夢野久作のレビュー一覧

  • キチガイ地獄

    購入済み

    妄想と現実のあいだ

    妄想と現実のあいだの微妙な関係を、精神病者の口を借りて描きあげている。ストーリーの舞台を二重三重に重ねてゆく技法は、なかなかに見事である。いわゆる「キチガイ」の話すことだと言っても、どこか本当っぽいニュアンスが潜んでいて読者をハラハラさせる。

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    2025年03月02日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    ネタバレ

    何だか切なくて、可哀想な話だと思った。
    せっかく海難事故から逃れて、兄妹2人、南国の楽園のような島にたどり着いて生きながらえたのに、聖書という書物があったからゆえに、ある意味その地で生きるには不要な知識を植え付けられてしまい、悩み苦しむことになってしまったのだ。

    聖書を読んでいなければ、一般的な世界でタブーと言われることは起こってしまったかもしれないが、2人とも、そこまで深刻に思い悩むこともなく、楽しい人生を送れたのではないか。二度と元の社会へ戻れないのであれば、今いる土地で幸せに生きられる道を模索することの方が、ずっと良いのではないか、と考えさせられた。

    色々な解釈ができると思うのだが、

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    2025年02月06日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    幻想的で美しくもあるが、なんで沈まなあかんねん、って言いたくなるんですよね。

    イラストと物語の世界観はとてもマッチしていました。

    2024.11.18
    189

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    2024年11月19日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    美しい童話みたいだけど、最後は死んでしまったなぁ。
    湖の中に御殿があり、女王様が住んでいるの、竜宮城みたいに描きそうだけれど、ドレスに冠をした女王様となぜかメイド服みたいなミミが描かれるので西洋風に感じる。
    鐘を作るルルはほっそりしていて長い三つ編みなのて、ちょっと女の子みたい。でも文章の雰囲気に合っている絵だと思う。

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    2024年11月19日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    南の島に漂着した少年少女の兄妹の物語。
    島に閉じ込められたことと、瓶の中に物語を閉じ込めたことが掛かっているのかな?
    兄妹で愛し合ってしまったと憂いている内容で、挿絵も美しいのだけど、本当はロビンソン・クルーソーのような格好だったんだろうなあ。

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    2024年11月18日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    妖しげな姫様(?)の絵が好みでジャケ買い。近代文学史に名を残す文豪たちによる怪作集。「桜の森の満開の下」「芋虫」「夢十夜」は以前読んだことがありましたが、今回も変わらずおもしろくて好きな作品です。個人的には「白蟻」のいい意味で「何を読まされているんや…?」という気持ちになり印象的でした。

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    2024年11月05日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    「乙女の本棚」というシリーズで、文豪の名作に人気イラストレーターがイラストをつけた、大人向けの絵本シリーズらしいです。

    恥ずかしながら、夢野久作はドグラマグラしか知らず、この「瓶詰地獄」を読んだことがなかったので、「えっこれだけ?抜粋版なのかな?」と思ってしまいました…
    (後で元のを読みましたが、元々短いお話でした)


    絵が綺麗です。
    このホノジロ・トウジさんというイラストレーターの方は「刀剣乱舞」のイラストレーターもしてらっしゃるとのこと。


    ちょっと夢野久作の作品に充てるには美化しすぎな気もしましたが、それはそれでいいんじゃないかと。
    ただ話の内容と絵が合ってない細かい部分があったの

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    2024年11月03日
  • 縊死体 乙女の本棚作品集

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    乙女の本棚シリーズでおなじみ、ホノジロトヲジさんのイラスト作品集。
    あらためて読み返してみても夢野久作や泉鏡花との相性がよすぎて、どれも妖艶&崇高な雰囲気が醸し出されている!
    お目当てだったイラスト描き下ろし短編『縊死体』は、ストーリーにあわせて夕刊を模した仕様になっており、ポップと不気味なテイストの融合がたまらない。乙女の本棚シリーズでの新作も楽しみ。

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    2024年10月28日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    改めて読むと、夏目漱石や江戸川乱歩の文章のなんと読みやすいことか。

    個人的には夢野久作の瓶詰地獄が、短編のなかに、考えさせられる構成の工夫があり、謎解きのようで面白かった。
    わかりやすさや時系列がシンプルな今時には見られない昨日だった。、

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    2024年10月27日
  • 少女地獄

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    夢野久作、小栗虫太郎は、決して面白くないというわけではなく、むしろ好きな方ですが、常識や理性が揺さぶられる。個人的には「火星の女」が好きかな。ペッペッ。

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    2024年09月27日
  • 少女地獄

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    17さいの夏に東京に連れていった。不穏さも爽やかであり、少女のグロテスクな心情が癖になる感じだった。

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    2024年09月26日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    この美しい、楽しい島はもうスッカリ地獄です。
    浜辺に流れ着いた3通の手紙。そこには、遭難した兄妹の無人島での生活が綴られていた。

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    2024年09月19日
  • 犬神博士 アニメカバー版

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    ネタバレ

    主人公の掴みどころのなさがこの作品の魅力だと思う。序盤は虐待されても親を慕い続ける健気な少年、中盤からやんちゃさや狂気が見えてきてぞくりとする。
    個人的には前から中盤の掴みどころのなく不思議な世界観が大好き。

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    2024年09月15日
  • あやかしの鼓 夢野久作怪奇幻想傑作選

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    全話2度読みしました…
    短編だけど、何度読み直してもわからなくて、永遠に出口が見つからない

    夢野久作の異世界に迷い込む感覚がたまらない…
    まさに幻想文学の真骨頂。
    この方を超える人は、なかなかいないのでは?

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    2024年09月15日
  • 人間腸詰

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    「ネオン・サインが極楽の光なら、水銀燈は地獄のアカリなんでしょう。」p32

    「偉大なオデコ」p78

    「そんなものは印象し過ぎるほど、印象しておりますから。」p226

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    2024年10月18日
  • 瓶詰の地獄

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    瓶詰めの地獄が別格で良かった。
    最後の手紙でいろいろ想像させられる。
    他の小説や映画でも聖書がよく出てくるので、段々気になってきた。

    狂気的な女性が出てくる話が好きだけど、少女地獄で感じた狂気の方が好みだった。

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    2024年08月30日
  • 少女地獄

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    短編集だった。昔から女は男性を利己的で狡いと表現しているところに時代を超えても変わらない価値観を見つけた。

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    2024年08月15日
  • 文豪死す

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    文豪6名の最後を飾った作品を集めたもの。同じような趣旨で、デビュー作代表作を集めた「文豪誕生」も読んで出版社の策にとても共感している。
    表装は今風というかアニメタッチな文豪が1人、芥川だろうかと想像する。
    登場する6名の文豪、初めましての方もいて、読書の門扉が少し開けた気がする。
    それでも好きになったかと言うとそこまでではないが、この点が点と合って線になっていくんだろうなと思う。
    特に芥川龍之介はこの作品でちょっと興味をもった。そして梶井基次郎は檸檬の他に機会があって良かったと思う。

    文豪死すも文豪誕生も、名前は知っているけどそこまでじゃないと言う人にはぴったり。機会があったら読んでみると良

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    2024年08月15日
  • 文豪死す

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    「文豪たちの最期を飾った名作を読む」
    それぞれの作家の年表、代表作品ガイド、人物相関図、ゆかりの地、行きつけの店も記載されていてとても面白く読めました。

    やっぱり太宰治の『グッド・バイ』はものすごく面白いので未完なのがとても残念です。続きが読みたいです。中島敦『李陵』はほとんどが漢字で読みにくくて挫折してしまいました。
    また、泉鏡花の『縷紅新草』は、非常に文体の美しい傑作と言われているようですが、なんとなく雰囲気は掴めるものの読むのに苦労してしまいました。

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    2024年07月10日
  • 少女地獄

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    念願の夢野久作第1冊目。
    予想よりも読みやすく、面白かった。

    なんでもない、けむりを吐かぬ煙突が好み。

    昔の日本女性って私なんかより肝が据わってて艶かしくて「ホホホ、、、」と笑う

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    2024年07月09日