あらすじ
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人気シリーズ「乙女の本棚」第14弾は夢野久作×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
「私の運命を決定《きめ》て下さい」浦塩の町で、一人の男が話しかけてきた。彼が語るのは、兵隊時代の話と、それにまつわる「死後の恋」についてであった。
夢野久作の『死後の恋』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは夢野久作『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
夢野久作命日、死因は脳溢血。
1928年 「新青年」
ロシア貴族の血を持つ男。
日本の軍人を捕まえて「死後の恋」を語る。
独白体形式。
ロシア革命直後、ウラジオストク。
親から譲り受けた見事な宝石を隠し持つ、美しい少年兵との関わり。
分隊は壊滅、絶命する仲間。
少年兵と偽っていた少女は、生きたまま蹂躙され内臓に宝石を撃ち込まれていた。
圧倒的、高圧的、夜の森。
凄惨な死体の内側に輝く宝石。
アナスタシア内親王殿下!
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、夢野久作さんとホノジロトヲジさんのコラボ作品「死後の恋」です。この二人のコラボ作品は「瓶詰地獄」がすごくよかったんで、期待も高く手にしました!
浦塩の町で一人の男性に話しかけられたところからはじまる…。その男性は、乞食のような身なりをしているが、貴族出身で元ロシア兵士のワーシカ・コルニコフ…コルニコフは、私の「死後の恋」について話を聞いたうえで、「私の運命を決定てください」と、自らの兵役時代について語りだす…。兵役時代に知り合ったリヤトニコフは、無二の親友とも呼べる存在、彼も貴族の出身だろうと会話を重ねる中で感じてた…。戦場に出向く前の晩、リヤトニコフはコルニコフに、家に伝わる宝石を見せ、家族は滅ぼされてしまったと告白する…。翌日戦火をくぐり抜けたコルニコフは、無残にも惨殺されたリヤトニコフの姿を目の当たりにし驚愕した…。彼ではなく、彼女??しかも、腹部には彼女が見せてくれた宝石が血にまみれてきらきらと輝き…。リヤトニコフはその宝石を取り出し、「死後の恋」に落ち、夜をも眠れないほどの生活を強いられている…と。ここまで話を聞かされた男性は、それを信じることはできず、コルニコフの前から姿を消す…。
結局ネタばれしてしまった…でも、結局この話を聞いてたのは誰??日本人じゃないの??ちょっと謎を残しつつ、またコルニコフはその後どうなったのかも、知りたくなっちゃったなぁ…全財産もらえるのなら、信じるって言っちゃいそうだな、私なら(^-^;)
Posted by ブクログ
浦塩の町で、1人のロシア人が話しかけてきた。
彼が語るのは兵隊時代の話と、それにまつわる「死後の恋」についてであった。
話の構成が巧い。
鬱展開だったが、最後のオチが愉快で良かった。
Posted by ブクログ
「乙女の本棚」第14弾。
ロシア革命直後の浦塩の町で、日本兵に話しかけてきたのは、乞食のなりをした不思議な紳士。兵隊時代の友人と、彼が持っていたマノフ王家の宝石と、その彼が実は彼女だったこと。その後に待つ残酷な運命と、怪しく美しい情景の描写。その「死後の恋」についてのお話。
怪しい老紳士の独白で進むので、わかりやすいのだけど、不思議で怖い。どこまでが本当で、どこまでが幻想なのか、そのあたりのふやふやしたところが面白い。
イラストも素敵。
Posted by ブクログ
乞食のような身なりをした貴族出身の元ロシア兵士の男に見初められ、死後の恋の話を聞かされることとなった、とある日本の軍人。話を信じてさえくれれば莫大な財産を授けるという。
男の名はワーシカ・コルニコフと言った。
そうして銀座のレストランで訥々と語られるのは、ワーシカが同じ分隊で知り合ったリヤトニコフとの、大正7年8月28日の午後9時から翌日の午前5時までに二人の間に起こった悲劇の話だった。
ワーシカによる不思議な語り口に、するするとその世界観に惹き込まれた。死後の恋、なんて素敵。
いや多分素敵と簡単に表現するのはすこしちがう。
恐怖驚き無念さ残忍さ美しさそれらがすべてがぐちゃぐちゃになって意味分かんなくなって発狂しかけるような、そんな極限状態の恍惚を感じた。
臓腑と血にまみれた宝石は、焔に照らされた森の中でどれほどキラキラと光り輝いていたんだろう。
誰でもいいから誰かにこの崇高と、深刻と、奇怪とを極めた「死後の恋」を肯定してもらいたい、運命を決定してもらいたい、そうしたらもう死ぬから、と、その想いが苦しい。大丈夫私が絶対に肯定してあげる。
はぁぁ……夢野久作、噂にはきいていたけれどやはり凄かった。読もう読もうと思っては全然読んでこなかった自分が恨めしい。
これからいっぱい読もう……ハラショ……。
Posted by ブクログ
乙女の本棚2冊目。夢野久作初読。初読となれば、何を選ぶか。借り受ける直前迄は『瓶詰地獄』で御座いました。微かに粗筋を思い出し此方に切り替えたので御座います。
よぉく分かりました。
昭和3年。この頃のデカダンスの気鬱な匂い。ロシアの革命さえも、王朝没落物語として消費してゆく日本の民衆。
「アナスタシヤ内親王殿下‥‥。」
義経渡大陸伝説宜しく、内親王渡日伝説などを試みる下卑た小説家風情の欲望。
瓶詰地獄も、ドグラマグラも、もういいかな。嚔という漢字を覚えたのが一つの収穫。
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズの一冊。
多分初読。だから、途中までなぜこれが乙女の本棚なのかと思ったのだけど、まあタイトルにも冒頭にも「死後の恋」ってあるんだから、乙女な展開が待っているんだろうという予想はできたわけで、最後まで読んで、ああなるほどこれは乙女だなと思った次第。
『目羅博士~』でも感じたことだけど、最後の見開きページを表紙にするのはどうなのかね。ネタバレになりかねないのだけど、意外性を重視する作品でないのはタイトルから明白なので、問題ないのかなあ。
Posted by ブクログ
はい40おネェ!
続々と新刊が発売される超人気シリーズ『乙女の本棚』ですが、もうそろそろ追いつきそう
で、夢野久作の『死後の恋』です
分かる!
これは「アナスタシヤ内親王殿下」言いたなる!
分かる!
「アナスタシヤ内親王殿下」言いたい!
まさに声に出して言いたい日本語!
アナスタシヤ、ロシア人だけども
しかし、『死後の恋』の方は分からん!
何をもって『死後の恋』やねん!っていうね
もうちょっと説明しなさいよ!思う
いやアイツ絶対わざとやねん
みんな騙されとんねん
夢野久作に中身なんかないねん
なんかいい雰囲気の文章に騙されてなんか込められてるように思わされてるだけやねん
「アナスタシヤ内親王殿下」書きたいだけやねん(絶対違う)
Posted by ブクログ
美しい絵に中和されたところは多少あるが、苦手な戦争モノだった。。。作品のテーマは戦争ではないのだが、戦時中の物語で、苦手な戦争のグロさが途中でいきなり出てきて、最後まで読めたもののしんどかった。。。
苦手なジャンルでも最後まで読ませるくらい物語としては興味深いのですが唯々苦手、という一言に尽きる。とりあえずクリスマスの夜に読むものではなかったー(涙
2023.12.25
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