夢野久作のレビュー一覧
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登場人物が皆若いのに驚く
表題作の「少女地獄」が何と言っても読み応えがある。人はみな自分をよく見せたいという願望を持っているものだが、その願望がいびつに膨らんだ女を、90年も前の作品とは思えない、わかりやすい筆で描ききっている。この作品に限らず「人生50年」の時代だったせいか、登場人物が皆若いのに驚いてしまう。
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進路を誤らせた
この作品の登場人物が皆 作者夢野久作に関わりのある人物と知って大変に驚いた。昭和初期の右翼の巨頭「杉山茂丸」が父親だなんて。ドグラ・マグラに代表される作者の作風からは全く想像できない生い立ちだったんだな。その右翼たちの言動は「快男児」と言えるのだろうが、大日本帝國の進路を誤らせた と言えると思う。
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空前絶後の幻魔怪奇探偵小説。
「…ブウウ―ンン――ンン…。」という時計の音で初まり、同じ音で終わる物語世界。徹頭徹尾己が誰か己の名前も分からぬ主人公(果たして彼は呉一郎なのか否か)。怪人めいた二人の大学教授。奇妙奇天烈雑多、絢爛たる様々なテクスト――『ドクラ・マグラ』の中の「ドグラ・マグラ」、精神医療現場の地獄を喝破した祭文語り、「脳髄は物を考える処にあらず」という超絶探偵小説と題する談話、系統発生を繰り返す個体発生の内に胎児の見る先祖から親に至るまでの歴史を繰り返す夢、世にも奇妙な遺書、遺書なのだか活動写真の描写なのだかなんとも奇天烈文体。心理遺伝という不可思議(本当にそんなこともあるかもし -
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幼子の健気さ 不思議さ
幼子が持つ一種の超能力を題材にして母親の浮気を暴き出した作品である。作家夢野久作の特徴とも言える残虐味がないせいで、素直なファンタジーっぽい作品になっている。それだけに幼子の健気さ 不思議さがより一層際立ってしまう。
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江戸下町言葉の語り口
江戸下町言葉の語り口がとても快い。陰惨でグロテスクなところもあるストーリーがこの語り口で随分と読みやすくなっている。肝心のストーリー内容も短編でありながら場面展開が多く波乱万丈の趣があってとても良い。数多くの夢野久作の作品の中でも屈指の名作と思う。
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今も続いている「戦場」
西ヨーロッパでは第二次世界大戦よりも第一次世界大戦のほうが遥かに被害が大きかった。その第一次世界大戦の中でも屈指の消耗戦 ヴェルダンの戦いの悲惨な一面を描き出している。エログロ的なイメージが付きまとう作者夢野久作であるが、このような作品もあったのだと認識を新たにした。このような塹壕戦が今もウクライナで続いていることを思うと暗然たる思いである。
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オーディオブックだったので、上下まとめて聴きました。どこから下巻かわからなかったので、本の感想は上巻のコピーです。
日本三台奇書のひとつ。
名作なので、表紙をなんとかして欲しい。
長く、読みにくく、難解。活字をあきらめて、オーディオブックで挑戦しました。
ミステリーという器に、グロテクスさ全部乗せ!
といった印象です。
しかしながら、物語の奇抜さで読ませるのではなく、繊細な心理描写、情景描写が秀逸でのめり込みました。感じました。名作かと。
前半繰り広げられる、無意味とも思えるストーリーが、後半見事に繋がっていく所に鳥肌が立ちました。ただ、前半は読むの(聴くの)が辛い…。
この本が、50 -
Posted by ブクログ
日本三台奇書のひとつ。
名作なので表紙を何とかして欲しい。
長く、読みにくく、難解。活字をあきらめて、オーディオブックで挑戦しました。
ミステリーという器に、グロテクスさ全部乗せ!
といった印象です。
しかしながら、物語の奇抜さで読ませるのではなく、繊細な心理描写、情景描写が秀逸でのめり込みました。感じました。名作かと。
前半繰り広げられる、無意味とも思えるストーリーが、後半見事に繋がっていく所に鳥肌が立ちました。ただ、前半は読むの(聴くの)が辛い…。
この本が、50年近く前に書かれたなんて…。
本って素晴らしい。読書って素晴らしい。
以下、備忘録
呉一郎の目の光を押し返す。
死人の -
Posted by ブクログ
短編集『狂人は笑う』(一九七七年, 角川文庫)に「冥土行進曲」を追加し、改題・復刊された内容。谷口基による解説(pp308-314)によると「冥土行進曲」は遺稿であり、失敗作だとする評者(西原和海)もいるようであるが、この短編が追加されるかされないかで、本書の読後感はだいぶ変わるのではないか。冒頭に収められた「狂人は笑う」から、七編目の「爆弾太平記」までは、書かれた当時の混沌とした時代背景と、食うか食われるかの人間関係が緊張感をもって描かれているが、果てしなく陰惨で殺伐としている。その殺伐さがあまりにも突き抜けていて笑うしかない「爆弾太平記」のあとに付け足された「冥土行進曲」は見事な冒険活劇
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Posted by ブクログ
ネタバレ解説にも書いてあるとおり全て理解するのは無理なんだろうなと思いました。
個人的な解釈として堂々巡りなのだと感じました。
ループもののように繋がっている冒頭と終わりのブーンという音や主人公の今起きている事を先月にもやっていたのではないか?という疑問。
若林先生が話しているドグラ・マグラを書いた大学生のこと。読み終わってからこの部分を再度読み、この本の事を本の中でも言及しているのだと気付きました。
伏線を探すために見返しているこれを書いている私自身。
本の中の1000年前と大正15年、主人公の把握できる今日と1か月前、読み始めと読み終わりでぐるぐる回って主人公も読んでいる私も一生理解出来ないし終わ -