夢野久作のレビュー一覧

  • 人の顔

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    幼子の健気さ 不思議さ

    幼子が持つ一種の超能力を題材にして母親の浮気を暴き出した作品である。作家夢野久作の特徴とも言える残虐味がないせいで、素直なファンタジーっぽい作品になっている。それだけに幼子の健気さ 不思議さがより一層際立ってしまう。

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    2025年03月02日
  • 人間腸詰

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    江戸下町言葉の語り口

    江戸下町言葉の語り口がとても快い。陰惨でグロテスクなところもあるストーリーがこの語り口で随分と読みやすくなっている。肝心のストーリー内容も短編でありながら場面展開が多く波乱万丈の趣があってとても良い。数多くの夢野久作の作品の中でも屈指の名作と思う。

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    2025年03月02日
  • 戦場

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    今も続いている「戦場」

    西ヨーロッパでは第二次世界大戦よりも第一次世界大戦のほうが遥かに被害が大きかった。その第一次世界大戦の中でも屈指の消耗戦 ヴェルダンの戦いの悲惨な一面を描き出している。エログロ的なイメージが付きまとう作者夢野久作であるが、このような作品もあったのだと認識を新たにした。このような塹壕戦が今もウクライナで続いていることを思うと暗然たる思いである。

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    2025年03月02日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    オーディオブックだったので、上下まとめて聴きました。どこから下巻かわからなかったので、本の感想は上巻のコピーです。

    日本三台奇書のひとつ。
    名作なので、表紙をなんとかして欲しい。
    長く、読みにくく、難解。活字をあきらめて、オーディオブックで挑戦しました。

    ミステリーという器に、グロテクスさ全部乗せ!
    といった印象です。
    しかしながら、物語の奇抜さで読ませるのではなく、繊細な心理描写、情景描写が秀逸でのめり込みました。感じました。名作かと。

    前半繰り広げられる、無意味とも思えるストーリーが、後半見事に繋がっていく所に鳥肌が立ちました。ただ、前半は読むの(聴くの)が辛い…。

    この本が、50

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    2025年01月11日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    日本三台奇書のひとつ。
    名作なので表紙を何とかして欲しい。
    長く、読みにくく、難解。活字をあきらめて、オーディオブックで挑戦しました。

    ミステリーという器に、グロテクスさ全部乗せ!
    といった印象です。

    しかしながら、物語の奇抜さで読ませるのではなく、繊細な心理描写、情景描写が秀逸でのめり込みました。感じました。名作かと。

    前半繰り広げられる、無意味とも思えるストーリーが、後半見事に繋がっていく所に鳥肌が立ちました。ただ、前半は読むの(聴くの)が辛い…。

    この本が、50年近く前に書かれたなんて…。
    本って素晴らしい。読書って素晴らしい。

    以下、備忘録
    呉一郎の目の光を押し返す。
    死人の

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    2025年01月11日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    この本を繰り返し繰り返し走り読みたいと思う。
    それと同時に、この本によって人生を棒に振ることになるのでは無いかと恐ろしくなる。

    読後「捕まえられた」と感じる程、脳は考察に縛られ、手はまた頁を捲り同じ音を繰り返し聞く。
    話は単純だが、仕組みは複雑。

    考察を読んで掴もうとすると、こちらの理論が崩れほどき直してキリがない。
    精神が異常になるというより、精神を『ドグラ・マグラ』に捕えられる。

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    2024年12月09日
  • 冥土行進曲

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     短編集『狂人は笑う』(一九七七年, 角川文庫)に「冥土行進曲」を追加し、改題・復刊された内容。谷口基による解説(pp308-314)によると「冥土行進曲」は遺稿であり、失敗作だとする評者(西原和海)もいるようであるが、この短編が追加されるかされないかで、本書の読後感はだいぶ変わるのではないか。冒頭に収められた「狂人は笑う」から、七編目の「爆弾太平記」までは、書かれた当時の混沌とした時代背景と、食うか食われるかの人間関係が緊張感をもって描かれているが、果てしなく陰惨で殺伐としている。その殺伐さがあまりにも突き抜けていて笑うしかない「爆弾太平記」のあとに付け足された「冥土行進曲」は見事な冒険活劇

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    2024年11月28日
  • 冥土行進曲

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    海上ものの話が多くて苦手な部類なんだけど、珍しく面白く読めた。
    久しぶりに夢野の精神世界に迷い込みに行った訳だけども、みんな狂っていて好き。
    角川で続々と復刊してるの本当に有難いです。
    切れ味の良い狂いっぷりでざわざわしてるこの本、後味は割とほっこりめで終わるのでスッキリしてる。
    怪奇中の怪奇で怪奇小説が好きな人は向くと思う。
    ハマりましたね久々に。

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    2024年11月26日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    ネタバレ

    解説にも書いてあるとおり全て理解するのは無理なんだろうなと思いました。
    個人的な解釈として堂々巡りなのだと感じました。
    ループもののように繋がっている冒頭と終わりのブーンという音や主人公の今起きている事を先月にもやっていたのではないか?という疑問。
    若林先生が話しているドグラ・マグラを書いた大学生のこと。読み終わってからこの部分を再度読み、この本の事を本の中でも言及しているのだと気付きました。
    伏線を探すために見返しているこれを書いている私自身。
    本の中の1000年前と大正15年、主人公の把握できる今日と1か月前、読み始めと読み終わりでぐるぐる回って主人公も読んでいる私も一生理解出来ないし終わ

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    2024年11月03日
  • タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-(新潮文庫nex)

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    とても良い!!!!!!!
    読んだことあるやつもあったけど、乱歩の芋虫、坂口安吾の桜の森の満開の下、太宰治の駆込み訴え、辺りが気になっていたので読めてよかった。

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    2024年10月01日
  • ドグラ・マグラ(下)

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    大変疲れた結果、ものすごい振り回されたなと思ったのが正直なところ。
    そういうことかと思った次の瞬間には全然そんなことなかったし、上巻もさることながら、下巻の半分まではとても読みにくくて苦労した。
    葉巻の煙を掴もうと躍起になる。そんな作品でした。

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    2024年09月25日
  • 猟奇歌

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    意外とボリュームある連作歌でもいうべき一編
    人が人を殺したいという一瞬の願望を切り取った短歌が連ねられている

    #ドロドロ #共感する #ダーク

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    2024年08月27日
  • 青水仙、赤水仙

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    悲しい結末にいかなくて良かった幻想譚
    実際は絵具を一緒に埋めてもその色の水仙は咲かないと思うから
    これで良かった

    #胸キュン #感動する #ほのぼの

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    2024年08月27日
  • 瓶詰地獄

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    今にして、でなくても
    インセスト・タブーってそんなに悪い事でもないんだよな
    本能的に遺伝的に近縁だと忌避するとも言うが
    忌避する物に倒錯的に魅入られるのも自然だ

    #怖い #切ない #ドロドロ

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    2024年08月27日
  • ルルとミミ(乙女の本棚)

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    かわいそうではかない物語。
    乙女の本棚を読んだ中でまた再度読みたいと思える。ドグラマグラを小説で読んだ時は難しいのと得体の知れない気持ち悪さを感じたがこれは切ない。原作を読んだらまた違う感想になるのだろうか。

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    2024年08月14日
  • ドグラ・マグラ(上)

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    紙面をびっしり覆う言葉たち。
    読むのに気力がいるものだから、ものすごく時間がかかってしまった。
    下巻は毎日少しずつより一気に読み進めるのがいいかなと検討する程でした。

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    2024年07月18日
  • ドグラ・マグラ(上)

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     三大奇書でありアンチミステリーでもある本作は現実と虚構が交錯していく、もしくは現実そのものが虚構であり、読んでいたもの全てが現実の紛い物ではないか、と思わせる奇妙な感覚が終始纏わりついていた。下巻も早く読みたい。

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    2024年06月19日
  • 冥土行進曲

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    ネタバレ

    夢野久作はなんだかんだで結構読んでる気がしたけど、これはどれも読んだことない短編集だった。いや、普通に読んだことあるけど忘れてるというのも全然ありうるけど。

    本作は、タイトルにもなっている「冥土行進曲」が実は夢野久作の遺稿でもあり、ラストに満を持して登場するのだが… それまでの短編の完成度が高すぎたのか、ちょっと拍子抜けだった。未完成だったのかも知れない。

    なぜか船や炭鉱の話が多く、設定もなんか似通っていて繋がってるのかと思いきや、特にそうではない。
    そしてどの話も夢野久作作品らしく、二転三転四転していく。もはやどれが真実だかわかりゃしない。だがそれでいいんだ。
    「焦点を合わせる」が一番行

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    2024年06月12日
  • 少女地獄

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    何んでも無いを目当てに読んだけど他の作品にも度肝抜かれた。
    この世界観かなり好み。

    基本は男女の話なんだけど常に性別だけじゃない上下関係が纏わりついてる。
    一見わからない、説明しづらい少女(少女性)の強さが描かれていると思う。

    ただ年が若いことが少女ではない。
    ここで描かれている少女とは、自分より社会的に強い者の心の中に入り、動かしてしまうことができる女のことだと個人的には思う。

    その力は、鈍器で殴るような強さではなく、いつの間にか入り込み、気付いた時には手遅れになっている毒のような強さだと感じた。

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    2024年06月07日
  • 乙女の本棚6 瓶詰地獄

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    ネタバレ

    いつだって、二人きり、二人だけが暮らす世界というものは、歪むというのか、美しいというのか、とても特殊な環境にならざるを得ない。二人が男女なら尚更……その環境内において、相手に対して覚える嬉しさや盛り上がってくる気持ちと、背徳感のような、後ろめたさのような、虚しい気持ちと。そして気持ちがいっぱいになったら縋るのは、神様という
    とても究極的な世界観だと思いました。(ちょうど今、愛することについて学んでいて、その中で神話からの引用がとても多いので、そういう事を思いつくのだと思います。)個人的にはとても好きです。

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    2024年06月02日