夢野久作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かったしテンションも上がったけど、いまいち最後まで入り込めなかったのが残念
私の過去の記憶はイクラ考え直しても、今朝暗いうちに聞いた「ブーン」という音のところまで溯って来ると、ソレッキリ行き詰まりになって終うのであった。……私は他人が何と思おうとも……どんな証拠を見せつけられようとも、自分自身を呉一郎と認める事が出来ないのであった。
自己の同一性はどのように担保されているのだろうか
「エッ夢……僕が夢……」
……よく考えてみると、私はまだその中から、私の過去の記憶の一片だも、思い出していないのであった――私は何者――という解答を自分自身に与える事が出来ない。憐れな健忘症の状態に止まっ -
Posted by ブクログ
ネタバレだんだん面白くなってきたぞー!で終わる上巻。
目が覚めたら自分が誰かわからなくなっていた謎、語られる正しいか正しくかわからない謎の説明、謎の美少女、謎の論文、、や「 …………ブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。」といった何かを暗示するかのような謎の時計の音というセット、諸々含めてエンターテインメントという感じがする。
上巻だと全然、発狂できそうもなくて残念(?)
「……お兄さまお兄さまお兄さま。妾は貴方のものです。貴方のものです。早く……早く、お兄様の手に抱き取って……」
私は掌で顔を烈しくコスリまわした。
……違う違う……違います違います。貴女は思い違いをしている -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作は探偵小説に分類されるようだか、単なるジャンル文学として消化するにはあまりにも意義のある読書体験だった。
作中では、唯物論的アプローチを批判する文書がいくつか挿入されているが、ひどく簡単に換言すれば、「正常」な精神を備えた人間など存在しない、ということなのではなかろうか。そのことについて、これまで考えたこともなかった深度で考えさせられた。
物語筋の部分については、前述の文書で提示された視座が、後半で本筋の物語へと回帰する際に、読者に解釈の余白を与えてくれていたので、「こーゆーことかな、あーゆーことかな」と長い余韻のなかで結末を味わうことができた。
とはいえ、何だかよくわからないという -
Posted by ブクログ
表題作『人間腸詰』:夢野久作らしい語り口とおかしみと血生臭さのある作品。かみんかみん。
『木魂』:優しくて繊細な数学教師の父と、賢くて素直な幼い息子、二人の家族の悲劇。悲しいのに神秘的で美しい。
『悪魔祈祷書』:店主がいわく付きの商品について客に語るのは同作者の『白くれない』もそうだったと思うけど、ぞっとさせるだけさせて真相は拍子抜けするくらい単純なものというオチも似ていた。でもその“ぞっとさせる”部分が凝りに凝ってて好きだし面白いから、もっと頂戴という気持ちになる。
『戦場』:情景描写が凄まじく、戦地となっているフランスの夜の極寒が読んできて身に染み渡る。
この辺りの作品が好き。