あらすじ
海難事故により遭難し、南国の小島に流れ着いた可愛らしい二人の兄妹。彼らがどれほど恐ろしい地獄で生きねばならなかったのか。読者を幻魔境へと誘い込む、夢野ワールド7編。
(C)KAMAWANU CO.,LTD.All Rights Reserved
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「瓶詰め地獄」
いくつかの解釈を拝見しましたが、個人的には瓶の順番は2→3→1なのではないかと思いました、地獄ですね。ただ鉛筆が短くなってから書かれたものにしては1は少々長すぎますが…。
人に薦められる作品ではありませんが、僕はとても好きです。
Posted by ブクログ
夢野久作の短編集。『ドグラ・マグラ』よりも好きかも。相変わらず読後感が悪い(そこが良いんだが)エログロナンセンスの世界。『瓶詰めの地獄』『死後の恋』など評価の高い作品も良かったが個人的には『鉄鎚(かなづち)』が好きだった。悪人だったはずの叔父が次第に弱く軟化してくる様子。対して主人公と、伊奈子の悪魔性が増長するさまは面白い。人間って環境とか、時間が変われば中身も変わるんだよねーとしみじみ。
『一足お先に』は、サスペンス的な要素が面白かったけどオチが弱かったかな?
『瓶詰めの地獄』は短いながらかなり印象に残った作品で、手紙の順が時間と逆行しているのも小説としてストーリーが秀逸。
それにしても今から半世紀以上前にこんな作品が世に発表されていたなんて、日本の文学界ってかなり昔から自由な風潮があったのね。
Posted by ブクログ
夢野久作の幻魔的世界へ!
何回読んだか知れない大傑作『瓶詰の地獄』に始まって、ちょっとゾクッとする『人の顔』を挟み、『死後の恋』後半の圧倒的衝撃と描写力に恍惚と震え上がり、『支那米の袋』でのeroguronansensuに目を離せなくなり、そのまま『鉄槌』を読んでチョット感傷的になったかと思えば、『ドグラ・マグラ』の香りが漂う『一足お先に』と『冗談に殺す』の事件ものがあり、締めは中井英夫の解説……と、これだけで分かる圧倒的充実感! それと、私の角川の本は装丁のイラストが米倉斉加年版なので、雰囲気もバッチリなんですよねェ。たまりませんわ。
収録作の中で好きなのはヤッパリ『瓶詰の地獄』、『死後の恋』、『支那米の袋』かなァ。でも、個人的には、どこまでも続く謎を残す『瓶詰の地獄』と『死後の恋』が飛び抜けて好きです。
『瓶詰の地獄』★5
何回読んだか知れない、個人的には大傑作。あっという間に読み終わるのに、残るものが多すぎて考察が捗る作品。丸尾版コミカライズも読んだけれど、やっぱり原作の煌々とした禍々しさがクセになって戻ってきます。
『人の顔』★4
ゾクッとする短編。おぼつかない口調で恐ろしいことを話し出すチエ子が好きすぎて……。幼いながらも持ち合わせる不気味な魅力と育ての良さがチエ子の会話の節々に見られて、読んでいて虜になる作品。
『死後の恋』★5
これは文句なしの傑作だと思います。初読は前半部分の複雑さというか言い回しがしっくりこなくて進みが遅くなりますが、後半の圧倒的衝撃と描写力には恍惚と震え上がり、そこからはもうこの作品の虜です。夢野久作の複雑怪奇な話の展開とグロデスクな描写が見事にこの作品には収斂されていると思いました。最高!
『支那米の袋』★5
これぞ夢野久作文学の真骨頂! 幻想的な雰囲気の作品と言うよりは『いなか、の、じけん』を彷彿とするような粗野で下劣、ナンセンスな事件の被害者の話ですが、その生々しさと、夢野久作が生涯言っていた「人間の闇」的な部分も垣間見ることができて、個人的にはとても満足の一作です。すべての遊びに飽き飽きて「ステキな遊び」を語るワーニャさん、ものすごく蠱惑的です…
『鉄槌』★4
『なんでもない』で有名な姫草ユリコなど、夢野久作の作品に登場する魅力的な女性像をこの作品にもまた感じますね。マゾヒズムの趣があったり、本文中に「悪魔」と多用されていることからも、安直ながら、そのまま『悪魔』と題のついた谷崎潤一郎の作品を彷彿とさせます。愛太郎が伊奈子に向ける複雑な感情はまた、夢野久作作品には珍しい儚さを感じますね。
『一足お先に』★4
イヤハヤこれは夢か現か・・・・・私とは一体何者なのか・・・・・・・。病院、妹、殺人、不気味な赤ん坊の描写、忘れていた記憶・・・・・・・夢野久作の作品の中で牙城の如く聳える『ドグラ・マグラ』の血腥い臭いが漂う、病院の中で起こった奇妙な体験ですね。完璧な世界観でタイトルの『一足お先に』が秀逸なのはともかく、これは怖い! 特に最後の妹と青木の会話に主人公が全く加わらず、「・・・・・・・」と続くともう!
『冗談に殺す』★3
この作品はやはり冒頭、活劇女優が主人公に見せる残虐な遊戯の描写力と、彼女の心理をうかがわせる明晰な描写に光るものがあると思います。『空を飛ぶパラソル』などに代表される夢野久作の残虐な構成力を堪能できる一作です。
Posted by ブクログ
「ああ。お父様。お母様。すみません。すみません。...」南海の島からの便りに戦慄が走る。何不自由のない楽園の一部始終。十年という幸福な歳月が心身共に健康な兄妹を翻弄する。明朗な陰鬱、不潔漂う清潔感。数々の作品が心の深淵に瓶詰めにされ打ち寄せた。
Posted by ブクログ
初めて読んだ夢野久作の著書でした。
死後の恋の一周まわって気持ちいいくらいの惨憺たる残酷描写が好きです。
三大奇書にも選ばれている「ドグラ・マグラ」の作者ともあって、私が期待していた通りの文章の奇怪さ、陰惨さ、陰鬱さでした。
特に印象に残ったのは瓶詰めの地獄、死後の恋、支那米の袋。
この短編集はどの話も、「救いようのない」終わり方をします。それでは何の解決にもなっていない、という終わり方です。
特に瓶詰めの地獄は手紙方式ですが、順番になっている割になんだか話が前後しているような感覚でした。
夢野久作という人物は、人は救われない、「救われない」という意味で人生には終わりがないと考えている人なのかもしれない。
私は狂気に満ちたような描写やストーリーが好きです。とても肌に会う作品でした。
残酷描写が苦手な人は気をつけてください。
Posted by ブクログ
以前読んだ『ドグラ・マグラ』が面白かったので、読んでみた。こちらは短編集。独特の不気味さ、気持ち悪さ、猟奇、エログロみたいな雰囲気があって、『ドグラ・マグラ』と似ている。こんなに気持ち悪いのに、引き込まれるものがある。重たくて、怖くて、読むのに精神力がいる。
解釈が難しかったり、色んな"仕込み"がある。一作品読んで、ネットでレビューを見て・・・という感じで作品の世界観を楽しんだ。
全部で7作品あるが、どれも味わいがあって、気持ち悪い。全作品のレビューを書く気力がないので、4つだけ。
「瓶詰の地獄」と「支那米の袋」が特に印象に残った。
そのうちまた読みたいな。
<瓶詰の地獄>
・無人島に漂着した兄妹の書いた、瓶に詰めた3つの手紙。作品は、この3つの手紙で構成される。夢野久作の作品では、この"書簡体形式"が特徴的だとか。
・11歳の兄と7歳の妹は、10年以上、無人島での生活を続ける。島は自然豊か、食料は豊富にあり、楽園のよう。
・読み進めるうちに、"地獄"が何かがわかってくる。ゾッとする。
・3つの手紙がどの順で書かれたかで、異なる解釈ができる。こんな仕掛けを、こんな短編に仕込めるとは・・・。
<人の顔>
・シミュラクラ現象、パレイドリア現象。
日常でも、雲の形や壁のコンセントなんかが人の顔に見えてくることはある。それを考えれば、チエ子の言動も無邪気なものに思える。それなのに、作品から感じられる奇妙さは何だろう?
・母親がチエ子に飲ませたのは睡眠薬か?不倫相手との情事を悟られないため?
<死後の恋>
・何というか、エログロ猟奇の気持ち悪い話。死体と宝石の描写が印象的。でも、ちょっときつい。
・語り手が一方的に語る"独白体形式"。『ドグラ・マグラ』と似てる。他者が登場しないので、語り手が精神に異常をきたしているんじゃないかという気になってくる。
・なぜあんな殺され方をされたんだろう?語り手の話は本当なのか?そんなことが気になって、読み直したくなる。気持ち悪いのに。
<支那米の袋>
・ロシア人のワーニャが日本の青年軍人に一方的に話す"独白体形式"。
・ワーニャが話すのは、
- 可愛いから殺してしまいたい
- 恋仲になっていたアメリカ人ヤングのこと
- 彼から教えてもらった"遊び"(それは日本にもある)
- 支那米の袋に隠れて乗った軍艦での恐ろしい出来事
・こういった話からラストでの伏線回収がすごかった。殺したいだけでなく、死にたかった。
--------------------
読んでから気付いたが、どの作品も青空文庫で無料で読めるらしい・・・。
Posted by ブクログ
夢野久作の傑作選。
瓶詰めの地獄は言わずもがな。
死後の恋が好きだった。
そのほかの作品もそうだが、たくましい想像力と描写力を感じる。
そしてどこか狂気的で幻想的。
Posted by ブクログ
今まで読んできた夢野久作の短編集に比べて、グロテスクな印象が強いように思う。
特に「死後の恋」では森の中で発見した仲間の虐殺死体を描き表した場面が素晴らしく、その光景がありありと目の前に浮かんでくるようである。
また「支那米の袋」では主人公が針金を巻かれ、締め付けられてしまったときの表現がヤングという男の冷酷非情さ凄惨さを表しているようである。
また「一足お先に」はドグラ・マグラを短くしたようで物語の終わり方も少し似ているように感じた。
Posted by ブクログ
グロテスクだけど幻想的で耽美な世界観が魅力的な七編が収録された短編集で、書簡形式の『瓶詰の地獄』、こちらに語りかける文体が不気味な『死後の恋』、探偵小説でもあり犯罪小説でもある『一足お先に』などどこか難解ながらもいつの間にか引き込まれる作品ばかりだった。
Posted by ブクログ
瓶詰めの地獄が別格で良かった。
最後の手紙でいろいろ想像させられる。
他の小説や映画でも聖書がよく出てくるので、段々気になってきた。
狂気的な女性が出てくる話が好きだけど、少女地獄で感じた狂気の方が好みだった。
Posted by ブクログ
近代文学を克服すべく、あれこれ読んでいるうちに出会った夢野久作。湿っぽくて残酷で恐ろしいのにどこかワクワクしてしまう自分がいるような。
いずれドグラ・マグラにも手を出そうかと思います。
Posted by ブクログ
わずか10数ページの『瓶詰の地獄』がよかった。どの短編も江戸川乱歩の世界をもっと過激にした感じ。30年ほど前に読んだ『ドグラ・マグラ』もそろそろ再読したい。
Posted by ブクログ
純文学というのは、読む度に新しい感情や自分の気持ちに気づく事ができる自分自身を映す鏡のような物だと常々思っているのだけれど
夢野久作の作品は違う
読めば読むほど深みに嵌り抜け出せなくなる
読者すら作品の一部となっていく、そんな感覚すらある
瓶詰の地獄はそんな夢野久作の作風をたった15頁に凝縮したような作品
Posted by ブクログ
〇瓶詰めの地獄
浜辺に流れ着いた3つのビール瓶。中に手紙が入っており、第1の瓶の内容、第2の瓶の内容、第3の瓶の内容とを題字に、内容が書かれている。
短編で何度でも見返し安いので、久作ワールドを解き明かしたい人にはもってこいかも。
再再再読したい。
〇人の顔
奇妙な子と言われているチエ子と母と父との話。
チエコが不気味な事を言う。
チエコが不気味な事を媒体にしてとんでもねぇ事を暴露する。
チエコは寂しかったんやと思う。寂しくて伝えたくて奇妙やったんやと思う。可哀想。
〇死後の恋
再読する。
〇支那米の袋
読んでいる途中で大事を見つめて、「袋」と書いてあることにゾッとした。そのままゾッとする展開になった。
人の心を懐柔しカリスマ性があり都合が悪くなると人命も厭わず捨てる様はまさにサイコパス。夢野久作はサイコパスに散々な目に合わされたのではないかと思う1作だった。居たので見てたのか。
誘拐気分を味わえる。明らかに殺されるが逃げられないあの恐怖を味わえる。味わいたくない。
時代も時代だしそこそこ有りそうな感じで今まで読んだ久作の中でいちばん怖いかも。寝れない。
〇金槌
心の悪魔の成長の話。本物の悪魔は自覚がない、この一文がポイント。
他人事が悪魔なんだと思う。
父はまともで、叔父と子が悪魔で気があった。超雑だけど大体こんな動き。子の物ともしない所か見物として叔父を見ている感じが見どころ。
〇一足お先に
ドグラ・マグラの...
ファントムペイン。実際のものと幻想と認知の脳髄の....この感じ...構造か設定か、は大体ドグラと一緒だった。
何がどうでどっちがなんなのか狂わせてくる。嘘かホントか、真かウソかといったような感じ。
これを解き明かせたら、昔のバイトの店長の謎も解き明かせる気がする。暗示とは恐ろしい物だし、潜在意識にあたえる影響は自分の意思ではどうにもならない。
現実と幻想の境界線なんて無いんだよと教えてくれるような話だった。脳が溶けるというか、体が溶けて形を保てないような感覚になった。さすが日本三大奇書のジョブと言ったところ。夢の夢返し!
紅梅焼
〇冗談に殺す
オレダヨーーーオーーー
人はやっぱり犯した罪を隠し通すのが無理だと分かる
Posted by ブクログ
読んでる途中で妊娠が分かって、つわりが落ち着くまでは読書が全然できなかったからかなり間が空いたのやけど、安定期入ったし最後まで読みました。
前回の妊娠中も夢野久作読んだよそういえば。
夢野久作てそんなにたくさん読んでないけど、ハズレがないのすごすぎない???ほんとにどれも面白かったよ。
「冗談に殺す」は探偵モノ以外の江戸川乱歩感があったけど、鏡つうのはこの時代も重要なモチーフやったみたいやし、探偵モノ以外の江戸川乱歩と夢野久作てどっちも幻想怪奇系でちょっと作風似てるよな。みんな変態だよ。みんな。
Posted by ブクログ
夢野久作短篇集。
決してミステリー文学ではないものの、近い感覚で読み進めることができる。
夢野久作独特の湿気た不気味さで満ちており、良い意味で先が読めない。
また読後タイトルを見返すと、改めてその秀逸さに気づく。
個人的な好みは「瓶詰めの地獄」「人の顔」「支那米の袋」「鉄槌」。
「冗談に殺す」を読み残している。
Posted by ブクログ
とっても短いのに切れ味抜群
ドグラ・マグラもいいけど僕はこっち派
青空文庫でも読めるのでホントおすすめ
これ国語の教科書とかに載せたら学生に流行らないかな
テストで
2人にあったことはなんでしょう
みたいな
あ、いや、だめか笑
Posted by ブクログ
素敵な装丁に惹かれて読んでみました
すぐに幻魔境へ誘い込まれる世界観に
圧倒されました!!
海難事故で遭難し 南国の孤島に
流れついた可愛らしい兄と妹
第1の瓶…
第2の瓶…
第3の瓶…
それぞれの瓶には
兄と妹が数年過ごした地獄のような
状況が描かれる
彼らが犯してしまった罪と罰
そして…
彼らに残された運命とは…
抽象的な表現に 想像を掻き立せられ…
余白を残す終わり方がたまらない!!
美しく狂気を孕んだ文章に酔いしれました
Posted by ブクログ
少女地獄(角川文庫)よりも狂気じみている話が多かった。
『支那米の袋』
袋の中に閉じ込められている様が読んでいて息苦しくなる。
好き過ぎて殺したい…。
『一足お先に』
病室内で放尿し、夫人の服を剥ぎ取り、ハサミを腹に突き刺し…青白い光に照らされる狂った様子がなんとも恐ろしい。
『死後の恋』、『冗談に殺す』が特に好き。
Posted by ブクログ
結果的に、わたしにはあまり夢野久作がハマらなかったということがよくわかった。死後の恋のビジュアル感、支那米の袋の臨場感はイイ!と思ったけど、全部の話で話長えよ〜!!って思ってしまうのは、もう相性の問題だと思った。鉄槌の主人公がいちばんサバサバしてて好感が持てました。
Posted by ブクログ
表紙の可愛さを木っ端微塵に吹き飛ばす、独特の作品ばかりが詰め込まれた短編集。
どの話もなかなか読み進められず、ずっと物語の世界に閉じ込められているような気分だった。
あの肌に纏わりつく湿っぽさと陰鬱な思考回路はやっぱり苦手だけれど、夢野ワールドを堪能できる一冊だった。
Posted by ブクログ
夢野久作の短編小説集。だいたい、昭和一桁年頃の作品群のようだ。西暦で1930年前後。
相変わらず性的にどこかヘンタイっぽく妙な小説が多い。一人称体の作品は『ドグラ・マグラ』と同様の、延々とトートロジックに吐き出される独白の急流が見られる。この文体や主題の取り方・筋などはとてもケレン味が強く、やはり文壇の王道よりはかなりかけ離れているのだが、この怪しげな欲望の奔流は、単なる娯楽作品という枠に閉じ込めきれるものではない。カルトな芸術である。あまりにもリビドー放出が激しすぎてしばしば日本語が壊れてしまうところが凄い。
1編読み終えてみるとちょっとすっきりしないような終わり方の作品も幾つかあった。
Posted by ブクログ
夢野久作の七篇構成の短編集。
瓶詰の地獄 ☆☆☆★★
兄妹の禁断の恋と、それに対する苦悩。順序の分
からない3つの手紙。兄と妹の互いの気持ちがリアルに伝わってきて苦しかった。
人の顔 ☆☆☆★★
母の浮気を子が知って、それを父に知らせると父
は子を睨み───。この続きがハッピーエンドに
繋がると考えるのは難しそうなのでつらい。
死後の恋 ☆☆☆☆★
これは素晴らしい恋愛作品。‥‥アナスタシヤ内親王殿下‥‥。この7つの作品の中では個人的に一番よかった。FGOでアナスタシアが好きな人は是非。
支那米の袋 ☆★★★★
これは微妙。
鉄鎚 ☆☆☆★★
まるで悪魔な叔父と更にその悪魔度を上回る伊奈子、しかし本当の悪魔はその2人のどちらでもなくなんと自分自身だったという伏線回収。結局最後の「伊奈子の真実」が何なのかが分からなかったが、もしも主人公の母親だとするのなら感動作品になっていただろう。
一足お先に ☆☆★★★
一言で現すと短編版ドグラ・マグラ。
冗談に殺す ☆☆★★★
「完全犯罪は成立しない」と主張していた主人公がとある女と出会い関係を深めていくのだが、段々とその女の悪魔のような性格に気づき始めついにはその女を殺してしまう。証拠を完璧に消し去り完全犯罪かに思われたが、一つの鏡がきっかけでその男は完全犯罪に失敗する。そう。「完全犯罪」は成立しなかったのである。
Posted by ブクログ
思ってたより全然読みやすくて面白かった。 読む前は気味悪さ、グロさだったり狂気的な内容と思っていたが文体も読み易いし内容も神秘的で官能的。 ついつい引き込まれる。 評価が高いのもうなずけるし他の作品にも興味が沸く。 こういう世界観はいいなと思わされた一作。