夢野久作のレビュー一覧

  • 人間腸詰

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    表題作『人間腸詰』:夢野久作らしい語り口とおかしみと血生臭さのある作品。かみんかみん。
    『木魂』:優しくて繊細な数学教師の父と、賢くて素直な幼い息子、二人の家族の悲劇。悲しいのに神秘的で美しい。
    『悪魔祈祷書』:店主がいわく付きの商品について客に語るのは同作者の『白くれない』もそうだったと思うけど、ぞっとさせるだけさせて真相は拍子抜けするくらい単純なものというオチも似ていた。でもその“ぞっとさせる”部分が凝りに凝ってて好きだし面白いから、もっと頂戴という気持ちになる。
    『戦場』:情景描写が凄まじく、戦地となっているフランスの夜の極寒が読んできて身に染み渡る。

    この辺りの作品が好き。

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    2026年01月17日
  • 人間腸詰

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     人間を腸詰めにする地下工場での猟奇的な冒険譚や髪切虫が主人公の話、悪を称えた聖書に地獄絵図とも言うべき戦場の陰惨な事件など強烈な短編が8編収録されていて、どれも怪奇幻想趣味がふんだんに盛り込まれていて恐ろしくも思わず引き込まれるものばかりだった。

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    2025年12月22日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    ネタバレ

    奇書と名高いことや、あらすじに惹かれて読んだ。

    若林教授のやけにかしこまって長ったらしい説明口調や、正木博士の何が真実で何が嘘か惑わせてくる様子全てがドグラ・マグラの複雑怪奇な世界観を作り上げている。

    何を言っているか自分でも分からないし上手く言い表せられないが、私がドグラ・マグラを読んでいるはずなのに、主人公も物語の中でドグラ・マグラを読んでおり、主人公の置かれている境遇がまさにドグラ・マグラの世界そのものであることに肌が粟立った。
    この物語の捉えがたさ、そのナンカイサ......。

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    2025年12月22日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    物語の全体像がほとんど見えないまま進んでいく、不安と混乱に満ちた作品。
    記憶を失った主人公の視点を通して、こちらもまた状況を理解できないまま放り込まれ、現実と妄想の境界が次第に曖昧になっていく。

    特に、断片的な資料や学説、意味深な会話が次々と提示されるが、それらが明確につながることはなく、常に疑念を抱えながら読み進めることになる。
    この「分からなさ」そのものが不気味さを生み、精神がじわじわと侵食されていくような感覚を覚えた。

    物語の核心にはまだ触れられていないものの、上巻だけでも十分に狂気と異常性が伝わってくる。
    理解しようとするほど不安が増していく感覚は強烈で、下巻で何が明かされるのかを

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    2025年12月21日
  • 瓶詰の地獄

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    今まで読んできた夢野久作の短編集に比べて、グロテスクな印象が強いように思う。
    特に「死後の恋」では森の中で発見した仲間の虐殺死体を描き表した場面が素晴らしく、その光景がありありと目の前に浮かんでくるようである。
    また「支那米の袋」では主人公が針金を巻かれ、締め付けられてしまったときの表現がヤングという男の冷酷非情さ凄惨さを表しているようである。
    また「一足お先に」はドグラ・マグラを短くしたようで物語の終わり方も少し似ているように感じた。

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    2025年12月13日
  • 疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション

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    まず装画が怪しげで綺麗!いわゆるジャケ買い
    あとタイトル『疵の迷楼』別世界へと誘い込まれるような魅惑的な感じに加え、名だたる文豪たちの作品に興味を引かれてしまう。
    まだ、このとき耽美という言葉の意味を理解していなかった。ただ「美しい」くらいにしかとらえていなかったので読んでみたら本当の意味を思い知らされ、常軌を逸した世界への入り口だった。

    なかなか普通の感覚では理解、共感し難い作品ばかり。どの作品も何かに心を奪われていたり、病的にのめり込んでいたりと現実からかけ離れていて危うい空気が漂っている。
    抗いがたい好奇心や欲望、まるで[パンドラの箱]を開けてしまったようなそんな感じだ。

    収録されて

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    2025年10月15日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    十年近く前に読んだ本書を再読。
    漫画版を読んだ上で時系列に注意しながら読みました。

    角川文庫版+YouTubeの朗読音声、と言う読み方なのでずが、この読み方だとキチガイ地獄外道祭文がリズム良くて良いです。

    講談調の箇所も勢いが有ります。

    ・病院での目覚め
    ・若林博士との出会い
    ・作中作としての『ドグラ・マグラ』
    ・キチガイ地獄外道祭文
    ・狂人の一大開放場
    ・脳髄は物を考える所にあらず
    ・胎児の夢
    ・正木博士の遺言状

    まで。まだまだついていけてる状況です。

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    2025年10月08日
  • ドグラ・マグラ(まんがで読破)

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    ネタバレ

    漫画にする事で小難しい表現や衒学趣味な部分を取り除いて一本の物語として読むことが出来る。

    あの目眩まし小説から(わざと矛盾する情報を提示したり、意図的に様々な挿話を差し込んで来る)、物語だけを抽出すると(様々な矛盾要素はあるものの)実は一本筋の通った話なのだと理解出来る。

    犯人は正木教授。彼は自分の研究結果の証明として息子呉一郎を利用。母殺しの洗脳と妻殺しに誘導殺人する。

    起こる事件は全部で4つ。

    ①千年近く前に中国で起こった呉青秀の連続絵巻物殺人
    ②舞台から2年前の呉一郎による母親殺人疑惑(犯人は正木博士)
    ③舞台から1年前に起きた呉一郎による呉モヨコ殺人事件(正木博士による誘導殺人

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    2025年10月03日
  • 縊死体 乙女の本棚作品集

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    ホノジロトヲジさんが描いた乙女の本棚の挿絵と、夢野久作の作品である、縊死体が収録された画集です。
    縊死体、夢野久作らしさ全開で意味が分かりません。読後の置いてけぼり感がすごかったです。挿絵はとても凝っていて、新聞の紙面風のデザインをよくよく見ると、別の夢野久作の作品のフレーズが隠れていたりして、そこでも楽しめます。妖しさも増々でした。

    画集としても、乙女の本棚シリーズの一冊としても楽しめるお得な作品でした。

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    2025年09月22日
  • 瓶詰の地獄

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     グロテスクだけど幻想的で耽美な世界観が魅力的な七編が収録された短編集で、書簡形式の『瓶詰の地獄』、こちらに語りかける文体が不気味な『死後の恋』、探偵小説でもあり犯罪小説でもある『一足お先に』などどこか難解ながらもいつの間にか引き込まれる作品ばかりだった。

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    2025年09月23日
  • 犬神博士 アニメカバー版

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    ナニイ。ふんどし?そんなものを締めた経験は生まれてないよ。ブラ下がるべきものはブラ下げておくのが衛生的じゃないか。

    こういう衛生観で生きていると、ドグラマグラ使いにもなれちゃうのかなと思いました。

    チィの純粋さと、度胸に感動しました。

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    2025年09月09日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    「ドグラ・マグラ(上)」の方に感想を書きましたが、付け足すと、
    スルメのように、何度も読み返して楽しめる作品です。
    最初読み終えた時はポカ~ンとなり、
    全体像が掴めてから再度読んでみると、じっくり理解したい部分が増えていき、本当に色々考えさせられる作品です。
    発表当時どうだったかは分かりませんが、現代の感覚で読むと文体が不思議で興味をひかれる事間違い無しかと。
    読んでいて楽しいです(^^)

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    2025年09月03日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    ネタバレ

    三大奇書の1つ
    記憶喪失の主人公が精神病棟で目覚める所から始まり、物語を追うと目的は自分と事件の背景を知る事…のように思えるが実は違う

    強引にまとめると、内容は夢落ち&人間の営みの虚無さ
    でも、不可解な流れと深い思考を楽しめる作品です

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    2025年09月03日
  • 少女地獄

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    乙女たちの、それぞれの地獄。
    おかしくも我が身を振り返ったり、ゾワっとしたり。
    私たちはいつの間にか、ある地獄に足を踏み入れていたりするのかもしれない。

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    2025年08月29日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    何か恐ろしい展開が待っているのでは?と、ハラハラしながら読みましたが、夢野久作作品独特の書き方は抑えめでとても読みやすく、でも幻想的な雰囲気はたっぷりでした。

    どこからが夢で、どこからが現実なのか、または全て、悲しみが見せた幻なのか。何とも切ないお話でした。
    ねこ助さんのイラストが、本当にピッタリ。心に残る作品でした。

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    2025年08月23日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    ネタバレ

     たしかに読んでいて頭がちょっと狂ったかも。嘘か本当かわからないもっともらしい理論だが、ここまでなるほどと思わせればたいしたもん。
     時計の音で目覚めると自分には記憶がなく、精神病院に入れられていた、というオープニングから、実は精神異常になった自分が毎日目覚めてからの一日を延々と何度も繰り返しているのではないか、そしてそれを学者がじっと観察しているのではないかという結末までまさしく想像力・妄想力を極限まで刺激された。作中作が登場するメタ構造や、なにも書かれていない巻物を見ただけで呪われた先祖の行いを再現してしまうという設定、どちらが正しいのかわからない二人の医者、しかもそのうちの一人が自分の父

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    2025年08月18日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    とても豪華な1冊。
    求めていた文豪の短編がビッシリ詰まっていて、不気味!耽美!最高!
    夏目漱石、夢野久作、江戸川乱歩、太宰治が入っていてとても嬉しい。
    どれも面白くて良い。

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    2025年08月14日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    この作品は知らなかった。夢野久作がこんな話を書いているとは。らしくないといえばらしくないし、らしいといえばらしいともいえる。ちょっと不思議な感じのする話である。
    絵は完全に乙女仕様。兄妹のはずなのに、姉妹に見えてしまう。でも、個人的にはこのシリーズの中では、小説と絵の親和性の高さは上位に来ると思う。

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    2025年07月06日
  • 少女地獄

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    何でもないだけ読んだ。
    主人公みたいな人って現実にもいるよなぁ、ここまでじゃないにせよ自分を大きく見せたいってみんなある気持ちだよなぁと少し共感してしまう怖さがありました。

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    2025年06月29日
  • 少女地獄 夢野久作傑作集

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    初の夢野久作傑作選。
    世界大戦付近の時代背景を前提にしてる作品が多くて、その辺もっと詳しければ、もっと楽しく読めるんだろうなぁという感じがあった。
    表題となる少女地獄を構成する3作品は、歴史観無くてもすっと読める作品で、ゆめきゅうらしい狂気や純粋さが余すとこなく語られてて良かった。
    氷の涯をもっと楽しく読める程度に勉強してもう一度読みたい。今作1番愛おしいのはニーナだった。

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    2025年06月23日