夢野久作のレビュー一覧

  • 死後の恋(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    多分初読。だから、途中までなぜこれが乙女の本棚なのかと思ったのだけど、まあタイトルにも冒頭にも「死後の恋」ってあるんだから、乙女な展開が待っているんだろうという予想はできたわけで、最後まで読んで、ああなるほどこれは乙女だなと思った次第。
    『目羅博士~』でも感じたことだけど、最後の見開きページを表紙にするのはどうなのかね。ネタバレになりかねないのだけど、意外性を重視する作品でないのはタイトルから明白なので、問題ないのかなあ。

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    2025年07月20日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    ストーリーが二転三転四転として引き込まれた。
    言葉遣いが現代的でない部分があったり、場面が飛んだりして奇書の名に恥じぬ読みづらさだった。
    挫折しないように所々パラパラと読み飛ばしながら読んだ。

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    2025年07月14日
  • 猟奇歌 夢野久作歌集

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    ネタバレ

    うーん、猟奇的。

    山の奥で仇讐同士が巡り合った誰もいないので仲直りした

    無限に利く望遠鏡を覗いてみた自分の背中に蝿が止まっていた

    五十銭貰って一つお辞儀する盗めばお辞儀せずともいいのに

    あたりが好き

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    2025年07月09日
  • 疵(きず)の迷楼 耽美幻想セレクション

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    ネタバレ

    ■江戸川乱歩「鏡地獄」
    既読を再読。

    ■谷崎潤一郎「人魚の嘆き」
    未読のまま。
    水島爾保布の挿画ありの中公文庫で読みたいので。

    ■小栗虫太郎「方子と末起」 ★
    初読。まさことまき。
    百合、スール、手紙のやり取りという少女小説、にして不思議の国のアリスモチーフ。
    推理小説<恋愛小説。

    ■泉鏡花「妙の宮」 ★
    初読。
    たった4ページだが、なんでこんな風景を思い描いたのだろう? と。

    ■木下杢太郎「少年の死」
    高原英理・編「少年愛文学選」で既読。

    ■坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」
    初読だが、混乱をそのまんま文章にした風情で、よくわからなかった。
    Misanthrope はフランス

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    2025年07月08日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    総題の漢字よし。
    収集箱じゃつまらない、蒐集函なのだ。
    カバーイラストも素敵。
    新潮文庫nexというレーベルで、ヤングアダルトにこの作品たちを差し出した編集部、GJ!

    ■坂口安吾 桜の森の満開の下
    既読を再読。

    ■芥川龍之介 影 ★
    初読。
    芥川といいえばドッペルゲンガーなのでそういうことかと中盤で思わせておいて、ラストなんと映画だった? 夢だった? というオチ!
    しかもそれすら真実かどうか不明な放り出し方。凄い。
    しかし、「歯車」でも感じたことだが、狂気に飲み込まれそうな感覚を、それでも作品化「しちゃえる」ことが、逆に悲劇だったのかもしれないと考えたりもした。

    ■江戸川乱歩 芋虫
    既読

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    2025年06月24日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    夢野久作の「瓶詰地獄」とは、また思いきったセレクトだな。これに乙女用に絵をつけると、まあこんな感じにせざるを得ない。これをよしとするかどうかは、好みの問題か。個人的にはちょっと文章とのずれが気になるかな。

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    2025年05月25日
  • ドグラ・マグラ(上)

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     理解できる、やっぱり理解できない、を反復するような内容だった。
     正常と狂人の境目ってなんだろう。よく血液型診断に対して、人間が4パターンしかないわけないだろって言う人いるけど、むしろ分類できるほど人間って深くないのかも。
     きっと境目は線じゃなくてグラデーションなんだろうな。

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    2025年05月12日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    九州帝国大学医学部精神病科の七号室で記憶を失った主人公『私』が目覚めるところから物語がはじまる。

    内容としては面白かったものの、とにかくものすごく読み難い。
    まず上巻の後半半分から下巻の前半半分程を作中に登場する資料(論文、考察、インタビュー記事または映像の説明等)が延々と書かれている。
    やっと資料部分を読み終え語り手が主人公の『私』に移ったら、今起きている出来事が『私』の精神病による妄想や幻覚なのか、夢なのか、現実におこっていることなのかわからなくなる…

    以前から読んでみたかった作品なので読めて良かったけど、なかなか1回読んだだけでは理解が難しい作品だったので、再読したい。
    次はオーディ

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    2025年05月06日
  • 瓶詰の地獄

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    素敵な装丁に惹かれて読んでみました
    すぐに幻魔境へ誘い込まれる世界観に
    圧倒されました!!



    海難事故で遭難し 南国の孤島に
    流れついた可愛らしい兄と妹

    第1の瓶…
    第2の瓶…
    第3の瓶…

    それぞれの瓶には
    兄と妹が数年過ごした地獄のような
    状況が描かれる



    彼らが犯してしまった罪と罰
    そして…
    彼らに残された運命とは…



    抽象的な表現に 想像を掻き立せられ…
    余白を残す終わり方がたまらない!!

    美しく狂気を孕んだ文章に酔いしれました

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    2025年05月01日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

     耽美とは何なのか未だ理解できていないが、収録作から思うに愛憎、背徳、情念、倒錯、フェティシズム、幻想、狂気etcが入り混じったものか。そこにタナトス≒死への衝動が加味された、名だたる文豪らによる10編。

    「桜の森の満開の下」(坂口安吾)や「瓶詰地獄」(夢野久作)は本書のコンセプトをまさに体現している作品か。作家のフェチ全開「刺青」(谷崎潤一郎)、美しくニューロティックな幻想「夢十夜」(夏目漱石)、サスペンスからの意外な結末「影」(芥川龍之介)もそこに沿ったものかと。
    "美"という点では泉鏡花の「浮舟」、折口信夫「身毒丸」なのだろうが、個人的には独特の文体含め作品世界にハ

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    2025年04月25日
  • 空を飛ぶパラソル

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    名だたる傑作群を放った夢野久作であるが、さすがにすべての作品が傑作と称されるわけではない。「キチガイ地獄」は好みの作品だったし、意外と「老巡査」が正統派で良かった他は、なるほどこういう作風か、と認識させられることはあっても、さほど惹かれるものは感じることができなかった。しかしそれでもツンと澄ました人間の醜さを暴き出すかのような物語と言葉遣いは、抗いようがないニコチンの魔力に似ている。夢野久作は癖になるかもしれない。

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    2025年04月17日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    なかなか手を出すのを躊躇ってしまう、私にとってはハードルが高いと思ってしまう文豪たち。
    こういったテーマに沿ったアンソロジーは、手を出しやすく助かります。
    江戸川乱歩の「芋虫」と、太宰治の「駆込み訴え」が好きでした。

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    2025年04月15日
  • 人間腸詰

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    ドグラ・マグラ以外の作品を読んだことがないので購読。晩年の作品をまとめた短編集。タイトルからして出落ち感のある表題作よりも他の7編のほうが良いかも。

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    2025年03月23日
  • 瓶詰の地獄

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    初の夢野久作。「ネ」の使い方や言い回しが独特の雰囲気、空間に引き込まれた。魔術師っぽいな、ドグラマグラも読んでみたい。

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    2025年03月12日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    夢野久作の作品は大体好きですが、こちらはあまり好きではないです。思考を読者に受け取らせる気がないように感じます。「どこまで書くか、書かないか」の基準まで考え始めると、凡人の私には難し過ぎる話でした。

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    2025年03月11日
  • 少女地獄

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    夢野久作の命日
    遺作は「ドグラ・マフラ」…まだ読めてない

    「少女地獄」は 美しい少女達の変質的な人生
    3編

    「何でもない」
    医院を開業した医師の元に19歳の少女が看護婦を希望して現れる
    彼女は可愛く、優秀、そして気遣いの人
    申し分ない女性だった
    しかし、彼女のその姿は全て虚構
    あらゆる手段を使い嘘をつき通す
    最後にその嘘が発覚するのだが
    この少女の嘘は切ない
    彼女の妄想する自分は空想の中

    「殺人リレー」
    友人のバスガイドが運転手に結婚詐欺に合う
    殺人まで犯した男に、なぜか惹かれていく少女

    「火星の女」
    遺書的手記で真相を綴るのは
    女子高生の焼身自殺、校長の失踪、女教師の自殺
    金と色にま

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    2025年03月11日
  • 瓶詰地獄

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    孤島に流された二人が

    よくある「孤島に流された二人が」をテーマにした短編である。瓶に手紙を入れて流す、という手法との組み合わせが、新味といえば新味なのだがそれほどに意外性はない。最後のオチの部分の切れ味もまあ予想通りだ ということでいまいちである。

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    2025年03月02日
  • オシャベリ姫

    購入済み

    童話らしい童話

    次々とストーリーの舞台を自由に変えてゆくファンタジー童話らしい童話である。このような作品にありがちな、教訓モノと言って要素もほとんどないし、ましてやエログロ要素もまったくない。素直に読める作品である。

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    2025年03月02日
  • 縊死体

    購入済み

    ごくごく短い作品

    夢野久作のショートショートと言える作品である。ごくごく短い作品であるが、ショートショートの命とも言える終盤のオチも含めて手際よくまとめられている。意外感などもよく出ているが、ちょっと怖さが足らないかな。

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    2025年03月02日
  • お菓子の大舞踏会

    購入済み

    他愛もない教訓モノのおとぎ話

    ストーリーのあらすじから見ると他愛もない教訓モノのおとぎ話.童話である。読みどころ聴きどころは、お菓子たちが踊っているときの歌である。ちょっと中原中也を思い起こさせるような雰囲気を持っている。ドグラ・マグラで有名な夢野久作がこのような小品を残していたというのも面白い。

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    2025年03月02日