夢野久作のレビュー一覧

  • ドグラ・マグラ(上)

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    上巻のみ、以前に読んだことがある。
    日本三大奇書として有名な本書だが、最も流通している文庫本であるにも関わらず、卑猥な表紙が一向に改善されないのが残念である。
    確かに怪しさはあるし奇書っぽさは出ているけれど、本編にこんな女が登場するわけでもないし、この表紙を隠さずして堂々と街中で読むのは憚られる。むしろ、シンプルな表紙で何の害も無さそうな本なのに、中身がスチャラカ、チャカポコの方が面白くて良いのに。
    せめて精神病院の標本室にある絵の構図ならば、卑猥さがあっても納得できるのにな…と読みながら改めて思った。

    やはりお気に入りは、キチガイ地獄外道祭文の皮肉っぷり。ちょっと長すぎるけど。

    スチャラ

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    2024年07月07日
  • 死後の恋(乙女の本棚)

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    うーん…イラストがあったけど、難しかった…夢野久作先生の話が難しいのかな。ソ連やロシア系の話が好きな人に合いそう。

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    2024年07月02日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    夢か現実か?
    著者らしい展開と落ちでありながら、暗めのイラストを交えてより幻想的なファンタジー。
    同シリーズは秘密しか読んだことがなかったが、それより読みやすい色使いになっており、不快感が無かった。
    話自体も人魚姫のような切ないおとぎ話であり、大人向け絵本として、良い塩梅。

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    2024年06月24日
  • 少女地獄

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     三者三様の少女の地獄というべき経験を書簡形式に表した『少女地獄』、ある記者が訪ねた家で未亡人と出会い恐ろしい事実が判明する『けむりを吐かぬ煙突』など、おどろおどろしくもどこか美しさも感じる世界観で魅力的だった。

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    2024年06月16日
  • 少女地獄

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    三人の少女に襲いかかる三通りの地獄をリアルに描写したのは読んでいてゾクゾクとした怖さがある
    特に一本目の「何でも無い」は秀逸
    誰もが一度はしたことがある「嘘を嘘で隠す」を突き詰めていけば待っている地獄、それを解釈する他人の汚さがもうたまらなく恐い

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    2024年05月21日
  • 押絵の奇蹟

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    高校時代に熱愛した怪奇幻想小説。
    米倉斉加年の色っぽい表紙が魅力的だった。
    久作の「押絵の奇蹟」、「ドグラマグラ」、乱歩の「押絵と旅する男」、正史の「かいやぐら物語」「真珠郎」がとストライクの趣向だった。
    これらの作品で、自分の嗜好の方向性が決定付けられた。

    「不義密通!」と叫んで妻と娘を斬り殺すところに江戸時代の残滓を感じたが、本当に不義密通があったのか、それとも胎教による影響なのか、結論を宙吊りにしたまま物語は終わる。

    夢野は一人称語りを得意としているが、本作も手紙体の一人称語りだ。
    夢野はこのスタイルをエドガー•アラン•ポーからの学び、多くの一人称小説を生み出していく。

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    2024年07月27日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    奇怪

    少なくとも一読では何も理解できない
    すぐにコンガラカル

    ただ夢野久作の頭のおかしさに絶句する

    途中の論文を読むのには骨を折るが
    もう一度読んだら違った発見がある
    その勇気はないけど

    怖い
    現実と無関係には思えない

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    2024年03月16日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    ヨビノリさんの影響で衝動買いした奇書

    「胎児の夢」
    進化の過程を辿る胎児の夢、先祖の心理遺伝

    「地球上に狂人でない者はない」
    癖や性格などは自分をコントロールできない一種の例
    狂人を見て笑う者は自分は例外だと思っている

    途中の論文は読むのが苦痛に感じる部分も少々

    内容は面白いし惹かれる

    自分も五十歩百歩である事を気付かずに人を笑う者を痛烈に批判する場面にちょっと笑った
    (批判している本人も例外ではない)

    クライマックスがヤバいらしく、下巻を読みたい


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    2024年03月16日
  • 死後の恋(乙女の本棚)

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    夢野久作命日、死因は脳溢血。
    1928年 「新青年」

    ロシア貴族の血を持つ男。
    日本の軍人を捕まえて「死後の恋」を語る。
    独白体形式。

    ロシア革命直後、ウラジオストク。
    親から譲り受けた見事な宝石を隠し持つ、美しい少年兵との関わり。

    分隊は壊滅、絶命する仲間。
    少年兵と偽っていた少女は、生きたまま蹂躙され内臓に宝石を撃ち込まれていた。
    圧倒的、高圧的、夜の森。
    凄惨な死体の内側に輝く宝石。

    アナスタシア内親王殿下!


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    2024年03月11日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    夢野久作命日、遺作は「ドグラ・マグラ」
    1928年『猟奇』

    海洋研究所に漂着した手紙の入った3本のビール瓶
    それは、孤島に漂流した兄妹からの手紙
    一方通行の書簡体系式。
    時間を遡って手紙が読まれる。
    タイトル「瓶詰地獄」のセンスの良さ。
    悲劇的状況の中で二人という幸福。
    心身の成長と共に変化する関係。
    なぜ地獄なのか、美しい兄妹の孤島での生活を読んで欲しい。

    ホノジロトヲジさんの乙女系的キャラクターに救われるが、イメージ的には、もっと人間的かな。

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    2024年03月11日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    夢野久作、命日。享年47歳。
    1926年 九州日報

    残酷で美しい童話のような。
    水晶のように光る湖。
    鐘作りに失敗した父が沈む。兄が沈む。
    花の鎖で兄の元へ。
    夢想的な美しさと現実的な孤独感が湖に沈む。
    美しいけれど寂しげな物語にねこ助のコラボがとても素敵でした。

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    2024年03月11日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    とてもきれいな文章と、美しいイラスト。
    洋服とお寺の鐘がミスマッチできれい。
    二人はかわいそうではないと思う。

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    2024年03月09日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    男の目が覚めると、自分の過去に関する記憶が全て失われていました。
    男は、九州大学の精神病科にいましたが、ある怪事件の目的は何か、犯人が誰かという真相を明らかにするため、医学教授若林博士が記憶を回復させようとしていました。

    男は若林博士から絶世の美少女が許嫁と言われ、彼女のためにも記憶を喚び起こそうとしますが、全く思い出せず、自分が誰だかわからない恐ろしさや、精神病患者であるみじめさを感じます。

    また、男は自分が偉人正木先生の実験『狂人解放治療』にかけられていると知らされます。
    正木先生の研究内容について読んでいると、脳髄の機能や、精神病について考えると同時に、自分が何者か考えてしまいます。

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    2024年03月04日
  • 瓶詰の地獄

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    近代文学を克服すべく、あれこれ読んでいるうちに出会った夢野久作。湿っぽくて残酷で恐ろしいのにどこかワクワクしてしまう自分がいるような。
    いずれドグラ・マグラにも手を出そうかと思います。

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    2024年02月19日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    これまで読んだことのないような、精神が翻弄される奇書。
    読者の脳の働きを試されているかのよう。
    再度、映画(DVD)を観てみるつもり。

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    2024年02月04日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    夢野久作初めて読んだけど世界観が綺麗でした。特に最後の池のシーンが幻想的だった。2人とも沼の中で幸せに過ごせているといいな。

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    2024年01月23日
  • 少女地獄

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    最初文章に慣れるまで少し時間がかかったが、全編通じて独特な雰囲気を感じた。

    もぅ少し夢野久作の作品を読んでみたいと感じた。

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    2023年12月17日
  • 少女地獄

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    夢野久作の短編集。どの話にも強烈な印象を残すヒロインが登場するので、作者の人物描写の堪能さに舌を巻く。
    個人的には「何んでもない」の姫草ユリ子が好き。名前年齢学歴生家、自身を構成する全てを虚構で塗り固め、巧みな話術と徹底した振る舞いで周囲を「姫草ユリ子の世界」に巻き込んでいく彼女。
    今年は嘘を吐くことで愛することを知ろうとしたヒロインのアニメがヒットしたが、姫草ユリ子にとっても嘘を吐くことが彼女なりの、世界を愛し愛される術だったのではないかと感じる。多少屈折している気はするが、嘘は最上の愛情表現……なのかも。

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    2023年12月16日
  • 少女地獄

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    今にも通じるところのある話だなと頷きながら読みました。この手の人物は今も昔も変わらないものなのだな、と。

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    2023年11月28日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    儚く幻想的な世界観でとても心に残りました。彼が作った鐘の音が聞くことができるならば、聞いてみたいです。

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    2023年11月16日