夢野久作のレビュー一覧
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再読本
と言っても、読んだのはもうふた昔も前になる。
ただ、奥付を見たら改版初版のようだ。
もちろん違いなんて分かるはずもなく(笑
かなり久しぶりの再読なんだけど「人間腸詰」「木魂」はなんとなく読んだ記憶があった。
なんとなくのイメージとしての記憶だけど。
一番好きなのは「戦場」
とにかく引き込まれる。そして感情が忙しい。
迫力のリアリティで戦争を語ったかと思えば、ハインリヒとの神秘的な交流が始まる。と思ったらまた戦争の恐ろしい描写が始まり……と、展開が目まぐるしいけどとても面白い!
作品によっては思ってた以上に装飾過多な文章でとても驚いた。
(というか、作品ごとに語り口が違いすぎるのよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ乞食のような青年の不可思議な話
話を聞き「死後の恋」と言うものが実際にあり得ると認めれば彼の財産を差し出すと言う
そして、彼の語りの最後で我々は衝撃の事実を知る
しかし、彼の話を聞いた後では彼の差し出す財産は受け取れなくなってしまう
受け取る気が失せてしまう・・・
人は目の前の欲望に囚われると、もっと大事な事が身近に現れていても気づく事ができなくなってしまう
そして、取り返しがつかなくなると今度はその過去に囚われてしまう
読み終わった後、悲哀感と言えばいいのか、喪失感と言えばいいのか、形容し難いジクジクとした感覚がじわじわと染み入ってくる -
Posted by ブクログ
乞食のような身なりをした貴族出身の元ロシア兵士の男に見初められ、死後の恋の話を聞かされることとなった、とある日本の軍人。話を信じてさえくれれば莫大な財産を授けるという。
男の名はワーシカ・コルニコフと言った。
そうして銀座のレストランで訥々と語られるのは、ワーシカが同じ分隊で知り合ったリヤトニコフとの、大正7年8月28日の午後9時から翌日の午前5時までに二人の間に起こった悲劇の話だった。
ワーシカによる不思議な語り口に、するするとその世界観に惹き込まれた。死後の恋、なんて素敵。
いや多分素敵と簡単に表現するのはすこしちがう。
恐怖驚き無念さ残忍さ美しさそれらがすべてがぐちゃぐちゃになって意味 -
Posted by ブクログ
〇瓶詰めの地獄
浜辺に流れ着いた3つのビール瓶。中に手紙が入っており、第1の瓶の内容、第2の瓶の内容、第3の瓶の内容とを題字に、内容が書かれている。
短編で何度でも見返し安いので、久作ワールドを解き明かしたい人にはもってこいかも。
再再再読したい。
〇人の顔
奇妙な子と言われているチエ子と母と父との話。
チエコが不気味な事を言う。
チエコが不気味な事を媒体にしてとんでもねぇ事を暴露する。
チエコは寂しかったんやと思う。寂しくて伝えたくて奇妙やったんやと思う。可哀想。
〇死後の恋
再読する。
〇支那米の袋
読んでいる途中で大事を見つめて、「袋」と書いてあることにゾッとした。そのまま -
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ネタバレ本作は全8作品からなる短編集である。(”いなか、の、じけん”と”怪夢”はショートショート集であり、さらに細かく作品数は分かれる)
本当は他の本を買う予定で本屋に行ったのだが、残念ながら目当の本が無かった。ぼんやりと小説コーナーをうろついていた時、ふと目に留まった。
久しぶりに作者の独特な世界観にヒタルのも悪くないと思い、購入し読むことにした。
全8作品のすべての感想を記載してもいいかもしれないが、冗長的になるし、読んでいてこの作品すごい!と思えるものと、正直少し俺とは合わないかなと思う作品があってイチイチ書くのもつまらない。
ここでは、表題作の「空を飛ぶパラソル」の感想だけしるして、あとは -
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好奇心から「ドグラ・マグラ」を少し読んで挫折したので心配でしたが、そんなに面白いなら私も続いてみようと思って。惚れたのねと#棚の一覧を眺めたのです。
不思議な文体にあふれている、初めての久作ワード、カタカナも混じっていて、読み慣れるのに少し時間がかかった。
「死後の恋」「瓶詰地獄」は名作ということで、ストーリーだけ取ると、家系を守るために男になり、死んだ後に持っていた宝石だけが残されるというのは、特に戦争や革命で社会制度の変わり目に揉まれて死んでいくということは珍しくないと思ったが、死の悲惨な姿や残された宝石との対比が見てきたような凄さをもっていた。それに、ロマノフ王朝の令嬢が男装して -
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ネタバレデビュー作「あやかしの鼓」含む10編からなる短編集。
短編ではあるが、しっかりと夢野久作ワールドを楽しめる。
夢野久作を読んでみたい!と思ったけど、長編はちょっと…という人にぴったり。
あと、ドグラ・マグラとか少女地獄とかで挫折した人にもよいと思う。
いなか、の、じけんはちゃんとオチが付いているし(まぁ結構アレだけど)、個人的にはちょっと笑える。
表題作の死後の恋は、短いけど"これぞ夢野久作ワールド"みたいな感じだし、あやかしの鼓は言うことなしだし…
再読だが、ページを捲る手が止まらなかった。
この短編集のいいところは、ちょっと夢野久作読みたいって時にさっくり読めるとこ -
Posted by ブクログ
未知への恐怖。わからない、理解を拒絶するものといふのは、途方もない恐怖を生む。そして、さういふものといふのは、いつもひとの日常と隣り合はせに潛んでゐるものだ。
ひとはいつでも、自分の成してゐることは、自分の力で成しえたと思ふものである。けれど、自分といふ存在は自分ではないものが在るからこそ保証されてゐるに過ぎないのだ。
正常であらうとすればするほど、逆説的に狂気に陷つてしまふ。正常とは、正常と狂気が存在することを知りながら、あえて正常あらうとする意志のことだ。
彼は、ひとのもつさういふ二面性を巧みに拾ひあげる。巧妙なtrickや激しい動機といつたものがなくても、グロテスクといふ形で、あるひは、