夢野久作のレビュー一覧
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ネタバレ■江戸川乱歩「鏡地獄」
既読を再読。
■谷崎潤一郎「人魚の嘆き」
未読のまま。
水島爾保布の挿画ありの中公文庫で読みたいので。
■小栗虫太郎「方子と末起」 ★
初読。まさことまき。
百合、スール、手紙のやり取りという少女小説、にして不思議の国のアリスモチーフ。
推理小説<恋愛小説。
■泉鏡花「妙の宮」 ★
初読。
たった4ページだが、なんでこんな風景を思い描いたのだろう? と。
■木下杢太郎「少年の死」
高原英理・編「少年愛文学選」で既読。
■坂口安吾「蝉―あるミザントロープの話―」
初読だが、混乱をそのまんま文章にした風情で、よくわからなかった。
Misanthrope はフランス -
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ネタバレ総題の漢字よし。
収集箱じゃつまらない、蒐集函なのだ。
カバーイラストも素敵。
新潮文庫nexというレーベルで、ヤングアダルトにこの作品たちを差し出した編集部、GJ!
■坂口安吾 桜の森の満開の下
既読を再読。
■芥川龍之介 影 ★
初読。
芥川といいえばドッペルゲンガーなのでそういうことかと中盤で思わせておいて、ラストなんと映画だった? 夢だった? というオチ!
しかもそれすら真実かどうか不明な放り出し方。凄い。
しかし、「歯車」でも感じたことだが、狂気に飲み込まれそうな感覚を、それでも作品化「しちゃえる」ことが、逆に悲劇だったのかもしれないと考えたりもした。
■江戸川乱歩 芋虫
既読 -
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九州帝国大学医学部精神病科の七号室で記憶を失った主人公『私』が目覚めるところから物語がはじまる。
内容としては面白かったものの、とにかくものすごく読み難い。
まず上巻の後半半分から下巻の前半半分程を作中に登場する資料(論文、考察、インタビュー記事または映像の説明等)が延々と書かれている。
やっと資料部分を読み終え語り手が主人公の『私』に移ったら、今起きている出来事が『私』の精神病による妄想や幻覚なのか、夢なのか、現実におこっていることなのかわからなくなる…
以前から読んでみたかった作品なので読めて良かったけど、なかなか1回読んだだけでは理解が難しい作品だったので、再読したい。
次はオーディ -
Posted by ブクログ
ネタバレ耽美とは何なのか未だ理解できていないが、収録作から思うに愛憎、背徳、情念、倒錯、フェティシズム、幻想、狂気etcが入り混じったものか。そこにタナトス≒死への衝動が加味された、名だたる文豪らによる10編。
「桜の森の満開の下」(坂口安吾)や「瓶詰地獄」(夢野久作)は本書のコンセプトをまさに体現している作品か。作家のフェチ全開「刺青」(谷崎潤一郎)、美しくニューロティックな幻想「夢十夜」(夏目漱石)、サスペンスからの意外な結末「影」(芥川龍之介)もそこに沿ったものかと。
"美"という点では泉鏡花の「浮舟」、折口信夫「身毒丸」なのだろうが、個人的には独特の文体含め作品世界にハ -
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夢野久作の命日
遺作は「ドグラ・マフラ」…まだ読めてない
「少女地獄」は 美しい少女達の変質的な人生
3編
「何でもない」
医院を開業した医師の元に19歳の少女が看護婦を希望して現れる
彼女は可愛く、優秀、そして気遣いの人
申し分ない女性だった
しかし、彼女のその姿は全て虚構
あらゆる手段を使い嘘をつき通す
最後にその嘘が発覚するのだが
この少女の嘘は切ない
彼女の妄想する自分は空想の中
「殺人リレー」
友人のバスガイドが運転手に結婚詐欺に合う
殺人まで犯した男に、なぜか惹かれていく少女
「火星の女」
遺書的手記で真相を綴るのは
女子高生の焼身自殺、校長の失踪、女教師の自殺
金と色にま -
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孤島に流された二人が
よくある「孤島に流された二人が」をテーマにした短編である。瓶に手紙を入れて流す、という手法との組み合わせが、新味といえば新味なのだがそれほどに意外性はない。最後のオチの部分の切れ味もまあ予想通りだ ということでいまいちである。
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童話らしい童話
次々とストーリーの舞台を自由に変えてゆくファンタジー童話らしい童話である。このような作品にありがちな、教訓モノと言って要素もほとんどないし、ましてやエログロ要素もまったくない。素直に読める作品である。
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購入済み
ごくごく短い作品
夢野久作のショートショートと言える作品である。ごくごく短い作品であるが、ショートショートの命とも言える終盤のオチも含めて手際よくまとめられている。意外感などもよく出ているが、ちょっと怖さが足らないかな。
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他愛もない教訓モノのおとぎ話
ストーリーのあらすじから見ると他愛もない教訓モノのおとぎ話.童話である。読みどころ聴きどころは、お菓子たちが踊っているときの歌である。ちょっと中原中也を思い起こさせるような雰囲気を持っている。ドグラ・マグラで有名な夢野久作がこのような小品を残していたというのも面白い。