夢野久作のレビュー一覧

  • ドグラ・マグラ(下)

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    前半部分は文章が難しく、硬くて読むのに少し時間がかかってしまったけど、文章が柔らかくなってからはするすると読めてしまったし、この物語を解き明かす真実を早く知ってしまいたいと急いで読んでしまっていました。物語が進んで行くに連れて、どんどん確信に迫っている感覚がありつつも、それが嘘だったり本当だったりと何が正しくて間違っているのかどんどんわからなくなっていくところが面白いと感じました。また、最後にやっとこの事件の真相がわかると思ったのに裏切られて結局思ってもみなかった方向に物語が帰結したのがなんとも言えず、好きでした。

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    2025年12月08日
  • 文豪死す

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    表紙や作者の紹介ページで使われるイラストがとても美しい。適度に服装、髪型は本人の雰囲気を残しつつ、完璧に美化されていてイラストレーターの腕の良さにたまげる。

    文豪たちの最後の作品を集めた本で、まとめて読むとその文豪らしさがよく感じられて良い。
    芥川の「歯車」 私も偏頭痛持ちだからこの現象(閃輝暗点)よくわかる!と共感するとともに、精神病になりやすい家系の人なんじゃないかと邪推してしまった。

    太宰の「グッド・バイ」 女性関係の華やかな作者の理想の別れ方を描こうとして、結末までいかなかったのは収集つかなかったのかな、と思った。

    梶井「のんきな患者」 若い頃から結核を患ってたから、今回の主人公

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    2025年11月30日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    内容は分かりやすく、面白いと思いました。
    大人向けの童話のようでとても幻想的でした。とても作品と挿し絵がマッチしていて美しかったです。

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    2025年11月22日
  • 猟奇歌 夢野久作歌集

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    ネタバレ

    好きなフレーズが多すぎて書き切れないので特に好きだと思ったものを。

    煙突が
    ドンドン煙を吐き出した
    あんまり空が清浄なので……

    黄道光は
    空の女神の脚線美さ
    だから滅多にあらはれないのさ

    内容は猟奇的だが不思議と読みやすい。
    謎にどこか懐かしい感じもする。
    初めて読んだ夢野久作、自分が好きなタイプなのかもしれない。さすがにまだドグラマグラを読む自信はないが…。

    慣れない言葉のものが複数あったが短いためか読みやすかった。

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    2025年11月07日
  • 犬神博士 アニメカバー版

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    あくまで淡々と書かれているのに、凄く引き込まれて、最後には手に汗握ってしまいます。
    何度も読み返していますが、いまだにこの引き込まれる感覚は新鮮です。
    これもドグラマグラの所為なのでしょうか。

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    2025年11月06日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    少女地獄を読んでから夢野久作の世界観にハマってしまい読みました。
    確かに文章が難しくて読みづらい部分はあったけど、理解できる内容ではあったし、奇怪なミステリーといった感じで面白かったです。
    上巻だけでは物語の全貌が掴めていないので下巻も買って早く読みたいなと思います。

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    2025年11月04日
  • 猟奇歌 夢野久作歌集

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    迫力と滑稽みがうまい具合に共存していて、綱渡りを見ているような気持ちになった。
    なんでかわからないけど、時折実家のような懐かしさを感じてしまう。
    良心が猿の形をしているのが面白かった。

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    2025年10月22日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    皆さん挫折する、『キチガイ地獄外道祭文』の部分の方がむしろ一番読みやすかったw テキ屋の口上みたいに音読出来てとても面白かった。あ、ここ『人間腸詰』っぽい。あ、ここ『犬神博士』か?とセルフオマージュというか内容入れ込みにも感じるところが多々あってとても楽しいwただまぁやっぱ長いっすよね、かったるい、飽きる飽きるwそれは仕方がないと思うw

    私としては寧ろここより小説部分の方が逆に読み進めにくいなぁと感じたw

    『たのしいプロパガンダ』って本があったけど…下手したらこういうノリなんだろうなと…怖くはなりました…w

    てか、解放治療って要は『シャッターアイランド』の世界だよねw

    あ-―-ア

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    2025年09月21日
  • 少女地獄

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    太宰治と夢野久作は、同じ「少女」を題材にしていますが、まったく異なる鏡の中に彼女たちを映し出しています。

    『女生徒』(太宰治)

    これはまさに、少女の「内面の純度」を丁寧にすくい上げた作品です。羞恥、憧れ、自己嫌悪、ささやかな虚栄心、死と生の間を漂うような感受性が見事に描き出されています。

    一見、何気ない日常を綴った一人称日記風の語りが続きますが、その中には「少女」であることのもろさと、同時にどこか気丈で背筋の伸びた誇りのようなものが垣間見えます。太宰自身がこの「女生徒」の語り口を模倣しながら、どこまでも真摯に「少女になりきる」ことで、ある種の理想化された少女像を創り出しているとも言えます

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    2025年09月20日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    どこから夢だかわからないけれど、わけもわからず悲しいことがおきて、辻褄を合わせるストーリーに縋って死ぬことで、いくぶんか救われたと思う。きっと、ふたりにとってはすべてがほんとうのこと。

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    2025年08月31日
  • 少女地獄

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    姫草ユリ子が自殺した。臼杵先生は、彼女の出会いからついた虚構まで、同じく翻弄された白鷹先生に手紙で語ってゆく。可憐で、美しく、誰からも好かれる姫草ユリ子。彼女の「何でも無い」人生の物語である。「何でも無い」の他に、「殺人リレー」「火星の女」の計3篇が収録。

    「ですから彼女は実に、何でもない事に苦しんで、何でもない事に死んでいったのです。彼女を生かしたのは空想です。彼女を殺したのも空想です。ただそれだけです」

    「何でも無い」というタイトルが秀逸。自分にとっては大変に重大で特別なことも、誰かにとっては何でも無いことなのかもしれない。
    個人的には「火星の女」がゴシック文学・幻想文学っぽくてかなり

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    2025年08月18日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    豪華すぎやろがい。この一冊でいろんな文豪の文章に触れられて楽しかった〜!百年ぶりに読んだ谷崎潤一郎が良すぎて大興奮。そしてはじめて読んだ泉鏡花が激ムズすぎてひっくり返った。文章が独特でわけわからんくなりながら、描写がきれいなことだけは伝わってくるのが不思議でなおさらわけわからんくなっていたような。いや、でも、でも、やっぱり江戸川乱歩すきですァ〜!しかも「芋虫」って。何回読んでもウワァ…ってなる。たまらない。

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    2025年08月12日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    好奇心、ただそれだけの気持ちで読み続けた。読み続けられた。面白いから。最高だ。高揚するとはこれか!
    読んでる途中、自分が夢を見た時、少しの間それを現実だと思い込んで、「あれ?あそこ難波やっけ?あの人とはいつ知り合ったっけ?」と、
    全く知らん場所と人に対して、まるで自分の人生の一部だったと思わせた、夢と現実の境がなくなった事があって。
    これは、私は本当に狂えたのか?!とテンション上がった自分になんか引いた。
    これが厨二病ってやつなのかな。

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    2025年08月11日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    夢野久作の『瓶詰地獄』と素敵なイラストがコラボする、乙女の本棚シリーズ第6巻です。
    とある役場から海洋研究所に宛てて3つのボトルメールが打ちあがった旨の手紙が送られます。
    手紙の内容はそれぞれ遺書、神への懺悔、両親宛ての助けを乞うもの、でした。
    この手紙を出した太郎とアヤ子、二人は大海原を漂流した末にたどり着いた島で長く暮らすことになる兄妹です。
    食料や資源などの豊富な島であったので兄妹は特に不自由なく生活をすることができましたが、長い年月により成長したお互いの肉体を異性として意識するようになっていきます。
    男と女の関係となってしまったものは兄妹には戻れず、それは社会的にも認められないものでし

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    2025年07月22日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    2025/5/20
    圧倒的な情報量を提示することで、ある種ナンセンス文学的な氾濫空虚な感覚を与える。それにしても、下巻でも相変わらず文章表現のお上手なこと。脳髄とビフテキ等にみられる、文学的単語矛盾で強い印象を与えたと思えば、女の麻酔姿を神秘の国に生まれた貝の剥き身と表現する比喩のうまさ。作中で出てくる死語のアナグラムなど、夢野は「日本語」のセンスが卓越している印象。これが、いつまで経っても彼の作品が色褪せない衝撃を持ち合わせている理由。読者の浅学の自覚を強要してくる、支配的蠱惑に魅了される作品。

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    2025年06月05日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    ネタバレ

    2024/12/12(木)
    胎生学・反復説の学理オマージュに始まり、「時間」と言う人工的で絶対的概念へのアンチテーゼ。唯物医学への懐疑。不自然と倒錯の美学。これら夢野の属人的観念を、鷹揚で行動的な権威の象徴である正木博士という人物を媒介として、圧倒的な筆致により表出表現している。文学が衒学的であることの重要性を再確認できるし、これが1935年に書かれたとは、たとえ大正教養主義の文脈を考慮した上でも、にわかに信じがたいほど。現代でも衝撃を与えるほどの先進性に、真実は常に先見性を孕んでいることを確信。御退屈様。

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    2025年06月05日
  • 少女地獄

    購入済み

    登場人物が皆若いのに驚く

    表題作の「少女地獄」が何と言っても読み応えがある。人はみな自分をよく見せたいという願望を持っているものだが、その願望がいびつに膨らんだ女を、90年も前の作品とは思えない、わかりやすい筆で描ききっている。この作品に限らず「人生50年」の時代だったせいか、登場人物が皆若いのに驚いてしまう。

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    2025年05月03日
  • 近世快人伝

    購入済み

    進路を誤らせた

    この作品の登場人物が皆 作者夢野久作に関わりのある人物と知って大変に驚いた。昭和初期の右翼の巨頭「杉山茂丸」が父親だなんて。ドグラ・マグラに代表される作者の作風からは全く想像できない生い立ちだったんだな。その右翼たちの言動は「快男児」と言えるのだろうが、大日本帝國の進路を誤らせた と言えると思う。

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    2025年04月05日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    空前絶後の幻魔怪奇探偵小説。
    「…ブウウ―ンン――ンン…。」という時計の音で初まり、同じ音で終わる物語世界。徹頭徹尾己が誰か己の名前も分からぬ主人公(果たして彼は呉一郎なのか否か)。怪人めいた二人の大学教授。奇妙奇天烈雑多、絢爛たる様々なテクスト――『ドクラ・マグラ』の中の「ドグラ・マグラ」、精神医療現場の地獄を喝破した祭文語り、「脳髄は物を考える処にあらず」という超絶探偵小説と題する談話、系統発生を繰り返す個体発生の内に胎児の見る先祖から親に至るまでの歴史を繰り返す夢、世にも奇妙な遺書、遺書なのだか活動写真の描写なのだかなんとも奇天烈文体。心理遺伝という不可思議(本当にそんなこともあるかもし

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    2025年03月15日
  • 瓶詰の地獄

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    『鉄鎚』と『支那米の袋』がお気に入りです。
    全体的に、誰も皆、最初は自分の異常性に気付かないものですね。

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    2025年03月11日