夢野久作のレビュー一覧

  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    夢野久作氏による童話『ルルとミミ』。
    水晶のような水がいっぱいにきらめく美しい湖のほとりに存在する、とある小さな村。
    この村で鐘造りの名人であったルルとミミの父親は、寺のあたらしい鐘を造ることに失敗し、それを恥ずかしがって湖に身投げしてしまう。
    成長した兄のルルは、父の跡を受け継いで、お寺の鐘をいよいよ完成させたのだが——

    という話。その村には、「湖が真っ黒に濁るとよくないことが起こる」という恐ろしい言い伝えがある。
    兄を救うために湖に飛び込んだミミの大冒険と、ゴシック調のダークファンタジーな雰囲気、その対比は大人の童話という感じがした。
    ルルとミミの兄妹愛が尊い。メリーバッドエンドという感

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    2023年08月27日
  • 人間腸詰

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    表題作のタイトルのインパクトよ。
    殺人事件を扱っている作品もあるがミステリーというより猟奇サスペンスの方に片寄っている感がある。『戦場』は『西部戦線異状ない』から想を得たのだろうか。
    この人の作風なのか、独白形式が多いがそれもあってか読みやすい。

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    2023年08月25日
  • 人間腸詰

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    夢野久作お得意の独白体の物語。
    独白体故、事実か嘘か読者に決定は出来ない。
    だが、誇張の入った面白い話は全てこうしたパラドックスを含んでいるものだ。

    アメリカが遥かなる国であった時代。
    遥かなる国は、想像の国でもある。
    想像には羽根がつくので、想像力はドンドン飛翔していく。
    ましてや、この語りを確かめることはだれにも出来ないのだ。
    語り手が調子に乗って、あることあること、あることないこと、そしてないことないことをいくら喋っても、それは違うとは誰も言えないのだ

    物語に登場するアル•カポネのようなギャングが「カント•ディック」と命名されているのが笑ってしまう。
    アメリカに行った語り手の主人公が

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    2023年08月07日
  • あやかしの鼓 夢野久作怪奇幻想傑作選

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    話の切り口がなるほどと思いながらも、ほの暗い印象も含めて重くそれでいて手を打つような見事さがありました。
    初めて読んだけど他の作品も読もうかなって思えるものでした!

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    2023年07月22日
  • 死後の恋―夢野久作傑作選―(新潮文庫)

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    挫折した。
    「死後の恋」「瓶詰地獄」「支那米の袋」は世界観を味わえたけど、他は“もういいか”でした。
    次は学生時代から読もうと思って未だ読めてない「ドグラ・マグラ」。跳ね返されるかな。

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    2023年05月17日
  • 少女地獄

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    私には少し難しかったかなと感じました。
    もっとたくさんの言葉や文学を身につけてから
    もう一度読みたいと思います。

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    2023年05月14日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    浜辺に流れ着いた3通の手紙。
    そこには、遭難した兄妹の無人島での生活が綴られていた。

    1通毎に時が戻る。
    死を決意→じわじわ狂っていく→健やか
    暗かった。
    タイトルの瓶詰地獄にふさわしい。

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    2023年05月11日
  • 少女地獄

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    翻弄しているようで、翻弄されている。
    翻弄されているようで、嘲笑っている。
    振り回されて、傷つけられて、その上で見せる恐ろしく強い意志。
    かたや、最初から最後まで手玉にとっている。
    通り一辺ではない、表裏一体な「少女」「女性」たち。
    同じ女性としてツラい展開もあれば、ニヤリとする展開もある。…一気に読むとドッと満足感と疲労感!
    固定観念的な性差を避ける時代だけど、どこかこの男女の「断絶」はいつの時代も在るんだろうなぁ、と思ったり。

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    2023年04月11日
  • 少女地獄

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    ネタバレ

    ①小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』と並んで、日本探偵小説三大奇書と言われる「ドグラ・マグラ」の作者、夢野久作作品。
    ②過日読み終えた「おちくぼ姫」同様に人気てぬぐい店「かまわぬ」とのコラボ和柄Specialカバーである。

    上記2点が本書を購入した理由、「ドグラ・マグラ」の難解さを思い出す度に手にとることを躊躇い、積読となっていましたが、何故か今回はすんなりと手に取ることが出来ました。

    初版は昭和51年1月30日に初版発行された本書、私が所持しているのは平成25年5月25日の70版発行分。

    初版から約37年半で70版、いかに多くの読者が手にして来たかがわかります。

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    2023年03月25日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    これ読むの? 話の中にでてきた、まとめられた書類。その全文と思われるものを全部読まなきゃならなくなるとは思わなかった。凄い人凄い人いわれてる人程、ただただ回りくどいだけの人のような気が。設定では大正時代だけど。書かれたの昭和50年。
    この回りくどい言い回しや無闇矢鱈に垂れ流される言葉が…どうも馴染まない。

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    2025年12月02日
  • 押絵の奇蹟

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    『氷の涯』
    正直よくわからなかった。ただ、ラストがよかった。

    『押絵の奇蹟』
    最後の最後まで真相が明かされない所が良くもあり悪くもある。話の内容はとてもよかった。運命・神秘・可能性みたいなものを感じた。
    心の中の想い人ににてしまうというのはあり得るように思う。女独自の感覚かもしれないが。一種のテレゴニーのようなものか。

    『あやかしの鼓』
    まず強く感じたのは“因果”。
    あらすじは割とよくある感じではあるが、作者らしいしつこさが素晴らしく出ていた。
    しつこさも体良く全てが繋がりだすと退屈な話になり得るのだなと感じた。

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    2023年03月04日
  • 空を飛ぶパラソル

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    夢野久作作品は、ドグラ・マグラだけだったので、短編集ということで読んでみた。やはり猟奇的で耽美的な作品が多い印象。世界観に没入する前に、突然話が終わってしまうのがなんとも歯痒い。

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    2023年02月23日
  • 瓶詰の地獄

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    表紙の可愛さを木っ端微塵に吹き飛ばす、独特の作品ばかりが詰め込まれた短編集。
    どの話もなかなか読み進められず、ずっと物語の世界に閉じ込められているような気分だった。
    あの肌に纏わりつく湿っぽさと陰鬱な思考回路はやっぱり苦手だけれど、夢野ワールドを堪能できる一冊だった。

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    2023年02月03日
  • 瓶詰の地獄

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    瓶詰めの地獄のみ読みたくて、鉄槌の途中で断念

    瓶詰めの地獄はもう素晴らしかった。
    他の作品はえろグロ、と言った感じでついていけなかった

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    2023年01月26日
  • 少女地獄

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    現代社会の堕落層に住む寄生虫

    夢野久作といえば「ドグラ・マグラ」が有名ですよね。
    一度、ドグラ・マグラを通読してみたのですが、やはりまだ私のレベルではついていけなかったので比較的読みやすい本書を通読してレベル上げをすることにしました笑
    私が1番好きな話は「煙を吐かぬ煙突」です。
    短編集とはいえ夢野久作の著書はやや癖が強いですね笑

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    2023年01月20日
  • 少女地獄

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    個人的にはあまり合わないんです、この時代のこの手のテイストの作品は。良い悪いの話ではございません。
    でも解説の読み解き方含めて、書かれた時代を考えると深いものがあるだろうとは容易に想像つきます。当時どんな感じで受け止められていたのか、結構興味あります。
    にしてもこのお方の出自、何気にすごい。こういうところからしか出てこない異才なんですかね。

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    2022年10月02日
  • 死後の恋(乙女の本棚)

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    こちらも、やはり挿絵を見るために読み終えた。

    うう…夢野久作ワールドにどっぷり浸かる妖しい夜……。

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    2022年07月23日
  • 死後の恋―夢野久作傑作選―(新潮文庫)

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    近代文学は純文学より大衆文学派だった私からすると、すごくドキドキワクワクしながら読みました。
    これに収録されてるなかでいうと、『いなか、の、じけん』が気に入りました。ブラックジョーク的な話やエログロナンセンス要素のあるお話も多かったですが、短編なので読み進めやすかったです。

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    2022年07月11日
  • 人間腸詰

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    わんかぷ、てんせんす、かみんかみん…。
    表題作に出てくる台詞で、抜群に頭に残る。巧いなぁ。
    そのほかでは、あり得るような『戦場』にぞっとした。

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    2022年05月18日
  • 少女地獄

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    『少女地獄』は、「何んでもない」、「殺人リレー」、「火星の女」三編を収める、何れも書簡体小説。
    「何んでもない」では病的虚言症の少女、姫草ユリ子が嘘を嘘で塗り固め、周辺の人を振り回して、次第に後戻り出来なくなり、ついに自殺してしまう話。読んでいくうちに姫草に愛着が湧いてしまう。キャラクターの描写がイキイキして素晴らしい。
    「殺人リレー」「火星の女」などもサスペンスっぽさがあり面白かった。
    『煙を吐かぬ煙突』グロテスク、かつミステリアス。エロとグロと恐怖と。読んでいて頭がぐわんぐわんする感じ(?)。『ドグラマグラ』でも感じた不思議な感覚。これぞ夢野久作マジックw
    『女鉱主』では、したたかで意志の

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    2022年05月13日