夢野久作のレビュー一覧
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読みやすい
幻想 怪奇モノを得意とした作者夢野久作らしい作品である。ありえないことをおどろおどろしく描き出した作品ではなく、戦争中ならたとえ現代でも実際にあり得るかもしれない と思わせるところにこの作品の真価がありそうな気がする。短編ということもあるので、夢野久作の中では読みやすい作品になりそう。
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透き通った童話
ドグラ・マグラの作家 夢野久作の作品とは思えないほど、透き通った童話である。あえて人生訓 や教訓めいた要素を盛り込まず、これと言った悪人も登場させず、ひたすら哀しくも美しい仕立て上げている。女王も多くの生き物を助けるために、やむを得ず二人を犠牲にした ということなのだろうが。
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童話っぽい体裁を取っているが
童話っぽい体裁を取っているが、「卵」が象徴的に意味する内容が、作者夢野久作が得意とするエロっぽいようなややグロテスクな雰囲気をうまく醸し出している。ところどころに男女間の関係ですよ と示唆する文章が入っているが、このような示唆がまるでない方が、より童話的象徴的でいいような気もする。
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オチがどうも
ミステリー風のタッチで話が進んでゆくので結構ワクワクして読み進めていった。科学を信奉する船長の考えに肩入れしていたが、オチについては結構がっかりしてしまった。もう一捻りすると面白い作品になったと思うのだが、これでは中途半端な印象がしてしまう。
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妄想と現実のあいだ
妄想と現実のあいだの微妙な関係を、精神病者の口を借りて描きあげている。ストーリーの舞台を二重三重に重ねてゆく技法は、なかなかに見事である。いわゆる「キチガイ」の話すことだと言っても、どこか本当っぽいニュアンスが潜んでいて読者をハラハラさせる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ何だか切なくて、可哀想な話だと思った。
せっかく海難事故から逃れて、兄妹2人、南国の楽園のような島にたどり着いて生きながらえたのに、聖書という書物があったからゆえに、ある意味その地で生きるには不要な知識を植え付けられてしまい、悩み苦しむことになってしまったのだ。
聖書を読んでいなければ、一般的な世界でタブーと言われることは起こってしまったかもしれないが、2人とも、そこまで深刻に思い悩むこともなく、楽しい人生を送れたのではないか。二度と元の社会へ戻れないのであれば、今いる土地で幸せに生きられる道を模索することの方が、ずっと良いのではないか、と考えさせられた。
色々な解釈ができると思うのだが、私は、第二の瓶の内容を書いた時点では、2人は肉体的魅力に翻弄されつつも、プラトニックラブの範疇でいられていると解釈した。兄妹とはいえ、男女の肉体美に囚われて、性的に惹かれてしまうことは、そんなにいけないことなのだろうか。聖書を熟知していない私は、この2人は信心深くて偉いなぁと少し不思議に思いつつも感心してしまった。
この本のように、知らなければもっと身軽に、気軽にできることって、世の中にはたくさんあるのだと思う。その人のより良い生き方にとって、足枷となる考え方が、何食わぬ顔でそこら中にゴロゴロ転がっているような気がして、自らを縛りつけている人間の思想とか常識とかが、少し恐ろしくなった。
罪の意識を持って、自戒することは、時と場合によって必要なのかもしれないけれど、いつか死ぬと分かっているこの命を全うする中では、いつまでも自分は罰せられるべき人間と思っていないで、いつか自分を赦してあげるときがきてもいいのではないか。そのほうが楽に生きられるし、前向きに生きて何かいいものを生み出せた方が、生まれてきた甲斐はあるのではないかと、私は思ってしまう。
だから、ここまで思い悩んで苦しんでいる2人を見て、いたたまれない気持ちになった。もう、仕方がないんだから、楽しく生きれる考え方で生きていいんだよ、と言ってあげたい。
夢野久作の作品は、初めて読んだと思うが、初見で読んだだけでは理解できないところも多く、考えさせられてとても面白かった。文章もキレイだし、他の作品も読んでみたい。イラストも悩ましい様子が表現されていて、世界に入り込むことができた。
やっぱり、乙女の本棚シリーズ、最高!
シリーズ制覇できるように頑張ろうと思う。 -
Posted by ブクログ
「乙女の本棚」というシリーズで、文豪の名作に人気イラストレーターがイラストをつけた、大人向けの絵本シリーズらしいです。
恥ずかしながら、夢野久作はドグラマグラしか知らず、この「瓶詰地獄」を読んだことがなかったので、「えっこれだけ?抜粋版なのかな?」と思ってしまいました…
(後で元のを読みましたが、元々短いお話でした)
絵が綺麗です。
このホノジロ・トウジさんというイラストレーターの方は「刀剣乱舞」のイラストレーターもしてらっしゃるとのこと。
ちょっと夢野久作の作品に充てるには美化しすぎな気もしましたが、それはそれでいいんじゃないかと。
ただ話の内容と絵が合ってない細かい部分があったのでそれだけ少し気になりました。
この後、普通に文字だけの「瓶詰地獄」買ったんですが、やっぱり手に取りやすいのはこちらの方ですね。
こういうのをきっかけにして、文学がどんどん普及していったら嬉しいです。