夢野久作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編集だが、それぞれの作品を読み終えてから、どういうことだったんだろうと首を傾げるものが多い。ただ、読んでいる間はどれも奇妙な情景が頭に浮かんでいる。その情景を楽しむ作品なのかなと思う。ホラー、猟奇、血の色、「ホホホ・・・」と笑う不気味な女性。夢野久作の奇妙な世界に飲み込まれた気がする。
『空を飛ぶパラソル』、『ココナットの実』、『キチガイ地獄』が気に入った。
『いなか、の、じけん』は数ページ程度のとても小さな話がいくつも続く。田舎で起こった奇妙な事件が、それぞれ場面の関連なく矢継ぎ早に出てくる。これもどういうスタンスで楽しめばいいのかと戸惑ったけど、この奇妙で後味の悪い感覚を楽しむのかなと -
Posted by ブクログ
ネタバレ1931〜1932年に福岡日々新聞(現:西日本新聞)に連載されていた夢野久作の数少ない長編(多分これとドグラ・マグラだけ)の1つとのことです。てっきり未完なのは連載中に亡くなったからだと思っていましたが、夢野久作の享年は1936年なので、単に執筆が滞ってただけなのかな?夢Qの中では今までで1番読みやすく、エンタメ性も抜群!
巻末解説では推理小説でもなければ怪奇小説でもなく、ましてや純文学でもない。何ものでもないことによって、何ものでもある、とかっこよく評されています。
私がどう読んだかというと究極のキャラ萌え小説として読みました。チイ(=犬神博士)がねぇ、ただひたすら愛しくて可愛い。角川のア