夢野久作のレビュー一覧
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ネタバレ本作は全8作品からなる短編集である。(”いなか、の、じけん”と”怪夢”はショートショート集であり、さらに細かく作品数は分かれる)
本当は他の本を買う予定で本屋に行ったのだが、残念ながら目当の本が無かった。ぼんやりと小説コーナーをうろついていた時、ふと目に留まった。
久しぶりに作者の独特な世界観にヒタルのも悪くないと思い、購入し読むことにした。
全8作品のすべての感想を記載してもいいかもしれないが、冗長的になるし、読んでいてこの作品すごい!と思えるものと、正直少し俺とは合わないかなと思う作品があってイチイチ書くのもつまらない。
ここでは、表題作の「空を飛ぶパラソル」の感想だけしるして、あとは -
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ネタバレデビュー作「あやかしの鼓」含む10編からなる短編集。
短編ではあるが、しっかりと夢野久作ワールドを楽しめる。
夢野久作を読んでみたい!と思ったけど、長編はちょっと…という人にぴったり。
あと、ドグラ・マグラとか少女地獄とかで挫折した人にもよいと思う。
いなか、の、じけんはちゃんとオチが付いているし(まぁ結構アレだけど)、個人的にはちょっと笑える。
表題作の死後の恋は、短いけど"これぞ夢野久作ワールド"みたいな感じだし、あやかしの鼓は言うことなしだし…
再読だが、ページを捲る手が止まらなかった。
この短編集のいいところは、ちょっと夢野久作読みたいって時にさっくり読めるとこ -
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未知への恐怖。わからない、理解を拒絶するものといふのは、途方もない恐怖を生む。そして、さういふものといふのは、いつもひとの日常と隣り合はせに潛んでゐるものだ。
ひとはいつでも、自分の成してゐることは、自分の力で成しえたと思ふものである。けれど、自分といふ存在は自分ではないものが在るからこそ保証されてゐるに過ぎないのだ。
正常であらうとすればするほど、逆説的に狂気に陷つてしまふ。正常とは、正常と狂気が存在することを知りながら、あえて正常あらうとする意志のことだ。
彼は、ひとのもつさういふ二面性を巧みに拾ひあげる。巧妙なtrickや激しい動機といつたものがなくても、グロテスクといふ形で、あるひは、 -
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独白や語りは、語りの方向次第で物語の現実を構成できるといふところにあると思ふ。語る人間のことばが直接物語世界となる。他人にとつて、実際にあつたことかどうか決してわからないが、それを知る術はない。しかも、他人の解釈をはさむことのできない現実であることがほとんどである。ミステリアスやグロテスクといふのは、彼の作品で、他人の語りを斥け、ともすれば狭くなりがちな独白世界の解釈可能性を拡げる働きをしてゐるのではないか。
独白といふものは、世界事象を一方向からだけしか語れない。語り手以上の世界は望めない。だが、強烈すぎる神秘や猟奇といふものは、語り尽くされることを拒絶するものであるから、語り手のことばでは -
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夢野久作傑作選。ちくま文庫の全集から来た短編集。
死後の恋、瓶詰地獄(「瓶詰の地獄」改題)、人の顔、支那米の袋、あやかしの鼓、は以前、角川文庫で読んだが、強烈な印象のあった瓶詰地獄以外はすっかり忘れていた。読んでいくうちに思い出したのが、支那米の袋とあやかしの鼓。女性の語り口調が特有だが、昭和初期のこの時代だからだろうか。
どれも独特の不気味さ、後味の良くないもの、それでも癖になるようなじわじわくる話ばかりだが、少し違った印象を受けたのが「いなか、の、じけん」。はじめは、如何にも田舎で起きるような、しょうもない事件を集めたものか、というのが多かった。だが次第に、笑えない事件も出てくる。不気味な -
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数年振り、夢野久作ワールドを堪能(?)いたしました。
『氷の涯』『押絵の奇蹟』『あやかしの鼓』全3編。
全て、遺書(『押絵の奇蹟』は微妙ではあるが)の体をした書簡体。論文、記事等引用形式もあり、後の『ドグラマグラ』の片鱗も見え隠れするのも…。
個人的に気に入った順に、簡単に触れます。
イヤミス的な読後感の『押絵の奇蹟』。でも、弱ってる時ほど、とりとめのない話しに没頭したり、誰かにしたくなったりする、っていうのはわからないでもない。
ミステリー、ホラー、あやしさ(←あえて、平仮名で)、様々な要素二転三転する『あやかしの鼓』。解説にあるように、オーラス前が少し急ぎ足の感は確かに…。『瓶詰の地獄』を