った悪人も登場させず、ひたすら哀しくも美しい仕立て上げている。女王も多くの生き物を助けるために、やむを得ず二人を犠牲にした ということなのだろうが。
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童話っぽい体裁を取っているが
童話っぽい体裁を取っているが、「卵」が象徴的に意味する内容が、作者夢野久作が得意とするエロっぽいようなややグロテスクな雰囲気をうまく醸し出している。ところどころに男女間の関係ですよ と示唆する文章が入っているが、このような示唆がまるでない方が、より童話的象徴的でいいような気もする。
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購入済み
オチがどうも
ミステリー風のタッチで話が進んでゆくので結構ワクワクして読み進めていった。科学を信奉する船長の考えに肩入れしていたが、オチについては結構がっかりしてしまった。もう一捻りすると面白い作品になったと思うのだが、これでは中途半端な印象がしてしまう。