夢野久作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ夢野久作先生らしい、「人」の持っている恐怖を扱った作品集だと思った。また、人によって解釈の方法があるのも夢野先生らしいと感じた。先生が考える背景を理解できなかったので、様々な人の解説記事を読んでみたけれど、実に様々な解釈があって面白かった。特に『瓶詰地獄』は面白かった。
『死後の恋』はよくわからなかった。『悪魔祈祷書』は、店主の嘘(?)をずっと独白するということかな。『支那米の袋』は、とってもよくできていると思った。人間の残虐性や非情さがもっともわかりやすく著している作品だった。
『難船小僧』は、よくわからなかった。とりあえず、迷信を恐れないでやったから良かったということかな。
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Posted by ブクログ
夢野久作氏の代表作を3つ網羅したが・・・
普通の本屋で他の作品って売ってるのかな。
いいよね。あの明治あたりのハイカラ文化の雰囲気。
豪傑な九州男児の悶着は、ちょっと雰囲気違うけど、文体の心地よさは健在。すき。
子どもが主人公の作品は、映像での作品化は難しいのではないかと思う。
「子どもは子どもにしかなり得ない。」
複雑な感情の機微を演技に置き換えていくにはきっと経験値が足りなくて、客観的にしかとらえられないからじゃないかと思う。
それをあえて映像に挑戦するなんて野暮なことはしないで、
だからこそ、小説を、漫画を読む意味を考え、味わいたい。
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Posted by ブクログ
ネタバレ『ドグラ・マグラ』は、昭和10年に刊行された日本三大奇書のひとつだ。
物語は、主人公である「わたし」が、自分の名前すら思い出せない、記憶喪失の状態で目覚めるところから始まる。
そこに関わるのが、法医学者の若林と精神科学者の正木という二人の博士。
彼らの導きのもと、「わたし」は自分が何者であるのかを探る物語だ。
本作は時系列が極めて錯綜しており、読者は今どの時間を読んでいるのか、何度も見失うことになる。
さらに厄介なのは、語り手である「わたし」が精神に異常をきたしている点だ。
現実と夢が、同時に進行しているかのように語られる。
いったいどこまでが真実なのか、文章からは判別ができない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ本作は探偵小説に分類されるようだか、単なるジャンル文学として消化するにはあまりにも意義のある読書体験だった。
作中では、唯物論的アプローチを批判する文書がいくつか挿入されているが、ひどく簡単に換言すれば、「正常」な精神を備えた人間など存在しない、ということなのではなかろうか。そのことについて、これまで考えたこともなかった深度で考えさせられた。
物語筋の部分については、前述の文書で提示された視座が、後半で本筋の物語へと回帰する際に、読者に解釈の余白を与えてくれていたので、「こーゆーことかな、あーゆーことかな」と長い余韻のなかで結末を味わうことができた。
とはいえ、何だかよくわからないという