夢野久作のレビュー一覧

  • ちくま日本文学全集夢野久作
    なんといっても「氷の涯」なのですね。ラストが必見です。夢野久作が書簡体や一人称語りなどを魅力的に使用していることが「瓶詰地獄」などでうかがえたりします。
  • 押絵の奇蹟
    高校時代に熱愛した怪奇幻想小説。
    米倉斉加年の色っぽい表紙が魅力的だ。
    久作の「押絵の奇跡」、「ドグラマグラ」、乱歩の「押絵と旅する男」、正史の「かいやぐら物語」「真珠郎」がドストライクの趣向だった。
    これらの作品で、で自分の嗜好の方向性が決定付けられた。

    「不義密通!」と叫んで妻と娘を斬り殺すと...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    梶井基次郎文学忌、檸檬忌。
    何回目かの「檸檬」は、げみさんのお陰様で今までになく理解できた気がしています。

    得体の知れない不吉な塊。
    焦燥や嫌悪等では言い表せないその塊から檸檬爆弾という彼の希望の象徴で解放される。

    丸善は西洋の思想の表現か、贅沢の象徴かな。
    ずーっと丸善は東京駅のところ丸善だと...続きを読む
  • 乙女の本棚4 檸檬
    乙女の本棚3連発の2作目。何気にちゃんと読んだのは初めての、檸檬。

    イラストも相まってとても美しくビビッドな作品でした。真っ暗なところからみずみずしい黄色い檸檬に情景が変わるところがありありと目に浮かび、だから檸檬一つで心持ちが変わる主人公の気持ちも理解できました。

    それにしてもマジで爆弾だった...続きを読む
  • 乙女の本棚10 赤とんぼ
    新美南吉文学忌、南吉忌又は貝殻忌
    咽頭結核で29歳で死去。

    赤とんぼの擬人化は思い切っていて可愛い。
    赤とんぼと東京から来た少女のふれあい、つながり。書生の若者らしいちょっとしたイジワル。
    ねこ助さんの風景も少女もとても綺麗。

    貝殻忌は、「貝殻」という詩から

    かなしきときは
    貝殻鳴らそ。
    二つ...続きを読む
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男
    好きなイラストレーターさんと好きな文豪なので即購入しました。絵本なので多少の文章量の省略があるのかな…?原作だともっと長い感じだけど…。私個人としては小説を持ち歩くより、こっちの乙女の本棚シリーズ持ち歩きたいと思うくらい好きです。全巻集めてみたいけど、絵本だから凄く高くて全巻集めるのは流石に無理かも...続きを読む
  • 乙女の本棚8 夢十夜
    夏目漱石先生+しきみさんのコラボ!即購入しました。イラストが凄く綺麗。鑑賞用として買っても後悔しないと思う。小説を読んでいても思ったけど、やっぱり夏目漱石先生の文章って凄く言葉遣い良いですよね。全巻集めたいけど、結構な値段するので月に一度のペースで買おうと思っています。シリーズの名前が凄く尊い。乙女...続きを読む
  • ドグラ・マグラ(上)
    ヨビノリさんの影響で衝動買いした奇書

    「胎児の夢」
    進化の過程を辿る胎児の夢、先祖の心理遺伝

    「地球上に狂人でない者はない」
    癖や性格などは自分をコントロールできない一種の例
    狂人を見て笑う者は自分は例外だと思っている

    途中の論文は読むのが苦痛に感じる部分も少々

    内容は面白いし惹かれる

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  • ドグラ・マグラ(下)
    奇怪

    少なくとも一読では何も理解できない
    すぐにコンガラカル

    ただ夢野久作の頭のおかしさに絶句する

    途中の論文を読むのには骨を折るが
    もう一度読んだら違った発見がある
    その勇気はないけど

    怖い
    現実と無関係には思えない
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄
    夢野久作命日、遺作は「ドグラ・マグラ」
    1928年『猟奇』

    海洋研究所に漂着した手紙の入った3本のビール瓶
    それは、孤島に漂流した兄妹からの手紙
    一方通行の書簡体系式。
    時間を遡って手紙が読まれる。
    タイトル「瓶詰地獄」のセンスの良さ。
    悲劇的状況の中で二人という幸福。
    心身の成長と共に変化する関...続きを読む
  • 死後の恋(乙女の本棚)
    夢野久作命日、死因は脳溢血。
    1928年 「新青年」

    ロシア貴族の血を持つ男。
    日本の軍人を捕まえて「死後の恋」を語る。
    独白体形式。

    ロシア革命直後、ウラジオストク。
    親から譲り受けた見事な宝石を隠し持つ、美しい少年兵との関わり。

    分隊は壊滅、絶命する仲間。
    少年兵と偽っていた少女は、生きた...続きを読む
  • ルルとミミ(乙女の本棚)
    夢野久作、命日。享年47歳。
    1926年 九州日報

    残酷で美しい童話のような。
    水晶のように光る湖。
    鐘作りに失敗した父が沈む。兄が沈む。
    花の鎖で兄の元へ。
    夢想的な美しさと現実的な孤独感が湖に沈む。
    美しいけれど寂しげな物語にねこ助のコラボがとても素敵でした。
  • 乙女の本棚5 押絵と旅する男
    文豪と言われる人の書く話は難解すぎて何を伝えたいのか、自分らだけが分ればいいとおもっているのか、それともかまってちゃんのように難解にすることによってこの作品だけを考えて、理解してから次の作品を読んで欲しいと考えているのか??感想を書くようになって徐々にだけど、本を読むことが苦痛になって全然読めなくな...続きを読む
  • ルルとミミ(乙女の本棚)
    とてもきれいな文章と、美しいイラスト。
    洋服とお寺の鐘がミスマッチできれい。
    二人はかわいそうではないと思う。
  • ドグラ・マグラ(上)
    男の目が覚めると、自分の過去に関する記憶が全て失われていました。
    男は、九州大学の精神病科にいましたが、ある怪事件の目的は何か、犯人が誰かという真相を明らかにするため、医学教授若林博士が記憶を回復させようとしていました。

    男は若林博士から絶世の美少女が許嫁と言われ、彼女のためにも記憶を喚び起こそう...続きを読む
  • 瓶詰の地獄
    近代文学を克服すべく、あれこれ読んでいるうちに出会った夢野久作。湿っぽくて残酷で恐ろしいのにどこかワクワクしてしまう自分がいるような。
    いずれドグラ・マグラにも手を出そうかと思います。
  • ドグラ・マグラ(下)
    これまで読んだことのないような、精神が翻弄される奇書。
    読者の脳の働きを試されているかのよう。
    再度、映画(DVD)を観てみるつもり。
  • 乙女の本棚3 葉桜と魔笛
    「あたしは、ほんとうに男のかたと、大胆に遊べば、よかった。あたしのからだを、しっかり抱いてもらいたかった。…お悧巧すぎた。…あたしの手が、指先が、髪が、可哀そう。死ぬなんて、いやだ。いやだ。」
    病気で死ぬ間際にある妹のこの言葉が胸に刺さった。若い時分に死ぬということは、したいことが叶えられぬうちに死...続きを読む
  • 乙女の本棚7 蜜柑
    芥川龍之介の作品は子どもの頃以来かも。
    蜜柑を汽車の窓から弟達に向かって投げる少女(おそらく)とその光景が文章から鮮やかに目の奥に浮かび上がるのだが、この絵本がさらに鮮やかなものにしてくれる。
    辛い別れの場面なんだろうが、暮れゆく夕焼け空と金色の蜜柑、本当に綺麗な絵だ。
  • ルルとミミ(乙女の本棚)
    夢野久作初めて読んだけど世界観が綺麗でした。特に最後の池のシーンが幻想的だった。2人とも沼の中で幸せに過ごせているといいな。