夢野久作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
夢野久作氏の代表作を3つ網羅したが・・・
普通の本屋で他の作品って売ってるのかな。
いいよね。あの明治あたりのハイカラ文化の雰囲気。
豪傑な九州男児の悶着は、ちょっと雰囲気違うけど、文体の心地よさは健在。すき。
子どもが主人公の作品は、映像での作品化は難しいのではないかと思う。
「子どもは子どもにしかなり得ない。」
複雑な感情の機微を演技に置き換えていくにはきっと経験値が足りなくて、客観的にしかとらえられないからじゃないかと思う。
それをあえて映像に挑戦するなんて野暮なことはしないで、
だからこそ、小説を、漫画を読む意味を考え、味わいたい。
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Posted by ブクログ
まず装画が怪しげで綺麗!いわゆるジャケ買い
あとタイトル『疵の迷楼』別世界へと誘い込まれるような魅惑的な感じに加え、名だたる文豪たちの作品に興味を引かれてしまう。
まだ、このとき耽美という言葉の意味を理解していなかった。ただ「美しい」くらいにしかとらえていなかったので読んでみたら本当の意味を思い知らされ、常軌を逸した世界への入り口だった。
なかなか普通の感覚では理解、共感し難い作品ばかり。どの作品も何かに心を奪われていたり、病的にのめり込んでいたりと現実からかけ離れていて危うい空気が漂っている。
抗いがたい好奇心や欲望、まるで[パンドラの箱]を開けてしまったようなそんな感じだ。
収録されて -
Posted by ブクログ
ネタバレたしかに読んでいて頭がちょっと狂ったかも。嘘か本当かわからないもっともらしい理論だが、ここまでなるほどと思わせればたいしたもん。
時計の音で目覚めると自分には記憶がなく、精神病院に入れられていた、というオープニングから、実は精神異常になった自分が毎日目覚めてからの一日を延々と何度も繰り返しているのではないか、そしてそれを学者がじっと観察しているのではないかという結末までまさしく想像力・妄想力を極限まで刺激された。作中作が登場するメタ構造や、なにも書かれていない巻物を見ただけで呪われた先祖の行いを再現してしまうという設定、どちらが正しいのかわからない二人の医者、しかもそのうちの一人が自分の父